東海総合通信局/北陸総合通信局 視覚障がい者向け音声案内システム実験レポート

カテゴリ:社会実験・各種検証 / 2005年12月07日

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総務省東海総合通信局および北陸総合通信局は12月7日、名古屋市中区のオアシス21バスターミナルで「視覚障がい者のための公共トイレ音声案内システム公開フィールド試験」を実施した。

ICタグリーダーを搭載した携帯電話で音声案内

実験では、携帯電話を持ったモニターがトイレ内部に設置されたICタグに端末をかざすと、個室トイレ内のレイアウト情報を携帯電話が音声案内する一連の流れが披露された。仕組みとしては、ICタグから読み込んだ情報をインターネットを介してサーバーに照会し、当該のトイレのレイアウト情報を携帯電話に配信し、音声案内をおこなうというものだ。

今回の実験では、KDDIおよびNTTドコモの2社がそれぞれ携帯端末を用意。KDDI(写真左)
はICタグリーダーにゲタ型のアダプタを、ドコモ(写真右)ではコネクタ接続型のICタグリーダーが装着されていたが、どちらもかなりコンパクトなサイズに収まっており、これなら携帯性が損なわれることはないだろう。

なお音声案内の方法だが、KDDIの端末ではサーバから音声ファイルをダウンロードする方式をとっており、ドコモの端末ではテキストファイルをダウンロードし端末側の音声読み上げ機能を利用している。

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上:案内画面(ドコモ)
下:トイレの壁に設置されたICタグ。ICタグの下に書かれているコード(E0080……)がインターネットを介してサーバに送られ、公衆トイレのレイアウト情報が端末へ落とされる

公共トイレ利用の不安を払拭して、自立的な移動を支援

公衆トイレのレイアウトは一律でなく、トイレットペーパーや推薦レバーの位置などでとまどうことが多いため、視覚障がい者にとっては外出意欲を阻むひとつの理由となっているという。実験に参加したモニターのひとりは、「外へ出ても公衆トイレはほとんど利用しないが、音声で案内されればいくぶんか利用しやすくなると思う」と語っていた。

コスト面で有利なICタグ

歩行者ITSの分野では、すでに実用化されているPHSやGPS(屋外)、また実験が昨年のITS世界会議や万博で披露された赤外線、Bluetooth、無線LANなどさまざまな方式が試みられている。また端末も専用の案内端末を用意しているケースもあれば、今回のような携帯電話に接続するタイプのもの、方向センサーなどを別に携帯しなければいけないものなどもあり、試行錯誤の段階というのが実際のところだった。

その点、今回の実験は携帯電話にICタグ、インターネットといったいわば「あり物」で実現していることが興味深い。実際、あるスタッフは「実用化を考えた場合、ローコストであることが非常に重要。その点、赤外線やBluetoothに比べてICタグはコスト面で有利」と語っている。基盤システムについても「特に難しい技術ではなく開発の手間はほとんどかからない」とのことで、当面の課題は公衆トイレデータの集積と、よりコンパクトな携帯電話端末の開発、システムの運用を委託する管理団体の設立等といった問題くらいという。

今回の実験では、携帯電話のリーダーをICタグにかざしていたが、この場合、利用者があらかじめICタグがどこにあるかを知っておく必要がある。タグにリーダーをかざすことなく自動で音声案内が始まれば利便性はより高まるように感じた。

この実験は仙台でも行われることになっており、システムの信頼性や利用者の地域性などを調査したうえで、実用化に向けて動き出すということだ。

 
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