関係者に聞く 「CBCのワンセグサービスとは?」(前編)

カテゴリ:ワンセグ / 2006年03月23日

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 4月1日からワンセグの本放送が始まる。このワンセグのデータ放送と、通信を介してのプル型コンテンツ提供とを組み合わせたサービス実験にいち早く取り組み始めたのが日本最初の民間放送局として知られる中部日本放送(CBC・本社名古屋市)だ。

 CBCは3月6~17日までの期間に、地上デジタル放送の携帯端末向け「ワンセグサービス」で百貨店ガイドなどの地域情報を配信するという、全国でも初めてとなる実証実験を実施した。

 この実験は、CBCが現在行っている「ワンセグサービス」試験放送のデータ放送領域で百貨店ガイドなどの地域情報を配信するというもの。ジクー・データシステムズと共同開発したリアルタイム地域情報配信システム(「ITSスマートモール」システム)を利用している。

 ワンセグ対応の携帯電話でCBCのチャンネルに合わせ、データ放送モードにすると、「ITS Smart Mall」の表示が現れる(今回の実験では、情報提供する時間帯は平日の14:00-17:00に限られている)。

 ワンセグのデータ放送領域は容量が限られるため、データ放送領域はサイトマップというか各コンテンツへのリンクが貼られている状態になっている。見出しをクリックすれば、通信を開始してコンテンツが閲覧できる、という仕組みだ。今回の実験では松坂屋名古屋本店の協力を得て、売り場案内やレストランの営業時間、それに店内スタッフのブログなどのコンテンツを提供している。ワンセグのデータ放送と通信を通じて地域情報を配信するサービスは、今回が全国で初の試みだ。なお、名古屋テレビ放送(メ~テレ)では、インターネットに接続した家庭用のテレビでメール配信の仕組みを利用した「TVメルマガ」で、地域情報を配信している(レポートはこちら)。

 今回の実験について、CBCのテレビ編成局でメディア・コンテンツセンター長の水谷昌孝氏とメディア・コンテンツ部副部長の和田隆氏、およびジクー・データシステムズ取締役・開発部長の本丸達也氏に話を聞いた。

■放送・通信連携の時代に放送局が取り組むべきサービス

――今回の実験のポイントと目的は。

水谷氏(以下敬称略)「まず、もっとも身近なツールである携帯電話を使ってITSを体感できるところが重要だ。これまでわれわれはテレビ放送というマスへ向けた仕事をしてきたが、ワンセグの本放送がこの4月から始まることで放送・通信連携の時代がいよいよやってきた。これからはポイント的・ローカル的な情報提供にも取り組んでいかねばならないという宿題をいただいた気がしている」

和田「携帯電話で受信できるワンセグは、放送と通信が一体になった移動体向きのサービス。映像の下に有効なコンテンツを出せるので実際の行動や購買に結びつきやすく、地域情報の配信が非常に有効と考えた。このワンセグの特徴とITSスマートモールの目的が合致したので、地域密着型の情報配信を一緒にやっていこうとうことになった。

 放送というプッシュ型コンテンツと通信によるプル型のコンテンツをどうやって一本のラインにつなげていくか。今回の実験は、これからの放送に必要不可欠なアイディアを突き詰めていく良い機会だった」

■電波に乗せる以上、「放送」のフィルターを通したうえでコンテンツを提供せねばならない

――今回のような街ネタのコンテンツ制作は、局だけではかなり負担が大きいと想像するが、作り込みはどのようにおこなっていくのか。

和田「基本的には番組取材の際に、データ放送用の地域情報の収集をしていく予定だが、これからは地域の方からいただいた情報をもっと活用していこうと考えている。自分たちでつくったものだけではなく、お客様からのお店の口コミなどユーザとのやりとりの中から出てきた情報を積極的にとりこんでいきたい。

 ワンセグのデータ放送領域だけでなく、クリックした先のコンテンツ部分も同じ画面上に表示される。そこで放送として問題のある表現があってはならない。したがってすべての情報は放送と同様のフィルターを通して編集していく作業が不可欠だ。インターネット上のコンテンツと違うのはまさにこの点だ」

水谷「今回の実験のような地域情報の提供は、われわれのようなローカル局だからこそできるもの。たとえば、栄や名駅といった繁華街を訪れる番組で、データ放送と商店街の情報配信をすることができる。そこが強みだ」

本丸「データ放送に使われているBMLでは、表示する場所や時間などを指定して表示できる。事前にスケジューリングして、時間をカットし編集していくという、インターネットなどのコンテンツ制作とはまた別のノウハウが必要。テレビ局であるCBCからそのノウハウを得られたことは大きい」(後編に続く)


CBC テレビ編成局 メディア・コンテンツセンター長 水谷昌孝氏


CBC メディア・コンテンツ部 副部長 和田隆氏

取材協力:総務省東海総合通信局、中部日本放送、ジクー・データシステムズ
聞き手:水野誠志朗
構成・まとめ:北島友和(ITS DAYS)

 
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