【中部ITSフォーラム2007】
8月3日、「中部ITSフォーラム2007」が愛知県豊田市にて開催された。今回のテーマは「ITSでまちと暮らしの未来が見えてくる」。ITSの世界は、最初期の研究・開発段階を経て、実用サービスへの展開等を見据えたセカンドステージへと進化している。ITSはすでに交通やシステムの枠を超え、人々のライフスタイルを変革するキーワードのひとつになりつつある。今回のフォーラムでは、ITSの今後のビジョンや課題などを取り上げつつ、まちと暮らしの未来像について提案が行われた。
東京モーターショーにも出展されたコンセプトカー「i-swing」
国土交通省中部地方整備局道路部長/酒井利夫氏
(財)豊田都市交通研究所副理事長・所長/太田勝敏氏
異文化コミュニケーター/マリ・クリスティーヌ氏
名古屋大学大学院教授/森川高行氏
ノンフィクション作家/山根一眞氏
エッセイスト/山村レイコ氏
ITSフェスティバル2007 in とよた・メイン会場
基調講演はノンフィクション作家の山根一眞氏。「『脱・わかりにくいITS』で未来を築け」をテーマに講演を行った。過日アメリカで発生した橋の崩壊事故等をさっそく取り上げ、日本においてもインフラ設備のリプレース時期に差し掛かっていると指摘。より安価で効率的なインフラ整備にITSを活用すべきとした。さらに山根氏は、産業革命に代わる新たな革命として、環境を主眼に据えた「環業革命」という造語を披露。ITSは未来の理想モデルを提示する存在であって欲しい、との意見が出された。
続いて行われたパネルディスカッションでは、(財)豊田都市交通研究所長・太田勝敏氏をコーディネーターとし、マリ・クリスティーヌ氏、森川高行氏、山根一眞氏、山村レイコ氏の各パネラーによる議論が行われた。
山根氏は、官が口にする「市民参加」を実現するには、具体的なインセンティブを見せる必要がある、と語った。
森川氏は、環境ITSを構成する「クルマ」「交通」「発生抑制」という3つの要素を紹介した他、ITSが交通社会の負の面を消すだけでなく、様々な可能性を広げる存在である旨の意見が出された。
山村氏は、環境は人々の意識が重要であるとし、自身の経験を踏まえたエピソードが披露された。
マリ氏は、モビリティの向上は人々の「自立」を促すとし、あらゆる人々が自立したクリエイティブな生活を送るために、ITSがどれだけサポートできるかが重要、と語った。
ディスカッションの途中では、トヨタが開発したコンセプトカー「i-swing」が場内に登場するというサプライズが盛り込まれた。パーソナルモビリティの概念を根底から覆す可能性を秘めたi-swingは、会場を訪れた多くの聴衆の注目を浴びていた。
【中部ITSフェスティバル2007】
8月3日(金)~5日(日)の3日間、豊田市中心部6箇所にて、ITSを紹介する様々な催しが開催されている。イベントステージではタレントも登場するなど、ITSを一般の人々に広く理解してもらおうとする取り組みの一環である。フェスティバルの詳細はこちら。
【安原武志(DAYS Inc.)】
