「ITSあいち県民フォーラム2017」開催

カテゴリ:講演・セミナー / 2017年06月07日

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ITSあいち県民フォーラム2017
愛知県ITS推進協議会が毎年主催する愛知県民向けITS啓発イベント「ITSあいち県民フォーラム2017」が、去る6月7日、栄ガスホールにて開催された。「ITSがひらくモビリティ社会」というテーマで、3名の講師による講演が行われた。

【講演1(基調講演)】交通まちづくりにおける自動運転の進展による課題解決の可能性
交通ジャーナリスト 鈴木 文彦 氏

鈴木 文彦 氏

鈴木 文彦 氏
本格的な少子高齢化を迎えつつある日本では、特に地方における移動環境や、重要な社会インフラである公共交通のあり方をもう一度問い直す必要がある。さらに地域交通の現場では近年、それを支えてきた担い手の不足と高齢化にも悩まされている。こうした問題を解決する救世主のような存在として「自動運転」技術が注目されているが、鈴木氏は、すぐにでも自動運転が普及するかのような過大な期待は禁物、と指摘する。バスなどの公共交通の自動運転技術は現在各地で実証実験が行われており、2020年からの実用化を目指している段階だ。また、技術的な到達(課題克服)と普及は異なるフェーズで考える必要もある。実証実験等における成功事例を蓄積していく一方で、当面の課題を解決していくために、例えば路線バスと無料通院バスを混合運行する、といった人材・資材の有効活用が必要である、とした。

【講演2】自動運転車を巡る法的課題
NPO法人 ITS Japan 法務主査 佐藤 昌之 氏

佐藤 昌之 氏

佐藤 昌之 氏
自動運転が本格的に普及する社会を見据え、避けては通れない大きな課題が、自動運転車が起こした事故の責任問題である。自動運転車が事故を起こしたという想定で模擬裁判を繰り返し、その課題を洗い出す取り組みが紹介された。自動運転車が目前の危機に直面したとき、車両に搭載されたAIがどのような選択をしても必ず被害が生じる状況において、どのような選択肢が合理性を持つのか。いわゆる「トロッコ問題」として古くから知られる倫理学の思考実験のような状況が実際に起きることが想定されている。それに対する米国の取り組みや、googleが取得した自動運転に関するリスクマネジメント特許の内容等が紹介された。また、目前の危機回避のためにAIが法定速度を超える挙動を容認する必要がある等、様々な課題が提示された。 また、将来起こりうる自動運転による事故の紛争解決手段として、専門の仲裁機関を作るべきではないか、といった案が紹介された。

【講演3】自動走行システムに必要な車車間通信・路車間通信技術の開発
株式会社デンソー 研究開発1部 担当次長 小林 顕二 氏

小林 顕二 氏

小林 顕二 氏
クルマ同士が通信を行い、お互いの位置を認識する「車車間通信」や、路側に設けた歩行者検知センサーとクルマが通信し、歩行者の接触事故を抑止する「路車間通信」の研究開発を続けているデンソー。実際の道路における通信性能を評価するため、各地で公道実験を行っている様子が紹介された。また救急車に車車間通信システムを装着し、車車間通信で一般車両がスムーズに避けられるかの検証や、それによって救急車の現場到着時間がどの程度短縮されるか、といったシミュレーション結果も提示。通信エラーを減らす工夫等も紹介され、技術開発が進んでいることを強く印象づけた。自動運転というと、一般的にはクルマに搭載されたカメラやセンサーによる自律的な走行を想像しがちだが、車車間通信、路車間通信との組み合わせにより、さらに安全・確実な自動走行の実現が期待できる、として講演を締めくくった。


DAYS Inc.

 
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