2008年1月19日、愛知県豊田市・豊田商工会議所で「環境ITSシンポジウムin豊田」(主催:NPO法人 ITS Japan)が開催された。「環境ITS」とは、環境問題の改善にITSを活用していこう、という趣旨の元、ITS Japanが主導するコンセプトだ。
会場には多くの聴衆が詰め掛けた
エコドライブガイド機能装着車もデモ展示
ITS Japan常務理事・小出公平 氏
早稲田大学環境総合研究センター参与・石太郎 氏
ITSプラットフォーム21理事長・河野安宣 氏
表彰式の様子
第一部では、環境ITSのプロジェクト紹介として、ITS Japan常務理事・小出公平氏から「環境ITSのコンセプトと計画概要」が紹介された。産官学の連携による様々な環境ITS関連プロジェクトは今後、市民参加による発展体制が重要である、という点が強調された。
次に登壇した環境ITS推進委員会主査で日建設計総合研究所・森島仁氏からは、「環境ITS社会実験のとりくみ」が報告された。自動車利用のメリットとデメリットを総合的に踏まえた“かしこいクルマの使い方”提案のほか、市民参加ツールのひとつとなる環境ITSポータルサイト(http://e-its.jp/)の紹介が行われた。
第二部では、豊田市都市整備部専門監・加藤泰氏より、豊田市の交通まちづくりの取り組み内容が報告された。豊田市は道路交通における自動車分担率が他地域平均より高く、公共交通利用率が低い。時差通勤やエコドライブの推奨など、市民の交通行動転換を促進し、また、そのための様々なインセンティブ施策が紹介された。
続いて、早稲田大学環境総合研究センター参与・石太郎氏によるコーディネートでパネルディスカッションが開催された。登壇者は以下の通り。
名古屋大学大学院・剣持千歩 氏
アイシン精機(株)技術企画室 主担当・清水克正 氏
とよたエコライフ倶楽部 環境カウンセラー・浅野智恵美 氏
NPO法人 ITSプラットフォーム21 理事長・河野安宣 氏
剣持氏からは、自動車のデメリットを最小限に抑えるモビリティ・マネジメントを促進する『ECOで行こう!』『チャレンジE-CO2(コーツー)』といった環境ITSモニター実験が紹介された。また清水氏からは「これなら自分も簡単にできる」と思える仕組み・インセンティブの重要性が強調された。
浅野氏からは、自らの体験を例に挙げ「エコドライブ」や「ワンコインバス」など、一般市民にも徐々に馴染んできた豊田市の独自施策を評価しつつ、豊田市民の環境意識はまだ決して高いわけではなく、環境問題を自分自身の問題として捉えることが大切、と語った。
河野氏は、今回のシンポジウムに集まった顔ぶれに見られるように、多彩な人々が集まって行動することが重要であるとした。また、ITSプラットフォーム21が運営する環境SNS「じゃんだらリング」などの取り組みも紹介された。
最後に石氏による総括として、豊田市は決して特別に恵まれた地域ではない、どこの町であっても(環境改善施策の)プランニングはできるし、地道にコツコツと積み上げていく努力は不可欠である、との意見でシンポジウムを締めくくった。
また、今回の環境ITSシンポジウムでは、引き続き第三部として「豊田市まちづくり懸賞エッセイ表彰式」が行われた(主催:愛知学泉大学・ITSプラットフォーム21)。総数380件の応募の中から、最優秀賞、優秀賞、佳作に選ばれた市民・学生が表彰され、安城学園理事長・寺部暁氏より表彰状が授与された。今回の応募数の盛況ぶりを受け、豊田市まちづくり懸賞エッセイは今年も開催される予定だ。
【安原武志(DAYS Inc.)】
