より「使える」テレマティクスへの進化トヨタ G-BOOKアルファ

カテゴリ:特集:より「使える」テレマティクスへの進化 / 2005年10月20日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 
安全も娯楽も手に入れる何でもアリのテレマティクス

概要:DCM搭載を武器に高度なサービスを提供

トヨタ・日産・ホンダ3社のテレマティクスで、その高度なシステム、機能の豊富さで圧倒的といえるのがG-BOOKアルファだ。ハードウエアからして他社とは一線を画しており、DCMと呼ばれる専用の通信機器を搭載。いちいち携帯電話を接続しなくても通信機能が使えるようになっている。DCMの通信速度は 2.4Mbpsと非常に高速で、携帯電話を使う場合の数十倍も速い。しかも、いくら使っても料金は定額だ。

この贅沢な通信環境にものを言わせ、考えつく限りのサービスを網羅しているのがG-BOOKアルファだ。機能が多ければ優れているとはいえないが、それでも3社の中でもっとも高級かつ豪華なテレマティクスであることは間違いないだろう。

渋滞予測に基づいた渋滞の回避や、飲食店などのコンテンツは当然として、G-BOOKアルファの大きなセールスポイントとなっているのが安全性の向上だ。ヘルプネットと呼ばれる機能があり、たとえばエアバッグが作動すると専門のオペレーターに自動的に接続、ドライバーから応答がなければ意識不明と判断して救急車の手配をするといったことができる。また、予期しないエンジン始動があった場合にメールで知らせる、盗難にあったら位置追跡をするといったGセキュリティ機能も搭載している。これらの機能はどれもG-BOOKアルファでしかできない芸当だ。

同時にアミューズメントにも力を入れており、この点も道具としての利便性を追求する他社との違いといえる。具体的には、最新の流行曲など楽曲の購入や通信カラオケが楽しめる。なお、G- BOOKアルファはDCMを搭載しないプランがあったり、ヘルプネット、Gセキュリティも車種によって利用できる機能に違いがあるなど、やや複雑。G- BOOKアルファならここで紹介した機能が必ず使える訳ではないので注意して欲しい。

システム図
利用料金(2005年10月現在)
プラン名 新車初年度 継続・中途契約
A 携帯電話利用
(通信費お客様負担)
無料 3,600円/年
B DCM利用
(パケット使い放題)
無料 12,000円/年
C B + 自動車専用
ハンズフリー電話
auの携帯電話所有の場合
無料 18,000円/年
D B + 自動車専用
ハンズフリー電話 auの携帯電話を所有しない場合
21,000円/年 33,000円/年

上記はG-BOOKアルファの料金であり、従来のG-BOOKの料金は別途設定されている
機能により、別途料金が必要な場合がある

対応ナビゲーションシステム(2005年10月現在)
ナビ 種別 対応車種
G-BOOKアルファ対応HDDナビ メーカーオプション アルファード、アルファードハイブリッド、クラウンロイヤル、クラウンアスリート、ラクティス
G-BOOKアルファ対応HDDナビ NHDN-W55G ディーラーオプション DCM取り付け不可 カムリ、ヴィッツ、プロボックスなど47車種
ステアリングスイッチはステアリングの右側。クルーズコントロールなどのスイッチがあることもあって、ナビ、テレマティクス系のスイッチはボイスコマンドとハンズフリーのスイッチに限られる
ディスプレイはこのように可動式。ナビ機能とは関係ないが、CD、DVD、MDなどの出し入れがやりやすく、これは便利だ

ポイント1:ヘルプネットとGセキュリティ

ヘルプネットの利用パターンは2種類。一つはナビでメニューからヘルプネットを選択する方法で、ロードサービスの手配のほか、警察や消防への回線接続ができる。このとき、自分がいる場所は自動的に送信される仕組みだ。DCM接続なら携帯電話無しでも利用できる。もう一つはエアバッグが動作したときに自動的にオペレーターにつながるもので、これはエアバッグ連動タイプのDCMが必要となり、対応車種はまだ限られている。

なお、G-BOOKアルファには有人のオペレーターサービスがあるが、ヘルプネットはオペレーターサービスとは独立した機能で、ヘルプネットセンターの専門オペレーターが対応する。もちろん365日、24時間対応だ。

一方、Gセキュリティはエンジン始動通知、オートアラーム通知、位置追跡サービス、警備員の派遣などが可能。こちらもDCMが必要となる。また、対応車種は少ないが、オートアラーム連動フラッシュカメラ、リモートロック、リモートハザードといった機能も用意されている。


Gセキュリティの設定画面。各機能の設定、解除は簡単にできる。アラーム通知はバットセキュリティシステムの取り付けが必要だ

ポイント2:音楽もカラオケも楽しめる

G- BOOKアルファは世界初のオンデマンドカーオーディオ、Gサウンドを搭載しており、通信によってさまざまな曲を購入、再生することができる。といっても曲のデータをダウンロードするのではなく、ナビゲーションシステムのHDD内に最初から1000曲以上もの楽曲が保存されおり、通信によってそれらのファイルを再生する権利を購入する仕組みだ。最新の曲もメンテナンスCDとして順次供給される。1曲あたりの値段は、1日だけ聞ける権利が30〜80円。30 日なら70〜180円、無制限なら100〜315円とリーズナブルだ。

オーディオ関連の機能ではもう一つオートライブ機能があり、こちらはカラオケやBGMを購入できる。Gサウンドと同様にカラオケ1万曲、BGM800曲があらかじめ保存されているが、ダウンロード購入も可能だ。

このほか、アミューズメント系の機能として飲食店情報などが手に入るG-BOOK.comもある。内容はG-るるぶ、G-Walkerグルメといった旅行、グルメ情報から、ラブホテル情報専門のラブホ?ナビまで非常に多彩だ。ただし、別途料金が発生するコンテンツも多い。

あらかじめ1000曲以上がプリインストールされているGサウンド。それぞれの曲は視聴したうえで購入することができる
さまざまなコンテンツを楽しめるG-BOOK.com。飲食店情報だけでなくリモートメンテナンスなど一部の機能もここに収録されている

ポイント3:DCMで音声通話も

G- BOOKアルファの多機能ぶりはまだまだ紹介しきれない。注目すべき機能を挙げると、まずDCMによる音声通話がある。別途料金が必要ではあるが、DCM をデータ通信だけでなく音声通話にも使うことができ、実質的に車載電話を取り付けたのと同じように使えるのだ。受話器などがある訳ではないが、もともとハンズフリー機能があるので不要。ダイヤルする場合はナビ画面から操作できる。これによって面倒な携帯電話の接続、取り外しが不要となり、その快適性は非常に高い。データ通信は定額制だが音声通話は従量制で1分73.5円となる。

そのほか、メンテナンス関係ではオイル交換などのタイミングをメールで知らせてくれるリモートメンテナンス、定期点検や整備をオンライン予約できるネット予約機能などがある。また、トヨタが運営するEコマースサイトGAZOOともリンクしており、オンラインショッピングも可能だ。

インプレッション:ナビの性能が高く快適だが多機能の弊害も

試乗したのはアルファードで、メーカーオプションのG-BOOK対応HDDナビ装着モデル。非常に高級感があり、メニュー画面などもナビにありがちなカクカクしたマークではなく柔らかみのあるイラストのアイコンを採用している。ディスプレイも高精細タイプで、全体的にコストのかかった高級機という感じがある。もっとも、このナビシステムは実際かなり高価なので、今後は廉価なモデルも登場してくるだろう。

操作にはタッチパネルを採用しており、メニュー項目を直接触るといった直感的な操作が可能。とくに文字入力や地図をスクロールさせる時などはタッチパネルは非常に便利だ。

実際に目的地を設定して走ってみると、DCMによる通信のメリットもよく分かる。現在のテレマティクスでは通信で渋滞情報を取得して最適ルートを設定するのは当然だが、その効果を上げるために定期的に通信を行い、最新の情報を元に随時ルートを設定しなおすようになっている。それ自体は3社のテレマティクスはどれも同じだが、通信料金が気になる携帯電話での通信では、こういった機能を気軽に使う気になるか、という問題がある。その点、定額制のDCMならなんの心配もいらないのだ。飲食店情報などのコンテンツも同様で、携帯電話接続だと必要に迫られたときしか使う気がしないが、DCMならそれこそ暇つぶし感覚でバンバン使える。

一方、問題点として指摘しなければならない点もある。全体の完成度がどうも今ひとつで、作り込みが足りないように思えるのだ。たとえば操作性はあまり工夫が無く、多機能であることを割り引いても、操作性良好とは言い難い。ディスプレイ周辺のボタンにしても、オーディオ操作用、ナビ操作用で色分けするだけでもずいぶん使いやすくなると思うのだが、同じ色、形のスイッチが並ぶだけだ。機能が豊富なのはいいが、とりあえず機能を増やすことだけを優先しているのか、言葉は悪いが「とってつけた」ような印象の機能もあるし、重複していたりして整合性が取れていない機能もあるように思える。

たとえば渋滞回避機能としてG-BOOKアルファにGルート機能があり、G-BOOKアルファ対応ナビにはナビ機能として渋滞考慮探索機能がある。なぜ同じような機能がふたつあるのか、どのように使い分ければいいのかが非常に分かりにくい。


目的地を設定し、ルートを表示させた画面。高精細ディスプレイを生かしてさまざまな情報を同時に表示できる
こちらは目的地設定後の通常画面。こちらは高精細がアダとなったのか、ゴチャゴチャしすぎて見にくい印象だった
「目的地設定」ボタンを押すと表示されるメニュー画面。表示される項目が多く、慣れないと分かりにくい。また、これだけ項目が多いのに、ほかのナビなら必須ともいえる周辺検索がない。じつは「ジャンル」を選べば検索結果が近い順に表示されるようになっているためあえて周辺検索がないのだが、慣れるまではとまどう
目的地設定で「施設」を選ぶと先頭にゴルフ場が表示され、ほかにもホテル、空港、式場といった項目が並ぶ。G-BOOKアルファの想定するユーザー層が読みとれる。タッチパネルはそれほど強く押さなくても反応し、非常に良好だ

トップ |トヨタ|日産ホンダ総論
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.motordays.com/days/adm_tools/mt/mt-tb.cgi/108

 

現在の位置:ホーム > ITS DAYS > より「使える」テレマティクスへの進化トヨタ G-BOOKアルファ