より「使える」テレマティクスへの進化 日産 カーウイングス

カテゴリ:特集:より「使える」テレマティクスへの進化 / 2005年10月20日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 
機能を充実させながらも人間味のある使いやすさを実現

概要:有人オペレーションがカギ

どんなに高機能なシステムでも、使い方が難しければ意味がない。自動車を運転する人はすべて機械操作が得意なわけではなく、むしろ苦手な人も多いだろう。テレマティクスがいくら便利で多機能でも、機能に比例して操作も複雑になるのでは魅力は半減だ。カーウイングスはその点を重視し、誰でも簡単に使えるテレマティクスを目指しているのが最大の特徴。システム構成としては他社同様に、ナビゲーションシステムと通信機能を組み合わせ、渋滞回避やさまざまなコンテンツ、メール機能などを実現するもので、これ自体はとくに目新しい部分はない。しかし、操作性については独自の手法を取っている。最大のポイントは、操作方法として有人のオペレーターサービスを中心に据えていることだ。

ナビを使ってどこかに行きたいとき、通常ならナビを操作して目的地を検索するのだが、やったことがある人なら分かるように、これはかなり面倒だ。ところがカーウイングスではオペレーターに電話を繋ぎ、口頭で行きたい場所を言えば、面倒な操作は一切不要で目的地設定ができる。このようなサービスはG-BOOKでも可能だが、コンパスリンクという名称でいち早く取り組んでいたカーウイングスの方が元祖。実際、カーウイングスのオペレーターサービスは完成度が高く、非常に使いやすい。

使いやすさの追求は操作性の面でも徹底している。あえてタッチパネルを使用しない操作系は、ほとんどの車種で統一されたデザインの操作パネルで行うようになっているが、そのボタンレイアウト、操作性が秀逸。一つ一つのボタンが大きく、各ボタンの機能も分かりやすく表示されている。家電品に近い雰囲気で、これなら女性や年輩の人でも抵抗なく使えるだろう。

システム図
利用料金(2005年10月現在)
入会事務手数料 利用料金(月額)
2100円 472円(年払いの場合 5250円)

日産の販売会社で新車で購入の場合、3年間無料

対応ナビゲーションシステム(2005年10月現在)
ナビ 種別 対応車種
最速ルート検索機能付カーウイングス対応カーナビ メーカーオプション フーガ、ラティオ、ティーダ、NOTE、セレナなど
カーウイングス対応カーナビ ティアナ、スカイライン、プリメーラ、フェアレディZ、ムラーノ、エルグランドなど
ニッサンオリジナルカーナビゲーション
HC705-A
ディーラーオプション マーチ、キューブ、モコ、セレナ、キャラバンティーダ、ラティオなど
操作性に優れるカーウイングスはステアリングスイッチも秀逸。左上の大きめのスイッチは上下方向に倒してメニュー選択、押して決定ができる。ステアリングスイッチだけで出来る操作の範囲が非常に広い
操作パネルにはダイヤル機能が追加された。回してメニュー選択、押して決定。ダイヤルのクリック感がほどよく設定されている

ポイント1:実用性が高いオペレーターサービス

カーウイングスの操作パネルには独立した「オペレータ」ボタンがあり、これを押すだけでオペレーターに電話がつながる。あとはやりたいことを伝えればいい。目的地の検索では名称や所在地がうろ覚えでもできる限り対応してくれるし、「近くでトンコツラーメンの美味しいお店」といったリクエストも可能。人間が対応するだけに、融通が利くのがありがたい。また、天気予報やニュースなど、知りたい情報を伝えると、オペレーターがAutoDJのコンテンツから最適の内容を選んでくれる。こうして検索してもらった目的地や情報は、通話終了後にボタン一つでダウンロードできる。

オペレーターサービスの用途はこれだけにとどまらず、緊急時にも役に立つ。ロードサービスの手配はもちろんだが、ドライブ先で体調が悪くなった場合などは、診療時間や診療科目まで含めた最寄りの病院検索も可能だ。救急車を呼ぶなら普通の携帯電話で可能だが、実際にはそこまでおおごとにしたくない、ということもあるはず。そんな場合でもフレキシブルに対応してくれる。また、電話番号案内としても利用することができ、この場合は番号を聞いてダイヤルする必要はなく、直接電話を繋いでくれる。走行しながらのハンズフリー通話で便利だ。

操作パネルにはオペレーターを呼び出すための専用スイッチがある。これを押すと、メニューが表示されるが「オペレーター接続」が選択されているので、あとは決定ボタンを押せば接続できる
オペレーターに行き先などを口頭で指示し、あとは電話を切って「ダウンロード」を選択し、決定ボタンを押せば目的地設定ができる

ポイント2:音楽もカラオケも楽しめる

テレマティクスの大きな魅力の一つに、さまざまな情報が得られるコンテンツがある。カーウイングスではこういったコンテンツをAutoDJとして提供している。内容の豊富さは3社のテレマティクスでダントツの一番だ。情報のチャンネルは100近くもあり、あまりに多いため、ホームページからチャンネル一覧をダウンロードできるようになっている。これを印刷して車内に置いておけばわかりやすいという訳だ。よく使うチャンネルをすぐに呼び出せるように、マイチャンネルという機能も備えられている。

主なチャンネルは交通情報、天気情報、駐車場情報、飲食店情報など。それと、なぜかプロ野球情報が充実しており、全球団のライブ速報が独立したチャンネルで揃っている。

また、インターネットや携帯電話との連係機能もチャンネルとして組み込まれており、ユーザー専用ホームページで作成したドライブプランのダウンロード、携帯電話への周辺地図の送信といった機能がワンタッチで使える。なお、AutoDJは全て無料で利用できる。別途料金が必要となるコンテンツが多いG- BOOKと比べてこれは大きなメリットだ。

AutoDJはチャンネルが非常に多いが、ダイヤルを回すだけでメニューがスクロールするので素早く操作できる
検索した情報はまず音声で読み上げられる。もちろんディスプレイに表示したり、目的地として設定、あるいは電話をかけることも簡単にできる。音声による案内を補助的なものでなくディスプレイ表示と同等に多用しているのも、カーウイングスの特徴の一つだ

ポイント3:利用価値の高い連係機能

カーウイングスはインターネットや携帯電話との連係機能にも力を入れている。たとえばパソコンでユーザー専用サイトに接続し、詳細なドライブ計画の作成が可能。目的地を検索し、ルートや所要時間の確認ができる。また、目的地の周辺施設を検索して経由地にするといったこともできるし、さらに作成した計画をプリントアウトしたり、メールで送信することも可能だ。出発時にはAutoDJの専用チャンネルから、一発でナビにダウンロードすることができる。

もっとユニークで、かつ利用価値が高いのが携帯電話との連係機能である「送っとケータイ」。これは現在位置の周辺地図を携帯電話に転送する機能だ。特に便利なのがauのEZナビウォークと連携した「ルートを送っとケータイ」機能で、ナビに目的地を設定し、その周辺の駐車場に車を止めたら、徒歩で目的地に着くまでは、携帯がナビゲートしてくれる。

インターネットや携帯電話との連係機能は他社のテレマティクスでも可能だが、ここまでこだわった機能を実現しているのはカーウイングスだけだ。

ユーザー専用サイトでのドライブ計画の作成画面。ナビでの操作と同じように目的地の検索ができ、出発時間を指定すれば渋滞予想を考慮した所要時間も表示できる

インプレッション:完成度の高いテレマティクス

試乗したのはティーダで、このモデルは最速ルート機能付きの新型ナビシステムが搭載されている。操作パネルも改良されており、中央のボタンが回転できるダイヤル式となっている。しかし、ほかのボタンの機能やレイアウトは従来のモデルとほぼ同じだ。メニュー画面のデザインなどはかなり違っているが、従来モデルを使ったことがある筆者はすぐに全ての機能を使うことができた。操作方法がガラッと変更されていてとまどうことの多かった他社とは対照的だ。

多くのユーザーは頻繁に車を乗り換える訳ではないから、操作方法が変更されていようがされていまいが、関係ないと思うかもしれない。しかし、操作方法を変えていないということは一定の方向性を保って改良を進めているということ。実際、カーウイングスは操作方法からシステム全体のバランスに至るまで、よく作り込んであって、非常に完成度が高い。一日使うだけでも、それがよく分かるだろう。

たとえば表示されるメニューにしても、全ての画面でデザインが統一されていて、メニュー項目は必ず縦に並んでいる。それを操作パネル中央のダイヤルを回して選択するという基本操作が貫かれていて、多くの機能を簡単に操作させることに成功している。インターフェースの作り込みの見事さは他社と比較にならないほどだ。

このようにシステムとしての完成度は高かったのだが、新型ナビシステムのハード面がそれに追いついていなかったのは残念なところ。具体的にいうと、素早く操作をすると、数秒間操作を受け付けなくなることが一度ならずあった。ちょうど性能の低いパソコンを使っているような感じで、内部の処理速度が追いついていないようだ。通信環境についても、携帯電話しか利用できず、通信時間を短くする工夫も特に見られない。さらにいえば、他社が主力の新型ナビにはHDDタイプを採用しているのに対し、カーウイングスはDVDタイプだ。

これらの弱点を一言でいえば、カーウイングスは遅い、ということ。もちろん使用に差し支えるほどではないのだが、操作性がよくて素早く操作できるだけに、ちょっとした遅さも気になってしまうのが皮肉である。

カーウイングスで目的地を設定し、ルート表示させたときの画面。シンプルだが必要な情報は揃っている。メニューはAutoDJなどほかの昨日と同様に縦に並び、ダイヤルで選択できる。ダイヤルでの操作はボタンやジョイスティックよりはるかにやりやすい
カーウイングスはメールの受信はできるが、送信に関しては文字入力の煩雑さを考慮して「ここです車メール」のみの対応。そのメールにあらかじめ設定されている文章をワンタッチで挿入できる。非常に合理的だ。なお、メール受信では添付画像の閲覧も可能
おまけのような機能だが、走行中の瞬間燃費、平均燃費、航続距離などの表示も可能。ほかにオイル交換などのメンテナンスの管理もできるようになっている

近々に機能追加か?モニタープログラムが実施中


現在、カーウイングスでは6000人のユーザーを対象にモニタープログラムを実施し、新しい機能をテストしている。その内容は、オペレーターサービスの範囲を広げ、車に関する疑問などへの対応、メンテナンスカルテの追加など、いくつかの項目がある。注目はメンテナンスカルテで、ユーザー専用サイトで走行距離、燃費情報などを確認できる。これは便利そうだ。はやく新機能として追加されることを期待したい。


 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.motordays.com/days/adm_tools/mt/mt-tb.cgi/109

 

現在の位置:ホーム > ITS DAYS > より「使える」テレマティクスへの進化 日産 カーウイングス