

概要:より完璧なナビゲーションのために
他社のテレマティクスが、ナビゲーションとは別にプラスアルファの機能を大きなセールスポイントにしているのに対し、あくまでナビゲーション機能の高度化にこだわっているのが、インターナビだ。
たとえば、インターナビは操作パネルに明確な通信機能用のスイッチがない。カーウイングスやG-BOOKがそれぞれAutoDJ、情報Gスイッチを設け、通信機能をアピールしているのとは対照的だ。インターナビでは通信はいわば裏方として、必要なときにさりげなく行われる。そのため、操作系統にしてもメニュー画面にしても、ここからがナビ機能、こっちは通信機能といった区分けが無く、ナビとテレマティクスが融合している。
こういった独特のスタンスにより、インターナビはとにかくわかりやすい。操作方法はごく普通のナビと大差なく、ナビ機能にプラスして通信機能の操作も覚えなければならないといった煩雑さがないのだ。インターナビの主要な機能である、オンデマンドVICSを駆使した渋滞回避や駐車場検索といった恩恵は、特別な操作をすることなく利用できる。
ちなみに、オンデマンドVICSによる渋滞回避はインターナビが他社に先駆けて先鞭を付けた機能だ。一世代前のテレマティクスでは、渋滞回避のインターナビに対し、飲食店情報などのコンテンツで勝負する他社といった図式があった。しかし、現在では他社もインターナビに追随し、通信を利用した渋滞回避を目玉機能にしている(プローブ情報を利用しているのはインターナビのみ)。ホンダの先進性が証明されたわけだが、反面、この機能では他社に追いつかれたことにより、インターナビの独自性が薄れたようにも見える。つまり、インターナビの概要だけをさっと見ると、他社のテレマティクスからコンテンツを省略した簡略版といった印象もなくはないのだ。もちろん、それは誤解。インターナビの通信を駆使したナビゲーション機能は非常に高度かつ多機能で、よく理解すれば他社にない魅力であることがわかる。フローティングカーシステムを切り札に、独自の駐車場セレクト機能、ルート状況タイムリー配信など、派手さはないが他社より一歩進んだ機能が実現されている。
利用料金:無料
ただし、3年目以降の地図データ更新およびQQコールは別途必要
| ナビ | 種別 | 対応車種 |
|---|---|---|
| ホンダHDD ナビゲーションシステム |
メーカーオプション | シビック、ステップワゴン、エディックス、エアウエイブ、インテグラ、ストリーム、フィット、モビリオ、レジェンドなど |
| ホンダDVD ナビゲーションシステム |
アコード、インスパイア、MDXなど | |
| 純正オプションナビ VXH-061MCVi VXH-051MCVi |
ディーラーオプション | CR-V、HR-V、エディックス、エアウェイブ、インテグラ、エリシオン、オデッセイなど |
ポイント1:独自のフローティングカーシステム
テレマティクスでは通信による渋滞情報の取得は当然の機能となっており、現在ではその情報から独自の渋滞予想をする機能も実用化されている。しかし、その渋滞情報のソースはVICSセンターや過去の統計から得たデータであり、通信とはいっても特別なデータを入手できるわけではない。しかも、VICSは全ての道路の渋滞情報を網羅している訳ではなく、実際、私道や県道を走っていて、ナビには表示のない渋滞に出くわすことはよくある。
インターナビのフローティングカーシステムは、こうしたVICSの限界を超える独自のシステム。道路上を走行する全てのインターナビ搭載車を、渋滞状況を調べるプローブとして利用し、そのデータを情報センターに集約。VICSが対応していない裏道の渋滞情報として利用するシステムだ。
インターナビ搭載車を運転していれば自分も渋滞情報の収集に一役買っていることになるが、もちろんそのプロセスはユーザーにまったく意識させることなく行われる。渋滞情報の利用についても同じで、普通に目的地を設定すれば、自動的にフローティングカーシステムの渋滞情報に基づいたルート設定が行われる。もちろん渋滞予測も働く。
VICSの枠から一歩も出られない他社の渋滞回避機能に対し、より詳細な渋滞情報を取得できるインターナビのアドバンテージは非常に大きい。双方向の通信機能を駆使して初めてできるシステムである点も、テレマティクスと呼ぶにふさわしい先進性だ。
ポイント2:実用的な駐車場セレクトとインターナビウエザー
ナビで周辺の駐車場を表示させたら、画面上が「P」のマークで埋まってしまった。ナビを使っている人なら経験があることだろう。こうした不便さを解消するのがインターナビの駐車場セレクト機能だ。車両のデータと駐車場のデータを照合し、利用できない駐車場は表示しないようになっている。
たとえば、今回使用したインターナビ搭載車はステップワゴンだが、この車種では立体駐車場には入れない。そのため、ナビ画面上では立体駐車場は最初から表示しないようになっている。さらに、目的地までの距離、料金、空満情報で優先順位をつけ、絞り込んだ駐車場だけを表示することが可能。空満情報とは通信によってリアルタイムに駐車場の混雑状況を表示するもので、渋滞情報と並ぶテレマティクスならではの機能だ。
もうひとつ、インターナビウェザーもテレマティクスならではの機能。ルート設定時に渋滞情報と同時に気象情報を取得し、ナビゲーションに役立てるという機能だ。ルート上にキリの出ている場所があれば、事前に音声アナウンスで知らせるといった具合。もちろん天気予報も見られる。
他社のテレマティクスでも駐車場の空満情報や天気予報は得られるが、あくまでナビ機能とは独立したコンテンツの一つでしかない。ナビ機能と完全に融合してこれらの情報を利用できるインターナビのほうが圧倒的に実用的だ。
ポイント3:地図情報を無料でアップデート
コンテンツがほとんど無いなど、一見すると機能に物足りなさを感じるインターナビだが、メニュー画面などには現れない強力な秘密兵器を持っているのを忘れてはいけない。それが地図情報のアップデートだ。新型のHDDナビは最初の24ヶ月点検時の1回、従来タイプのDVDナビは1年ごとに3回、無料で最新の地図に更新。それ以降もローコストで対応するとしている。一般的にナビシステムの地図を更新すると1回で2〜3万円ほど必要だから、いかに破格のサービスか分かるだろう。破格といえば、インターナビは利用料金も期間限定無しでずっと無料。これも他社のナビにはないメリットだ。
もちろん、通信の費用は別途必要だが、インターナビはルート状況タイムリー配信により通信費を抑えることができる。インターナビはG-BOOKやカーウイングスと同じように、ナビゲーション中に定期的に通信を行い、渋滞などの最新情報を入手するが、状況に変化がなければデータをダウンロードしない。そのため無駄なダウンロードが行われず、通信費を安く抑えられるのだ。
また、インターナビ対応のナビシステムには通信手段としてエアーエッジなどの通信カードを使えるタイプがある。これなら定額料金での利用も可能。ノートパソコンなどでもともと通信カードの定額プランを使っている人なら、実質的に通信費ゼロで利用できるといってもいいだろう。
インプレッション:超個性派のコマンダーの使い心地は?
インターナビの対応ナビシステムの最新モデルはHDDタイプだが、ほぼ同じ機能で操作方法の違う二つのタイプがある。一つはタッチパネルで操作するタイプ、もう一つが、プログレッシブコマンダーという独特の操作スイッチを備えるタイプだ。試乗したのはプログレッシブコマンダータイプを搭載するステップワゴン。
プログレッシブコマンダーがどんなものかは、写真を見ていただくのが一番分かりやすい。要するにジョイスティックとダイヤルを一体化したもので、そのまわりにある押しボタンの形状もあって、全体の雰囲気はテレビゲームを連想させる。こういったタイプのコマンダーはこれまでにもオーディオなどで例があるが、やはり奇異な印象は否めない。
では使ってみるとどうかというと、確かに悪くない。しかし、正直なところ、特にいいとも思えなかった。ジョイスティックのクリック感がかなり硬めで、意外なほど力がいるのだ。走行中の操作で振動による誤操作を防ぐためだと思うが、もう少し軽く操作できるようにして欲しい。ただし、ジョイスティックのまわりに巨大なボタンを配するレイアウト自体は意外なほど明快で、分かりやすかった。
肝心のナビ機能だが、インターナビの主要な機能は、特に操作を必要とせず、普通のナビと同じように操作すれば知らず知らずのうちに通信による最新情報の恩恵を得られるもの。道具としてはこれが理想ともいえるが、最新のテレマティクスを活用しているという実感や面白さは希薄だ。注目のフローティングカーシステムに関しては、VICSとは色分けして渋滞情報が表示されるので、効果をそれなりに実感できる。なお、従来のインターナビ対応ナビシステムは、地図データの内容などナビとしての基本機能がやや貧弱な印象だったが、新型ナビシステムではさすがに改善され、他社と遜色ないレベルになっていた。
