| G-BOOKアルファ | カーウイングス | インターナビ プレミアムクラブ |
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|---|---|---|---|
| 料金 | 料金は定額だが、別途有料の機能が多い | 低料金で全ての機能が使える | QQコールなど一部を除いて無料 |
| 通信環境 | DCM搭載なら定額で高速通信可能 | 携帯電話で接続 | 携帯電話もしくは通信カードで接続 |
| 渋滞情報 | オンデマンドVICS 渋滞予測 |
オンデマンドVICS 渋滞予測 |
オンデマンドVICS 渋滞予測 フローティングカーシステム |
| オペレーターサービス | あり | あり | QQコールのみ |
| 地図情報の更新 | なし | なし | 一定期間は無料でアップデート その後もローコストで対応 |
| 安全性向上サービス | ヘルプネット 急病や事故 Gセキュリティ 盗難防止 |
オペレーター サービスで対応 |
QQコール 急病や事故に対応 |
| コンテンツ | 豊富だが別途有料のコンテンツがある | 非常に豊富で全て無料 | 最低限の内容 |
| インターネットとの連携 | インターネットのみでもG-BOOKのコンテンツを利用できる | ドライブ計画など強力な連係機能 | 携帯との連係機能が充実 |
| そのほかの特徴的な機能 | 楽曲やカラオケのオンライン購入 | 駐車場の空満情報 |
ナビ機能の強化に立ち戻った第3世代テレマティクス
数年前からトヨタ、日産、ホンダがそれぞれに展開してきたテレマティクスは、第3世代に突入したといわれている。日産を例に取ると、独自のオペレーターサービスであるコンパスリンクが第1世代、コンパスリンクを取り込んでコンテンツサービスと組み合わせた従来タイプのカーウイングスが第2世代、そこに渋滞予測機能を追加した新タイプのカーウイングスが第3世代となる。
第3世代テレマティクスで目に付くのは、なんといっても揃って渋滞予測による渋滞回避を目玉機能にしている点だ。これはもちろんナビ機能の強化だが、トヨタ、日産にとってナビ機能強化はちょっとした方向転換ともいえる。
意外に思う人が多いかもしれないが、トヨタ、日産が従来展開してきたテレマティクスは、ナビ機能とはほとんど無関係だった。テレマティクスで見つけた場所をナビの目的地に設定するといった程度の連携は可能だが、それ以外はほとんど関連が無く、ナビシステムの本体に同居しているから関連が深いように見える、という程度だったのだ。それを象徴しているのがまさに渋滞情報で、トヨタ、日産とも、従来からテレマティクスで最新の渋滞情報を取得することが可能だったが、それをナビのルート設定に反映させることができなかった。
それが一転して第3世代では渋滞予測を搭載し、ナビ機能の強化を打ち出してきた。特にトヨタは、これまでG-BOOK.comというコンテンツを目玉として押してきたが、第3世代ではG-BOOK.comはメニューの下層に埋もれて目立たなくなっている。コンテンツからナビ機能へと軸足を移したと考えれば、かなり大きな方向転換だ。
試行錯誤の時代を経て目指す方向が見えた?
実感として知る人は少ないと思うが、第2世代までのテレマティクスはまさに三者三様で、それぞれかなり趣の違うものだった。今だからいえることだが、それは各社が目指す方向が違っていたからというよりは、どこを目指せばいいのか分からない試行錯誤の段階だったからだろう。そうであれば、第3世代で各社が揃ってナビ機能に重点をおいたことは、目指す方向が見えてきたということになる。テレマティクス単体で情報サービスを展開するより、ナビ機能と融合した方が通信のメリットを生かせるという方向性、あるいは、楽しそうだが実用性に疑問のある機能よりも、今すぐ役に立つ機能が大切、という方向性だ。
実際、3社のテレマティクスはかなり似通ってきた。トヨタ、日産のオペレーターサービスはほぼ同じ内容だし、通信を利用した渋滞回避機能、ブルートゥースも全社が採用している。飲食店情報などのコンテンツがトーンダウンしているのも共通の現象だ。どんな製品でもサービスでも、創生期には個性派が揃うが、成熟するに従って一つのスタイルに収斂していくものだ。テレマティクスも過渡期を過ぎて収斂進化の段階に入ったといえそうだ。
機能別に見る各社のテレマティクス
各社のテレマティクスの特徴についてはすでに説明したが、共通する機能については重複を避けるためあまり踏み込んでいない。ここでそういった機能について説明しながら、各社の違いについても検証しよう。
通信環境
テレマティクスは通信ができなければ始まらない。その点を重視したトヨタはDCMという専用の通信機器を用意しているが、日産は携帯電話、ホンダは携帯電話か通信カードを通信手段としている。
多くの人は携帯電話をすでに持っているので、携帯電話を通信に利用するのは一番手っ取り早い方法ではある。しかし、現時点では携帯電話のデータ通信は低速で料金も高い。したがって、高速、かつ定額料金のDCMの優位は絶対的なものがある。新型のDCMは音声通話もできるようになったから、トヨタと他社の通信環境の格差は開くばかりだ。
日産、ホンダは携帯電話での利用となるが、ここで注意すべき点が二つある。ひとつは使える携帯電話が意外と限られることだ。ホンダ、日産ともFOMA、ボーダフォンの3G、auのWINがほとんど使えない。インターナビとFOMAの接続についてはパソコン周辺機器メーカーのアイ・オーデータから発売されているアダプターを利用すればほとんどの機種で使えるようになるが、12000円とかなり高価だ。
いまどきFOMAや3G、WINが使えないというのはかなりひどい話だ。テレマティクス創生期の頃は携帯電話ならほとんど接続できたから、通信環境はむしろ後退していることになる。自動車メーカーにしてみれば、携帯電話が勝手に仕様を変更したのだから不可抗力といいたいだろう。しかしユーザーの立場でいえば、そんな事情は知ったことではない。早急に対策を講じて欲しいところだ。
注意点のもう一つは、通信方式の問題だ。携帯電話でデータ通信といえばパケット通信が当たり前になっているが、各社のテレマティクスは従来の回線交換方式であって、パケット通信は使われていない。そのため、パケット通信がどんなに高速な携帯電話でもその高速さを生かせず、最高でも64kbpsとなってしまう。
なぜこのような不合理があるかというと、現状ではパケット通信の方が通信料が高くなってしまうためだ。通信開始と同時にデータをダウンロードするテレマティクスの使い方では、パケット単位の課金より通信時間での課金の方が安くなるのである。パケット定額プランを使えば安くなるのでは、という意見が聞こえてきそうだが、各携帯キャリアのパケット定額プランは、どれも携帯電話を外部機器に接続した場合は適用されない。
携帯電話の接続方法
携帯電話の接続は専用のケーブルを使うのが一般的だが、実際に使ってみるとこれが非常に面倒だ。面倒なだけなら我慢もできるが、どうしても車から降りるときに携帯電話を外して持っていくのを忘れてしまう。
そこで解決策として3社が揃って採用したのがブルートゥースという接続方式だ。これは無線による接続で、設定さえしておけば携帯電話はポケットに入れたままで接続できる。非常に快適で、これを一度使ったら、ケーブルの接続などバカバカしくなる。
しかし、ブルートゥースにも大きな問題がある。肝心の携帯電話に、ブルートゥース搭載モデルがほとんど無いのだ。すでにブルートゥース搭載携帯を使っているからそのまま利用できる、という人はごくわずかのはず。ほとんどの人はブルートゥースを使いたければ端末の買い換えが必要だろう。
ブルートゥースはもともとパソコンでのさまざまな周辺機器の接続のために登場した規格だが、日本ではあまり普及していない。携帯電話にブルートゥース搭載機種が少ないのはそれを反映してのことで、これから急速に増えていくことも考えにくい。
オンデマンドVICSと渋滞予測
オンデマンドVICSとは、通信機能を使ってVICS情報を取得すること。FM電波やビーコンなど通常のVICSでは近隣の渋滞情報しか取得できないが、オンデマンドVICSなら日本中の渋滞情報を取得できる。そのためロングドライブでもルート全体の渋滞情報を事前にチェックできるし、遠い目的地の渋滞の様子を表示させることもできる。
オンデマンドVICSにより、ロングドライブでもルート上の全ての渋滞を考慮したルート設定が可能になったのだが、別の問題が生まれた。遠隔地の渋滞情報を出発時点で考慮しても、その場所を走るときにはすでに状況が変わってしまう可能性が高いのだ。そこで、これからの渋滞状況を予測して最適なルート設定をしようというのが渋滞予測機能だ。
渋滞の予測は各社が独自に行っているが、大まかにいえば過去のデータから割り出す統計的な手法をとっている。
ところで、渋滞予測とセットのように各社が採用したオンデマンドVICSだが、各社ともルート案内中は定期的に通信を行うようになっている。渋滞予測の的中率を上げるため、常に最新情報を取得しようということだが、これはトヨタのDCMを除いて通信費の高騰を招くことになりかねない。その対策として、日産ではナビ本体内にも膨大な渋滞データを収録して、通信に頼らずに渋滞予測ができるようになっている。定期的に通信をする設定は解除でき、解除すれば最新情報は得られないものの、渋滞予測自体は有効に働くのだ。
一方、ホンダは定期的な通信でまず最新情報に変化があるかどうかをチェックし、変化がなければデータをダウンロードしないというルート状況タイムリー配信機能で通信費の高騰を抑えている。
インターネットとの連動機能
ほかの機能に隠れてあまり注目を集めることはないが、インターネットとの連携はテレマティクスならではの重要な機能だ。出発前にルート設定などを済ませておくといった面倒な作業も、インターネットと連携すれば手軽にできる。また、防犯機能やコンテンツの充実など、インターネットを活用すればテレマティクスの可能性はいくらでも広がるはずだ。
現在のところ、インターネットとの連携は各社ともユーザー専用ホームページの活用がメインになっている。ホームページ上で目的地を検索、設定し、それをナビに転送する機能は各社とも採用しているが、機能にはかなり差がある、日産が最も優れており、目的地をいくつも検索し、それぞれを経由地、目的地としてルートを検索。最適なルートを選択して、そのルートをナビに転送できる。他社では転送できるのはルートではなく目的地だけなので、高速道路を使うかどうかといったルート設定はナビで操作しなければならない。また、日産は所要時間や有料道路料金までホームページ上で確認でき、操作も非常に分かりやすい。
ホンダはホームページ上で作成したプランから、最適な出発時刻を教えてくれる出発時刻アドバイザーが最大の特徴となっているが、日産でもほぼ同様のことが可能だ。トヨタは目的地検索と、その転送という最低限の機能にとどまっている。
そのほかの機能では、トヨタは車両の走行距離やメンテナンス履歴をホームページ上で確認でき、日産はアドレス帳機能があるなど、それぞれ特徴がある。ホンダはもっとも機能が豊富で、メンテナンスの管理や、ナビの各種設定をホームページから行うことも可能。読み物として楽しむWebマガジンや占いまである。
本格普及への道筋は見えたが同時に問題点も明白に
第1世代では、一時の話題だけですぐに消えてしまうようにも見えたテレマティクスだが、第3世代まで成長して性能も向上、対応車種が増えたことで、これから普及していくことは間違いなさそうだ。ナビ機能の強化という一応の方向性が見えたことで、各社の競争が激しくなることも予想される。そうなれば、さらに加速度的に性能アップしていくだろう。
複雑すぎる操作や利用料金の高さなど、従来は問題とされていた点は、今回の検証で解決しつつあることが分かった。操作性についてはまだまだといった面もあるものの、インターフェースをしっかり作り込むことで十分に使いやすくなることを日産が証明した。オペレーターサービスも有効だ。利用料金についてはトヨタ、日産が一定期間は無料とすると共に、その後の料金も大幅に値下げをした。ホンダに至っては期間限定無しの無料化が決まっている。これなら料金面で躊躇するユーザーはいないだろう。
一方で、解決されていない問題もある。いうまでもなく、いっこうに改善されない通信環境だ。ほかの問題が少なくなってきただけに、通信環境の問題がいかに大きいか、かえって明確になってきた。接続できる携帯電話はむしろ少なくなるし、通信速度や料金が改善される気配も全くないなど、先行きは暗い状況だ。トヨタのDCMは一応の解決策だが、6万から6万3000円というDCM本体の価格を考えると、万事解決という訳ではない。
誤解されては困るが、現在の通信環境が我慢できないほどひどいということではない。携帯電話での接続でも通信速度、通信料金ともに、現在のテレマティクスで使う分には十分に実用的なレベルにある。しかし、今後テレマティクスをさらに快適にしたり、機能を増やすには、通信環境が重い足かせになることが確実なのだ。
テレマティクスは長い滑走路でゆっくりと加速していき、第3世代の登場で見事にテイクオフして飛行状態に入った。そういいきれるだけの魅力と完成度があると断言できる。しかし、高度を上げて空高く飛び上がるには、通信環境という推進力が全く足りない。離陸はしたが、地面すれすれの低空飛行を強いられているのが現状だ。これを解決できるかどうかが、今後のポイントだ。
