第84回 日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)レースを予想してみた

カテゴリ : 新車関連 / 日時: 2008年11月06日

 

▲国内の自動車販売数が10月は40年前の水準になったという。そんな業界の悲惨さが当社も身にしみる今年の暮れだが、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の実行委員会は例年通り11ベストカーを選出した。例年はイヤーカーが選ばれてからうんぬん言うのだが、今年はレースの行方予想の意味も含め、早速、うんぬん言ってみようと思う。車種は、トヨタiQ、シトロエンC5、フィアット500、アウディA4、ホンダフリード、ジャガーXF、スバルエクシーガ、マツダアテンザ、日産GT-R、スズキワゴンR/スティングレー、ダイハツタントだ。

▲はっきり言って業界が見る本命はiQ。今年のトヨタは獲りに来た、のだ。発表はしたものの、まだ店頭にも出てこないクルマというのはちょっとイレギュラーな展開だが、それもこれも獲得のためというなら納得がいく。COTYの実行委員会向けには事前試乗会があったようだが、我々はまだ乗っていない。年末までには乗りたいと思っているが、果たして。乗ってないのではっきりとは言いづらいが、スマートが10年も前から存在している以上、IQがそれほど革命的なクルマとは言えないだけに、イヤーカーというにはちょっと、と思わざるを得ない。

▲iQと競るのはたぶんGT-Rだろう。iQが「ユーティリティの究極」を目指したとすれば、クルマ本来の姿とも言える「走りの究極」がGT-Rゆえ、評論家的には捨て置けないはず。私的にも感動を覚えたクルマゆえ、iQよりはこちらを選びたい。ただ昨今のクルマ事情から言えばこのクルマは「余計者」。ご時世には残念ながらそぐわない。そこで浮上してくるのが今年一番のヒット作タント、もしくは私も絶賛したいワゴンRだ。両車は軽自動車という日本独自の、経済的でエコなコンパクトカー(普通車と比較すればだが)。この2車は軽自動車の究極型に進化していると思う。

▲タントのスペースユーティリティはやはりすごい。そのパッケージングはiQよりすごいかも。ワゴンRの試乗記でも書いたけれど、この手の軽を切り詰めた方が、IQのような手法をとるよりマイクロコンパクトカーは作りやすいのでは、と思ってしまう。初代タントができたので、それを研究してパレットができ、パレットがあったので新型ワゴンRもできたという流れの中では、初代タントが一番偉い。その点、現行タントは二代目なのでイヤーカーにはちょっと弱いか。ということでは従来からの違和感がないクルマらしさを残しながら、それでいて軽と言うよりもはやコンパクトカーとして素晴らしい出来となったワゴンRこそイヤーカーにふさわしい、と思うのだ。

▲パイクカーとして楽しいフィアット500、ついにシフトレバーを無くしてしまったジャガーXF、総合的に出来のいいアウディA4、シトロエン好きの私的にはとてもとても欲しくなるC5というあたりは、それぞれ個性的でエポックメイキングなクルマだがやはりインパクトにはちょっと欠けるから、イヤーカーにはちょっとできないだろう。アテンザも出来はいいのだが同様の印象。エクシーガ、フリードといった変わり種ミニバンは、ミニバン必要世代にはいい選択肢だが、もうミニバンはいいよ、という風潮も出てきた昨今には微妙なところ。フリードなんかはもう2年くらい前に出てたらイヤーカーにだってなれそうなクルマだが。

▲ということでまあたぶん、iQが勝つのだが、ホントはこのご時世でも日本一売れ続けているワゴンRこそイヤーカーにふさわしいのでは、と思う。そのできの良さは特筆もの。販売の落ち込みが40年前の水準といってもそれは除軽市場の話。前年同月比13.1%減だが、軽はなんと6.2%増加しているのだから、これは新型ワゴンR効果でしょう。試乗記でも書いたとおり、もしターボを載せたワゴンRベースのマイクロミニが出たら、それこそがイヤーカーなのだが。

▲以下はそのスペック比較。スペックで見る限りiQはワゴンRよりトルクがなくて辛そう。3台を見比べた場合はiQの圧倒的な幅広さが気になるところ。この幅はマイクロミニとは言い難い。また新型スマートの小ささ、軽さ、パワフルさが際だつ。しかしその代償として燃費が悪い(笑)。実際私のスマートはチョイノリを繰り返していると、エアコンオンでリッター8.7km位しか走らない(しかもハイオク)。それでもちょっと遠出すると12kmくらい。ワゴンRは快調に走って12km弱だったがチョイノリ燃費は結構近いかも。さてトヨタの実力はいかに!?

●スズキ ワゴンR スティングレー TS
全長×全幅×全高 3395mm×1475mm×1675mm
ホイールベース 2400mm
車両重量 880kg
エンジン 658cc 直列3気筒DOHCインタークーラーターボ CVT
最高出力 64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク 9.7kg-m (95Nm)/3000rpm
10・15モード燃費 21.5km/リッター

●トヨタ iQ 100G(ワゴンR比)
全長×全幅×全高 2985(-410)mm×1680mm(+205)×1500(-175)mm
ホイールベース 2000(-400)mm
車両重量 890kg
エンジン 996cc 直列3気筒DOHC CVT
最高出力 68ps(50kW)/6000rpm
最大トルク 9.2kg-m (90Nm)/4800rpm
10・15モード燃費 23km/リッター

●スマート フォーツー クーペ(ワゴンR比)
全長×全幅×全高 2720(-675)mm×1560(+85)mm×1540(-135)㎜
ホイールベース 1865(-535)㎜
車両重量 810g
エンジン 999cc 直列3気筒DOHC 5速セミAT
最高出力 71ps(52kW)/5800rpm
最大トルク 9.4kg-m(92Nm)/4500rpm
10・15モード燃費 18.6km/リッター

 
 

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