第94回 高速道路無料化への名案は、ETC端末の載せ替え自由化

カテゴリ : 社会 / 日時: 2009年09月07日

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▲民主党が選挙に勝って、いよいよ高速道路無料化が現実味を帯びてきた。それに先駆けてほぼ無料に近い走行をしてみたので、そこからこの問題を考えてみたい。ほぼ無料に近いというのは2万円ほどの高速料金が休日割引1000円で済んだから。秋田中央インターから名古屋インターまで、その距離950kmほどを10時間ほどで駆け抜けた。

▲1000円では走れない首都圏を通らずに秋田から名古屋までを走るには、秋田道から東北道へ入り南下、郡山ジャンクションで西に向かって磐越道を走り、新潟中央ジャンクションへ。ここまでで約500km、ちょうど半分の行程となる。ここから北陸道、上信越道、長野道、中央道と南下して名古屋に至るわけだ。途中トイレ休憩のみで一気に走ったが、特に混雑することもなく、たいした疲労もせず快適に走り抜けることができた。ふだんよく走る混雑した首都高や東名を通ったらこうはいかないだろう。高速道路の混み具合は道路によってまったく異なっている。

▲地方の高速道路は本当に空いている。1000円の土日でもこの空き具合なのだから、少なくとも今回走った950kmの路線に関しては、無料になってもたぶんそう大きな問題はないと思われる。秋田から新潟までは日本海側を走ると250kmほどなのだが、高速道路がブツ切れなので、乗り継ぐと損。それゆえ太平洋側の東北道を走り、また日本海側へ戻るために磐越道を使って延べ500kmも走ってしまったのだが、これも無料になれば、距離優先で走ることになるはず。高速道路と一般道をうまくミックスして走れるわけだ。また途切れているがゆえほとんど使われていないであろう高速道路も、地元でもっと活用されるはず。

▲つまり、よくいわれる無料化によって渋滞が増えるというのは一部の道路、一部の場所に限った話で、ほとんどの高速道路は問題ないはずだ。もっといえば、必ず渋滞するその場所を緩和する方法を考えればいい。それはそこを課金することだろう。基本無料なのに有料になればそこを避けようとするのは人の常。渋滞は緩和されるはずだ。そのためにはETCを撤廃せずにうまく利用することだろう。

▲例えば名古屋・東京間は東名がひどく混むが中央道はかなり空いている。このわけは中央道の方がやや距離があって割高だからだ(他にも制限速度が80km/hであったり、アップダウンがきついため燃費が悪くなることもあるが)。であれば中央道を無料にして東名を1000円ほど課金することにすればいい。これだけで相当流れは変わるだろう。もちろん東名は中央道に比べ、途中に様々な商工業拠点があって絶対量の差はいかんともしがたい。そのためには建設中の第2東名を早く完成させる必要があるのはいうまでもないが、とにかく流れが変わることで、渋滞の解消はかなりのところまで可能だと思われる。

▲ETC端末はすでにかなりの数が出回った。また一つ1億円ともいわれるETCゲートを撤廃するのも大いなる無駄となる。ETCは無くさないで利用する方がいい。それにはまずETC端末の取付方を改善すべきだろう。現在は車両に対して一台のETC端末を登録してから取り付けている。これは車両のサイズによって高速料金が異なるための措置といっていい。まずこのサイズによる高速料金設定をやめ、ETC端末も載せ替え自由とすればいい。シガーライターソケットから電源を取れる簡易型のETCを用意すればいいのだ。こうすればクルマを買い替えたときなどにも載せ替えて使える。

▲実は現在の製品でもシガーライターから電源を取れるように改良するのはすごく簡単だから、制度を変更するだけのこと。昨今はセットアップの手間暇がかかるのと、しっかり取り付けられているために、多くのETC端末が廃車と共に廃棄されているのが実態だ。まあしかし、取り外して勝手に使われているETC端末もかなりあるようだ。利用のための登録はしなくてはならないが、廃車登録のような廃棄登録をする必要はないというずさんな制度だから致し方ない。今のETC端末は登録したクルマと違っても使えてしまうのだから、すでに制度としては崩壊しているのでは。

▲ETC端末を載せ替え自由にすれば、必要なときだけ貸し出すこともできるし、家族知人で貸し借りも可能だ。またインターチェンジ入り口手前などに貸し出し場所を作ることもいいだろう。ETC端末を社会インフラとして必要な人に、必要な時だけ貸し出せばいいのだ。借りるのが面倒な人は自分で買うはずだし、すでにつけている人にとっては無駄にならない。ただし料金決済のできるETCカードだけは必要となるから、無料とはいえそれなりに高速道路を走るハードルは高いままだろう。しかし、それはそれでいいのでは。

▲高速道路が無料だからといって誰でもが自由に走るのには疑問を感じてしまうからだ。ETC端末をつけるというちょっとだけ意識的な作業をクリアしたクルマ(ドライバー)だけに無料で高速道路を走ってもらいたいと思うのだ。整備不良のクルマ、高速運転に無自覚なドライバー、シートベルトもしないようなドライバーなどに高速道路を走ってもらいたくないと思うのは、私だけでなく、プロドライバーの多くがそう思っているはず。高速道路は一般道とは違うということをドライバーに自覚させるためにもETCは残しておくべきだと思うのだ。

▲最後に、行楽シーズンなどの渋滞増加に関して。こればかりは致し方ないとあきらめるしかないだろう。それによってCO2が増えるのか、それとも毎日の交通の流れが変わってCO2が減るのかは、様々な試算があると思う。まずはやってみるしかないとしか言えない。また渋滞緩和のために道路を造ることは進めていくべきだ(特に慢性的渋滞解消のための第2東名・名神)。地方の高速道路も無料になることでより利用されるはずだから、さらなる建設を進めていくべき。社会インフラとしての高速道路網の整備は、無料だからこそ価値があるはずだ。

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