▼先日、会社の前の道で大きな事故があった。片道3車線のこの道は、バス専用車線がセンターラインの左右にあるという、全国でも珍しいもの。道の真ん中に駅のようなバス停があり、乗客はそこで乗り降りするのだ。乗用車は右折の場合、バス車線の左側から曲がることになり、慣れない人にはたいへん走りにくい。感覚的には路面電車の走っている道に近いといえる。
▼こういう道のため、事故は頻発する。日常茶飯事といってもいいくらい。明かな構造上の問題に思えるのだが、特に改善される様子はない。実際、おとなしく走れば何ら問題がないのだが、夜間などスピードを出すと車線を間違ったりするようで、やはり深夜の事故が多いのだ。先日の事故は夜の11時過ぎだった。
▼事故そのものは目撃していないが、大きな音と救急車のサイレンにつられて現場へ行ってみると、新型セルシオがバス停に正面衝突しており前部大破。その脇には右前部を大破したbBが止まり、反対車線に後部と右側面が壊れたカローラバンがあった。どういうパターンの衝突だったかはわからないが、人が死んでいてもおかしくない、全損グシャグシャの車両が並んでいた。
▼しかし救急車は発進しない。中をのぞくとセルシオのドライバーとおぼしき男性が首を押さえて座っている。他の車両のドライバーとおぼしき面々は警察となにやら話をしている。どうやら全員が無事なのだ。カローラは反対車線で確認できなかったが、セルシオやbBはエアバッグが開き、大破しているがドアは普通に開いている。これはスゴイ。
▼昔のクルマなら、おそらく確実に死んでいたと思われる事故だが、全員ほとんど無傷。衝突安全ボディGOAやエアバッグ、シートベルトの威力をまざまざと見せつけられた。セルシオに乗っていればかなりの確率で生き残れるし、ヴィッツ系の小型車でもかなり大丈夫そう。いい時代になったものだと実感した。
▼この現場近くで5年ほど前、電柱に正面からぶつかって即死した事故があった。車種は覚えていないが古い型式のクルマだったように思う。セルシオならきっと死ななかったろう。衝突安全ボディは確かに効くのだ。先日発表されたトヨタの小型車イストの発表会では、セルシオとぶつけても負けないという映像を公開していた。いよいよ小型車ですらがセルシオ並になってきているのだ。
▼ネガティブキャンペーンになるのかもしれないが、こうした最近のクルマの安全性をもっと前面に押し出したPR活動を、メーカーはもっとすべきではないだろうか。新旧小型車をぶつけあう映像なんかが最もショッキングでインパクトがある(さすがにやらないとは思うが)。自社の古いクルマが安全ではないというのは辛いだろうが、新しいクルマの安全性を強調することで、古いクルマの買い換えは必ず促進できる。
▼買い換え促進キャッシュバックキャンペーンをトヨタも始めるようだが、新車にとって今一番わかりやすい販促用の商品性は「安全」だろう。ユーザーは環境には金を払いたがらないが、自分の身に降りかかる「安全」には金を出すと思うのだ。そういえばうちにもエアバッグ無しの車両が2台もあったな……。








