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第36回 うやむやなまま進んでいく世の中。空しい。

カテゴリ : その他クルマの話題 / 日時: 2004年02月06日

▲あれだけ騒がれた高速道路の改革も、なんだかうやむやになっている。利用者としては、3車線高速走行可の第2東名を早く作って欲しい、明らかにムダな高速道路は造らないで欲しい、企業努力で料金を引き下げて欲しい、という3点を実現して欲しいだけなのだが、結局今までどおりらしい。やっぱり他の小泉改革と同様の展開のようだ。

▲その高速道路では今、90km/hリミッターをつけられたトラックが、想像したとおり2車線を占拠して走っている。 80km/hで走っているトラックを90km/hでしか走れないトラックが抜こうとするのだから、2車線が埋まってしまうのは致し方ない。第2東名の論議がうやむやになり、100km/hのクルージングさえできなくなってきているのだ。

▲このように、論議はうやむやに終わり、「規制」が「既成」事実として施行されるというのが小泉流らしい。自衛隊のイラク派遣と同じ構造。生鮮品を時間どおり届けられなくなったトラック会社の一部はさすがに不満を言い始めているようだが、「トラックが飛ばしていいわけないだろう」という善良な市民の声に打ち消されること必至。普通の人が普通に考えればそれはそうなのだから。

▲小泉総理も、聞くところによるとかなり普通の人らしい。確かに、某ロックバンドが好きだの、ロン毛だのといった普通の人の感覚は、永田町の長老達と比べれば圧倒的にちゃんとしているのだと思う。人事にしても、変な派閥にとらわれず自分で決める(らしい)というのもより普通の感覚だ。それゆえ、今までにない総理として大衆が支持したのだ。

▲しかし、ここに来て思うことは、トラックのことはトラックのプロにしか分からないように、やっぱり重要なことは普通の人より専門家でないと、正しく運営することは難しいのではないか、ということだ。高速道路の混み具合や制限速度に関して、一番詳しいのは専門家だろう。そうした人がプロとして意見を述べ、プロ同士が意見を戦わせることによって、正しい指針が示されると思う。素人の常識ほど危険な考えはない。

▲例えば、普通の感覚ならクルマはスピードを出さない方が安全だし、自衛隊はどう見たって軍隊だ。だからクルマはどんどん規制すべきだし、憲法だって矛盾しているから正すべきだろう。その論で行くと、クルマは適正な運行を考慮されず、憲法だってどんどん改正すべきということになる。これを「ちょっと待て、こういう考えがあるからそうではないのだ」と正すのが専門家の知恵というものだ。素人が普通の感覚で考えることを論破することに専門家の存在価値がある。政治家ももっと専門家たれ、といいたい。

▲ということで、普通の人っぽい政治家の政治が、ムダな高速道路を作りながら渋滞を解消できず、国民の意思を反映することすらなく自衛隊を送り出し、何となく既成事実が積み重なっていく、という昨今。漠然とした不安というか不満があるのだが、それすらどういうことなのか、どうすればいいのかよく分からないという現実。官僚が悪い、という一般論に逃げ込まず、主張すべきは主張しないといけないのだが、デモに行くヒマもなく、ツレもいない(一人でデモにいける人はいないだろう。いろんな政治がらみがありそうで恐い)。そうこうしているうちに現実はどんどん進んでいく。嗚呼。

大分ヤナセ
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