▲米国にあるトヨタとGMの合弁会社ヌーミー(NUMMI=NEW UNITED MOTOR MANUFACTURING,INC.)が20周年を迎えた。新聞報道によれば、ヌーミーによりトヨタは米国での販売を学び、GMはトヨタの生産方法を学んだという。その結果、両社は世界1位、2位のメーカーに成長した。いや、GMは当時から1位だからそれを守っただけ。結局トヨタが飛躍的に伸びた格好だ。
▲世界2位の座から滑り落ちたフォード。グループであるマツダの台数を計算していないからホントはまだ2位だ、という説はあるが、実際のところそれはあまり関係ない。だってトヨタはダイハツ、日野を従えるものの、乗用車部門はトヨタだけだから(ダイハツがあることはあるが)。あちこちのブランドを買収して大きくなった企業ではない。そこは大きな違いだ。
▲名古屋市や豊田市のある愛知県に住んでいると、トヨタの恩恵をひしひしと感じる。不況感が薄いのだ。トヨタは年間利益が1兆円を超え、ブルーカラーでも40才になれば年収800万円(くらいあるらしい)。組合が賃上げ闘争を放棄するのもわかる。まもなく豊田市は周辺の町村を合併吸収して巨大化するようだし、愛・地球博(別名トヨタ博)に向け、道路整備がすごい勢いで進んでいる。第2東名はあと数㎞で豊田市内の東名高速につながるが、久しぶりに豊田市など三河地区へ出向くと、いっぱい立派な道路ができているのに驚かされる。
▲そんな愛知県を走るなら、カーナビは地図がリアルタイムで(理想では)更新されるテレマティックス対応のものが欲しい。この手のナビは現在、パイオニアのエアナビが一番とされるが、G-BOOKが安価かつ簡単な自動書き換えに対応したら、一気にそこへユーザーが流れるだろう。ホンダ、日産、スズキ以外の国産メーカーは、G-BOOK陣営に加わったのだから、この分野でもまたトヨタが勝つのだろうか。GMグループのスズキはG-BOOKへ寝返るような気もするし。
▲ヌーミーの話に戻そう。ヌーミーで作られ、鳴り物入りで輸入されたライトSUVのヴォルツは、不振により2年ほどで日本での販売が打ち切られる。しかしヴァイブやマトリックスといった兄弟車は米国内では好評だという。トヨタの言う「テイストの違いが日本で受け入れられなかった」ためだろうか。新車発売当時、実際に試乗した感想を思い出すと、作りがやや雑で、走りもコーナーでの安定感に少し欠ける気がした。同じクラスの RAV4あたりと比べるとそれは素人目にも感じられたのではないか。テイストの差だけではないと思う。
▲ヴォルツ以前のキャバリエやプロナードなども同様の感想。トヨタブランドですら、米国で作るとこうなるのか、という感じが否めなかった(キャバリエはGM車だが、トヨタがかなり手を入れたらしい)。やはり日本製は素晴らしい品質だ。米国でも分かる人には分かるはず。ライスロケットと呼ばれる日本の小型高性能スポーツ車が若者に人気なのも、その性能品質ゆえだろう。
▲商品である以上、その地で売れるものであればいいわけで、ヌーミーでは日本生産車クォリティのものを作る必要はないだろう。ただ気になるのは今後の巨大市場、中国の嗜好性だ。中国人がアジア人としてトヨタの高品質感に憧れるのか、あるいは大陸人としてアメリカ大陸生産品にシンパシーを感じるのか、そこがどうにも分からない。それによって中国向けクルマ作りも変わるはずなのだが。
▲中国人は日本人より米国人に近い感覚を持っている、と現地で働く友人は言う。ではやはりクルマも日本車風より、アメ車風の方がいいのか。今も中国ではどこのメーカーのクルマとも分からないような現地生産車も多数走っているらしい。走ればいいのか、それとも上質なものが欲しいのか、いや、ブランド品が欲しいのか? そもそもトヨタは中国ではどの程度のブランド力があるのか? トヨタが中国でも勝ってくれないと、日本の経済は危ない。
▲今後は巨大市場中国を制するメーカーが世界のトップに君臨することになるだろう。といって中国市場でヌーミーのように現地法人を作ってうまくいくのには、米国とはかなり違うノウハウが要りそうだ。そろそろ先進国病が見え隠れし始めている日本だが、今後もクルマ業界が日本を栄えてくれないと、没落の道をたどってしてしまう。がんばれ日本車、がんばれトヨタ車。
▲しかしトヨタは中国を日本産トヨタ車クォリティで攻めるのか、米国産トヨタ車クォリティで攻めるのか。中国人の好きなクルマは何なんだ!? どうしたら中国と仲良くできる? ほっておいても政権交代してしまうアメリカとばっかり仲良くしているより、一党独裁である中国と仲良くしておいた方がメリットがありそうな気がするぞ。何たってアメリカの6倍もの潜在市場がある大国なのだから。












