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第38回 トヨタの搭乗歩行型ロボットは夢のマイカー!?

カテゴリ : その他クルマの話題 / 日時: 2003年03月22日

▲トヨタが3月11日に二足歩行ロボットを発表した。それ自体はたいして驚きではないのだが、そのロボットの一バリエーションは人を乗せて歩けるのだ。ヒューマノイド型ロボットは各社が出しているが、こうした乗り物としてのロボットは初めてのもの。これは実は大変重要な意味を持つと思う。ガンダムがついに登場したのだから。

▲私はかつてからクルマは将来、ロボットになると言ってきた。未来のクルマが今のクルマの形をしている必要はなく、ガンダムタイプのロボットであってもかまわない。安全に速く移動できるのであれば、極論を言えばその形は何でもいいと思うのだ。トヨタの搭乗歩行型ロボットは「人を乗せてどこにでも移動できる形態とし、人が操る楽しさを追求できる」のが特徴という。これこそ次世代のクルマではないか。

▲このロボット、当面、福祉がその需要となるだろう。歩行型車椅子として考えれば、やがて階段を上ったり、走り回ったりできるはずで、ロボットアームを腕として装備すれば、寝たきり状態でも自由に出歩けることになる。あと20年ほどで実用化(低価格化)してくれると、ちょうど私はヨイヨイの老人になっているので、たいへん喜ばしい。老いさらばえる前に死んでしまいたかったのだが、このロボットを見て、生きる望みがわいてきた。

▲このロボットに身をゆだね、そのまま乗り込めるクルマがあるとなお結構。介護ロボットに乗り込み、そのまま最新オープンカーで遠出できるとしたら、これぞバラ色の未来。ただ、排泄の処理だとか、医療器具のセットなど単なる乗り物以上のユーティリティ装備が必要になってはくるが。カッコいいロボットに乗って、公園のトイレで立ちションすることができるとすれば、それはそれでサイバーな感じだが。

▲という、バラ色系の未来もちょっと見えてきて、前述のように長生きしたくなってきたのだが、これはもしかすると自分が老人化してきて、単に生に執着し始めただけなのかもしれない。「ノー・フューチャー」「今がすべて」という生き方を忘れないようにしないと、無様な最後を迎えかねない、と反省。

▲しかし、こうしたバラ色系の未来テクノロジーに較べ、現実社会はどんどん閉塞感を高めているように感じられる。自衛隊のイラク派兵のテレビ映像は出征シーンをイメージさせられるし、なんていうこともない週刊文春の離婚記事に出版差し止めの判断が下るようになってしまった。田中元外相の長女が私人か公人かという論議の以前に、ゴシップをゴシップとして書けない社会は正常ではないと思う。

▲雑誌「噂の真相」は閉塞感を感じてか、とっとと廃刊してしまったが、今後ちょっとした記事に裁判を起こされるようになっては確かにこうした雑誌はやっていけないだろう。いや、例えばクルマの雑誌がクルマの出来を正直に書くことだってできなくなりかねない。だって出来が悪いと書いてクルマが売れなくなったら、その真偽をめぐって裁判が起こされ、もし雑誌が負けでもしたら、単価の大きな商品だけに、莫大な損害賠償金を払わざるをえなくなるかもしれないのだ。

▲バラ色のテクノロジーの先には、人のプライバシーや自由との接点が必ずある。ロボットに乗っている人間のプライバシーをどう守るか、あるいは自由気ままな移動をどう確保するかは、すべてがネットワーク化された未来型高度情報化社会の課題だ。それはその時代の社会がそうしたことを許す体制にあるかどうか、が重要。将来、ジジイの私はロボットに乗ってオネーちゃんとデートしたいのだが、それを監視されている社会なら、早く死んだ方がマシ。そこを見極めながら、もう少し生きながらえようと思う今日この頃だ。

大分ヤナセ
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