▲北朝鮮から拉致家族の子供が帰ってきた。この事実に関しての評価はまだ定まっていないとは思うが、ちょっと疑問に思うことがある。それはこの子供達の気持ち、もっといえば人権だ。
▲子供といってもすでに成人年齢を迎えた人もおり、平均では18歳前後だ。この年齢なら自分の意志もはっきりしているだろうし、いきなり日本へ行け、というのはあまりに彼らの気持ちというか、人権を無視しているのでは。この年齢まで北朝鮮にいて、北朝鮮の思想教育を受けてきたとしたら、彼らは北の市民意識だろう。親がいるとはいえ、いきなり言葉もわからない敵国へ行けというのは拉致にも等しいのでは。
▲彼らに友人(もしかしたら恋人)と別れ、生きてきた社会での夢も捨て、国交のない体制の違う国へ行けというのはあまりにむごい。自分が18才の頃、実は北朝鮮人だから明日から向こうへ行けと言われたら、例え向こうに親がいても(そんな年頃は親など無視したいものだし)イヤだっただろう。逆拉致みたいな感じだ。
▲今回のことは彼らが日本にとっての人質だったから、と考えるしかない。小泉首相は人質を金で解放したというか、買ってきたワケだ。北朝鮮の日本人はこの子供達以外はほとんど素性が割れていない。つまり、この子供達を取り戻せば、ひとまず日本国内では、他に拉致された人々の安否はわからないまま。これで北朝鮮と戦争になっても、日本人保護はしなくてすむわけだ。
▲ということは、今後は拉致された人々の情報は出てきて欲しくないわけ。つまり首相がこの話を北朝鮮と詰めなかったことはあたりまえだ。拉致問題はこれで幕引き間違いなし。米国追従の小泉首相としては、ブッシュ大統領に「これで当方にお気兼ねなく北朝鮮に出兵してください」と言って点数を稼げるだろう。
▲北朝鮮はジェンキンスとその家族を人質として残したが、これは日本をもう少し困らせるためだけの策略ではないだろうか。イラクを見てわかるとおり、日本と違って米国は脱走兵一人(とその家族)のために戦争をしないほど甘くはない。そんなことは北朝鮮はわかっているはずで、脱走兵一人返したからといって攻められる可能性を無くすことなど簡単にはできない。それより人質を返すことでうまいこと金をぶん取ったという点で、やはり金正日はやり手だ。
▲つまり今回の一件も、対国民や対北朝鮮ではなく、小泉政権の対米国向けパフォーマンスといってもいい。そして年金問題やその他の法律成立(道交法も大きく変わる)から目をそらさせて、自らを守るためのパフォーマンスでもある。拉致被害者が怒るのも当然。アメリカ追従であれば日本の国益は守られるが、国の尊厳とか国民感情とかは押し殺されなくてはならない。最近なんだか右翼になりたくなってきた。












