▼知人が地方公共団体主催のIT講習会に参加したという。失業中の身でヒマ、料金格安だったのでつい出かけたそうだが、なかなか凄い内容だったらしい。いや講習の内容が凄いのではない、参加者が凄いのだ。その多くはヒマな老人達である。
▼パソコンの起動から簡単な操作へと講義は続いた。笑い話によくあるド初心者講座そのものの展開だったようだが、一番笑えたのは、隣のオバさんが知人の液晶画面を横からのぞき込み「電気がついてないじゃない、先生に言ってテレビつけてもらいなさい」と言ったことらしい。旧い液晶ディスプレイを横からのぞけば何もみえないものだし、それに何といっても「テレビ」である…
▼まあこうした老人達も、IT講習会の終わりには、一応操作ができるようになったらしいが、おそらく自宅に帰って一晩寝れば、何もかもすっかり忘れてしまっているだろう。よしんば覚えていたとして、いさんでパソコンを買ってきても、セッティングから起動までうまくいく確率は50%くらい。そしてインターネットのセッティングにいたっては、おそらく0%だろう。私も知り合いの熟年夫婦の、パソコン購入からセッティングまでお世話したことがあるが、常時ネットにつながる完全な状態にしてあげてはじめて、パソコンを買った意義がでてくるのを実感した。IT講座をいくら聴いても、ほとんどムダだと思う。
▼公共団体は講座を開いてIT格差の罪滅ぼしをやっているつもりだろうが、どうにも無意味に税金を使っているように思えてならない。独居老人の家庭訪問ならぬ、パソコン未設置家庭へのセッティング訪問こそ、行政がやるべきIT格差解消策ではないだろうか。しかし何にもまして、パソコンは誰かが設置から指導までを設置の現場で行わないとまったく無意味な機械だということを、最近ますます思う。もちろんADSLでもCATVでも、いやISDNでもいいからネットの常時接続をするのは大前提だ。
▼老人家庭に限らず、実はまだまだ多くの家庭にネット環境はない。小中学生の子供に聞いても、自宅にブロードバンドがある友達は数えるほどだそうだ。それはやはり設定が難しすぎると言うことが大きな原因。パソコンは買ったが、うまくネットにつなげない、起動したが意外にやることがないという人の何と多いことか。インターネットをいつでも見られるようにし、「お気に入り」まで設定してあげると、やることがないなどといわれることはまずないのだが。
▼私の自宅はフレッツISDNだが、家庭内LANもひいてあってなかなか快適だ。子供達は遅いと文句ばかりいうが、私は ADSLの設定に金や労力を使うのはイヤなので、そのままにしてある(そう時間がかからないうちに光になると思うから)。しかし先日大事件が勃発。NTT 以外でマイラインにしたら、一ヶ月の常時接続時間分の料金6万円あまりの請求書が来た。普通は設定を変えないとつながらないはずなのに、なぜかつながっていたのだ。NTTが悪いのか、マイラインの業者が悪いのか、それともプロバイダなのか。まだ調査中だが、こんなことがあるから、インターネットの評判が落ちるのだ、と業者にはいいたい。こんな私の自宅でも落とし穴に落ちるのだから、普通の家庭のブロードバンドへの道は、まだまだうんと遠いのだ。










