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第43回 年金がもらえなかったのに、今も年金を払い続けている。この矛盾。

カテゴリ : 社会 / 日時: 2004年08月18日

▲年金問題はいつの間にか巷の話題からフェードアウトしつつあるように感じる昨今だが、最近、ちょっとひどい話を聞いた。遺族年金の支払いに関してだが、年金の問題点を浮き彫りにしている。

▲ある女性の話だが、旦那の浮気で小学生の子供を抱えて離婚。元の旦那からの養育費とパート代、母子家庭手当などで慎ましく暮らしていたのだが、この元旦那が交通事故で急死。養育費が入らなくなってしまった。離婚しているのでこの人は遺族年金がもらえないが、子供は別のはず。そこで社会保険事務所へ出かけた。

▲そこでは国民年金からも旦那が入っていた厚生年金からも遺族年金が出るといわれ、胸をなで下ろした。国民年金分が養育費分くらいあり、厚生年金分と合わせると今までより生活が楽になりそう。様々な書類を作って提出し、年金様々と喜んで帰ってきたという。

▲ところが数ヶ月後、国民年金は支払われないという通知がきた。法律では未成年の遺族に同居の親族がいる場合、支払われないとのこと。つまり、天涯孤独となり孤児院でも入っていない限り、未成年者は遺族年金がもらえないのだ。こんなバカな話はない。そして保険事務所の人間もそれを知らなかったというのだから、開いた口がふさがらない。それでも厚生年金分は一応数万円もらえることになった。

▲しかしさらに追い打ちをかけるひどい話が。この年金をもらうと母子手当が打ち切られるというのだ。つまり差し引きゼロに近い。養育費が無くなった上、これでは生活ができないと嘆く。いったい何のための年金制度か、法律か、と憤慨せざるを得ない。

▲これと反対に年金ウハウハの話も聞いた。もう90才になろうとする老婆だが、元教員の旦那を25年ほど前に無くし、その後は遺族年金、自らの年金などで、月30万円ほどの収入があるという。しかも子供夫婦と同居しているため、特に生活に不安はない。30万円はまるまる小遣いに近く、相当貯め込んでいるという噂だ。

▲未成年者を抱えた母子家庭が路頭に迷い、90の婆さんが金を貯め込む年金制度は、やっぱりなんかおかしいような気がする。婆さんも長年働いたおかげで今があるのは確かだが、その年金は母子家庭の死んだ元旦那とかが稼いで入れた年金資金からでているわけで、これは制度の矛盾だろう。こうしたことは今回の年金法改正で改訂されたのだろうか。

▲このあたりが年金制度を全く信頼できないところで、今後、資金的に苦しくなれば、どんどん支払われない方向に法律が変わっていっても不思議ではないと思うところだ。やがて数少ない若い人が稼いで、数多い団塊の世代を養わなくてはならないわけで、破綻する可能性はどう考えても高い。

▲先の女性は元旦那が子供を受取人として生命保険へ入っていたために、約10年分の養育費相当の保険金が出ることになってひとまず安心したという。これを聞くと、年金はあてにせず、民間の保険に入って自衛すべきという考えを支持せざるを得ない。しかし年金は勝手にやめることはできず、自分の身は自分で守るという選択すら自由にできないのが現状だ。先の女性も少ないパート給料の中から今も年金が引き落とされているらしい。まさに矛盾だ。

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