▲さて、今年も押し詰まってきた。今年は「いいことがなかった」と後年思い出される年になるだろう。まあ例年、そういいことはないが、今年は世界的な規模の天変地異も多く、国内の景気もとても持ち直してはいない。個人的には知り合いの一人が自己破産したし、脳梗塞で倒れた知人も。年末には名古屋関連の企業で地図のアトラス社(結構一緒に仕事をしたことのある会社)が行き詰まったし、知人が勤務していた大手ゴルフ場経営会社も倒産した。私の会社((株)デイズ)が何とかやっていけているのは、神仏のご加護か!? などと思う昨今だ。
▲この時期には例年、恒例としてイヤーカーを選んできた。今年も多くのクルマに試乗させてもらい、意見を述べさせていただいた。メーカー、ディーラーの皆さんに心よりお礼を申し上げたい。で、その中からイヤーカーを選ぶことは、こういう仕事にかかわっている以上、義務ともいえる。そこで今年もまずCOTY(日本カーオブザイヤー)が選んだクルマについての感想から。
▲まず一位がレジェンドだったが、これは走りの面ばかりでなく、そのハイテク装備の面でもまあ順当なところと言えるだろう。国産初の300馬力というのも華となった。対するクラウン・マジェスタは目立った華がなかったため、低い順位に甘んじたが、シャシー性能ではレジェンドの上を行くと思う。ハイテクといえば国産車2位に位置するフーガの低速追従走行が、レジェンドのナイトビジョンを上回る衝撃の完成度で、個人的にはフーガはレジェンドより上位に位置する。
▲解せないのはゴルフがフーガさえ上回る得点で、総合2位であること。輸入車ならアストラ・A6・BMW1シリーズの方が印象的には完全に上位なのだが。これら3車のハンドリングはどれも実に素晴らしかったのだが、ゴルフはそうでもなかった。走り屋ぞろいのCOTY選考委員の人々にウケがよかったのはなぜなのだろう。パッケージングやデザイン面でも特にトピックは見あたらないのだが。
▲ではCOTYにとらわれず考えてみると、クルマとして一番よかったのは実は「ポルテ」だ。COTYでは10ベストにも入っていないが、デザインは個性的、片側電動スライドドアなど機能的、パッケージング秀逸、動力性能必要十分、サイズと価格はほどほどと、日々使う道具として、こんな便利なクルマはない。反面、走り云々、ステータス感云々、こだわり云々を言い始めると、一気に零点がつく。いわゆるクルマ好きにはとても興味が持てないクルマだろう。しかし、このクルマ、自動車の新しいありかたを感じさせてくれる。
▲地方の生活にはクルマは手足ともいうべき存在だが、手足なら器用なほうがいい。そういう器用さをいっぱい備えているポルテは、クルマがクルマでなくなっていく(クルマがロボット化していく)時代の先兵に思える。そして、もしこのポルテにホンダや日産、もちろんトヨタのハイテクを満載して250万円くらいで売られたのなら、それはどんなに素晴らしいことか。自動で追従走行し、危険を予測してブレーキをかけ、暗闇で人を認知して警告を出す、コンパクトながら広い室内のポルテ。もう21世紀もだいぶん過ぎたのだからそろそろそういったクルマがでてきてもいいでしょ、という期待も込め、このクルマがイヤーカーだ。
▲ついでにいうと、まだレポート化していないが、今年乗ったクルマでエポックなのは新型ポルシェ911(タイプ997)だった。こちらは変わらぬ高い走行性能を、10数年前の(ような)デザインへ復古させたボディに積んだもの。ポルテとは正反対のバック・トゥー・ザ・ルーツで、これはこれで素晴らしい方向性だと思う。スーパーカーのブームから30年近くたつが、あの時代のスーパーカー各車のカッコ良さはクルマの原点だろう。トヨタも2000GTを復古させるべきだ。
▲奇しくも「ポルテ」と「ポルシェ」のポルポルが今年のイヤーカーだ(ポルシェ911はおそらく来年のCOTY対象車だが)。自宅のガレージにポルテとポルシェが収まっているカーライフは最高だと思う。これほど使い分け、使いこなせる2台はない。そしてporteと porscheはよく見ると結構似ている。いや、スペルでなくデザインが。じっくり見てみてください。いかが?








