第64回 ジャパニーズファーストフード戦争の勝者は!?

カテゴリ : 社会 / 日時: 2007年03月24日

 

▲100円寿司のかっぱ寿司が牛丼のすきや(ゼンショー)に実質的に買収された。かっぱは当社のすぐ近所にもあったのだが、最近撤退してしまった。その理由は買収うんぬんではなく、美味くないから。閉店の頃には客足が急速に落ち、ランチタイムでも人影まばらに。新築開店時期には駐車場に入るクルマの列ができたものだが、3年ほどで見事に人が入らなくなった。

▲かっぱは開店当初から不味かった。ただ「これは寿司ではなくかっぱ寿司という別の食べ物」と思えば何とか食べられたので、時間のない昼食時などにはそれなりに重宝した。この感想は私だけのものではなく、多くの人が意見を同じくしたものだ。100円だから仕方ないと思って食べていたものの、それでもちょっと食べれば1000円近くになり、だったら普通の寿司屋でランチメニューを食べた方がいいとなってしまって、昼食時には客足が退く一方だった。

▲近所のかっぱがダメになったのは味のせいだけではない。実はクルマで5分ほど離れたところに大阪から進出してきた100円寿司「スシロー」ができたことが大きい。こちらは今でもよく行くが、100円なら十分許せる、いや100円の割に結構うまい寿司を提供している。かっぱと比較するとその差は歴然。クルマ社会の名古屋市郊外ではクルマで5分の範囲はすぐそこという感覚だから、かなりの広域から客を集めている。かっぱ以外にもクルマで行ける範囲に他の100円寿司もあったが、ここもすっかりスシローに客を取られてしまった。

▲スシローは平日の昼でも行列ができるほど繁盛している。レギュラーのネタも数が多くてそれなりにいいが、時々フェアを行って、変わり寿司を出す努力もあり、飽きさせない。いずれにしても100円だから、1000円以内でほぼ満足できる。これではかっぱは勝てっこない。今後スシローがどんどんオープンしていけばかっぱは間違いなく潰れるだろう、と予測していた。

▲そこへゼンショーによる買収が持ち上がったものだから、かっぱの株主はうまいことやったなあ、ゼンショーはババを引いたなあと思っていた。かっぱの経営陣はもう経営に見切りをつけていたと思う。まだ利益のあるうちに売り抜こうとしたはず。そこへゼンショーが来たものだから渡りに船ということだろう。

▲ところが今日になって、なんとスシローまでゼンショーが買ってしまったという。スシローは関西方面に約200店、かっぱは関東方面に約300店。これで確かに回転寿司ではトップに立てるはず。そこまで考えてのゼンショーによるかっぱ買収だったわけだ。どこかの経済誌でインタビューを読んで、スシローの創業者はあまり切れるタイプの人ではなかったように思っていた。しかしこのタイミングで会社を売ってしまうとはたいした切れ者かもしれない。さすがにスシローをここまでにしただけはある。

▲かっぱもスシローもそしてゼンショーも3社共に満足という今回の買収劇だが、では肝心の消費者は満足できる結果となるのだろうか。これまではかっぱとスシローの戦いでうまい100円寿司が食べられたのだが、今後は独占状態になる。その結果かっぱは少し美味くなるがスシローは少しまずくなるという展開は勘弁して欲しいところ。最近の様々な企業合併騒動を見てもどんどん寡占化が進んで、結果的に消費者には画一的な商品やサービスが押しつけられる方向に向かっているように見える。ハンバーガーはマック、チキンはケンタッキー、100円寿司はスシローと選択肢のない時代がやってくるとしたらなんだか辛い。

 
 

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