第回 日本はボンボン三代目社長率いる中小企業か?

カテゴリ : 社会 / 日時: 2007年08月18日

 

▲参議院の選挙が終わって一ヶ月になろうとしているが、首相が開き直ってしまったために、なんだか何も変わっていないのがとても不可思議。ごく自然な感覚として、民意は表明されたのだから何らかのドラスティックな変化があってしかるべきと思うが、それが起こらないのは、この国にとっては実に不幸なことだろう。参院とはいえ、選挙で負けても開き直ればいいという悪しき前例を作ったことで、安部首相は歴史に名を残すかもしれない。

▲民主主義は多数決で決まる。それでないと何も進まないのは確かだ。ただ多数決が正しいことかというと、それは間違いだと個人的には思っている。八割の風に圧されるというか、多数派の民意に何となく引っ張られて、悪い結果に向かうことがあるのは、これまでの歴史で証明されていると思う。正しいと思うことは皆が間違っている言っても主張すべき。そしてそれを少数意見として尊重するのが本来の民主主義ではないのか。

▲とはいうものの、一国の首相がその姿勢ではまずかろう。いやそれでもやるというのなら、それなりの行動を示して、民意を得るよう努力すべきだろう。防衛省の事務次官人事をめぐるゴタゴタでも、その対応はまったくひどいとしかいいようがない。事は日本国の軍事・防衛問題なのだ。この体制で某国から攻められたら守れるのか。首相が好き?な戦前だったら、クーデターが起きるか、責任者の切腹ものだろう。

▲今の安部首相は、株主総会でつるし上げられているボンボン三代目社長という感じがする。実力もないのに家柄で社長になり、不祥事に対処できないボンボン社長というのは、典型的によくいるタイプ。かわいそうなのはその会社で一生懸命働いている従業員だが、それはこの場合、日本国民に置き換えてもいい。

▲同様に国家を会社に置き換えてみると、世界中が資本主義になってしまった昨今、すごく国際情勢が分かりやすいと思う。大企業アメリカ、かつての名門企業イギリス、社長交代でごたついて業績の上がらない大企業ロシア、凄まじい勢いで成長して新興大企業となった中国など、誰でも容易にイメージできるはず。では日本はというと、一見は大企業だが元来の資本規模からいって中堅企業、どっちかというと中小企業の部類なのではないか。

▲資源や人口といった資本をあまり持っていない日本は、創意工夫で世の中(世界)にいいものを作って売っていくという、典型的な中小企業の経営戦略でやってきたし、今後もその路線での堅実経営が必要だろう。もちろんアタマの切れる社長と勤勉な従業員が一生懸命働かないとそれはできない。取引先の大企業は常に無理難題をふっかけてくるし、新興企業は理解を超える商売の仕方で競争を仕掛けてくる。そんな中でどこにも負けず、従業員と家族の幸せを維持しつつ、将来永劫会社を発展させていくことは、従業員はもちろん、社長の能力こそ重要。ただし能力があってもワンマンはだめ。ワンマン社長はいずれ没落していく。それは最近の企業事件を見ているとわかるはずだ。

▲中小企業が生き残るためには、ちょっと調子がいいからといって尊大になって出過ぎるとたたかれるし、かといって自虐的になっていては他社に負けてしまうわけで、実に難しい舵取りが必要。日本という中小企業は、長い社歴のある名門企業ではあるものの、現在はボンボン社長の「殿ご乱心」に振り回されている状態なのでは。私は安部首相やトヨタの豊田副社長(やがて社長間違いなし)あたりとは歳がだいたい同じなので、安部首相のような同世代ボンボンの人生感はだいたい感覚的にわかるつもりだ。私の通っていた私立大学にも外車を乗り回すボンボンがいたが、彼と安部首相はあまりにダブって見える。

▲初代が創り、2代目が成長させた中小企業を3代目が潰すというのは良くあるパターンだが、日本という中小企業がそうなってしまうのは一生懸命働いているつもりの従業員としては勘弁してもらいたい。実際のところ、日本という企業の借金経営はもはや抜き差しならぬところまで来ているわけで、荒療治として銀行筋(民主党か?)から経営者を迎えるのも致し方ないところなのでは。でないといずれ外資に乗っ取られかねない。何よりボンボン社長をやめさせられないような経営陣には早々に退陣してもらうべき。世のワンマン中小企業と違って、これまで一応は社員の意見も聞いてきた民主的な経営の会社だったのだから、なおのことそう思うのだ。

 
 

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