第69回 モーターショーは地方が熱い

カテゴリ : その他クルマの話題 / 日時: 2007年12月12日

 

▲東京から始まったモーターショーが名古屋、大阪、福岡と巡業して幕を閉じた。2年に一度の東京モーターショーがこうして地方巡業していくことは首都圏の人にはあまり知られていないと思うが、地方にとっては東京モーターショーのコンセプトカーが東京へ行かずして見られるだけに、結構うれしいもの。特に今年は名古屋では輸入車の出展が増え、福岡でも久々に開会されたという点で例年にない賑わいを見せた。というのもクルマ興味人口の減少とともに東京は来場者数を減らしたが、他の地方では実は増えているのである。

▲たとえば名古屋は前回が22万6400人だったのに対し、今年は27万3700人。実は当社もこの名古屋のショーにはかなり深く関わっていたので実感としてわかるが、今年は本当に人が多かった。特に名古屋で目立ったのはラテン系とおぼしき外国人の姿だ。思うにトヨタをはじめとする中部のクルマ産業に従事する外国人労働者が、休日に大挙押し寄せたのだろう。主催者が自動車工場の食堂などにポスターをずいぶん貼ったことも、告知効果が高かったようだ。日本人来場者は相変わらず比較的年齢層が高く思えたのだが、外国人は若者も少なくない。彼らの活気がショーを盛り上げたという感覚はたしかにあった。

▲今回大阪へは残念ながら行かなかったのだが、やはり前回より人が入ったようだ。東京は自動車への興味減少が露骨に数字に現れて入場者数を減らしたが、こと地方に関してはやはりクルマが生活の生命線ゆえ、人々はそうひどくクルマへの興味を失ってはいないということなのだろう。特に今回始めて行ってみた福岡のショーは、最近の九州へのクルマ産業進出の熱気を十分示したショーとなっていた。入り口に並ぶ凄まじいまでの長蛇の列は、クルマにまだまだ力があることを再認識させてくれた。入場者数は11万6600人という。

▲しばらく開催されていなかった福岡でのモーターショーが久々に開催されたということに加え、今回は自治体や北部九州自動車150万台生産拠点推進会議、そして地元西日本新聞などが主催ということで、メディアの露出も多く、それが入場者数の増加に結びついていたようだ。また共催に九州他府県メディアに加え韓国メディアも参加しており、一時間足らずという韓国からの入場者もかなりあった模様。トヨタが本格的に進出しようとしている韓国やその先にある中国をはじめとしたアジア市場に最も近い「アジアのショー」という位置づけができるのも福岡の立地がなせる技だろう。これは名古屋にはまねできない部分だ。またメーカー出展の他にトヨタ九州、ダイハツ九州といったメーカー九州工場からの独自出展もあり、人手不足の名古屋から人材豊富な九州へ自動車生産がかなり移りつつあるという実感があった。

▲こうしてみると、世に知られる元気な名古屋というのは今がピークなのかも、という気がしてくる。市場がアジアになり、生産が九州になると名古屋の元気がそがれてしまうのは仕方ないところかも。今回、輸入車は名古屋では半分ほどのブランドが出展。しかし、福岡ではイタリア系のブランドが出展していただけだ(そうはいってもフィアットが新型500を初めてショー出品していた)が、おそらく2年後の次回は今回の入場者数を参考に、ほとんどのブランドが出展してくるだろう。ただし、一部インポーターには東京、大阪、福岡とショー出展の名古屋飛ばしの声が今年ですらあった。トヨタが名古屋にある以上、国産車の名古屋飛ばしはないと思うが、輸入車がそういう展開になることは何とか避けたいもの。アジアを見なければ輸入車の市場規模ではまだまだ名古屋の方が大きいのだから。

▲ずいぶん多くのタワーマンションがある湾岸部に沿って都市が発展している福岡。高速道路からの夜景は、まるで東京の湾岸エリアのようだ。名古屋は内陸部に街があるから、湾岸地区には工場や高速道路はあってもオシャレな街やタワーマンションはない。なんか負けてる(苦笑)。そんなこんなでドラゴンズが日本一となった今が、名古屋は本当にある意味ピークなのかもしれない。ちょっと危機感が(汗)。がんばれ名古屋。

 
 

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