第97回 愛知の大学生がクルマに求めるものは、「安全」がトップ

カテゴリ : ITS関連 / 日時: 2010年08月18日

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▲愛知県ITS推進協議会のITS大学セミナーグループが、平成21年度の活動報告をまとめている。先日、早稲田大学環境総合研究センターの石太郎氏より活動報告が行われた。これは昨年度一年間8回に渡る愛知県内の11大学でのセミナー後に、参加学生1355名からアンケートを取り、それをまとめたものだ。これがまたかなり面白いので報告したい。

▲まずは参加者分析。理系学生が3/4を占め、自動車所有率は64%。卒業までにクルマ取得予定という人を加えると90%となり、さすが愛知の大学生というところ。こと愛知県においては、若者の誰もがクルマを持つ、という原則はいまだ崩れてはいない。クルマが好きですか、という質問にも70%の人がハイと答えている。

▲クルマ社会に対するイメージは、という自由記述の質問では、「非常に便利で移動を楽にしている」「地域ではなくてはならない移動手段」「最先端技術」「環境、エコを考えている」というポジティブ意見と、「環境を破壊している」「事故が多くて危険である」「安全性に不安がある」というネガティブ意見が出てきているが、4割近くの若者がどちらかというとネガティブにとらえているようだ。必要な移動ツールだけど安全じゃなくて環境に悪い、ということか。

▲クルマを魅力的なものにするには何が足りないかという質問には、クルマ通学が認められていない名城大学生が、安全(33.8%)、コスト、デザインと答えるのに対し、認められている愛知工科大学では、デザインやカッコ良さ・ワクワク感(30.3%)、コスト、安全と答えている。いずれにしても安全性がまだ足りないと思っている若者が多いことは、要注目だろう。またお金があったら何が買いたいかという質問には、まず最初にクルマを持ってくる人の割合が圧倒的であることも分かったという。

▲そしてアンケートのうち7大学341名の回答を「テキストマイニング」という自由記述文章の言葉をバラして分析する方法で解析している。その結果、クルマ社会のイメージという記述では「便利、事故、環境、悪い、クルマ、危険、快適、移動、渋滞、排気ガス」という順で言葉が出現しているという。クルマを魅力的にするには、では、「安全性、デザイン、環境、価格、安い、配慮、エコ、快適、事故、道路」という順。この二つから漠然と見えてくるのは、やはりクルマは便利だけどネガティブな面が多い、とか、安全でカッコよくて環境によくて安いクルマが欲しいという実に分かりやすい結果だ。

▲さてこれに対する私の感想をまとめてみたい。愛知県の大学生はクルマが必需品ゆえ、より安全でエコなクルマを求めている。特に「安全」がこれほど要望されているのは意外だった。今の大学生が生まれた頃と比べたら、クルマの安全性は飛躍的に向上しているはずだが、事故報道が変わらず多いからか、どうもそれが伝わっていないように思える。同時に、クルマに対して絶対的な安全性を求めているようにも思える。それはありえないのだが。また今や絶対的な正義ともいえる「エコ」に関しては、それに抗う意見など、さすがに大学生では持つことはできないということだろう。

▲はっきりしていることは、これからクルマをもっと売ろうとするのであれば、安全性とエコを強調するしかないということだ。それに続いてカッコ良さと経済性か。とにかく走りなど誰も求めていない。そこをメーカーもしっかり認識する必要があるだろう。それがはっきり見えたアンケート結果といえる。そして主題である「安全や環境に寄与するITS」に関しては、カーナビやETCこそ8割以上が知っているが、VICS、バスロケ、ヘルプネット、安全運転支援などは6割以上が知らないと回答。大学生が安全を求めているにもかかわらず、こうした新技術の情報がほとんど伝わっていないことは、大いなる課題に思える。まずは大学構内などで、学生対象にスバルEyeSight試乗会を開催すべきなのでは。

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