第100回 今こそ情報公開を、そして強い指導力を

カテゴリ : 社会 / 日時: 2011年03月15日

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▲震災で被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。未曽有の災害の中、幸い何ら被害を被っていない名古屋で、我々がどう貢献したらいいのか悩みますが、なにはともあれ日本の経済を支えることが肝心かと思い、今まで通り、あるいはそれ以上の企業活動を続けようと思っています。ただそんな名古屋で歯がゆく思っていることを少し書いておきたいと思います。

▲まずひとつは政府の対応。どこまでどのような指示がなされて、現在どのような活動が行われているのか、さっぱりわかりません。被災していない我々のようなエリアの人間に、何らかの指示があれば喜んで協力したいと思います。ただ勝手に動くわけにはいかないので地団駄を踏んでいる状態。物資を送れと言われればできるだけ送りますし、金を出してくれと言われれば出しましょう。被災地救済のためのやり方を適格に示してもらえれば、協力することに全く問題はない。総理があれこれ本当に指示を出しているのか、疑問が募ります。それとも原発の状況がすべてを後手に回しているのでしょうか。

▲次にマスコミの対応。特に電波メディア。緊急体制として各社で報道を分担できないのでしょうか。また各社で違う内容の放送、つまり報道、あるいは被災地からの情報発信、あるいは娯楽と分けて流すことはできないのでしょうか。各局が同じような番組を垂れ流すだけでほんとうに役に立っているといえるのでしょうか。幸い、ネットがあるために、テレビだけの情報ではなく、様々な情報が入ってくるので大丈夫ですが、多くのテレビだけしか見られない人には、本当に偏った情報しか伝わっていないと思います。

▲特に原発の状況が緊迫してきている今は、情報としてはほとんどこれ一本という状況に各社なってしまっているようで、すでに被災地の情報が極端に減っている感があります。むろん、原発はキー局がある首都圏が巻き込まれる可能性が高いので、それが大きな理由なのでしょう。とにかく様々な被災地を丹念に取材して現状を伝えれば、もう少し我々も対応方法があると思いますが、しかし今どこがどうなっているのか、さっぱりわからない。どこで何が必要かをなぜ取材して報じないのでしょうか。

▲それとメディアがとにかく数字を伝えてばかりと感じるのは私だけでしょうか。何人が死亡した、何人が行方不明だという数字を懸命に報道しているように見えます。原発にしても、東電も政府もそしてメディアも数字を一生懸命伝えているだけにしか見えません。これはたぶん政府発表、官公庁発表の数字を原稿にしているだけだからでしょう。私も記者発表に行って記事を書くことがありますから、それが一番楽だと知っています。それゆえ発表する側も公式数字を作ることに必死になる。この期に及んでもお利口なプレスリリースを書く人に群がる、お利口な書き手の集まりに思えてなりません。

▲幸い私たちにはネットがあるので、海外の報道も見られ、政府の隠しているだろうことも少しは分かります。これがお涙頂戴的なテレビの現地取材映像より、どれだけ自分で考えるための役にたっていることか。とにかく、誰もが見られる電波という報道機関に今必要なのは、ドラマチックな生存物語よりリアルタイムの危機情報では。中継カメラを避難所に置いて、希望する被災者を順にカメラの前に建たせ、生存を全国に伝えさせる、なんてことがなぜできないのでしょうか。

▲もう一点、我々も紙媒体を出していますが、今回、新聞や雑誌といった紙媒体にかなり無力感を感じます。特に新聞など速報性の面では全く役に立たない。また雑誌も今回のように流通が混乱すると、結局メディアとしての力を持たないことが分かってきました。印刷紙不足で印刷できないという問題も生じています。やはりネットが最も役に立つと思います。しかし、ネットは使えない人がいるし、自らが被災すればどうしようもない。

▲それ故、テレビ放送という強固なインフラとネットを融合させて、強力な報道を行うことが求められると思います。私が首相なら、大きな反発があるでしょうけれど、非常時だからこそどこか一局くらいにそうしろと指示したい。通信と放送の垣根を今こそ取り払って、被災者や、なんとか助けたいと思っている国民にもっと知る力を与えたいと思います。原発情報もまるで上手くコントロール出来ていないように見える今の政府には、とても無理のようですが。

▲なんとかすべてがこれ以上悲惨なことにならないよう、収束していくことを祈ります。そして我々がお手伝いできる状況を早く整備してもらいたい。今のところ何も被害を受けていない我々も、今後は多くの苦難が降りかかる思っています。国難ともいえる状況ゆえ、いくらでも協力します。今、さらに多くの情報とより強い指導力がほんとうに欲しいと思っています。危機の時に強い指導力を求めることはファシズムにつながるのかもしれませんが、それでも。

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