第82回 SNSで音楽がタダで聴き放題に!文字コンテンツもぜひ!!

カテゴリ : コンピュータ・ネット / 日時: 2008年10月23日

 

▲最近ちょっとした趣味の仲間がいて、その仲間を中心にSNS(Mixi)をやっている。これが結構楽しいコミュニケーションで、辛い仕事の合間の一服の清涼剤というか、単なる「さぼり」というか、まあちょこちょことアクセスしているのだが、色々仲間内ならではの情報が集まってきてなかなか結構なものだ。私の場合、ネットのコミュニケーションはメールが中心で、チャットは面倒、メーリングリストは嫌々な感じでやることが多かったのだが、SNSはチャットとメールの間くらいで、実にちょうどいい感じ。

▲で、サイゾーという雑誌を読んでたら、佐々木俊尚というライターがアメリカのSNS「マイスペース」で、大半の楽曲がタダで聴けるというサービスが始まっていると書いている。Mixiでは「この曲いいっすよ」という話がよく出るのだが、残念ながらユーチューブへのリンクくらいで、オリジナルの楽曲をその場でマイミクに聴かせてあげるわけにはいかない。もしその場で聴けたならこれは盛り上がる(はず)。

▲マイスペースの場合、SNSが広告を集めその金でアーティスト(レコード会社)へ使用料を払い、ユーザーはタダで聴けるというもので、これはまあ、ラジオ局あたりと同じ仕組みといえる。これはトヨタがスポンサードしているらしい。もちろんマイスペースではシームレスでmp3のダウンロード購入もできるから、今後ダウンロード販売主体となっていくだろう音楽業界的にも悪い話ではない。それでもってここではボブ・ディランが、彼を知らなかった若者達にウケているらしい。そういう新たな展開もあるわけだ。SNSで誰かに教えてもらえれば、私らジジイももっと若者の曲を聴くようになるかも。

▲ロックって音楽はあんまり進歩してなくて、最近の若者の曲も、誰のどういう曲かきちんとおすすめしてもらえれば、私でもちゃんと聴ける曲が多い。でも最近のラジオは曲をかけるだけで、ヘタをすれば曲名すらわからないし、CDショップへ行っても予備知識なしではどうにも買えるわけがない。バンドはやたら数があるから、誰か私の好きだろう曲を教えてくれよ、という感じ。SNSではそれができるから、早くMixiでもマイスペースみたいなサービスをやって欲しいものだ。これは間違いなく音楽業界を活気づけると思う。

▲この素晴らしい仕組み、他にも転用できないものだろうか。例えばうちの会社の場合、コンテンツは雑誌だから、雑誌記事ページをすべてフラッシュベースのページビューアか何かで見られるようにしてしまい、その代わりスポンサーの広告料がうちに入ってくるという図式にすれば、これは悪くない。もちろん、雑誌の形で欲しい人は通販注文してもらえばいいわけだし。皆が皆、SNSをやっているわけでもないから、当面は現在の書店販売と両立も可能だろう。

▲しかし本当にこの仕組みでなんとかしてもらいたいのは、文字コンテンツそのもの有料化に関してだ。プロライターが労力をかけて書いた原稿を発表できる既存のメディア(雑誌や本や新聞)はどんどん潰れている。つまりプロライターが原稿で食えなくなってきている現実があるのだ。ネットの意義はわかっているつもりだから、ブログをはじめとするネット上の無料コンテンツを否定はしない。が、長年、物書き業界にいるとやはりプロの原稿は違う、と思わざるを得ないのも確か。特にノンフィクションなどの手間暇かかる原稿は、それ相応の金が入らないととても書けないものなのだし。

▲原稿をこうしたサイトに置いてベーシックな原稿料が広告から出されるのであれば、もっと良質な記事が増えるのではないかと思う(もちろんそれを許す広告主の器量が試されるのだが)。さらには、読者からのカンパ(マイルのようなポイントとか、スイカのような電子マネーによる)を得られる仕組みまで加えて持たせられれば、かなり現実的になってくるのではないだろうか。その労作記事に満足できれば、10円、100円単位のカンパをしてくれる読者は必ずいるはずだし、記事の満足度を測るバロメータにもなる。

▲昔からこうしたカンパ形式でのコンテンツ販売を夢見てきたが、個人サイトで行うことは技術的に無理が多い。しかし組織的なSNSならできるのではないか。雑誌や本が売れない状況はCDが売れない状況と同じだ。音楽コンテンツがこのSNSの形態で生き延びられるのであれば、文字コンテンツもできない話ではないはず。雑誌が売れなくなっても、雑誌広告が取れなくなっても、ネットを使ってこんな展開ができるようになれば、ライターは生き延びられる。私的にも、今後サイゾーのようなマイナー雑誌がもし「噂の真相」のように消え去っても、残念な気持ちにならなくてすむ。現在のままでは、深みのある、労力のかけられた文字コンテンツはなくなってしまいそうだ。それはちょっとまずいと思うので、ぜひこんな仕組みが欲しいものである。

 
 

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