Published by DAYS since 1997 from Nagoya, Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > 新車試乗記 > BMW 320d ブルーパフォーマンス スポーツ

BMW 320d ブルーパフォーマンス スポーツ新車試乗記(第 683回)

BMW 320d BluePerformance Sport

(2.0直4ターボディーゼル・8AT・490万円)

バイエルンからやって来た
最新クリーンディーゼルは
エコカーの「黒船」だった!

2013年01月19日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

ポスト新長期規制をクリアした最新クリーンディーゼル


BMW 320d BluePerformance
(photo:BMW ジャパン)

欧州では2011年秋にデビュー、日本では2012年1月に発売された6代目3シリーズ(F30型)。手始めに2リッター直4ガソリンターボの320iと328iが導入され、すでにハイブリッド車のアクティブハイブリッド3も上陸しているが、今回試乗したのは2012年8月に導入された2リッター直4ディーゼルターボの「320d ブルーパフォーマンス」(以下320dと表記)。次世代環境基準であるポスト新長期規制やユーロ6をクリアした最新クリーン・ディーゼル車の一台になる。

そのディーゼル・エンジンは、最新のコモンレール直噴システムに、エンジン回転数に応じて過給圧を制御する可変ジオメトリー・ターボチャージャー(VGターボ)を組み合わせたもの。最高出力は現行320iと同じ184ps、最大トルクは6気筒ガソリンターボの先代335i に迫る380Nm(38.7kgm)を発揮する。

 

320dに搭載されるBMWツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジン
(photo:BMW ジャパン)

変速機は、ガソリン車やハイブリッド車と同じ最新の8速AT。さらにエンジン・オート・スタート/ストップ機能(アイドリングストップ機能)、ブレーキ・エネルギー回生システムを搭載し、JC08モード燃費は新型マツダ アテンザが登場するまで国内のクリーン・ディーゼル車でトップだった19.4km/Lを達成。また、CX-5やアテンザのディーゼル車同様、尿素SCR(選択触媒還元)といったNOx後処理装置を使わずに環境基準をクリアしている。

■過去の新車試乗記 【BMW 3シリーズ関連】
BMW 328i スポーツ(F30型) (2012年4月更新)
BMW 320i (E90型) (2005年5月更新)
BMW 316ti (E46型) (2002年4月更新)

■過去の新車試乗記 【クリーンディーゼル関連】
マツダ CX-5 XD (2012年5月更新)
三菱 パジェロ ロングボディ エクシード (2010年11月更新)
メルセデス・ベンツ E350 ブルーテック (2010年3月更新)
ランチア デルタ 1.6 マルチジェット (2009年4月更新)
日産 エクストレイル 20GT (2008年10月更新)

 

価格帯&グレード展開

320iより20万円高いだけ


今回試乗した320d BluePerformance セダン

320dのボディタイプは、320iと328i同様、セダンとツーリング(ステーションワゴン)の2種類。また、内外装を各テーマごとにコーディネイトした「デザイン・ライン」も同様で、内外装をちょいスポーティにした「Sport」(今回の試乗車)、都会的なセンスでまとめた「Modern」、レザーシートやウォールナットウッドパネルなどを備えた「Luxury」、そして専用エアロパーツ、スポーツサスペンション、18インチホイール、左右出しマフラー等を装備した「M Sport」が用意される。

なお、320i セダンにある6MTやフルタイム4WDのxDrive(エックス・ドライブ)は、今のところ国内の320dには設定されていない。

一般的にディーゼルエンジンはガソリンエンジンより高コストだが、320dの価格は、320iより20万円高いだけの470万円からスタートする。トルクは320iの1.4倍もあり、燃費が3割ほど良く、燃料費も安くて(2013年1月現在、軽油はハイオクより約2割安い)、各種優遇(自動車取得税と重量税は100%減税)があることを考えると、お買い得感は高い。

 

BMW 3シリーズ ツーリング(F31型) ※写真は328i
(photo:BMW ジャパン)

■BMW 320d BluePerformance(セダン)
・標準グレード  470万円
Sport / Modern / Luxury  490万円  ※今回の試乗車
・M Sport          514万円

■BMW 320d BluePerformance Touring(ステーションワゴン)
・標準グレード  491万円
・Sport / Modern / Luxury  511万円
・M Sport          535万円

パッケージング&スタイル

国内向けクリーンディーゼルのセダンとしては最もコンパクト


試乗したのは「スポーツ」。Mスポーツを除けば、外観はアルミホイールの意匠やパーツの表面仕上げくらいしか違わない

320dの外観はガソリン車の320iや328iとほぼ同じ。ディーゼルかどうかを確かめるなら、リアの「320d」バッジを見るか、エンジン音で聞き分けることになる。

ボディサイズは先代より大きいが、全幅は先代と同じように、日本仕様のみドアハンドルの形状を変えて1800mmに、そして最小回転半径もボディサイズの割に小さい5.4メートルに抑えている。今のところ、日本で買えるセダンのクリーンディール車では、320dが最もコンパクトだ。

 
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
マツダ CX-5 XD 4540 1840 1705 2700 5.5
日産 エクストレイル 20GT 4665 1790 1700 2630 5.5
BMW 320d
ブルーパフォーマンス(F30)
4625 1800 1440 2810 5.4
マツダ アテンザ ワゴン XD 4800 1840 1480 2750 5.5
マツダ アテンザ セダン XD 4860 1450 2830 5.6
メルセデス・ベンツ E350
ブルーテック(W212)
4880 1855 1455 2875 5.3
 

インテリア&ラゲッジスペース


HDDナビ、コンフォートアクセス(スマートキー)は標準装備

内装も基本的にはガソリン車とほぼ一緒。明らかに違うのは、レッドゾーンが5400回転から始まる回転計くらいだろうか。

試乗した「スポーツ」は黒基調のダッシュボードに赤のアクセントが入るほか、電動スポーツシートが標準装備される。これに備わる電動調整式サイドサポートで、脇腹を左右から締め付けていくのが、ちょっと快感。座面の長さも手動で調整できるところもいい。季節柄、これでシートヒーターがあれば完璧だと思ったが、それは全車オプションになる。

 

8.8インチ・ディスプレイには、ナビ、走行情報、取扱説明書など多彩な情報表示が可能

ECO PROモードを選択すると、燃費運転の目安となる青いインジケーターが表示される
 

先代E90より明らかに広くなった後席。ファミリーカーやビジネスユースとしても十分に使える

赤のアクセントが目印のスポーツシート。電動調整式サイドサポートは他グレードでも選べる
 

荷室容量は480リッター、ツーリングで495リッター。後席は流行りの3分割で倒せる

ランフラットタイヤが標準で、スペアタイヤやパンク修理キットはない
 

基本性能&ドライブフィール

良い意味でディーゼルっぽくない


エンジンカバーを外したところ。アイドリング中、エンジン自体はけっこう震えている。中央に見えるのはヘッドの上に被さっているインシュレーター

試乗したのは320d セダンのスポーツ。エンジン始動ボタンを押すと、真冬の完全冷間でもククッとスターターが回った瞬間に火が入り、ディーゼル特有の「コロコロコロ」というエンジン音を立て始める。特に車外でははっきり聞こえるが、車内では気にならない。振動も伝わってこない。

そしてタイヤが転がり始め、回転数が少し上がった瞬間、すっとエンジン音が消える。すぐに2速、3速にシフトアップ。8速ATだけに変速は小まめで、街中では1500回転から2000回転くらいをキープ。そこからアクセルを軽く踏み込むと、シフトダウンなしで力強く加速する。この感覚は、最大トルクの38.7kgmを1750回転で発揮するというカタログスペックから想像される通り。

 

試しに、発進から思い切りアクセルを踏み込んでみても、印象はそんなに変わらない。燃費重視のECO PROモードでは、4000回転くらいで早くもシフトアップ。スポーツモードでも、4300回転くらいで上のギアにバトンタッチしてしまう。なので、2速でグォッ、3速でグォッ、4速でグォッと、一つのギアで盛り上がる前にシフトアップする感じ。なにしろ最高出力の184psは、たった4000回転で発揮される。

なので、現行328iのような高回転での突き抜け感はないが、実際にはもちろん十分に速い。例えば、UK仕様の0-100km/h加速は、320dが7.4秒、320iが7.3秒と、ほぼ同じ。それはエンジンをガイーンと回さなくても、2リッターガソリンターボ並みに速い、ということを意味する。

大排気量車のような重厚感

もう一つ印象的なのが重厚感。車重は意外にも320iより10kg重いだけだが(1550kg)、前輪をグリグリと路面に押し付けるような接地感が、大排気量車のような重々しさを生んでいる。それでいて、クイックに反応する電動パワステ、トルクフルに反応するエンジン、ガチッとしたボディの剛性感などが、機敏さや軽快さも感じさせる。

タイヤはランフラットで、荒れた路面では硬さを感じることもあるが、総じて乗り心地はいい。試乗車はタイヤのヒゲがトレッド面に残っているような新車状態だったので、慣らしが進めば乗り心地はもっとマイルドになると思う。

 

ランフラットタイヤは全車標準。試乗車はBSのポテンザ S001 RFTだった

一方、ワインディングでは、ドライバーが積極的に曲げるというより、クルマなりに曲がってもらう感じ。エンジンを上まで回しても、せいぜい5000回転なので、エンブレもほとんど効かず、またスピード感やリズムもつかみにくく、ガソリン車とは違った接し方が要求される。また、強引なステアリング操作に対しては、リアがフワッとする瞬間がある。それが気になるなら、10mmローダウンのスポーツサスペンションを装備したMスポーツがいいかもしれない。

100km/h巡航時のエンジン回転数は、8速トップでわずか1500回転。この速度域で走ると、信じられないほど燃費が良く、平均燃費計は5L/100km(=20km/L)前後で推移する。さらに速度を上げると風切り音が高まるが、スピード感は変わらない。このあたりはCX-5など、今どきの最新ディーゼル車と同じだが、3シリーズは元祖スポーツセダンを標榜するクルマだけに、クルマとの一体感が濃い。UK仕様(8AT)の最高速は、328iの250km/h(リミッター作動)には及ばないが、320iの233km/hと大差ない230km/hとある。

試乗燃費は13.9~17.5km/L。JC08モードは19.4km/L


今回給油した愛知県内の某ガソリンスタンドでは、ハイオクが155円、レギュラーが144円、軽油が123円だった

今回は約250kmを試乗。参考までに試乗燃費(車載燃費計による)は、いつもの一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約90km)が7.2L/100km=約13.9km/L、一般道をECO PROモードで大人しく走った区間(約60km)が5.8L/100km=17.5km/Lだった。ちなみに昨春、現行328iに試乗した時の燃費は10.1~15.6km/Lだったが、これだって高級Dセグメントセダンとしては悪くない数字。

JC08モード燃費は、セダン、ツーリング共に19.4km/L。この数値は328iの15.2km/Lより約3割、320iの16.4km/Lより約2割いい。しかも2013年1月現在、軽油の実売価格はリッター約120円だから、ハイオクの約150円より約2割も安い。大ざっぱな話、燃料代はガソリン車の半分くらいに収まりそう。

燃料タンク容量はガソリン車より3リッター少ない57リッターだが、航続距離は800kmから900kmくらいまで伸びそう。

 
    エンジン 変速機 最高出力
kW(ps)
最大トルク
Nm(kgm)
JC08モード
燃費(km/L)
日産 エクストレイル 20GT 2.0L 直4
ディーゼルターボ
6AT/6MT 127(173) 360(36.7) 13.8(6AT)/14.2(6MT)
BMW 320d
ブルーパフォーマンス
2.0L 直4
ディーゼルターボ
8AT 135(184) 380(38.7) 19.4
マツダ アテンザ XD 2.2L 直4
ディーゼルターボ
6AT/6MT 129(175) 420(42.8) 20.0(6AT)/22.4(6MT)
マツダ CX-5 XD 6AT 18.6(FF)/18.0(4WD)
メルセデス・ベンツ E350
ブルーテック
3.0L V6
ディーゼルターボ
7AT 155(211) 540(55.1) 12.4

 

ここがイイ

パワートレイン、燃費などなど

「これぞ最新ディーゼル」と言えるトルクフルな走り、そして振動・ノイズの少なさ。ディーゼル特有のネガはアイドリング時のわずかなコロコロ音くらいで、逆に言えば良い意味でディーゼルっぽさがない。

ディーゼルエンジンの良さを引き出す8ATの採用。最新の8ATを1シリーズや3シリーズにどんどん搭載してゆく点だけ見ても、日本のメーカーは太刀打ち出来ないと感じてしまうのでは。

何より抜群に燃費がいい。これだけの高級車、動力性能で、ハイブリッド車や「第3のエコカー」に負けないレベル。

重厚かつ軽快な運転感覚。先代E90よりもマイルドになったシャシーに、トルクフルなディーゼルエンジンが載ったことで、どことなくメルセデス・ベンツ風のタッチも身につけた。ちょっと古いベンツのユーザーにも受け入れやすいクルマでは。

 

アイドリングストップからの再始動は、ディーゼルエンジンとは思えないほど素早い。エンジンが掛かった瞬間に軽微なショックがあり、特にブレーキペダルからアクセルペダルへの踏み替えを素速く行った時は気になるが、半拍ほど間をおけばそうでもなく、許容範囲だと思う。むしろガソリン車の1シリーズや3シリーズよりも気にならないくらい。マツダのi-stop同様、ステアリングを動かすと再始動する仕組みも採用されている。

その他、細かいところでは、ドアの小気味良い開閉音。電子制御シフトレバーの使いやすさ(慣れないとPボタンやロック解除ボタンは押しにくいが)。そしてiDriveも本当に使いやすくなった。

また小さなことだが、ヒーターが効いている時にはダッシュボード中央のエア吹き出し口から温風ではなく「冷風」を出すことが出来る。頭寒足熱という言葉をすっかり忘れていたが、これは理にかなったもの。他メーカーでも真似てほしい装備だ。また、まったくネガを感じなくなったランフラットタイヤの採用は、純正タイヤのまま乗る人にはありがたいものだ。

ここがダメ

ヒーターの効きが遅い

エンジンの水温が上がるまで、水温計が壊れたんじゃないかと思うほど時間が掛かる。ディーゼルエンジンだからなのか、このエンジン固有の特性なのか分からないが、この時期だとヒーターがなかなか効かないのには困った。また水温や室温の上昇を待ってか、それともバッテリーの充電状態を見ているのか、エンジンが冷えている状態だとアイドリングストップもなかなか作動しない。クルマに短距離しか乗らない人だと、冬場はちょっと辛いかも。その意味でシートヒーターは欲しいと思った。

小柄な人は、もう少しシートリフターが持ち上がって欲しいと思うだろう。また、かなり深い位置にあるペダルにシートポジションを合わせると、ステアリングはテレスコをかなり押し込んだ位置になってしまう。ペダル位置がもうちょっと手前にあればいいのだが。

要望としては、6MTの設定を期待したい。ガソリン車の320iには6MTがあるが、MTで乗るなら320dの方が面白いと思う。日産エクストレイルのターボディーゼルも、6MTが断然面白かった。ちなみに新型アテンザのディーゼルには6MTの設定がある。

あまり多くを望むのは酷というものだが、そろそろ3シリーズにもプリクラッシュ系のシステムを積極的に採用して欲しいところ。またインテリジェント系の装備が完全に車両と一体化していて変更不可能なだけに、ナビなどの機能は乗り続けているうちにいずれ不満が出ると思う。

総合評価

ポジの部分ばかり目につく

欧州ではエコカーとしてディーゼルが流行っているらしい。いや今や主力はディーゼルらしい。もはやガソリン車をしのぐディーゼル車がいっぱいあるらしい。そんな「らしい」を聞きはじめて久しいが、ついに日本国内でも、それを実感できるクルマが登場した。

この320dは掛け値なしに素晴らしい。これまで乗ってきたいくつかのディーゼル車は、振動や実際の燃費など、どこかに何かネガに思う部分があったものだが、このクルマではついにそれが見当たらなくなった(あるとすれば今後10年も経った時のヤレやメンテナンスコストがどうかという点くらいか)。ディーゼルを積極的に選ぶ必要などないと、この10年思い続けてきたが、ついに白旗を上げる時が来た。

 

アイドリングストップから始動するときに、ややショックがあるが、それはガソリン車も同様だったので、ディーゼルのせいではない。こうなると低燃費、燃料費の安さ、優遇措置を含めた経済性はもちろん、何より日常的に乗るクルマに求められる大トルクといったポジの部分ばかりが目につく。国内市場で考えれば、新型マツダ アテンザのディーゼル車がライバルになるが、320dの方がボディサイズが小さいことは今の時代、かえってメリットと言えるだろう。一般的な立体駐車場にラクラク入るサイズの最新ディーゼル車は、今のところこれしかないのだから。

ほぼ一年前に乗ったガソリンエンジンの328i は、今ひとつ心に残らなかったのだが、今回は違う。前述したように、重厚、それでいて軽快な運転感覚で、クルマの伝統的な乗り味としては理想に近いもの。184psのパワー感はちょうどいいという程度だが、それでいて大トルク感のあることが、走りの気持ちよさの要因だろう。後輪駆動のクルマは少なくなったが、後輪駆動の大トルク感こそがクルマ本来の伝統的な気持ちよさだと思う。その意味でも、フォルクスワーゲンのFF車に乗った時のような、いいクルマだなあと自然に思える感覚ではなく、いかにもBMWというクルマの個性を思い知ることになる。

iPadとイメージが重なる

BMWは独立独歩の会社で、ホンダやAppleにもイメージが重なる。それはユーザー側もよく分かっているようで、Macユーザー(でクルマ好きな人)は、たいていBMWが好きだ。1997年に故スティーブ・ジョブズは「彼はAppleをBMWに例えました。BMWが世界の車市場で占めるシェアは5%以下です。しかしBMWは数あるブランドの中でブランドとして存在感を示しています。スティーブのヴィジョンはこうです。量は捨てる。そのかわり質と革新性において圧倒する」と言っていたそうだ(http://www.gizmodo.jp/2010/11/_bmw1997apple.html)。Mac好きにとっては溜飲が下がるはず。その後、現在に至る歩みはBMW、Apple共にご承知の通り。

そして今、Appleが先行したタブレットと、このBMWのディーゼルエンジンはイメージがだぶる。タブレットでは数の上でAndroid陣営がいよいよ主流になりつつあるが、ディーゼルもやがて多くのメーカーが競いあうようになるのだろう。しかし今はこのクルマに乗ると、出た当初のiPadのような先進性を存分に楽しめる。Mac好きでない人でもiPadには飛びついたように、BMW好きではない人でもこのクルマには飛びつきたくなる。ボディサイズは十分コンパクトで、日本車では選択肢の少ないステーションワゴンも選ぶことができ、しかも燃料代が安くつくという現実的なメリットもあるのだから、ほとんど無敵だ。燃料代が安いということは、クルマの本質である「移動の自由」がより高まるということ。名古屋・東京間は新幹線で約1万円だが、このクルマなら2割ほど安く移動できる。快適な新東名を巡航するBMW 320d ブルーパフォーマンス。やっぱり21世紀は来たのだな、と思う。

 

しかしディーゼルやハイブリッドというものが台頭してきたことで、いよいよ伝統的なガソリンエンジンというものは、存在感を失いつつある。V6、直6、いわんやV8、V12、そんな古き良きガソリンエンジンの時代は、いよいよ遠くになりにけりということだろう。これだけいいものを出されると、他メーカーも刺激を受けざるを得ないから、これから始まるディーゼル車の競争は大歓迎だ。これでクルマにまた一つ、新たな商品価値が加わった。軽自動車はますます進化するし、こうした完璧なディーゼル車もいよいよ出てきた。クルマは「オワコン」ではない。クルマは一部の家電のような完成してしまった商品ではなく、これからもどんどん本質的な進化を進め、変わっていく商品だ。人が自由な移動を欲する限り、クルマはけして死なない。

 
 

試乗車スペック
BMW 320d ブルーパフォーマンス スポーツ
(2.0直4ターボディーゼル・8AT・490万円)

●初年度登録:2012年11月●形式:LDA-3D20 ●全長4625mm×全幅1800mm×全高1440mm ●ホイールベース:2810mm ●最小回転半径:5.4m ●車重(車検証記載値):1550kg(-+-) ●乗車定員:5名

●エンジン型式:- ●排気量・エンジン種類:1995cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴・ディーゼル・ターボ・縦置 ●ボア×ストローク:84.0×90.0mm ●圧縮比:16.5 ●最高出力:135kW(184ps)/4000rpm ●最大トルク:380Nm (38.7kgm)/1750-2750rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:軽油/57L ●10・15モード燃費:-km/L ●JC08モード燃費:19.4km/L

●駆動方式:FR(後輪駆動) ●サスペンション形式:前 ダブルジョイントストラット+コイル/後 5リンク+コイル ●タイヤ:225/50R17(Bridgestone Potenza S001 RFT) ●試乗車価格(概算):492万円  ※オプション:ストレージパッケージ 2万円 ●ボディカラー:アルピン・ホワイト III ●試乗距離:約260km ●試乗日:2013年1月 ●車両協力:Nagoya-Minami BMW(株式会社ホワイトハウス)

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 
BMW正規ディーラー Nagoya-Minami BMW

BMW 最新の試乗記10件

最近の試乗記一覧

関連コンテンツ一覧