新車試乗記 第543回 ホンダ アコード ツアラー 24TL Honda Accord Tourer 24TL

(2.4リッター・5AT・315万円)

ワゴンから「ツアラー」に改称。
欧州仕込みの8代目アコードは
日本でどこを目指すのか?

日時: 2009年01月30日

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キャラクター&開発コンセプト

欧州テイストを強めた8代目。ワゴンは「ツアラー」に改称

6年ぶりにフルモデルチェンジを受けて8代目となった「アコード」が、2008年12月5日に発売された。セダンとステーションワゴンの2モデルだが、ワゴンは今回から欧州仕様にならって「ツアラー」に改称されている。

高級感や走行性能など『質の向上』を図ったと訴える新型アコードは、やはり先代同様、基本的には欧州アコードと同じ。米国では2代目アキュラ・TSXとして販売される。なお、米国における現行アコードは、日本では現在インスパイアと呼ばれるモデルだ。

販売目標は先代の月間5000台から、月間1000台へと大幅に縮小された。1976年の登場以来、世界累計1600万台(2007年時点、ホンダ調べ)の超メジャー車種としては何とも寂しい数字だが、最近の国内販売動向を見るとそれもやむなしか。

広告キャッチコピーは、先代以上に欧州志向を強めたことを反映して、「ニッポンを面白い方へ連れていけ」。さらに小さく、「この国に、ヨーロッパのロングドライブを」と続く。

ホンダ>プレスリリース>アコードシリーズをフルモデルチェンジし発売(2008年12月4日) http://www.honda.co.jp/news/2008/4081204-accord.html

価格帯&グレード展開

270万円からスタート。ツアラーは22万~30万円高

全車2.4リッター直4・DOHCエンジン(206ps)+5ATのFFで、セダンとツアラー、共に4グレードを設定。ベースグレードの「24E」、主力の「24TL」、エアロパーツやダーククロームメッキ・フロントグリル、18インチタイヤを装着した「24TL スポーツスタイル」、そして車速/車間制御システム「ACC」や追突軽減ブレーキ「CMBS」+E-プリテンショナー、車線維持支援システム「LKAS」を標準装備したハイテク武装グレード「24iL」となる。

2リッターがあった先代は消費税抜きで199万円からだっただけに、敷居が高くなったという印象は否めない。セダンに対して、ツアラーは22万~30万円高だ。

【アコード(セダン)】
■「24E」   270万円
■「24TL」   290万円
■「24TL・Sports Style」   316万円
■「24iL」  380万円


今回試乗したのはツアラーの「24TL」

【アコード ツアラー】
■「24E」   295万円
「24TL」   315万円 ★今週の試乗車
■「24TL Sports Style」   338万円
■「24iL」  410万円

なおホンダの発表によると、発売後1ヶ月の受注(約2000台)の内訳は、セダンが54%、ツアラーが46%。購入層はセダンが50代以上、ツアラーは30~50代の男性が中心という。売れ筋グレードはセダンが「24TL」、ツアラーが「24TL スポーツスタイル」。オプションはHDDインターナビシステムの装着率が約9割と高いようだ。

パッケージング&スタイル

良くも悪くも欧州サイズ

ボディサイズ(セダン)は全長4730mm×全幅1840mm×全高1470mm。ツアラーの全長はそれより+20mm、「スポーツスタイル」の全幅は+10mm大きい。6年ぶりのモデルチェンジであり、先代より80~90mmもアップした全幅が、良くも悪くも「欧州向け」であることを物語っている。

スタイリングはどう評したらいいのだろうか。ツアラーのリアビューはアウディA4アヴァントやシトロエンC5ツアラーを思わせるもので、確かにカッコいい。一方、フロントビューやセダンにはいろいろな要素が入っていて捉えどころがない。例えば先代アコードの面影は当然として、プラットフォーム的に近いインスパイア、発売間近の新型インサイト、国内販売主力のオデッセイなどだ。

ボンネットが低くて、スリークだった昔のアコード、あるいは1990年代に日本で輸入販売された「USアコードワゴン」(4代目および5代目)あたりに馴染みのある日本人には、理解しにくい大きさとデザインかもしれない。

スポーティで、横方向に広々。視界も良好

新型インスパイアより若々しく、オデッセイよりスポーティなインテリア。ボディ幅を活かしてショルダー部の室内幅は65mmもアップし、センターコンソールの幅も40mmアップ。大柄なヨーロピアンが並んで乗っても狭苦しくない空間となっている。

ドライバーからの印象は、せり出したHDDインターナビの操作系や堂々としたセンターコンソールに囲まれてけっこうタイトだが、Aピラーは細く、前方視界はまずまず。極太のAピラーや三角窓のステーが視界を狭めていた一時期の反省が活かされている。

パウダースラッシュ製法による弾力のあるダッシュボード表皮は、国内外のDセグメントカー以上の高級車や上級スポーツカーでよく見られるもので質感は高いが、珍しいものではない。操作系は同クラスのホンダ車と似たような感じだ。

サポートワイヤーをショルダー部に内蔵するシートは、まさに欧州向けという感じ。小柄な日本人ではちょっとフィット感が得にくい。オルガン式のアクセルペダルは先代から継承するものだ。

パドルシフトは全車標準。これでやっと「5速」ATらしくなった

新型アコードは、オデッセイ・アブソルート同様のパドルシフトを全車に標準装備している。相変わらず5速ATだが、今まで長く使われてきた1速-2速-D3(1~3速)-D(1~5速)という一見4ATみたいなゲートから、パドル操作でマニュアルシフトするタイプとなった。これでようやく4速を任意で選べるようになったわけだ。

 

パドルは右が+(シフトアップ)、左が-(シフトダウン)という一般的なもの。操作すれば自動的にマニュアルモードになり、放っておくとDに復帰するという使い方も、これまた一般的なもの。マニュアルモードで固定する場合は、シフトレバーを「S」ポジションにすれば良い。従来方式にもホンダが主張するメリットはあっただろうが、とりあえずシフト関係はこれで一般的なものとなり、使いやすいものとなった。

後席空間はちょっとタイト

2705mmのホイールベースは、先代の35mm増しに留まる。横幅も室内幅も増えているのだが、「けっこうタイト」と思えてしまうのはなぜだろうか? 室内寸法を先代と比べてみると、セダンもワゴンも室内高だけが減っており(セダンで-20mm、ツアラーで-30mm)、おそらくサイドウインドウの傾斜も強まっているはずだ。

ツアラーの場合、乗降性はCピラーが寝ているセダンよりはマシだが、やはり足もとの開口部が狭く、足の出し入れがしにくい。快適なリアシートはインスパイアに任せて、アコードはあくまでヨーロッパ流のドライバーズカーということだろう。

積載量より、セダン譲りの走りを優先

ツアラーの荷室は上質感を重視し、荷物がキャビンに飛び込むのを防ぐ巻き取り式カーゴネットを装備するなど、欧州市場を意識した作り。両側にフタ付きの収納スペースを多数用意するほか、パンク修理キットを搭載してスペアタイヤレスとし、床下に69リッターという大容量の収納スペースも確保する。ただし容量(5人乗車時)は406リッターとそこそこだ。

 

タンスや自転車といった大荷物を積むのも得意としない。まずリアシートの背もたれを倒しても水平にならないし、ストラットまわりの張り出しが空間を大いに狭めている。最大容量もこのクラスのワゴンとしては物足りない660リッターに過ぎない。同クラスのワゴン、例えばアウディA4やボルボV70、レガシィあたりの荷室と見比べれば明らかなように、積載性よりもセダン譲りの走りを優先した作りだ。

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