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トヨタ アルファード 350G “Lパッケージ”新車試乗記(第513回)

Toyota Alphard 350G

(3.5リッターV6・6AT・450万円)

2代目に進化した
「ミニバンの頂点」は
このまま首位固めに入るのか?

2008年06月07日

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キャラクター&開発コンセプト

コンセプトは不変、諸性能と装備を向上

2008年5月12日に発売された2代目アルファード(トヨペット店向け)、およびその兄弟車として新登場のヴェルファイア(ネッツ店向け)は、トヨタの最高級大型ミニバン。2002年に登場した初代アルファードの後継車だ。

6年ぶりのフルモデルチェンジとなったが、「威風堂々」たる外観と基本コンセプトに揺らぎはない。ハードウエア的には、現行エスティマ(2006年1月発売)から発展した低床プラットフォームと前後サスペンションを採用。2種類のパワートレインも、トヨタの現行FF上級車に追いつく形で一新されている。

生産拠点はトヨタ車体(株)のいなべ工場(三重県いなべ市)。目標販売台数はアルファード/ヴェルファイアで各3000台の月間6000台。なお初代の目標は、2002年デビュー時に月間4000台、2005年の改良時に上方修正されて7000台だった。多少なりとも目標が下がったのは、やはり国内の新車不況を反映したものか。

なお、初代アルファードのテレビCMタレントは、長らく俳優のジャン・レノ(1948年生)だったが、新型では一気に若返って1971年生まれのユアン・マクレガーとなっている。

新登場のヴェルファイア

ネッツ店向けに追加されたヴェルファイアは、ヴォクシー/ノアの関係でいくと、ヴォクシーに相当するモデル。上下2段構えのヘッドライトなどスポーティなデザインが特徴だが、ハードウエア的にはまったく同じだ。

ちなみにトヨタ伝統?の「V」から始まる車名「Vellfire」は、「velvet」(いわゆるベルベットだがトヨタによればここでは「もの静かな」)と「fire」(炎であるが、同じく「情熱」だそう)を足した造語とのこと。しかしそれならば、l(エル)が2つ付くのは不自然で、むしろフランス語の「belle」(「美しい」の女性形)を意識しつつ、頭文字をVに変えた、と考えた方が自然に思える。BoxyではなくVoxyなのと同じ理屈だ。

価格帯&グレード展開

2.4が300万円から。3.5は338万円から

アルファードとヴェルファイアのグレードと価格設定は実質的に同じ。2.4リッター直4(170ps、22.8kgm)+CVTが300万~360万円。3.5リッターV6(280ps、35.1kgm)+6ATが338万~450万円となる。

V6のトップグレードが450万円と高価なのはレザーシートだからで、ファブリックなら407万円が上限。ただしナビゲーションシステムやオーディオは全車オプションだ。4WD車はそれぞれ18万~21万円高。

今回の試乗車は最上級グレードの「350G “Lパッケージ”」(2WDで450万円)のほぼフルオプション仕様。価格は570万2250円とレクサスGS級だ。

パッケージング&スタイル

威風堂々は相変わらず

試乗した350G(2WD)のボディサイズ(先代比)は、全長4850mm(+10)×全幅1830mm(+25)×全高1890mm(-45)。ホイールベースは2950mm(+50)。低床プラットフォームに切り替えたことで、背が低くなったのが最大の変化だ。

とはいえ絶対的な全高は1.9メートルもあり、新型もかなり堂々として見える。巨大なメッキグリル、末広がりのBピラーといった先代の特徴を踏襲したおかげで、誰が見ても一目でアルファードだと分かる。これは大したものだ。

ボディサイドには最近のトヨタ車に共通の複雑な抑揚が加えられたが、いい意味であまり目立っていないため気に障らない。クラウン同様、コンセプトがはっきりしており、それが形に現れた好例だ。

ウッド調パネルの質感に異議あり

操作系や装備はトヨタの最高級クラスに共通のもの。オプション満載の試乗車の場合、装備に当然不足はない。センターコンソールのメタル調パネル(上級グレード)は、一般的な塗装やレクサスIS Fのようなアルミ蒸着ではなく、今回初採用のスパッタリング工法(銀白色のクロム原子を真空中で付着させる工法とのこと)によるもの。表面がツルツルしているのと、形状が複雑なため本物感はないが、塗装より質感は高い。

気になったのはウッド調パネルの質感で、ここはアルファードを実際に買うユーザーの間でも賛否が分かれるのではないだろうか。詳しくは後の「ここがダメ」で。

「あれっ」と思ったのは、電動スライドドアの運転席用スイッチの場所。以前ならステアリングの下あたりにあったはずだが・・・・・・、探し続けると天井に発見。ここの方が誤操作が避けられて良さそうだ。

室内高は変わらず。床も着座位置も55mm低くなった

背が45mm低くなったのは、そもそも床が55mm低くなったためで、室内高は結果的に10mm増えたという。低床はもともとホンダが得意としてきた手法だが、当然の流れではある。

一般のユーザーが低床化でメリットを感じるのは、乗降性の良さだろう。運転席ヒップポイントも床と一緒に55mm下がったため、先代にもまだ多少あった「どっこいしょ」感がかなり薄まった。もっと低ければ、と思わないでもないが、走行中の観光バス的な見晴らし(ドライバーではなくパッセンジャーの)を考慮すれば、このあたりが落としどころかもしれない。

「社長の椅子」の座り心地は?

立派な固定式アームレスト付きの2列目「エグゼクティブパワーシート」は、450万円の「350G“Lパッケージ”」のもの。エアロパーツの付いた「350S “Cパッケージ”」(416万円)には、これのファブリック版が付く。これら以外の主力グレードでは、一般的なキャプテンシート(7人乗り)か、ベンチシート(8人乗り)だ。

というわけで、あまり一般的とは言えないこの豪華版シートだが、「旅客機のファーストクラス」のような形状は、いかにも快適そう。電動リクライニング、電動オットマン、大型フットレスト(こちらはバネ仕掛手け)、象の耳のような大型ヘッドレスト、前後スライド(手動)など、至れり尽くせり。エグゼクティブと名乗る通り、まさに社長椅子だ。

ところが実際に座ってみると、固めのクッションのせいか背中や腰のあたりのフィット感は意外にも得にくい。調節の効かないアームレストは位置が高く、腕が必要以上に持ち上げられる。要するにかなり大柄な体格(男性)を想定したもの、という印象がぬぐえない。一方、せっかくのフットレストに足を乗せると膝裏が浮いてしまう。社長の椅子も座ってみると意外につらい、ということか。

中央席にも3点式シートベルトが付いた

3列目シートは、後で触れる跳ね上げ機構は新しいが、見た目や座った感じは従来のものに近い。目新しいのは、中央席の脱着式ヘッドレスト(ランクル200系と似たもの。右の写真は非装着状態)と3点式シートベルトがついたことくらいか。

2人掛けとして考えれば、空間的には何の問題もない。座り心地はサブコンパクトカー(ヴィッツやラクティスあたり)の後席のような感じだが、空間の広さ、見晴らしの良さ、内装の上質感がそれを補ってあまりある。天井からぶら下る9インチモニターは、さすがに3列目からだと小さくて、見る気がしない。

なおエアバッグは全車7個だが、そのうちの5個は前席用(フロント×2、サイド×2、運転席ニー×1)で、2列目と3列目は一対のカーテンエアバッグがカバーする。

サイド跳ね上げ操作をヴォクシー/ノア風に改良

相変わらずフル乗車時の荷室容量は最小限だが、3列目のサイド跳ね上げ操作がヴォクシー/ノアのように軽くなった。女性の細腕でも、これなら出来る。固定用フックも同様に、樹脂製バックル式になって、より簡単になった。特定の場所に3列目の前後スライド位置を合わせる必要がある、といった手間は相変わらずだが、負担が減ったのは確かだ。スペアタイヤは従来同様、床下吊り下げ式となっている。

基本性能&ドライブフィール

3.5リッターに試乗。アルファードらしさは変わらず

試乗した350Gのエンジンは、トヨタ車でおなじみの3.5リッターV6「2GR-FE」(280ps、35.1kgm)。変速機も先代から1段増えたものの、現行トヨタ車で定番の6速ATだ。車重(2WD)はオプション込みで2050kgとある。

280psの最大出力はともかく、35.1kgmの大トルクによるゆったりした走りは、ある意味「威風堂々」を掲げるアルファードらしいもの。1名か2名乗車でチャキチャキ走るならともかく、7人フル乗車で「ご送迎」という用途には、トルク変動の小さい低回転で走行できる3.5は悪くない。ただし2.4も先代の4ATではなく、出来のいいCVTだから、そういう走りも実は可能ではあるのだが。

最初のうちはアルファード特有のおっとりした動きやブレーキの効き方、腰高な運転感覚が気になるものの、これはすぐに慣れてしまう。特に、誰かを後席に乗せた時の「人をおもてなす」感は、アルファードならではのファン・トゥー・ドライブだ。余分な前後・左右Gが生じないように丁寧に走らせると、全てつじつまが合うように出来ている。ま、このあたりの印象は、おおむね先代アルファードと同じもの。一般的な速度での運転感覚や快適性は、従来の延長線上と考えていいだろう。

操縦性安定性は現行エスティマ譲り

では新型で何が変わったかといえば、操縦安定性だ。街乗り程度だと違いが分かりにくいが、ワインディングでちょっと負荷をかければその差は歴然。過去に広報車という形で試乗してきた先代アルファード(2002年の初期モデルと2005年の改良後モデル)はいずれも3リッターV6(220ps、31.0kgm)の4WDだったが、今回の車両は2WD。しかもエンジンはショートストロークで高回転志向の「2GR-FE」となり、+60psの280psだ。それでも新型アルファードは2WDにしてそのパワーをそう持て余すことなく、先代の4WDに遜色ない安定感でタイトな山道を走る。

車重のせいか、スロットル制御が行われているせいか、プラットフォームを共有する新型エスティマの3.5(同じく280ps)のようなパワーの過剰感はなく、トラクション不足はほとんど感じなかった(少なくとも乾燥路では)。アンダーステアの状態からさらにステアリングを切り込む、もしくはブレーキを掛けて姿勢の乱れを誘う、ということ自体、先代アルファードでは気軽に出来なかったことだ。もちろん、こういう状況では全車標準の「S-VSC」がピピピピ・・・・・・と介入し、電動パワステの制御、スロットル制御、ブレーキ制御を行って穏やかに挙動を収束させる。そこまで行かずとも、一人だとちょっと飛ばしてしまうお父さんなら、この新旧の差に気付くはずだ。

参考実燃費は6km/L台。ただし3.5はハイオク指定

今回は約200kmを試乗。いつものコースを使った純粋な試乗区間では6.9km/L。撮影や街乗りを含めたトータルでは6.1km/Lだった。10・15モード燃費は9.1km/Lだが(先代3.0リッター比で約7%改善という)、280psと車重2トンで6km/L台なら御の字だろう。ただしこの3.5リッターV6の指定燃料はプレミアムガソリン。カタログ欄外には、

「*無鉛レギュラーガソリンをお使いになることもできます。その場合エンジン本来の性能を発揮できません。」

とあるが、これをガソリン高騰の昨今、どう解釈すべきかは悩ましい。

ここがイイ

スタイリング、格段に充実した安全装備、操縦安定性、費用対効果

スタイリングはキープコンセプトでいうことなし。大きく立派で他車を圧倒する。ボディラインに、最近のトヨタに多い(ヴォクシーのような)やり過ぎ感がないのもいい。フェンダーの補助ミラーは目立たなくスマートな形状で、かつ相当小さいので気にならないのがいい。まあ、ミラーの写りも悪く、存在意義はあまり感じられないが。

先代ではやや手薄だった安全装備が、ことごとく標準装備となったことはすばらしい。受動安全系では、7個のエアバッグ、前席アクティブヘッドレスト、全席の3点式シートベルトなど。能動安全系ではパワステの電動化によって採用可能になったS-VSC。そしてそのS-VSCが有効に働くレベルまでシャシー性能自体が底上げされたことが大きい。

いわゆる普通の高級セダンあたりと大差ない走りを、高速でもワインディングでもみせる。かなり高い速度でのコーナリングが可能で、レーンチェンジもピタリと安定している。100km/hは2000回転以下で、そこから流れに乗ってどこまで加速しても、不満のない巡航が楽しめる。風切り音はほとんど無く、静かな室内は驚異的だ。まさに動く応接間。

ナビ画面がメーターと同じ高さにあって視線を下げなくていい分、とても見やすいし、後席向けのディスプレイもどの席からもよく見え、エンターテイメント性も文句なし(さすがに3列目から見ると小さいが)。

試乗車はオプション込みで570万円をちょっと越えていたが、レクサスならGS350しか買えないわけで、そのお買い得度はそうとうなもの。もちろん絶対的には高価だが、費用対効果という点で、これに勝るクルマはないのではないか。

ここがダメ

ウッド調の質感、エグゼクティブシートあれこれ、3.5の存在意義

ウッド調パネルの質感。先代は本物のウッドに見えるよう、あえて平面だけに使ったり、メッキモールで囲んだりといった工夫が凝らされ、ウッド調プリントの質感も高かったが、新型のそれは誰が見てもウッド「調」。本物のウッドパネル(薄いベニア板状)ではあり得ない造形はよしとして、質感そのものはどうなのだろうか。ステアリング部分のウッド調処理も同様。先代アルファードユーザーの意見を聞いてみたいところ。

最上級グレードのみの「エグゼクティブパワーシート」だが、これの電動リクライニング&電動オットマンのボタンが初めてだと、まず見つからない。正解はドア側アームレストの側面なのだが、ここは走行中(スライドドアを閉めた状態)だと絶対に目視できない場所だ。なので運転手に教えられても「お客様」は手探りで探すしかないが、これが初めてだととにかく見つからない。

もう一つこのシートに関してだが、前後の余裕がどうにも足りない。大柄な人向けではないかと前述したが、大柄な人だと今度はレッグスペースが足りない。前席を相当前に出さないと、足をいっぱいに伸ばせないのだ。後方にさらに下げたいという欲求に駆られる。主力グレードには「リラックスキャプテンシート」(写真右)という内側に寄せてからめいっぱい後ろに下げられるエスティマ同様の仕様もあり(前後スライド量800mm)、たぶん2列目はそちらの方が快適なのではないかと思う。その意味で、エグゼクティブパワーシート(スライド量はカタログに明記されていないが、450mm程度のようだ)にこの超ロングスライド機構を加えた仕様が欲しくなる。

3.5リッターの存在意義も微妙。新車発表の会場では、2.4リッター直4(170ps、22.8kgm、車重は2WDで1900kg前後)とチョイ乗りで乗り比べたが、少なくとも狭い周回コースでの動力性能は2.4で十分、むしろ3.5より軽快にすら思えた。アルファードに限らず、この2.4+CVTは完成度が高く、ましてや燃料代の件も含めるとかなり魅力的に思えてくる。なにしろ2.4リッターはレギュラー仕様。しかも4ATからCVTにしたことで10・15モード燃費は先代(約9.7km/L)比で約20%アップの11.6km/Lだからだ。こうなると、やはりよほどのお大尽じゃないと「2.4かな」となる。では、3.5リッターの存在意義はどこにあるのか? 「余裕のパワー」と答が返ってくるのは分かるが、アルファードにはパワー特性が高回転型過ぎる印象も。V6というエンジンの持つプレステージ性のため、といえるかも。

総合評価

「いつかは」の存在も、今や手が届く

カローラをひとくくりにしない秀逸な車種別販売ランキングを作っている自動車情報サイト 「オートギャラリーネット 」掲載の販売ランキングによれば、先代アルファードは2003年から2006年までずっとベストテンに入っており、トヨタ車では4番手くらいに位置する大ヒット車だ。デビュー当時、日産エルグランドにやられていた大型ミニバン市場を、いつの間にか制圧してしまったわけで、このあたりがトヨタ恐るべしというところ。これだけガタイがでかく、値段も高いクルマが毎年8万台以上も売れていたのだから、トヨタも笑いが止まらなかったはず。

なぜそんなに売れたのか。それは大きく立派で、豪華であることに尽きる。クルマの創世以来、クルマの重要な価値が大きく立派で豪華なことに置かれてきた。「隣のクルマが小さく見えます」というのは大昔の広告コピーのようだが、どっこい、今もけして価値を失っていない。日本一売れているミニバンはヴォクシー/ノア兄弟だが、かつてコロナオーナーが「いつかはクラウン」とあこがれたように、ヴォクシー/ノアオーナーは「いつかはアルファード」と思っているはずだ。「いつかはクラウン」を今やかなり多くの人が実現できる時代になったが(クラウンが売れまくっているのはご承知のとおり)、いつかはアルファードも「その気になれば」実現できない話ではない。それゆえこんなに売れるのだろう。

ヴェルファイアと共に無敵の存在へ

ということで日本人に根深い「人よりちょっと上」志向をガッチリ取り込んできたアルファード。元ヤンキーという雰囲気の若いお父さんや余裕のある熟年層のファミリーカーとして、輸入車を所持する富裕層のセカンドカーや企業の社用車としてなど、誰もが立派なクルマと認め、どこに出しても恥ずかしくないのがアルファードだろう。この基本は新型でもまったく揺るがないから、今後もかなり大きな需要が継続して続くはず。新型はより豪華感を増し、より走りの安定感を増したのだからもう向かうところ敵なしだ。

今回は特に、ヴェルファイアの投入によってアメリカンなミニバン志向の人にも訴求力を高めている。アルファードは比較的「和」のテイストというかクラウン的な、トヨタ的な雰囲気が感じられるが、ヴェルファイアはもうちょっとバタ臭いから、その分新たな顧客を開拓できそう。つまりヴェルファイアはエルグランドにとどめを刺すための刺客とも言える。ネッツ店にとってはヴォクシーの代替え車が登場してきたことに喜びを隠せないはず。普通のアルファードの人気下降をヴェルファイアが抑える仕掛けで、このあたりは販売チャンネルの多いトヨタの強みとしか言いようがない。現在、販売店をどんどん統廃合している日産やホンダがこれに対抗するのは、もう難しいだろう。

マインドは冷えつつあるが

とはいえ、このご時世で巨大なクルマであるアルファードが人気下降気味なのは明らかだ。なんと言っても消費者側の購入意欲というか、マインドが冷えてきている。燃費が悪くて高価なクルマは欲しくても買えないという消費者の増加は著しい。走行安定性がいくらよくなったといっても、このクルマで走りそのものを楽しむ人はそうはいないずだから、先代オーナーも積極的に買い換える気にはなれないだろう。乗っているのが2003年モデルであってもまだ5年落ちにすぎず、たぶん何一つ不満はないはずだから。いや不満があるとすれば燃費か。しかしそれも新型で劇的に変わっているわけではないのだし。

そうなると、考えられることは残価を残して乗り換えさせる販売方法だ。中古人気の高いアルファードなら高い下取り価格が期待でき、旧型からの乗り替えの場合でもローンを組み直すことで、月額の支払いをそう変えず新車にすることは不可能ではない。こういった発想でトヨタが推進する残価設定ローンのような販売方法が定着するかどうかが、今後のこのクルマの売れ行きを左右するようにも思える。

モデル末期の昨年は、同じくモデル末期に近いプリウスに販売台数で抜かれている。いよいよ時代に則していないクルマになりつつある、という証左だろう。トヨタにとって、プリウスとアルファードのどっちが儲かるかは明らか。となれば、とても素晴らしい新型アルファードも、今までのようにトヨタにとっての孝行息子のままではいられないはずだ。それでもライバル車をいろいろな意味で越えているだけに、この分野での一人勝ちが続くのであれば、想定された販売数字は作っていくのかもしれない。いや、クラウンが今や一人勝ちのように、アルファードも一人勝ち街道をばく進していく可能性はそうとう高い。高級セダンはクラウン、高級ミニバンはアルファード、エコカーはプリウスと定番商品となるわけだ。それはクルマ好きにはちょっとつまらないことにも思えてしまうのだが・・・・・・。

試乗車スペック
トヨタ アルファード 350G “Lパッケージ”
(3.5リッターV6・6AT・450万円)

●初年度登録:2008年5月●形式:DBA-GGH20W-PFTQK(L)●全長4850mm×全幅1830mm×全高1890mm ●ホイールベース:2950mm ●最小回転半径:5.7m ●車重(車検証記載値):2050kg( 1150+900 ) ※標準仕様:2030kg ●乗車定員:7名●エンジン型式:2GR-FE ● 3456cc・V型6気筒・DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:94.0×83.0mm ●圧縮比:10.8 ●280ps(206kW)/ 6200rpm、35.1kgm (344Nm)/ 4700rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/65L ●10・15モード燃費:9.1km/L ●JC08モード燃費:-km/L ●駆動方式:前輪駆動(FF) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット/後 トーションビーム ●タイヤ:215/60R17 (Yokohama Aspec A349 ) ●試乗車価格:570万2250円( 含むオプション:ボディカラー<ゴールドパールクリスタルシャイン> 3万1500円、インテリジェントパーキングアシスト+フロント&サイドモニター 8万1900円、プリクラッシュセーフティシステム+レーダークルーズコントロール+レーンキーピングアシスト 32万8650円、HDDナビゲーションシステム&トヨタプレミアム サウンドシステム 69万4050円、G-Book mx Pro専用DCM+盗難防止システム オートアラーム 6万6150円 )●試乗距離:約200km ●試乗日:2008年5月 ●車両協力:トヨタ自動車株式会社

 
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