Published by DAYS since 1997 from Nagoya, Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > 新車試乗記 > スズキ アルト X

スズキ アルト X新車試乗記(第586回)

Suzuki Alto X

(0.66リッター直3・CVT・102万9000円)

スズキ軽4輪の原点、
アルトの7代目は
デフレの日本を救えるか?

2010年01月29日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

「すべてがエコカー」の7代目


2009年の東京モーターショーで発表された市販前の「アルト コンセプト」

47万円という低価格で初代アルトが登場したのは1979年。それから30年目となる2009年12月16日、7代目となる新型アルトが発売された。

従来モデル同様、セダンタイプのシンプルなデザイン、乗りやすさ、高い経済性を売りとするが、新型が前面に打ち出すのはやはり今風に「省資源・低燃費」。キャッチコピーは明快に「すべてがエコカー」だ。

具体的には、4WDを含む全グレードがエコカー減税対象車。つまりは全車が購入補助金(13年経過した車両の廃車を伴う場合は12万5000円、それ以外は5万円)の対象となるほか、自動車取得税と重量税が4AT車で50%減税、5MTとCVT車では75%減税となる。

また上級グレードには、パレットのマイナーチェンジ版(2009年9月発売)で世界初採用となったジヤトコ製の副変速機付CVT(無段変速機)を搭載。2WD車では10・15モード燃費24.5km/Lを達成している。

新世代プラットフォームを採用。海外向けアルトとは別物


上と同じ東京モーターショーでは初代アルト(1979年)も展示された

ボディに関しては、現行ワゴンRと同じホイールベース2400mmの新世代プラットフォームを採用。前後サスペンションも基本的にはワゴンR譲りだ。

なお、インドで生産し、欧州でも2009年から販売しているグローバル向け新型アルト(インドでの車名は「Aスター」)とは、デザインが似ていることから基本的に同じクルマと思われがちだが、実際にはエンジンからプラットフォームまで別物となる。

目標販売台数は7000台。これはワゴンR(スティングレーを含めて月間1万8000台)の4割程度だが、ラパン(4000台)よりは多め、というところ。デフレ時代でこそモノを言う低価格がアルトの武器だ。

 
alto_01mazda_carol.jpg
スズキからOE供給されるマツダ・キャロル。ボディカラーはデミオ似の緑色(シャイニーグリーンメタリック)も含めてアルトと共通の全6色

なお、アルト発売の翌日には、そのOEM車であるマツダ・キャロルも発売された。こちらはフロントグリルの開口部がマツダ共通の5角形となるほか、乗用タイプのみとなる。キャロルの目標台数は月間800台だ。

■参考リンク
過去の新車試乗記>スズキ アルト G (2004年10月)

価格帯&グレード展開

主力は80万8500円の「F」以上。上級グレードにCVTを用意


ボディカラーは全6色。試乗車はラパンにも設定があるエアブルーメタリック

エンジンは自然吸気の直3・658cc「K6A型」(54ps、6.4kgm)のみで、変速機は5MT、4AT、CVTの3種類。先代では4ATと共に主力だった3ATがついに全廃されたのが、なかなか感慨深い。

価格は商用(4ナンバー)の「アルトバン」を含むと、67万7250円からスタート。5ナンバー乗用では、73万2900円(5MTおよび4AT)からスタートする。とはいえ、一般ユーザーの購入対象としては、AM/FM・CDプレーヤーと2スピーカー、キーレス、パワーウインドウ、パワードアロック、カラードバンパー、樹脂製ホイールキャップ等を備えた「F」の80万8500円(5MTおよび4AT)以上がメインだろう。

その上の「G」には、5MTの代わりにCVT(4ATの5万7750円高)を用意。実は「G」でCVTを選ぶと、4ATではオプション(2万6250円)のABSが標準装備されるので、実際の価格差はもっと少ない。

そして今回試乗した最上級の「X」はCVTのみで、ABSはもちろん、チルトステアリングやシートリフターなどが備わる。4ATとCVTの比率は、現行ワゴンRではだいたい半々とのことだが、アルトでも迷うとすれば、変速機のチョイスだろう。どちらがいいかは、燃費をどれだけ重視するか(普段の走行距離が多いか否か)や運転感覚の好みにも依るが、装備面ではCVTの「X」が理想的だ。

■アルト バン VP  67万7250円(5MT)/75万6000円(4AT) ※4WD(4ATのみ):12万8100円高
■アルト E     73万2900円(5MT)/73万2900円(4AT) ※4WD:15万4350円高
■アルト F     80万8500円(5MT)/80万8500円(4AT) ※4WD:15万4350円高
■アルト G     89万2500円(4AT)/95万0250円(CVT) ※4WD:12万8100円高
■アルト X     102万9000円(CVT) ★今週の試乗車  ※4WD:12万8100円高

パッケージング&スタイル

デザインはグローバル向けアルト譲り


試乗した最上級の「X」はLEDウインカー付ドアミラーを装着

プラットフォームは違えど、外観、特に愛嬌のあるヘッドライトを備えたフロント回りは、グローバル向けアルトにそっくり。男性にはちょっと可愛らし過ぎるきらいはあるが、全体に丸みのあるスタイルで、ふっくらとした量感がある。円弧、四角、直線を組み合わせた先代も意欲作ではあったが、新型の方がまとまりはいい。2009年度のグッドデザイン賞を受賞している。

 

ボディサイズ(先代比)は全長3395mm(同)×全幅1475mm(同)×全高1535mm(+35)。ホイールベースは2400mm(+40)。やはりクルマの平均身長が伸びる昨今、セダンタイプのアルトも少し背が高くなったが、立体駐車場の目安となる1550mmは下回っている。ちなみにアンテナはドライバーが乗ったまま収納できる昔ながらの伸縮式だ。

 

ホイールベースが伸びて、横から見たときの安定感も増した。新型では風洞実験やコンピューター解析で空力性能にも配慮したというが、確かに空気抵抗は少なそうだ。リアはスイフトやスプラッシュにもちょっと似ている。タイヤの張り出し感がもう少しあれば、欧州Aセグメントカーといった感じだ。

インテリア&ラゲッジスペース

内装色はベージュで統一。質感は先代の水準をキープ

内装色は全車ベージュに統一。ブラックなら見た目の質感を出しやすいが、あえて広々感や女性の好みを意識してベージュにしたという。一方、シート地は先代のベージュ無地から茶色のパターン入りに変更。これはデザインのほか、汚れの目立ちにくさを考えたとのことだ。

5年前に先代を見た時は、リッターカー並みの質感に驚いたものだが、今や軽自動車でも普通車並みが当然になってしまったので、あらためて驚きはない。質感自体は先代レベルをおおむねキープ、もしくは助手席エアバッグ展開用の切り欠きが隠されていない点など、ちょっと合理化されたようにも感じられる。

 

デザイン的には、センターコンソール全体が大きな円弧の中に収められ、先代では丸型だった中央の空調ルーバーが扇形に変更された。試乗車にはキーを携帯するだけで施解錠も出来る「キーレスプッシュスタートシステム」が付いていたが、これは最上級の「X」のみ。

メーターは文字盤の一部がホワイトになり、さらに瞬間燃費計や平均燃費計、航続可能距離が分かる液晶モニターが採用された。ラパンのようなタコメーターモードはない。

 

小物入れもずいぶん増えた。先代では助手席エアバッグが埋まっていたところに、棚状の小物入れを設置。前席にはショッピングフック、3個分のドリンクホルダー、気付きにくいがステアリング下の小さなトレー、そしてA4サイズの地図が入るフロントドアポケット等が装備されている。

チルトステアリング&シートリフターは「X」のみ

前席シートのスライド量は先代と同じ240mmだが、調整段数は先代の16段階(15mm刻み)から、新型では24段階(10mm刻み)にアップ。また前席のヒップポイントは先代より10mm高い580mmで、見晴らしも良くなった。先々代の5代目(1998~2004年)の535mmと比べると、実に45mmも高い。

さらに最上級の「X」には、チルトステアリング、シートリフター、シートベルトの肩口の高さを調整するショルダーアジャスターも装備されているが、出来ればこれらは、せめてもう一つ下のグレードにも標準装備として欲しかったものだ。

乗降性をさらに向上。十分な居住性

先代でも十分広かったリアシートだが、ホイールベースが40mm長い新型では、さらに余裕が増したようだ。1475mmの全幅は同じなので横方向の狭さというか「ドアが近い感じ」は多少あるが、圧迫感はなく、前後方向の余裕はほとんどカローラとか、VWゴルフ並み。シートの座面も大きく、クッションの厚みもあり、着座姿勢も自然で、快適性はほとんど助手席と変わらないと思う。

 

ドア開口部も若干だが広くなり、チャイルドシートの付け外しに配慮。リアステップ部のサイドシル高を25mm下げるなどして、乗降性も向上させている。リヤドア開度は80度で、ダイハツ自慢の90度ほどではないだが、実用的には十分だろう。ドアを全開にする機会はそうそうない。

また片手で簡単に装着できる自立式のシートベルトバックルも採用されている。ただし後席のヘッドレストは「X」だけの装備だ。

A型ベビーカーが積める荷室

正確な数値は不明だが、見た目は大きく変わらない荷室。先代同様、4人乗車時でも大型のA型ベビーカーが収納できるという。ただ、空間はやや上すぼまりで、背もたれの角度も調整できないので、背もたれを立てたままだと、有効に使える奥行きは狭めだ。なお背もたれを左右別々で倒せるリアシートも「X」だけの装備で、他はすべて左右一体式になる。

 

床下には応急用スペアタイヤと車載工具が搭載されるほか、ちょっとした収納スペースがある。

基本性能&ドライブフィール

体感できる軽量化、そして副変速機付CVT

試乗したのはCVTの「X」。エンジンは全車VVT付の「K6A」型(54ps[40kW]、6.4kgm[63Nm] )だ。車重は760kgとかなり軽く、一番軽い2WDの5MT車だと710kgしかない。ボディパネルの板厚を薄くしたり、高張力鋼板を拡大採用したりで、剛性を確保しながら先代より約10kg軽量化したという。ほとんどライトウエイトスポーツカーのようなダイエットぶりだ。

実際、走り出してすぐに感じるのも身の軽さ、軽快さだ。658ccのNA(自然吸気エンジン)だが、出足から思った通りにスルスルと加速。動力性能は、もはや一般道を法定速度で走る限り、十分なレベル。CVTの場合、シフトレバー横のボタンを押すと、OD(オーバードライブ)オフ、ならぬSモードに入るが、ほとんど必要はない。

軽快な出足には、副変速機付のジヤトコ製CVTも貢献している。セカンダリープーリーの軸部分に副変速機構を追加したもので、そのギア比はロー側が4.006~1.001、ハイ側が2.200~0.550。合わせて4.006~0.550 (7.28)の超ワイドレシオだ。これはレクサスLS460の8速AT (6.71)を上回る、世界最大幅の変速比になる。ちなみに現行ワゴンRやラパンで使われている従来型のCVTは2.432~0.423 (5.75)だ。

ギアは60km/hあたりで切り替わるらしく、注意しているとたまに作動音が聞こえるらしいが、試乗中はまったく分からなかった。また、これもほとんど感知できないが、Dレンジで停止しているときにクラッチを切り離して低燃費を図るニュートラル制御も付いている。

ただ、いかんせん40~60km/hくらいでアクセルを深く踏み込むと、CVTのベルトノイズが「ガーーー」と高まってしまうのも事実。逆にアクセルを戻して巡航すると、それがウソのように静かになる。つまりはノイジーな時と静かな時の落差が大きい。

セダンタイプならではの素直な操縦性

車体の軽さとセダンタイプらしい重心の低さは、当然ながら操縦性にもよく効く。タイヤ(試乗車はダンロップのSP10)は全車細めの145/80R13で、しかも転がり抵抗の小さいコンパウンドを採用したというが、わざと負荷のかかる走り方をしても、ヒヤッとするような動きは出ない。またコーナリング時にボディがグラッとロールする感じもない。ロングホイールベースの新世代プラットフォーム、現行ワゴンR譲りの前後サスペンションも効いているはずだが、アルトの自然な(セダン的な)動きは、やはりトールタイプの軽では得がたいもの。マニュアル車で走ったら、けっこう楽しいかも。

それから、細かいところで電動パワステの操舵フィーリングもいい。取り回しを重視して、より軽く、ロック to ロックも3.8回転から3.6回転に小さくしたそうだが、電動だと意識させない自然な反力があって、手に伝わってくる感触も良かった。

なお、タイヤの外径が大きくなったせいか、最小回転半径は先代の主力グレードより0.1メートル大きい4.2メートルになったが(先々代の水準に戻った)、当然ながら小回り性能は十分だ。

追い越しは苦手だが、最高速は伸びる

高速道路での100km/h巡航は、本当に楽で平穏。タコメーターがないので回転数は不明だが、現行ラパンのNA・CVT(副変速機なし)でも3000回転くらいだったので、それより明らかに低いはず。ロードノイズや風切り音が小さいので、こういった時の静粛性は、ほとんどリッターカー並みだ。

一方、そこで調子に乗って追い越しを試みると、エンジン回転が跳ね上がり、同時にノイズもかなり高まってしまう。また加速自体もかなりジリジリしたもので、先行車がよほど遅くないと速やかに追い抜くのは難しい。

ただ、驚いたのは最高速が期待以上に伸びることで、アクセルを踏み続けていたら、何と2名乗車で完全にメーターを振り切ってしまった。メーター誤差も多少はあると思うが、いつもなら作動するリミッターが掛からなかったのは、非力なアルトには不要ということか。いずれにしても、軽量ボディと空気抵抗の小ささが効いてると思われる。その間も、直進安定性は全く問題ない。

ちなみに試乗中の燃費は15~16km/L台で推移。瞬間燃費を見る限り、巡航中の燃費はとても良く、60~80km/hくらいでの巡航なら(つまりゴー・ストップがなく、ハイスピードも求められない状況)、プリウス並みの燃費(20km/L前後)も出せる気がした。

なお、試乗車のような2WD・CVT車の10・15モード燃費は24.5km/L。JC08モード燃費は22.6km/L。4ATでもそれぞれ22.5km/L、21.8km/Lだ。

ちなみに24.5km/Lという数値は、ラパンのNA・CVT車と同じ。ラパンの方が、より重く、タイヤも太く、CVTも副変速機のないタイプで、空気抵抗も大きそうなのだが。要するに、このあたりが限界ということか。

ここがイイ

普通に走る分には十分な動力性能。申し分のない操縦安定性

普通に走る分には不満のないCVTとエンジンのマッチング。速く走ろうとしない限り、ほとんどストレスがない。軽って本当に素晴らしくなった。乗り心地や操縦安定性は申し分なく、さすがワゴンRのプラットフォームだけのことはある。

ちょっとミラ似ではあるが、全体のスタイルはいい。特にボディサイドはよくまとまっていると思う。先代のおもちゃっぽさがないのは好感が持てるところ。

細かいところではリアシートベルトの自立式アンカーが使いやすかった。後席でもベルトを締めないといけない昨今、これは重要。

ここがダメ

アクセル全開時のノイズ。最上級グレード以外の装備内容

加速時の唸り。「そんな走りをするな」とばかりに、うるさい。その意味ではおとなしく走るための装置になっているとも言えるが。

CVTしかない最上級グレードの「X」以外だと、いきなりチルトステアリングやシートリフターなどが無くなってしまうこと。また一部のグレードではABSがまだオプションであること。バンにはオプションですらない。特に商用で酷使されるであろうバンには、本当はぜひ標準装備して欲しい。

フロントグリルまわりのデザインは、かわいらしさを強調するためだと思うが、もう少し精悍さが欲しかった。個性はないが、バン仕様やマツダのキャロルの方が締まって見える。

総合評価

もはやNAでも「普通に走る」


先代(6代目)と今回の新型(7代目)

スズキの軽は毎回高く評価しているが、今回もほめずにはいられない。今回の新型アルトで評価すべきは、NAながら動力性能的にほぼ不満がなくなったという点だ。ターボであればもはや小型車に何ら見劣りしないというのは、昨年乗ったラパンでの感想だが、アルトのような軽量ボディと新型CVTをもってすれば、いよいよNAでも「普通に走るには」不満が無くなっている。特に動き出して通常の巡航速度に至るまでの力感は、アクセルワークを柔らかにする限り、ほとんど不満はない。もちろん速く走ろうとアクセルに力を込めても、ターボような力強さは得られないのだが、これこそ非力をチューニングでカバーしている証だろう。いずれにしても、タウンカーとして使われることの多いアルトであれば、もはやNAで十分と言っていいだろう。

今回は終始2名乗車で、エアコンを付けて試乗したが、それでも大幅な力不足を感じなかったことで、いよいよ軽自動車はとんでもない乗り物になってきたと思う。アクセルを煽らない運転は結果として燃費が良く、特にエコ時代の昨今としては、とても当たり前の乗り方だ。そういった領域でちょうど良い走り味を提供しているアルトは、今の時代の乗り物として、もっと高く評価されるべきだろう。そうした走りであれば、燃費はハイブリッド並みで、価格はその半分程度なのだ。

キーは道具感

となれば、残る課題は、軽自動車の持つネガティブなイメージを払拭する、別の価値観の提示だろう。クルマのヒエラルキーなどはすでになかば崩壊しており、特にクルマで見栄を張るという観念のない若い人たちは、軽でもまったく構わないと言う。軽ではみっともないとか情けないなどと思う人は、もはや殆どいないのではないか。

それでもせっかくいくらかのお金を出してクルマを買うのであれば、趣味のいい軽に乗りたいとも言う。その意味では、趣味がよく、カッコいいという価値を持ったクルマを作れれば、爆発的に売れるだろう。そのキーは道具感だ。いつも書くことだが、豪華さではなく、道具としてのシンプルな機能性はカッコいい。それならば売れると思う。

豪華な装備は要らない。内装は鉄板むき出しで構わない。キーレススタートなんてもちろん不要。ただしABSといった安全装置は必須だ。そうして考えると、30年前のアルトはデザインとしてはかなり理想に近い。あのシンプルさ、鉄板むき出しの、ある種のチープさは、再び今の時代でも受け入れられると思う。むろん走りや居住性はあの頃の比ではなく進化しているから、走りに文句はないはず。新型アルトでもビジネスモデルがそれに近いが、ビジネスモデルでは今のご時世、売れるとは思えない。もう一捻りできれば、と思う。

期待が持てるVWとの提携

ところで、ここに来て一番の話題はなんといっても、昨年末に発表されたスズキとVWの資本提携だろう。両社を併せると世界最大の自動車メーカーが出現したことになるが、この連合はこれまでの様々な連合と比べて、最も期待が持てる。それは両社のクルマがともに素晴らしいからだ。モーターデイズではイヤーカーにVWの新型ポロを推したが、ここ数年のVW車はほとんど絶賛に近い試乗記となっている。同様にモーターデイズでは、スズキのクルマも高く評価している。つまり両社はモーターデイズとしてはまさに最強の2社。この2つが手を結んだとあれば、この後に出てくるクルマへの期待は、推して知るべしだ。

1月25日付けの朝日新聞によれば、フォルクスワーゲンのビンターコルン会長は提携直前の昨年11月に来日したとき、スズキのほぼ全車を試乗して、特に軽に感動していたという。となると、今は新型CVTがアルトの売りだが、やがてVWが得意とするDCTが載ったらとか、低圧ターボが載ったらとか、想像をたくましくしてしまう。素晴らしい小型車を作って利益を出してきた両社が知恵を出し合ったら、どんな素晴らしいクルマが生まれることか。それはガソリンエンジン車であっても、より環境に優しいクルマであるはずだ。まずは、フォルクスワーゲンブランドの軽などを出してみたらどうだろう。まさに趣味のいい軽になるはずゆえ、それこそ「国民車」として大ヒットしそうな気がする。

試乗車スペック
スズキ アルト X
(0.66リッター直3・CVT・102万9000円)

●初年度登録:2010年1月●形式:DBA-HA25S ●全長3395mm×全幅1475mm×全高1535mm ●ホイールベース:2400mm ●最小回転半径:4.2m ●車重(車検証記載値):760kg( 480+280 ) ●乗車定員:4名 ●エンジン型式:K6A ● 658cc・直列3気筒・DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:68.0×60.4mm ●圧縮比:10.5 ● 54ps(40kW)/6500rpm、6.4kgm (63Nm)/3500rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/30L ●10・15モード燃費:24.5km/L ●JC08モード燃費:22.6km/L ●駆動方式:前輪駆動(FF) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット/後 I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク) ●タイヤ:145/80R13( Dunlop SP10 ) ●試乗車価格:-円 ( 含むオプション:- -円 )●試乗距離:-km ●試乗日:2010年1月 ●車両協力:スズキ株式会社

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 

スズキ 最新の試乗記10件

最近の試乗記一覧

関連コンテンツ一覧