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オペル アストラワゴンCD新車試乗記(第42回)

Opel Astra Wagon CD


1998年09月25日

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キャラクター&開発コンセプト

クラス水準を上回る「プレミアム・コンパクト」

VWゴルフと並ぶFFコンパクトカーの代表選手アストラの初代デビューは1991年、日本導入は93年1月。ヤナセの取扱車種となって飛躍的にシェアを伸ばし、今ではゴルフと人気を2分するようになった。ゴルフとほぼ時を同じくして7年振りに一新された2代目アストラは、燃費を含めた走行性能、安全性、耐久性など、次世代の新基準を提案。実用性重視のオーソドックスなコンパクトカーから、品質・安全性・パッケージングのクラス水準を上回る小型車の新カテゴリー「プレミアム・コンパクト」へ進化を遂げた。 

価格帯&グレード展開

5ドアハッチバックは230万円、ステーションワゴンは245万円

日本導入された新型アストラのボディタイプは5ドアHBとステーションワゴンの2タイプ。どちらも1.8リッター直4エンジン+4ATを搭載、右ハンドルのワングレード構成。オプションはサンルーフぐらいで、必要な安全&快適装備は日本車以上に満載される。

99年モデルからは、1.6直4と2.0直4エンジン車がラインアップに加わる。

パッケージング&スタイル

ねじれ剛性は何と2倍、重量増はわずか10kg

日本で販売の中心となるワゴンのボディサイズは全長4290mm×全幅1710mm×全高1515mm。3ナンバーとなるが、カローラ並の全長で、ほぼ小型車の範ちゅうに収まっている。先代よりもボディサイズが拡大され、ねじれ剛性は約2倍アップしたが、徹底した軽量化により車重はたった10kg増(5ドアHBは20kg増)に留まっている。ライバルのゴルフIVは約150kg増だ。このあたりは、オペルの技術力を高く評価したいところ。また、サビに関してもボディパネル両面を亜鉛メッキを施した結果、12年という防錆保証を実現している。これはゴルフIVと同じだ。

デザインはダイナミックで硬質感のある、いかにもドイツ製と思わせるガッチリしたもの。かなり高級感も出ている。とはいえワゴンのリアは真面目すぎてやや退屈なデザイン処理。5ドアHBの方がスタイル的には独自性があって好ましい。

品質感はゴルフIVには及ばない

photo_3.jpgパッケージングの巧みさも魅力のひとつ。先代に比べ、ホイールベースを100mm拡大しているが、ゴルフIVよりも100mm長く、居住空間はアストラの方が一歩リードしている。

ダッシュボード中央部には時計、温度計、日付けのトリプルディスプレイが配置され、グリップの太いステアリングには6つのオーディオスイッチが備わる(裏から押すタイプ)。シート地やドアトリム、インパネの素材などこれまでの実用一点張りで安っぽい印象から一転し、ワンクラス上のベクトラに迫る上質感だ。とはいってもこれはあくまでオペル(GM)内での話。デザイン的にはあまりに素っ気ない。ゴルフIVと比べてしまうと質感は確実に見劣りしてしまう。価格を考慮すると微妙なところではあるが。

ゴルフIVがまずハッチバックボディだけで発進したのに対して、最初からワゴンを取り揃えたのは、アストラの何よりのアドバンテージだろう。

便利装備は日本製ワゴンに劣るものの、安全対策は山盛り

リアシートはワゴン、5ドアHBともに分割可倒&ダブルフォールディング機構、センターアームレストを利用したトランクスルー機構が付く。ラゲッジ容量は通常で480リッター、リアシート可倒時で最大1500リッターで、クラス最大級となっている。ラゲッジネットは標準装備しているが、使い勝手はあまりよろしくない。サブトランクもなく、ギミック的要素は日本製ワゴンの方が上をいくようだ。しかしながらその広さは国産車でいうところの商用車並。カデットワゴン時代からボディパネルギリギリまでえぐられた内張りがオペルワゴンの特徴。ホイールハウスの張り出しもごく小さい。

安全性への配慮は注目すべきところ。デュアルエアバッグ、サイドエアバッグ、ABS、トラクションコントロールの標準装備だけに終わらず、正面衝突時にペダルが脱落し、ドライバーの足の負傷の可能性を低減する「フット・プロテクション・システム」をはじめ、数々の安全装備が施されている。この他、ステアリングの芯金にマグネシウムを使用して軽量化を図るなど、単にエアバッグを付ければいい、といった安易な発想ではなく、受け止める大元をしっかりと作るという、GMという大メーカーの仕事ぶりが感じ取れる。

基本性能&ドライブフィール

期待以上に活発な走り、トルクも十分で使いやすさでは文句なし

「ECOTEC」と呼ばれる1.8リッター直4DOHCエンジンはテクノロジー、エコロジー、エコノミーの3つにこだわった新開発の次世代ユニット。パワースペックは115ps/5400rpm、17.3kgm/3400rpmと平凡そのものだが、常用回転域でのトルクと低燃費を追求しているのが特徴。パワフルとまではいかないまでも、実にスムーズに高回転まで回り、パワーフィールは数値以上のものがある。上り坂発進でも力不足に悩まされることもなく、2リットルエンジンかと思ったほどだ。125psのゴルフIVよりも軽快で、パワー感もあり、使いやすさの面では文句はない。軽量化に専念したことが功を奏しているのだろう。

自慢の装備がトラぶっています!?

ATにはベクトラ同様、信号待ちなどの停車中にDレンジでブレーキを踏んでいる際に自動的にニュートラルに切り替わる「ニュートラル・コントロール・システム」が装備され、振動と燃費の低減に一役買っている。また、新たに採用された電動油圧式ステアリングはクイックではないが、応答性は素直で手応えのあるもの。これまた、言われるまで電動とは気が付かない自然さだ。

ただ、試乗車が初期モデルだったためか、肝心のこれらの装備まわりで気になる異音や振動が出ていた。これに関してはヤナセは認識しており、試乗車固有のものと思いたいが…。

強化されたボディ剛性とロングホイールベースは乗り心地にも寄与しており、やや硬めのセッティングながら乗り心地はスポイルされていない。騒音は平均レベル。高速走行でAピラーから風切り音が発するぐらいで、車格を考えれば気になるものではない。高速道路でも一般道の軽快感が引き続き感じられ、直進性も問題ない。中間加速に絶対的なパワー感はないが、150km/hくらいの巡航は非常に快適。

ここがイイ

ニューゴルフと比較すると、同じ排気量では走りの面でこちらが断然イイ。ワゴンボディは、小さなボディの割にワゴンとして文句ない広さを誇る。サイドエアバッグ、脱落ペダルなどの安全装備をはじめ、とにかく必要なものはほぼすべてついて(オプションはサンルーフくらい)この価格なら下手な国産車よりお買い得。ヤナセの客にもなれるし…。

ここがダメ

ニューゴルフと比較すると、内装の質感は良くない(これはもう明らかに劣る。ゴルフはトヨタクォリティと言ってもいいほど妙に質感が上がっているからで、アストラも先代よりはずっと良くなってはいる)。全体のムード(ガイシャ的高級感)という面でも劣る。ただこれはワゴンの場合で、非常に個性的な5ドアハッチバックならムードはどっこいどっこい。

総合評価

photo_2.jpgアストラを買うか、ゴルフを買うか。もう少し質感があればアストラだし、もう少し良く走ればゴルフだし、という感じ。それよりこのちょっと高級な小型車(プレミアムコンパクト)というのが、はたして日本の市場に馴染むのか、の方が心配だ。ベーシックな小型欧州車が欲しいならヴィータやポロの方が現実的だし(現在の値引き状況なら80万円は安いはず)、お金がある輸入車ファンならもうちょっと上のクラスにいってしまうだろう。このクラスの存在意義って、かなり難しいものがあるのでは。

公式サイト http://www.opel.co.jp/models/astra/index_net.html

 
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