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マツダ アテンザ セダン 25EX新車試乗記(第497回)

Mazda Atenza Sedan 25EX

(2.5L直4・5AT・FF・250万円)

Zoom-Zoomの進化と共に
2代目となったアテンザ、
その進化型Zoom-Zoom度は?

2008年02月09日

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キャラクター&開発コンセプト

デザインを一新、ボディサイズと排気量を拡大


(photo:Mazda)

2008年1月29日に発売された新型アテンザは、02年5月発売の初代に続く2代目。05年6月に実施されたマイナーチェンジを挟み、約5年8ヶ月ぶりのフルモデルチェンジとなる。

今やマツダと言えば「Zoom-Zoom」が定着したが、2代目アテンザは進化型Zoom-Zoomと呼ばれる新長期ビジョン「サステイナブルZoom-Zoom宣言」に基づくモデル。最近コンセプトカーの車名に漢字を使う同社らしく、開発キーワードは「絆(きずな)」と和風だ。

「セダン」(4ドアセダン)、「スポーツ」(5ドアハッチバック)、「スポーツワゴン」(ステーションワゴン)の3タイプは従来と同じ。クーペのように流麗なスタイル、高速安定性の改善など、全体に強く「走り」を打ち出している。ボディは大型化されたが、シャシーは先代の進化型と言えるもの。エンジンは従来の2.3リッター(ハイオク仕様)に代えて、新開発の2.5リッター(レギュラー仕様)とし、経済性に配慮している。

また、空調やオーディオを手元で操作できるステアリングスイッチ「CF-Net(Cross Functional-Network)」や一部にオプション設定される運転支援装置「リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)」も新しい。

国内の販売目標台数はシリーズ合計で月間1500台。生産は広島の防府(ほうふ)工場で始まり、そこから「マツダ 6」として海外にも輸出する。すでに欧州では07年11月から発売されている。

初代アテンザについて

初代アテンザは2002年に登場。全世界における累計生産台数は約131万台以上で、生産は日本(山口県・防府工場)、米国(フォードとの合弁会社であるイリノイ州のAAI=Auto Alliance International)、中国の3地域で行なわれた。販売台数の内訳は日本が約10万台、欧州が約47万台、北米が約37万台、中国で19万台以上と、欧州での比率が圧倒的に高い(2007年10月現在、マツダ調べ)。

■マツダ>主な海外生産拠点
http://www.mazda.co.jp/corporate/profile/group/foreign_base.html

価格帯&グレード展開

セダンが207~250万円、5ドアが228~267万円、ワゴンが220~267万円

ボディタイプは3種類で、それぞれ2リッターのFF、2.5リッターのFF、2.5リッターの4WDを設定。FF車は5AT、4WD車は6ATとなる。また「スポーツ」と「スポーツワゴン」の2.5リッター・FFにのみ、6MT仕様がある。

■「Sedan」:207~250万円 ※今回の試乗車は「Sedan 25EX」(FF・5AT、250万円)
■「Sport」:228~267万円
■「Sport Wagon」:220~267万円

パッケージング&スタイル

全長もWBもちょっと長くなった

セダンのボディサイズ(先代セダン比)は全長4735(+60)×全幅1795(+15)×全高1440(+10)mm。プラットフォームは先代の進化型だが、ホイールベースは+50mmの2725mm。主に全長方向の伸びが目立つが、これはすでに先代が国際規格のワイドボディで、拡幅の必要がなかったからか。ちなみに「スポーツワゴン」は全長4765、全高1450mm(ルーフレール付は1490mm)ともう少し長い。

スタイリングは文句なし。素直にカッコいいと思える

デザイン上の特徴は、まずRX-8で導入され、ロードスター、CX-7あたりで明確になったフロントフェンダーの盛り上がり。アテンザでは控えめだが、それでもかなり印象的だ。どこをとっても張りのあるボディパネル、メッキモールで縁取ったシャープなサイドウインドウ(特に5ドア)など、ありそうでない独自のスポーティデザインとなっている。セダンは斜め後ろから見るとカッコいい。最初は「セダン」と「スポーツ」の判別が難しいが、Cピラーや前後バンパーなどが異なる。

日本の美意識をテーマとしたデザインのキーワードは「幽玄」「凛」「精緻」とここでも漢字だが、確かにそれらが形に表われていると言えるのでは。Cd.値(空気抵抗係数)はセダンと5ドアが0.27、ワゴンが0.28とクラストップクラスだ。

セダン最上級の「25EX」は、大胆に白で勝負

試乗車はセダンの最上級仕様「25EX」で、ライトグレー(カームホワイト)の革内装。「クリスタル」と呼ばれる、白い化粧パネルが張られ、引き締まった独特の清潔感がある。もちろんこの「25EX」でも車両価格は250万円に過ぎないので、例えば300万円台から400万円以上の国内外セダンのようなクオリティ感や革の触感はない。価格帯を考えると仕方ないが、スイッチの操作感や蓋などの仕上げなども、もうひと頑張り、と思う人はいるだろう。ステアリングの握りはマツダらしく少し細めだ。

前席の広さは申し分なく、チルト/テレスコ可能なステアリング、座面角度/高さが調整できるシートによってポジションも決めやすい。天井内張りは3M(スリーエム)社の吸音断熱材「シンサレート・アコースティック(Thinsulate Acoustic)」を使う。

■3M>シンサレート>吸音断熱材
http://www.mmm.co.jp/auto/acoustic/tai/

携帯電話風のステアリングスイッチ「CF-Net」

「CF-Net(Cross Functional-Network)」は、ダッシュボード中央奥に位置する空調、オーディオ、燃費計/時計/外気温などの情報表示画面を、ステアリング左側のスイッチで操作可能にしたもの。上下・左右・中央(決定ボタン)といった携帯電話風のスイッチや視線移動量の少なさが特長だ。

なお、G-Bookを備えたHDDナビの操作はこのCF-Netではなく、音声もしくはタッチパネル等で行なう。ゆえにBMWの「i-Drive」やメルセデス・ベンツの「コマンドシステム」、VWアウディの「MMI(マルチ・メディア・インターフェイス)」のように、全ての操作を統合したものではない。

インテリジェントキーについて

ついで触れておきたいのは、インテリジェントキーの話。先代ではカード型だったが、今回はブロック形状で他社同様となった。ドアスイッチもグリップを握ると解錠される(施錠はボタンを押す)タイプで、これも他社同様。先週のインスパイアもこの形状・方式で、輸入車を含めて各社とも統一されつつある。やはり鍵は少しかさばる(キーホルダーにぶら下げられる)ものの方が古典的で安心できるということのようだ。カード型の方が便利なことも多いだけに(例えばETCカードと一緒に持てる)ちょっと残念な気もする。

マツダ独自の運転支援装置「RVM」

試乗車には未装着だったが、一部グレードにオプション設定できるのが「リア・ビークル・モニタリングシステム(RVM)」だ(プリクラッシュセーフティシステムとセットで、22万500円)。これは同じフォードグループのボルボがS60、V70、S80等で先行採用している死角情報提供システム「BLIS(ブラインド・スポット・インフォメーション・システム)」を思わせるものだが、「BLIS」がCCDカメラで対象を捉えるのに対して、マツダのものは検知範囲が広くて、悪天候の影響が少ない24GHzレーダーを使う点が新しい。60km/h以上の高速走行時に斜め後方を走る車両を捉え、ドアミラー内側のLEDランプとブザーでドライバーに注意を促す。

■参考
新車試乗記 ボルボ S80 V8 AWD(2007/02/17)

広さ十分。前方視界もすこぶる良い後席

先代比+50mmのホイールベースも手伝って、後席はもちろん広々。フロントシートが左右に寄っているので、前方視界も素晴らしくいい。ヘッドルームやショルダーまわりも広々。試乗車の場合、革シートの表皮が割と固めで、体が落ち着かないのが難点だが、レザーの風合いは耐久性やコストとのトレードオフでもあるし、革か布かは好みだろう。

荷室容量は最大級。使い勝手もソツなく

荷室容量はセダンが519L、開口部の広い「スポーツ」が510L、「スポーツワゴン」で519Lと、いずれもトップクラス。試乗車のセダンの場合、ハイマウントストップランプに組み込まれた黒いスイッチを押してリッドを開けることができる。さらに荷室内のレバーを引けば、後席の背もたれが倒せる、という寸法。敷居が高いので荷物の出し入れはしにくいが、それ以外は特に不満なし。床下には小物入れ、その下にスペアタイヤが備わる。

ワゴンの場合は、リアゲートの開閉に連動してトノボードが持ち上がる「カラクリトノボード」を装備。いちいちロールスクリーン状のトノボードを引っ張り出す必要がなくて便利だ。

基本性能&ドライブフィール

低中回転トルクを増強


(photo:Mazda)

発表会当日、短時間スポーツワゴンにも雨天に試乗しているが、今回3日間にわたって試乗したのはセダンの最上級グレード「25EX」。今回の試乗はほぼ晴天に恵まれた。

ステアリング左のスタートボタンでエンジンを始動すると、アコースティックな電子音「ミ・ソ・ミ♪(Zoom Zoom Zoom)」がちょっと楽しい。パワーユニットは従来からの2リッター改良版(150ps、18.6kgm)のほか、上級グレードに新開発の2488cc 直4(170ps、23.0kgm)。従来の2260cc(178ps、21.9kgm)のアルミ製鋳造シリンダーブロックをベースに排気量をアップ。ハイオク仕様(圧縮比10.6)からレギュラー仕様(同9.7)に変更したため、パワーは少し落ちたが、トルクは増強されている。FF車のオートマチックは先代・後期型と同じ5ATとなる。

排気量がちょうど1割増えたため、さすがに出足は力強い。車重は先代から30kg増し程度。ボア×ストロークが先代の87.5×94.0から、新型で89.0×100.0となった分、回転上昇が少し重々しくなったかも、と思わないでもないが、ある程度回せばシャーーーンと、バランサー付きの新世代マツダ直4らしくスムーズに回ってくれる。ただし基本的には低中回転でユルユル走るのを好むエンジンという印象。若干アイドリング時にステアリングに微振動があるが、無視できるレベルだ。

乗り心地は想定以上に硬め。新採用の電動パワステ

操縦性にこだわるマツダゆえ多少想定はしていたが、乗り心地はセダンでも硬め。街乗りでは律儀に凹凸を拾い、ロードスターのように小刻みに上下動する。いろいろ路面や速度域で試してみたが、試乗車が新車同然(走行数十km)だったことを差し引いても、かなりスポーティな設定と言える。ボディ剛性が高く、ドイツ車(特にBMW・3シリーズ)っぽい硬い殻のような感覚はある。

最近の電動パワステは油圧かと思うほど自然な感覚のものが増えてきたが、RX-8に続いてラックドライブ式を採用したというアテンザ(FF車のみ)のそれは電動らしさが残り、場合によっては轍(わだち)に敏感に反応する。またクルマ自体の直進安定性はあるが、高速域では初期のステアリング反応が鈍く、微妙な修正舵が当てにくい印象も受けた。ただし先だってスポーツワゴンに試乗した時は特に感じなかった。

ハンドリングも想定以上にスポーティ


新型アテンザのリアサス透視図。特にダンパー取付方法が先代と異なる(photo:Mazda)

踏めば応えるエンジンによってワインディングでのスピードの乗りは上々。故意にブレーキを残しながらコーナーに入ってゆくと、ツツッとリアが出るのにはドキッとしたが、マツダらしいと言えばらしい。トルクステアがほとんど(少なくとも乾燥路では)ないのも良い。サスペンション形式や構造自体は、フロントがハイマウント ダブルウイッシュボーン(新型では支持剛性をアップ)、リアがE型マルチリンク(同じくダンパー取付位置やブッシュ等を変更)と先代の進化・改良版。しかしストロークを使い切るようなバンプやうねりを通過する時の安心感は、やはり新型ならでは。セダンの場合、曲げ剛性が32%、ねじり剛性で14%高まったというボディも頼もしい。ちなみに「スポーツ」ではそれぞれ45%、30%とさらに大幅アップ。ゆえに舗装の荒れたところでも安心して突破できる。ただしここでも電動パワステの微舵や素早い操舵、そして急制動時の轍に対する敏感さが時に気になった。ブレーキの効きやタッチは申し分ない。

風切り音がやや大きい

前輪の前に馬蹄型(Uの字型)のディフレクター(整流板)、アンダーフロア中央左右にアンダーカバーを備え、Cd.値 0.27(セダン)と空力にはこだわっている。アウトバーンなどでの200km/hオーバーの直進安定性を意識したもので、法定最高速度100km/h、180km/hでリミッターが介入する国内では歯がゆいところか。100km/h巡航は5速トップで2150rpm前後。5ATとはいえ、燃費を意識したかなりのハイギアードだ。

気になったのは意外にも風切り音とロードノイズの大きさ。特に120km/hオーバーから急に高まるのは明らかに風切り音。この流麗なボディでなぜと疑問に思うもので、たまたま試乗車に付いていたドアバイザー(販売店オプション)のせいかもしれない。

今回は約300kmを試乗。レギュラーガソリンを37リッターほど消費し、車載燃費計は8.1km/Lとなった。途中何度か図り直した時にも8km/L前後で、簡単な満タン法でもほぼ同様。郊外の空いた道路で、冷間始動が少なければ9km/L前後も可能だが、いずれにしてもこのクラスではかなり良好な方と思う。10・15モード燃費は12.8km/Lだ。

ここがイイ

グレイトなスタイリング。先代も同様に誉めたのだが、さらにそれを上回るとは、マツダのデザイン力は本当に素晴らしい。インテリアもよくできているし、試乗車に装備された白いマーブル調のパネルも新鮮。ナビモニターがポップアップ式ではなく、コンソール中央部になったのも今風で見やすい。もちろんトヨタのG-BOOK ALPHAの互換ナビゆえ、機能的には不満がない。

ナビ操作をあえて切り離した(G-BOOKゆえ致し方なかった?)ステアリングスポーク左側のCF-Netは、エアコン、オーディオ、燃費という基本操作を左右キー上下キーだけででき、この手のコマンダーの中では最高に使いやすい。右側のクルーズコントロールも同様に操作しやすい(オプションでレーダークルーズコントロールも用意されているのもグッド)。

楽しさを求めた場合には、素晴らしいといえる走り。一般道でも、高速道でも、常に走れ走れと励まされるような(普通に走っていると面白くない)その走行感覚は独自。ワインディングでも軽快で、やはりついついがんばってしまう。そんなふうに走っても良好な燃費(しかもレギュラーガソリン)も素晴らしいところ。

ここがダメ

細かく見ていくとやはり高級車ではないことが露呈してしまう内装は残念。革シートは悪くないが、例えばシートバック下部は表皮下の形状が浮き出ており、何となく雑な感じがしてしまう。ルームライトなどスイッチ類の感触がちゃちなのも高級感を損なっている。

5ドアのリアクオーターは本物のガラスだが、セダンのリアクオーター(5ドアより小さい)は実は黒いプラスチックパーツ。写真では分からないが、実車ではこれがちょっと目立つ。デザイナーは重々承知の件だろうが、できればガラスっぽく見える工夫が欲しかった。後姿がカッコいいだけにちょっと惜しい。

左Aピラーはかなり太めで、ミラーを合わせて左折時などクルマの左前を見たい時には、かなり視界を遮る。この手のスタイルでは仕方ないところだが、ドライバーが首を動かすなどして補ってやる必要がある。バイキセノンヘッドランプ装着車の「固定式AFS」は、ステアリング舵角に応じて補助灯でイン側を照らすもので、仕組みとしては三菱ギャランフォルテイス/ランエボ、欧州製の最新コンパクトカー等で見られるものだが、やや照度が低くて中途半端。せっかくの装備なのでもう少し明るい方がいい。

CF-Netで表示切換できるインフォメーション画面で、平均燃費や瞬間燃費、外気温などを表示させている間は、デジタル時計が見えなくなってしまう。まあナビの画面にも小さくは出るが、やはり「時刻」という情報は、常時表示すべきでは。あと、平均燃費もトリップメーターA・Bに連動するなどして、さらに活用しやすくして欲しい。

総合評価

カッコいいセダンなら売れる

アッパークラスのセダン、ハッチバック、ワゴンという世界中で主力のボディタイプが、日本ではまるで売れ筋ではない。アテンザにしても前述のように、先代は中国の半分しか売れてないわけで、これだけ売れない日本市場には、もうどのメーカーも力が入らないだろう。他のクラスでも、アテンザのように海外向けのクルマを日本でも売るというパターンがどんどん増えていきそうだ。

この手のクルマに限らず、昨今クルマが売れない理由は簡単だ。7、8年前のクルマでもよほどの多走行ではない限り、普通に乗る上で不満はないし、特に燃費が悪いというわけでもない。古くさく見えれば気にもなるが、傷だらけでもなければそう古い感じはしないし、装備に不足もない。ここ10年ほどクルマが良くなりすぎて、買い換える理由がないのだ。

そんな今、消費者にクルマの買い換えを促すには「分かりやすい良さ」を提示するしかない。分かりやすい良さとはズバリ「スタイリング」だ。要はカッコいいかどうか。歴史的に、クルマはモデルチェンジでサイズを大きく、幅広くすることでカッコ良さを暗に出してきた。といって、むやみに大きくすれば国内市場では反発を招く。そこで最近はサイズ枠にとらわれたデザイン作業となり、どうにもカッコよくないことが多い。特に5ナンバーにこだわらざるを得ない国内セダンには、やり尽くし感がある。いっそ居住性など無視して、かつての4ドアハードトップを復活させてはどうか、とすら思う。元々大きいとはいえ、メルセデスのCLSに代表されるように、世界では4ドアハードトップ(風)が流行ってきているのだから。カッコいいセダンならまだ売れる可能性はあると思う。

起爆剤となるデザイン

アテンザも日本国内より海外を向いているがゆえ、自由にのびのびとカッコいいデザインができた。実際、5ドアハッチバックなどは5ドアハードトップともいえるスタイリングで、実に素晴らしい。エンジンもしかり。国内を気にせず排気量アップしたことで、走りから燃費、排ガスまで改良できた。ワゴンボディも日本市場だけなら、あり得ないものだ。しかし海外なら勝負できるし、それゆえプレミアム感の高いワゴンの日本投入ができたわけだ。このアテンザのようなカッコ良さこそ国内販売の起爆剤となって欲しいところ。それだけインパクトのあるスタイリングだと思う。

とはいえクルマはデザインだけではない。デザイン+トータル性能と販売価格がつり合ってこそ「売れるクルマ」になる。ハードウエアに関しては本文を参照いただきたいが、国内向けセダンと考えると、乗り心地はもう少し柔らかい方がいいと思う。5ドアやワゴンに関してはこれくらいでもいいと思うので、セダンだけはもう少し何とかならないものか。これは国内より海外市場を意識して作られたことの問題点だろう。室内の高級感も、価格から言えばがんばっている方だが、サイズから言えばもう一段高めたいところ。他は普通に走る限り、特に不満に思うことはないから、カッコいい「走りのセダン」、欧州車風の手ごろな価格のセダンという点では、バリューフォーマネー、十分価格に見合っていると思う。

これでもまだ売れないのなら

先代もそうだが、アテンザはアウディあるいはBMWをライバルに想定しているはずだ。特にBMW・3シリーズはかなり意識されていると思われ、マニュアルモードのシフトパターンもBMW風だ。電動パワステもいずれBMW同様のアクティブな可変式にするための布石だろう。また、先週のインスパイア(USアコード)も国内より海外を向いたクルマであることは明らかだが、サイズや価格が国内に見合っているとは言いづらかった。が、アテンザの場合は国内でも十分勝負できるし、ことワゴンに関しては無敵の状況(レガシィは4WDのみで性格が異なる)。とにかくクルマ好きとしては、このカッコいいクルマが売れてくれるのを願うしかない。これでもまだ売れないのなら、日本市場ではもう「安いクルマ」か「超高級車」しか売れないということになってしまうだろう。

試乗車スペック
マツダ アテンザ セダン 25EX
(2.5L直4・5AT・FF・250万円)

●初年度登録:2008年1月●形式:DBA-GH5FP ●全長4735mm×全幅1795mm×全高1440mm ●ホイールベース:2725mm ●最小回転半径:5.4 m ●車重(車検証記載値):1420 kg( 880+540 ) ●乗車定員:5名 ●エンジン型式:L5-VE ● 2488cc・直列4気筒・DOHC・4バルブ・横置 ● 170ps(125kW)/6000rpm、23.0kgm (226Nm)/4000rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/64L ●10・15モード燃費:12.8 km/L ●駆動方式:前輪駆動(FF) ●サスペンション形式:前 ダブルウイッシュボーン/後 マルチリンク ●タイヤ:215/50R17( Bridgestone Potenza RE050A )●試乗車価格:299万8480円( 含むオプション:メーカーセットオプション Sタイプ < 撥水ガラス+固定式AFS+パーキングセンサー+ディスチャージヘッドランプ+マツダ G-Book HDDナビ+Boseサウンドシステム 等)43万4700円、フロアマット 3万5260円、ドアバイザー 2万8520円 )●試乗距離:約300km ●試乗日:2008年2月 ●車両協力:東海マツダ販売株式会社

マツダ>アテンザ http://www.atenza.mazda.co.jp/

 
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