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マツダ アクセラ スポーツ XD新車試乗記(第722回)

Mazda Axela Sport XD

(2.2L 直4ターボディーゼル・6AT・298万2000円)

ディーゼル、ディーゼル♪
ト~ルクが太いのね。
そうよ、走りもす~ごいのよー。

2014年03月14日

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キャラクター&開発コンセプト

CX-5やアテンザと同じディーゼルエンジンを搭載


東京モーターショー 2013にて

マツダ アクセラ(海外名Mazda3)は、ファミリア(海外名Mazda 323)の後継として2003年6月にデビュー。これまで世界約120ヶ国以上の国と地域で販売され、累計生産台数は400万台超(2014年1月22日時点)。マツダにとっては販売台数で約3割を占める基幹モデルだ。

2013年11月21日に発売された3代目は、ガソリン車、マツダ初のハイブリッド車(日本市場のみ)、そしてディーゼルエンジン車と、3種類のパワートレインを用意しているが、今回試乗したのは、ディーゼルエンジン車の「アクセラ スポーツ XD(クロスディー)」。CX-5やアテンザで高い評価を得ている2.2リッター直4ディーゼルターボエンジンを搭載したもので、こちらは年明けの2014年1月に発売された。

 

■過去の新車試乗記(マツダ スカイアクティブ-D関連)
マツダ アテンザ XD (2013年2月)
マツダ CX-5 XD (2012年5月)

■過去の新車試乗記(マツダ アクセラ関連)
マツダ アクセラ ハイブリッド (2013年12月)
マツダ アクセラ スポーツ 20S i-stop (2009年8月)
マツダスピード アクセラ(2006年9月)
マツダ アクセラ (2003年11月)

 

価格帯&グレード展開

トップモデルのXDは298万2000円


試乗したアクセラ スポーツ XD

3代目アクセラは、ガソリンエンジン車(1.5と2.0)、ハイブリッド車(2.0ガソリン+モーター)、XDと呼ばれるディーゼルエンジン車(2.2ターボ)の3種類。変速機は2リッターガソリンだと6ATしかないが、XDでは6MTも選べる。国産車で、これだけちゃんとマニュアル車を用意するメーカーは珍しい。なお、アテンザのXD(FFのみ)にも6MTはあるが、CX-5のXD(FFと4WDがある)は6ATのみになる。

 

XDには電動サンルーフも標準装備。これぞ最上級グレードの証?

XDの価格は、6MT・6AT共に298万2000円で、ガソリン車はもちろん、ハイブリッド車と比べても飛び抜けて高い。ディーゼルエンジンは一般的に高コストだが、XDは馬力もトルクもアクセラの中で最強となり、「ディーゼル=トップモデル」という位置づけ。専用コンビシートや電動サンルーフが標準装備になるなど、装備も充実している。

 

アクセラスポーツ
(photo:Mazda)

■アクセラスポーツ(5ドアハッチバック)
【1.5リッター直4+6AT/6MT】  171万1500円~
最高出力111ps 最大トルク14.7kgm
JC08モード燃費17.8~19.4km/L

【2.0リッター直4+6AT】   220万5000円~
最高出力155ps 最大トルク20.0kgm
JC08モード燃費18.4~19.0km/L

【2.2リッター直4ディーゼルターボ+6AT/6MT】  298万2000円 ※今回の試乗車
最高出力175ps 最大トルク42.8kgm
JC08モード燃費19.6km/L(6AT)

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アクセラセダン
(photo:Mazda)

■アクセラセダン(4ドアセダン)
【1.5リッター直4+6AT/6MT】  171万1500円~
最高出力111ps 最大トルク14.7kgm
JC08モード燃費17.8~19.6km/L

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■アクセラハイブリッド(4ドアセダン)
【2.0リッター直4+モーター】  237万3000円~
システム最高出力136ps
JC08モード燃費30.8km/L

 

パッケージング&スタイル

ディーゼルは5ドアハッチバックのみ


ボディカラーは全8色。試乗車はアルミニウムメタリック
車両協力:東海マツダ販売株式会社

アクセラには4ドアセダンもあるが、XDは「スポーツ」と呼ばれる5ドアハッチバックのみ。アクセラハイブリッド試乗記でも触れたように、セダンとハッチバックは、リアドアまでデザインは共通で、どちらもデザインテーマ「魂動」に基づくダイナミックなスタイリングが特徴。深くえぐられたベルトライン、フロントフェンダーとリアフェンダー上のショルダーラインなど、見どころは多い。同クラスでは、ゴルフ7やボルボ V40などと並んで、秀逸なデザインでは。

アクセラの場合、赤いラインがディーゼルの証


後ろ姿はアルファのブレラ似? リアオーバーハングはセダンより120mm短い

CX-5やアテンザではディーゼルかどうかを見分けるのが難しかったが(エンジン音を聞いた方が手っ取り早い)、アクセラではディーゼル車のフロントグリルに赤いラインを追加。「GTI」 っぽいのはちょっと何だが、識別は簡単になった。

その他、XDの目印は、18インチアルミホイールが高輝度塗装タイプになること、電動サンルーフが標準装備になること、フロントフォグランプがLEDになること、リアバンパー下部の黒い部分がディフューザー形状&ピアノブラック塗装になることくらい。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
VW ゴルフ 7(2013~) 4265 1800 1460 2635 5.2
レクサス CT200h(2011~) 4320 1765 1450~1460 2600 5.0~5.2
トヨタ プリウス (2009~) 4460 1745 1490 2700 5.3
マツダ アクセラ スポーツ(2013~) 4460 1795 1470 2700 5.3
マツダ アクセラ セダン(2013~) 4580 1795 1455 2700 5.3
BMW 3シリーズ セダン(2012~) 4625 1800 1440 2810 5.4
 

インテリア&ラゲッジスペース

秀逸なインパネデザイン、ピタリと決まるドラポジ


タブレット風の7インチディスプレイ、一眼メーター、シンプルな水平基調のダッシュが特徴

新型アクセラに試乗するのは2度目だが、インパネを見てあらためて思ったのは質感が高いこと。デザインや素材に統一感があり、ゴテゴテしておらず、クリーンでスマート。ゴルフ7ほどの図抜けた高級感はないが、デザインの新しさ、スポーティさ、マツダ独自のITインターフェイス「マツダコネクト」による先進性ではアクセラが優れる。エクステリア同様、インテリアのデザインも秀逸。

XD専用の人工スエード&レザーシートを採用


手元のコントラーラーでナビ等を遠隔操作できる「マツダコネクト(Mazda Connect)」を採用

視界の良さも特筆できる。ダッシュボードのカウルやベルトラインが低く、Aピラーが後方に立つため、死角が少ない。Aピラーが視界を遮る新型車が多い昨今、アクセラはそれらとは逆だ。

また、「人馬一体」を目指したドライビングポジションも、先回のフィエスタ同様、ピタリと決まる。アクセルペダルは、ハイブリッドではプリウスと同じ吊り下げ式だっただが、ガソリンやディーゼルの純エンジン車ではオルガン式とするなど、ドイツ車を仮想敵とするマツダのこだわりが感じられる。

 

後席はサイドウインドウが小さく、ルーフの絞り込みも強いが、ゴルフ7よりゆったり座れる

XD(ディーゼル)には、ラックススエードとレザーのコンビシート(運転席は電動)が標準。ラックススエードはセーレン株式会社の商標で、東レのアルカンターラと同様の人工スエード

コマンダーコントロールは少々慣れが必要。スマホと連携すればインターネットラジオの利用や、TwitterやFacebookの音声読み上げも可能
 

スポーツ XDのトランク容量は364Lで、ゴルフ7(360L)と同等

後席の畳み方はシングルフォールディングだが、ほぼフラットになる。斜めになればギリギリ足を伸ばして寝れた

床下にはパンク修理キットと小物入れスペース。その下に吸音材が敷かれている
 

基本性能&ドライブフィール

多少カラカラ言うが、音振はディーゼルらしからぬレベル


17前後の圧縮比が一般的な量産ディーゼルエンジンにおいて、世界一低い圧縮比(14.0)を売りとするマツダの2.2リッター直4ディーゼルターボ

ディーゼル車の「XD」には6MTもあるが、今回は6ATに試乗した。

2.2リッター(2188cc)の直4・DOHCディーゼルターボエンジンは、CX-5やアテンザのXDと同じもの。最高出力175ps/4500rpm、最大トルク42.8kgm/2000rpmという諸元も同じで、6ATのギア比(1速3.487、2速1.992、3速1.449、4速1.000、5速0.707、6速0.600)も共通。

ただし最終減速比は、CX-5(4WDも含む)が4.090と少しローギアードで、アクセラとアテンザが3.804。車重はFFの6AT同士で比べると、CX-5が1520kgで一番重く、アテンザが1510kgで真ん中、アクセラが1450kgで一番軽い。

 

圧縮比の低減により効率を高める一方、低音での着火性も確保したほか、NOx後処理装置なしでポスト新長期排出ガス規制をクリアしている

アイドリング時のエンジン音は、CX-5やアテンザとほぼ同じ。「カラカラカラ」という音は耳をすませば聞こえるが、振動はほとんどない。また、アイドリングストップが頻繁に作動するので、信号待ちではエンジンが止まっていることが多い。再始動時には、さすがにディーゼルエンジンが回り出すに相応のショックがあるが、これはまぁ慣れると思う。

発進直後に、一瞬カラカラッという音が高まるが、走りだしてしまえば全く気にならない。というか、むしろ走り出した後は、下手なガソリンエンジンより滑らかで静かかも。2000回転くらいからエンジンの振動がスッと消え、ターボのブーストが掛かってフワッと浮き上がるように加速。5500回転までストレスなく吹け上がる。

ただ、アテンザ同様、最大トルク42.8kgmという数値が期待させるほど、怒涛のパワフルさはない。車重は2リッターガソリン(155ps、20.0kgm)より140kg重く、パワーウエイトレシオは1450kg/175ps=約8.3kg/ps。リズムよく走るには、3000~5500回転(タコメーターの頂上部)あたりのパワーバンドをキープする必要がある。

脱出加速に惚れ惚れする


タイヤサイズは2リッターガソリン車と同じ215/45R18。XDにはダンロップのSPスポーツ MAXX TTが装着される

このクルマ、すごいなぁ、と思ったのは、ワインディングでの走り。前輪には常に上から押し付けられているような絶大な接地感があり、また、その力を受け止めるボディや足回りが異様にガッシリしている。前後重量配分は、2リッターガソリンの810kg:500kg(62:38)に対して、940kg:510kg (65:35)。つまり前軸にガソリン車より140kgも多く荷重が掛かっている。サスペンションは当然、XD専用にチューニングされている。

ハンドリング自体はかなり安定志向。マツダと言えば、フロントが軽快にインに入るクルマが多いが、アクセラ XDの身のこなしは重々しい。ただ、それと同時にステアリング操作に応じて、ひらりとフロント・アウト側にロールするのが面白いところ。その点ではまるでロードスターのようにロールしてからスッと曲がる、という素直な動きが楽しめる。動き自体はやっぱりマツダらしい。

そして何より心奪われるのが、コーナーからの脱出加速。立ち上がりでアクセルを踏み込めば、40数kgmに及ぶトルクを、まるで4WDみたいに余すことなく路面に伝えながら、グゥーンと一気に立ち上がる。ターボラグはなく、トルクステアもホイールスピンもない。この時の加速の気持ちよさは、ガソリン車では味わえない。

 

最大トルクは2000rpm、最高出力は4500rpmで発揮され、5500rpm付近で緩やかにリミッターが作動する

リミッターが作動する約5500回転まで回せば(自動シフトアップはしない)、1速で50km/h、2速で87km/h、3速で120km/h。2速と3速が少し離れているので、3速のままの方がスムーズに走れる。パドルシフトは、シフトダウン時にブリッパーで回転合わせするなど、DCTに迫る動きを見せる。スポーツモードなるものはない。

乗り心地はかなり硬めだが、まったく不快ではないと思った。日本車にしては異例なほどダンピングの効いた、ストローク感のある非常にいい足という印象。RX-7、RX-8、ロードスターと、足回りへのこだわりが語られるマツダ車は多いが、それらと同じくらいの執念と完成度を感じる。おそらく、XDの仮想敵は、ゴルフ7のディーゼルエンジン搭載車(もちろん日本未導入)だろう。

高速巡航ではクラス破りの重厚感にしびれる


「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」と呼ばれるヘッドアップディスプレイを装備。車速の他、ナビの誘導矢印、緊急性の高い警告などを表示

高速道路での走りにも唸らされた。100km/h巡航時のエンジン回転数は1900rpm。前輪のドシッとした接地感が気持ちよく、一方でステアリングにはダルさがなく、とにかくビシッと走る(その点はBMWを思わせる)。このクラスの日本車では味わい難い充実感がある。

また、エンジンは回せば回すほど滑らかになり、特に4000回転くらいから上の、コーーンと澄み切った音が気持ちいい。なんでこんな音がするんだろうと思ったら、アクセラ XDだけは全車標準のBose製オーディオ用スピーカーから高回転時のエンジンサウンドを補っているとのこと。それはまぁともかく、素晴らしく滑らかに回るのは確か。

なお、今回は夜道をけっこう走ったが、ハイビームとロービームの両方がAFS機能付のバイキセンだったので、とても走りやすかった。LEDの方が今風だが、これはこれでいいのでは。

試乗燃費は11.0~14.6km/L。JC08モード燃費は19.6km/L

今回はトータルで約270kmを試乗。参考までに試乗燃費(車載燃費計)は、いつもの一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約90km)が11.0km/L。また、一般道で、特にエコ運転せずに走った区間(約30km)がやはり11.0km/L、同じく一般道でエコ運転した区間(約30kmを3回計測)が13.5km/L、14.1km/L、14.6km/Lだった。総じて、何も考えずに走っていると11km/L台という印象。

JC08モード燃費は19.6km/Lで、これは純ガソリン車(FFで19.0~19.6km/L)と大差ないが、ハイブリッド(30.8km/L)には完敗する。しかし軽油はレギュラーガソリンより15%ほど安いので(今回入れたガソリンスタンドではレギュラー151円に対して130円)、燃料費はガソリン車より安く済みそう。いずれにしても、車両価格代をペイするには10万km以上走る必要はあるが。

燃料タンク容量は純ガソリン車と同じ51リッター。航続距離は普通に500km、高速道路で流せば800kmくらいは可能だろう。

 

ここがイイ

シャシー、エンジン、全体の完成度

ディーゼルエンジン自体もさることながら、まずはシャシー性能の素晴らしさ。エンジン重量のせいか、ガソリン車にはない圧倒的な接地感や重厚感が味わえる。

でもって、そのエンジントルクを路面に余すことなく伝えて加速する感覚が気持ちいい。ディーゼルエンジンと言えば、トルク感や燃費だが、アクセラの場合はハンドリングにもその特性が活きている。直進安定性もよく、乗り心地も悪くない。全体の完成度が極めて高い。

エンジンのトルク感は数値ほどではないが、高回転域でのスムーズさは下手なガソリン車以上かも。思わず、ロータリーエンジンのイメージもダブってしまった。回して気持ちいいディーゼルエンジンだ。エンジンのカラカラ音は皆無ではないが、これも個性。ガソリン車と音が同じだったら、逆につまらない。

298万2000円という価格は、200万~250万円くらいで買えるガソリン車と比べると割高だが、これだけのエンジン、これだけのシャシー、これだけの完成度なら妥当だ。マツダの中でも、とびきりマニアックで、とびきり気合いの入ったクルマがアクセラ XDであり、そのマニアック度は販売終了したRX-8にも匹敵する。

ここがダメ

マツダコネクトの操作性、グリルの赤いラインなど

今後の発展性が楽しみなマツダコネクトだが、今のところ操作性は今ひとつ。また、組み込み式ナビはハードの差し替えが難しい分、困る部分もある。ただ、このシステムはOSからアップデートが可能とのことなので、今後もソフトウエアの部分でどんどん改良して欲しいところ。

ヘッドライトのハイ/ローを自動で切り替えるシステム(マツダではハイビーム・コントロールシステム=HBCと呼ぶ)は、内外メーカーで最近多く採用されているが、同システムの使用中には、とっさにレバー操作でハイビームに切り換えられないのは不便(マツダに限らないが)。オートライトはオンにしつつ、HBCはオフにする、という使い方もできれば、と思う。

マニュアルモードで自動シフトアップしないのがマツダ流のようだが、やはりレブリミットまで行ったら自動シフトアップする方が運転しやすいと思う(ポルシェのPDKでも自動シフトアップする)。また、本文でも触れたように、やっぱりスポーツモードもあった方が便利だ。

ディーゼルの場合、フロントグリルのメッキモール部分に赤いラインが入る。これはゴルフのGTIを意識したものだと思うが、とってつけたようで、ちょっと中途半端では。

総合評価

クリーンディーゼル3台で最も好印象

マツダのクリーンディーゼルエンジンを初めて搭載したCX-5のXDに乗ってから、早くも2年が経とうとしている。アテンザ セダン XDに乗ったのは1年前だ。

そして今回、アクセラのXDに乗ったわけだが、登場から2年といえば、同一モデルならマイナーチェンジがそろそろ行われてもいい時期。アクセラのディーゼルエンジン自体は、スペックを見る限り、これまでの2台と特に違うようには見えないが、運転した時のフィーリングとしては最も好印象を持った。おそらくこの2年間で、エンジンについても細かな改良は続いているのだろう。

CX-5のXDは、よく走るなという印象ばかりが強く、アテンザではその前に乗ったBMW 320dと比べてトルク感や快適性などで物足りない部分があった。しかし今回のアクセラ XDに関しては、もうこれなら文句ないんじゃないか、と思えた。エンジンとシャシーのマッチングなどは、やはり最新車だけあって相当に手が入っているように思われる。特に欧州においてはこのクラス、強力なライバルたちと競わなければならないのだから、徹底的にブラッシュアップされたのではないか。

911を思い出す

とにかく、ディーゼルとしてのネガはほとんど気にならない。エンジンそのものは下手なガソリン車より、よく回るとすら思えた。何よりその強大なトルクによる走りは、普通のガソリン車や、まして「トヨタ的」ハイブリッド車ではまったく太刀打ち出来ない独自の魅力を持っている。いつも180psくらいが手頃で楽しいパワー感だと書いているが、このクルマはまさにそれ。加えて強大なトルクだ。

クルマの走りにおいて、楽しさの大きな要因がトルク感だと思う。アクセラの場合、前輪から路面に伝えられるトルクの塊が、ボディをグイグイ引っ張っていく感覚が、気持ち良すぎ。その昔に乗っていたポルシェ 911 SC(1983年式)は180psと27kgmを発揮し、RR(リアエンジン・リア駆動)によって後ろからグイグイ押される感覚が素晴らしかった。SCの車重はアクセラより250kgも軽かったし、前か後ろかという違いもあるが、両者には感覚的にけっこう近いものがある。まあ、いずれにしても、これくらいのパワーと大きなトルクが、経験上一番楽しく公道を走れる。

というようなことを、BMW 320dの試乗記でも書いた。さすがに200万円もの価格差がある320dには敵わない部分もあるが、その320dに迫ってやろうという意志すら感じさせる仕上がり。費用対効果で考えれば、320dを凌いでいると言える。走ってみれば、マツダ言うところのズームズーム、最近はワクワクともいうみたいだが、それが確かにある。320dはともかく、価格的にもクラス的にも直接のライバル関係であるゴルフ7に対してなら「本質」で対抗できる、唯一の国産車かもしれない。

いろいろな意味で欧州車そのもの

それもこれも、欧州という厳しい市場で勝ち残るために作られていることが、その原因だろう。まさに欧州車のような日本車、それがアクセラ XDだ。いや、日本メーカー製の欧州車を、日本で売っているのがアクセラ XDか。昔からのクルマ好きは、結局今も欧州車のようなものを好む。先週のフォード フィエスタもそうだが、欧州のものを持ってくれば我々は喜ぶ。分かりやすい(苦笑)。つまりはアクセラにおいても、ハイブリッドよりディーゼルの方が好みとなる。しかしまあ、そういう人は多くはないので、アクセラのディーゼルはプレミアムグレードとして売られるのだろう。値段は高いが いい味です(たぶん名古屋の人にしか分からないCMフレーズw)というところか。

ただ、今後、少なくとも国内ではスマホのようにフリック操作できるナビが主流になっていくと思われるが、マツダにとって最新のインターフェイスであるマツダコネクトは、主にコマンダーで操作する欧州流だ。コマンダーは慣れが必要だが、慣れれば操作しやすくて安全。一方、フリックなどの操作は慣れがあまり必要なく、何よりふだん使っているスマホのように操作できる強みがある。長年、ナビはリモコンで操作するものと考え、そう使ってきた者としては、コマンダーにこそ合理性を感じるのだが、世の中は一気にタッチパネルの方向へ流れている。マツダコネクトの今後に期待したいが、そこだけはちょっと憂うところだ。

 


試乗車スペック
マツダ アクセラ スポーツ XD
(2.2L 直4ターボディーゼル・6AT・298万2000円)

●初年度登録:2014年1月●形式:LDA-BM2FS ●全長4460mm×全幅1795mm×全高1470mm ●ホイールベース:2700mm ●最小回転半径:5.3m ●車重(車検証記載値):1450kg(940+510) ●乗車定員:5名

●エンジン型式:SH-VPTR ●排気量・エンジン種類:2188cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴・ディーゼル・ターボ・横置 ●ボア×ストローク:86.0×94.2mm ●圧縮比:14.0 ●最高出力:129kW(175ps)/4500rpm ●最大トルク:420Nm (42.8kgm)/2000rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:軽油/51L ●JC08モード燃費:19.6km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイル/後 マルチリンク+コイル ●タイヤ:215/45R18(Dunlop SP Sport Maxx TT)

●試乗車価格(概算):304万8500円 ※オプション:CD/DVDプレーヤー+地上デジタルTVチューナー 3万1500円、ナビゲーション用SDカード 3万5000円 ●ボディカラー:アルミニウムメタリック ●試乗距離:約270km ●試乗日:2014年3月 ●車両協力:東海マツダ販売株式会社

 
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