Published by DAYS since 1997 from Nagoya, Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > 新車試乗記 > キャデラック ATS ラグジュアリー

キャデラック ATS ラグジュアリー新車試乗記(第688回)

Cadillac ATS Luxury

(2.0リッター直4 ターボ・6速AT・439万円)

That's a new kind of Caddilac♪
新世代のキャデラック、
新型ATSに試乗!  

2013年03月22日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

直4ターボを搭載した新世代の最小キャデラック


キャデラック ATS
(photo:GM)

キャデラックの新型車「ATS」は、同ブランドのCTSより小さな、いわゆるDセグメントの高級コンパクトFRスポーツセダン。目下、キャデラックの最小モデルになる。2012年1月のデトロイトショーでデビューし、同年8月に北米で発売。日本では11月に発表、2013年3月に発売された。

駆動方式はFRだが、プラットフォームはCTS等の「シグマ・アーキテクチャ」(シグマII プラットフォーム)ではなく、より軽量コンパクトな新開発「アルファプラットフォーム」を採用。今回導入された日本仕様はGM最新のダウンサイジングユニットである2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載している。

 

こちらは2008年に登場したキャデラック CTS
(photo:GM)

また、先進安全装備も積極的に採用。全車にフォワード・コリジョン・アラート(前方衝突事前警告機能)を、上級グレードに低速での自動ブレーキシステム(追突被害軽減ブレーキ、前進および後退で作動)を標準装備している。

2013年の北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。生産はミシガン州ランシングのグランドリバー工場で行われる。

 

価格帯&グレード展開

まずは直4ターボを導入。439万円からスタート


GM最新鋭の2リッター直4ターボ。「ファミリー II」と呼ばれる2.0~2.5リッター直4系の一つ
(photo:GM)

米国には自然吸気の2.5リッター4気筒(202hp、259Nm)や3.6リッターV6(321hp、373Nm)もあるが、今回日本で発売されたのは、2リッター直4ターボ(276ps、353Nm/35.9kgm)。北米には6MTやAWD(4輪駆動)もあるが、日本仕様は全て6ATのFRになる。今のところ右ハンドル仕様は海外にもなく、左ハンドルのみ。

グレードは2種類で、まずは標準グレードの「ラグジュアリー」から導入。電動レザーシート、10エアバッグ、BOSEサウンド・システム、AFL(アダプティブ フォワード ライティング)システム付HIDヘッドライトを標準装備する。価格は439万円で、CTSで一番安い3.0プレミアムより110万円安い。

上級グレードには先進安全装備を全部のせ


手前がATS(クリスタルレッド)。奥に見えるのはCTS
車両協力:GMシボレー日進

5月には上級グレードの「プレミアム」(499万円)が発売される。こちらには、18インチタイヤ、パフォーマンスサスペンション、マグネシウム製パドルシフト、電動パーキングブレーキ(ラグジュアリーは足踏み式)、イルミネーティング ドアハンドル(夜間に鍵を持って近づくとドアハンドルのLEDが足下照明と共に点灯する)に加えて、全車速対応ACC(アダプティブクルーズコントロール)、オートマチックブレーキ(追突被害軽減ブレーキ)、サイド ブラインドゾーン アラート(車両斜め後方の死角を監視)、リア クロス トラフィック アラート(後進時安全確認警告機能)などの先進安全装備が備わる。

他にオプションは、電動サンルーフ(12万0750円)、ナビゲーションシステム&フロントアクセサリーランプセット(29万8000円)など。

■ATS Luxury   439万円 ※今回の試乗車
■ATS Premium 499万円

 

パッケージング&スタイル

「アート&サイエンス」を継承


ボディカラーはセーブル ブラック(試乗車)、ラジアント シルバー メタリックなど全5色

スタイリングは、キャデラックのデザイン思想「アート&サイエンス」を継承するもの。おかげで、どこから見てもキャデラック。と言うより、一見、現行CTSと見分けがつかない。ステルス戦闘機を彷彿とさせる、エッジの立った造形に、21世紀キャデラックに共通するハイテク感がある。ただしフロントフェンダーの上部に伸びるLEDのポジションランプは、ATS独自の部分。

大きさは3シリーズとほぼ同じ


伝統の縦型LEDテールランプもしっかり採用

ボディサイズは全長4680mm×全幅1805mm×全高1415mmで、CTSより一回りか二回り小さく、ついにBMW 3シリーズと同等になった。全長などはマークXより短いくらいだから、何かと狭い日本では嬉しいところ。左ハンドルしかないが、それさえ除けば史上最も、日本の道路&車庫事情に適したキャデラックでは。

 

高速域でフラップを閉じて空気抵抗を減らすアクティブ・エアロ・グリルシャッターを採用(ラグジュアリーのみ)

横一文字のLEDハイマウントストップランプは夜間、かなり目立つ

Cd値(空気抵抗係数)は0.299
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
BMW 3シリーズ(2012-) 4625 1800 1440 2810 5.4
キャデラック ATS(2013-) 4680 1805 1415 2775
キャデラック CTS(2008-) 4870 1850 1470 2880
トヨタ クラウン(2012-) 4895 1800 1450-1460 2850 5.2
 

インテリア&ラゲッジスペース

スマホ感覚のインターフェイスを新採用


試乗車はオプションの電動格納式SDナビ(地デジ付)装着車。日本市場専用品

インテリアも、CTSなどのデザインモチーフを踏襲。上級グレードの「プレミアム」には本物のアルミ製パーツやカーボンパネルが採用されるが、試乗した「ラグジュアリー」でも質感は高く、小さなキャデラックの世界が味わえる。

面白いのは、Cadillac User Experience、略して「CUE(キュー)」と呼ばれる新インターフェイス。これは8インチタッチパネル等をスマートフォン感覚で操作できるというもので、アイコンをタップ、スワイプ、ドラッグすることで、オーディオやエアコン等を操作できる。さらに、指が触れた部分の画面が、リターン(決定)時に軽く振動する「触覚フィードバック」や、指を近づけるだけで反応する「近接検知」も採用されている。

 

8インチタッチパネルは全車標準。最大10台までBluetooth対応機種とペアリングできる

また、モニターの下に並ぶ空調やオーディオ関係のボタンも、タッチセンサー式。CUEの採用により、通常は20個ほどあるボタンを4個に減らせたとのこと。

残念なのは、日本仕様の場合、この大画面にナビゲーションシステムや地デジの映像が映せないこと。代わりに日本市場向けには電動格納式SDナビ(パナソニック製)を開発し、オプションで用意している。

 

メーター下部の液晶パネルには、左右に情報スペースがり、平均燃費などの表示項目を自由に選べる

液晶タッチパネル式の多機能ドライブレコーダー(4万7250円)は純正アクセサリー
 

パネルの奥には、デジタル機器などが置ける電動カバー付の小物入れ(容量1.8リッター)とUSB端子が備わる

10ウェイ電動・レザーシートは全車標準で、前方衝突の危険性や車線逸脱を知らせる警告振動機能も備える
 

トランク容量は290リッター(北米仕様)。トランクスルーが可能で、床下には収納スペースもある。ランフラットタイヤが標準で、スペアタイヤはない

すっぽりはまり込むような着座感の後席。エアバッグは前席ニーを含めて計10個
 

基本性能&ドライブフィール

328iを上回る276psを発揮


V6どころか、大排気量V8が積めそうなほど、エンジンルームには余裕がある

ATSの2リッター直噴ターボは、GM最新鋭のダウンサイジングエンジン。最高出力は276ps/5500rpm、最大トルクは35.9kgm/1700-5500rpmとパワフルで、他メーカーの2リッター直4ターボにまったく遜色ない。例えば現行(F30型)BMW 328iの2リッターターボ(245ps/5000rpm、35.7kgm/1250-4800rpm)をも上回る。実際のところ、低回転からトルクフルで、レスポンスもよく、ターボラグはまったくない。

変速機はトルコンの6AT(ハイドラマティック 6L45)で、発進や変速はスムーズ。パドルシフトはないが、スポーツモードではブリッパーも作動して回転合わせをしてくれる。

前後重量配分はきっちり50:50


パワーウエイトレシオはスポーツカーに遜色ない5.7kg/psだが、ピークパワーより低中速のトルクの方が印象的
(photo:GM)

プラットフォームはCTSとは別物だが、サスペンションはフロントがダブルピボット式のマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンク(キャデラック初の5リンク独立)と凝っている。CTS同様、今回のATSもドイツのニュルブルクリンクで鍛えたのが売り。

そのハンドリングはけっこうクイックで、FRらしく最後までよく曲がる。標準のランフラットタイヤ(ミシュラン プライマシー MXM4 ゼロプレッシャー)がオールウエザーで、グリップ自体は高くないが、おかげで良くも悪くもFRスポーツセダンらしく振り回せる。もちろん、最終的にはスタビリトラックこと電子制御系デバイスが介入してくるし、フロントブレーキはブレンボ製だが、ABSの介入も早かった。

というわけでタイヤがサマーだったら、もっと今風に安定方向になったはず(ちなみに5年前に試乗したCTS 3.6は、同じミシュランでもパイロット スポーツだった)。また、LSDはプレミアムのみの装備で、試乗車はオープンデフだったが、やはりLSD付だとリアの安定感やコントロール性がぐっと増しそうな気もする。

 

タイヤはミシュランのM+Sで、ランフラット。フロントブレーキは全車ブレンボ製

なお、ATSは軽量設計も売りで、ボンネット、フロントサブフレーム、フロントのストラットマウント、前後のバンパービーム、一部サスペンションアームはアルミ製。もちろん車重は現行キャデラックで最も軽く、BMWの328iと同等に収まっている(ATSは1580kg、BMWは1560kg)。しかも前後重量配分(車検証数値)は、BMWのお株を奪うように、きっちり50:50。重量バランスの良さは、ワインディングを走る程度でも体感できる。

 

(photo:GM)

乗り心地はキャデラックを名乗るだけに、引き締まった中にもキャデラックらしい(アメリカ車らしい)「いなし」感がある。ランフラットタイヤのせいか、段差で少し硬さを感じる程度。なお、5月に導入されるプレミアムには、GMお得意のマグネティック ライド コントロール(磁性流体減蓑力制御システム)が装備される。

100km/h巡航時の回転数は約1700回転。パワー的には250km/hくらい?出そうだが、新開発の電動パワステ(最新のZF製ベルト駆動タイプ)のせいか、ハイスピード域ではもう少しステアリングの座りが良ければ、と感じた。

試乗燃費は8.2~10.3km/L。欧州測定モードは約8.6~15.9km/L


フューエルリッドにはPremium Fuel Recommended(プレミアム推奨)とある。燃料タンク容量は62リッター

今回はトータルで約260kmを試乗。試乗燃費(車載燃費計による)は、いつもの一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約90km)が8.2km/L。一般道を大人しく走った区間(約30kmを計3回)が10.0km/L(郊外、昼間)、10.3km/L(郊外、夜間)、10.3km/L(同)だった。

JC08モード燃費は未発表だが、欧州測定モードは、市街地(アーバン)が約8.6km/L、郊外燃費(エクストラアーバン)が約15.9km/L、総合燃費(コンバインド)が約12.2km/Lとのこと。

 

ここがイイ

軽快な走り、先進安全装備

キャデラックというブランドイメージからの想像を裏切る、俊敏な走り、軽快なハンドリング。排気量は2リッターに過ぎないが、パワーは十分で、その気になればFRらしい「ハッピー」な走りを楽しむこともできる。

これからのクルマに必須の先進安全装備がしっかり採用されていること。「フォワード・コリジョン・アラート(前方衝突事前警告機能)」は全車標準だし、上級グレードの「プレミアム」には全車速追従機能付ACC(いわゆるレーダークルーズコントロール)や自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、ボルボの新型V40にも装備されているリア・クロス・トラフィック・アラート(後退時に別の車両の接近を知らせる)といったものも装備される。

ここがダメ

発展途上のCUE、右ハンドルがないこと

意欲的な「CUE」だが、やはりこの大画面にナビ画面や地デジを映せないのは残念。また、純正オプションの電動格納式モニター付ナビ(パナソニック製)は前方視界を損なうほか、操作性も良いとは言えない。また、CUEのタッチ操作への反応は初期のandroidタブレットみたいだし、実際にはモニターやボタンを目視しないと操作できないので、現状ではブラインド操作向きのインターフェイスと言いがたい。

ボディサイズがコンパクトなだけに、左ハンドルしかないのは残念。大排気量V8モデルならアメ車らしいと肯定的に捉えることも可能だが、ATSの場合はそうもいかないのでは。

高級車キャデラックとして考えると、アイドリング時の微振動やノイズは大きめ(アイドリングストップ機能はない)。また、当然ながらV8のような滑らかさはない。キャデラックらしくないと捉えるか、最新のダウンサイジング&レスシリンダー化にしっかり対応していると評価するか。このあたりは世代によっても印象が変わってくるかも。

おそらく、セッティング次第だと思うが、高速域ではもう少し、CTSのような直進安定「感」やドシッとした重厚感、「ステアリングに軽く手を添えているだけでまっすぐ走ってゆく」感が欲しいところ。

総合評価

ひとまずは、これでいい

GMが破綻したのは何年前の事だったか。記憶がはっきりしないほど、今はすっかりなかったことのように、今日も元気に営業中、だ。アメリカの企業破綻は、日本と違って再出発しやすいという好例かも。また中国市場でも、GMは日本車より好調なようだ。しかしそんなGMも、成長を続けるためにはキャデラックを全世界で販売する必要があり、そのためには米国内だけでウケるものではなく、世界で売れ筋のコンパクトなクルマを作らなくてはならない。すでに定評のあるメルセデスのCクラスやBMWの3シリーズなどとタメを張る必要があるわけだ。そのためには、これまで通りのアメ車ではなく、最新の欧州車に負けないクルマにしなくてはならない。それゆえニュルを走る必要もある。

そうして出来上がったATSはしかし、現時点ではまだ先行車を追い上げている途中にあるという印象だった。しかしまあ、先行車を追い抜くほどの性能がすぐに必要かというと、そうでもないだろう。スタイリングやプレミアム感、何よりその雰囲気は、今でも十分ライバル車と並んでいると思う。ひとまずは、これでいいのではないか。

 

考えてみればアメ車は雰囲気とか、味を楽しむものだった。バイクでも、ハーレーのスポーツバージョンであるビューエルなどは、日本や欧州のスポーツモデルと比べると、走行性能より雰囲気や個性が先行するタイプだったと思う。アメ車はひとまず、それでいいのだ。ATSのスタイリングは個性とアイデンティティがあり、アメ車の雰囲気がプンプンする。無難に欧州車に乗るのではなく、左ハンドルしかないこのキャディを転がすのは、日本でもそうとうカッコイイことだと思う。また、一番小さいキャディというのも、ダウンサイジングのご時世では悪い話ではない。内装は色っぽくて豪華だし、ありきたりな木目でなくて柄の入ったアルミのパネルを上手に使ってあるのも日本車にはないセンスだ。所有する喜びは、ライバル車に負けてないだろう。

CUEの可能性

ただモーターデイズ的に惜しいなと思うのは、CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス、シボレー版はシボレー・マイ・リンク)がまだ中途半端なままであること。特に日本仕様では、ほとんど生きていない。

例えばフォードのテレマティックス(移動体通信システムを利用してサービスを提供する仕組み)であるSYNCはSYNC Applinkとして、そこに搭載するアプリ開発をフォードの外部で行う、つまりAndroidアプリのようにサードパーティーが開発できるところまで来ているようだが(まずは音楽のストリーミング再生が始まるよう)、一方でOnStarという簡易車載通信機で先行していたGMは、逆にそこまではまだ行かないようだ。Microsoftも、Appleも、Googleも、みなアメリカの企業であり、かの国のクルマがテレマティックスにおいて最も進んでいても何の不思議もないはずなので、その片鱗だけでも今回のCUEで見せて欲しかったと思う。それでもまあ、スマホのBT接続が何の問題もなく簡単にできたあたりは、さすがと思った。日本のナビではそれすら難しかったりするから。

同じようなことは、現在販売されているスマホ端末でも言える。iPhoneの人気は言うまでもなく、もはやAndroidでさえ日本製は影が薄い。10年前にデイズで「インテリジェントカー」という先端自動車を紹介するムックを制作した頃は、10年後には日本がテレマティックス分野でダントツに先行していると思っていたが、実際には年を追うごとにヤバさ(出遅れ感)が増しているように思う。そんな中、今年になってパナソニックがGMと業務提携を発表している。突破口はこの辺りにあるのだろうか。

ガラナビの問題点

また、「日本型カーナビは携帯電話同様にガラパゴスだ」と言われるが、確かにそのとおり。ガラナビの問題点は、現在乗っている2008年式のアウディTTに標準装備されている日本製HDDナビ(MMIではないタイプ)の不自由さによって実感している。クルマ自体に不満はないが、その日本製の2DINナビは通信はおろか、もはやHDDの地図更新すら出来ず、MP3の音楽ファイルも読めず、まったく使いものにならない。といってPNDどころかスマホによるナビが主流になりつつある現在、これを新たなガラナビに買い換えるのもムダに思える。わずか5年で無用の長物に成り下がってしまったのだ。

ということで、今後主流となるであろうスマホナビは、トヨタの車載ナビをそっくりスマホに移したアイシンAWのナビエリートや、docomoとパイオニアによるドライブネット、そしてナビタイムあたりが日本独自で使いやすいが、無料のGoogleNAVIで十分という意見も多い。そんな中、世界で2000万ユーザーを持つというイスラエル発のwaze(ウェイズ http://www.waze.jp/)というアプリは、ユーザーが地図そのものを作り、さらには事故から渋滞情報まで更新できるというソーシャルナビで、日本でもサービスを開始した。まだ基本地図すらできていないが、これなどはプロモーション次第でブレイクする可能性が大いにある。方向性としては誰が考えてもこちらだろう。こういったスマホアプリと車載ディスプレイ、および自動車メーカーのテレマティックサービスがどう連携していくかが今後の課題だ。CUEはせっかく先進のアメリカ製なのだから、そのあたりの可能性を日本でも、もうちょっと提示してもらえたら嬉しかった。

ガラテレマティックスとならぬように

ガラナビに限らず、ガラパゴス化しつつあるように見えるITSスポットサービスをはじめ、様々な日本のテレマティックス技術が、再び世界をリードするのはかなり厳しいだろう。それでもインテリジェントカー(高度情報化自動車)分野では、アイサイトのような衝突安全技術を例に取ると、まだ日本に一日の長があるように見える。しかしながら、これまたイスラエル発の、単眼カメラでも距離が測れるMobileye(モービルアイ https://sites.google.com/a/imobile.bz/index/ )といった、メーカーを問わず後付できる衝突警告システムが出てきているような現状だ。

キャデラック ATSに乗ってCUEに触れると、日本はホントにおちおちしていられない、という思いが強くなる。TPPによって、北米から安価なテレマティックスが押し寄せてこないとも限らない。いや時代はそちらに向かっているか。安価で安全な(はずの)輸入品が増えることは、消費者としては悪いことではないのかもしれないが……。日本でも、スマートフォンとクルマを連携させる仕組みを、スマートフォンITSコンソーシアム(http://www.kiic.co.jp/sitsc/)が提案しているが、大手メーカーはどう動くだろうか。ガラケー、ガラナビ、そしてガラテレマティックスとならぬことを、強く願う。ちなみに今年はITS世界会議が東京で10月に開催される。2004年の名古屋でのITS世界会議から9年で、この世界は大きく変わった。10年ひと昔とは、よく言ったものだ、と思う。

 

試乗車スペック
キャデラック ATS ラグジュアリー
(2.0リッター直4 ターボ・6速AT・439万円)

●初年度登録:2013年2月●形式:ABA-A1SL ●全長4680mm×全幅1805mm×全高1415mm ●ホイールベース:2775mm ●最小回転半径:-m ●車重(車検証記載値):1580kg(790+790) ●乗車定員:5名

●エンジン型式:1D ●排気量・エンジン種類:1998cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴・ターボ・縦置 ●ボア×ストローク:86.0×86.0mm ●圧縮比:9.2 ●最高出力:203kW(276ps)/5500rpm ●最大トルク:353Nm (35.9kgm)/1700-5500rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/62L ●10・15モード燃費:-km/L ●JC08モード燃費:-km/L

●駆動方式:FR(後輪駆動) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイル/後 マルチリンク+コイル ●タイヤ:225/45R17(Michelin Primacy mxm4 ZeroPressure M+S) ●試乗車価格(概算):473万5250円 ※オプション:電動開閉式7インチワイドVGAモニター搭載SDナビゲーション+フロントアクセサリーランプ 29万8000円、ドライブレコーダー 4万7250円 ●ボディカラー:セーブルブラック ●試乗距離:260km ●試乗日:2013年3月 ●車両協力:GMシボレー日進(株式会社ホワイトハウス)

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 
 

キャデラック 最新の試乗記10件

最近の試乗記一覧