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トヨタ カローラアクシオ ハイブリッド / カローラフィールダー ハイブリッド新車試乗記(第703回)

Toyota Corolla Axio Hybrid / Corolla Fielder Hybrid

(1.5L 直4+モーター・192万5000円~ / 208万5000円~)

とうとう、やっと、
ついに、いよいよ、
カローラもハイブリッドになった!

2013年08月09日

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キャラクター&開発コンセプト

アクアのハイブリッドシステムを搭載


8月6日には名古屋市中区でカローラ ハイブリッド説明会が行われた。写真は製品企画本部の安井慎一チーフエンジニア

トヨタ自動車は2013年8月6日、現行の11代目カローラ(アクシオおよびフィールダー、2012年5月発売)にハイブリッド車を追加して発売した。カローラ初のハイブリッドモデルであり、また同時にトヨタ最小の4ドアセダン型ハイブリッドでもある。

ハイブリッドシステムは、アクアと同じ「THS II」で、すなわち1.5リッターエンジン(74ps、11.3kgm)、モーター(61ps、17.2kgm)、ハイ/ロー2段のリダクション機構、ニッケル水素電池などで構成される。システム出力100psという数値も同じで、JC08モード燃費もアクアのオプション装着車(車重1090kg以上)と同じ33.0km/Lを達成している。

 

ハイブリッドシステムはスペックや電池搭載位置も含めてアクアと同じ
(photo:トヨタ自動車)

生産拠点は純ガソリン車のカローラと同じで、トヨタ自動車東日本の本社工場となる宮城県の大衡(おおひら)工場。販売チャンネルはトヨタカローラ店で、ハイブリッド車の月販目標はアクシオが1000台、フィールダーが1500台の計2500台(カローラ全体の目標はそれぞれ3000台、4000台の計7000台)。法人需要が半数を占める車種ゆえ、ハイブリッド車の割合がどこまで行くかは未知数だ。

■過去の新車試乗記
トヨタ カローラ フィールダー 1.8S (2012年9月更新)
トヨタ アクア (2012年2月更新)

■外部リンク
トヨタ自動車>プレスリリース>カローラにハイブリッド車を追加 (2013年8月6日発表)

価格帯&グレード展開

価格はアクアとプリウスの真ん中


カローラアクシオ ハイブリッド
(photo:トヨタ自動車)

今回追加されたハイブリッド車の価格は、アクシオが192万5000円から、フィールダーが208万5000円から。スタート価格はガソリン車より40万~50万円高いが、見方を変えればガソリン車の最上級グレード(アクシオは1.5 ラグゼールの190万円、フィールダーは1.8S エアロツアラーの212万円)とほぼ同等でもある。あるいは、アクア(169万円~)とプリウス(217万円~)の中間ぐらい、とも言える。

アクシオ ハイブリッドには、上級グレードとして高遮音性フロントガラスのほか、レザーステアリング、ベロア調シート地などを装備した「G」(標準車より15万円高の207万5000円)も用意。なお、ガソリン車には最上級グレードとして木目調パネル、ベンチレーション機能付き運転席シート、6:4分割可倒式リアシートなどを標準装備した「1.5 ラグゼール」があるが、ハイブリッドには「価格が高くなり過ぎる」ということで用意されていない。

 

カローラフィールダー ハイブリッド
(photo:トヨタ自動車)

一方、フィールダーには、やはり高遮音性フロントガラスやリアプライバシーガラス、レザーステアリング、スエード調シート地などを装備した「G」(216万5000円)を用意。さらに、エアロパーツ等を装着した「G エアロツアラー」(226万円)や、内外装が専用仕立ての特別仕様車「G エアロツアラー W×B(ダブルバイビー)」(234万円)も用意する。

また、標準車と「G」には、シートヒーター付(1万5750円高)を用意。これは冬場、暖房のためにエンジンを動かして燃費を悪化させやすいハイブリッド車の弱点をカバーするのが目的。ガソリン車同様に、VSC、TRC(トラクションコントロール)、6エアバッグは全車標準。

 

特別仕様車のカローラフィールダー ハイブリッド G エアロツアラー W×B
(photo:トヨタ自動車)

■カローラアクシオ ハイブリッド
・標準車      192万5000円
・G         207万5000円 ※今回の試乗車

■カローラフィールダー ハイブリッド
・標準車          208万5000円
・G            210万0750円
・G エアロツアラー     226万円
・G エアロツアラー W×B  234万円 ※今回の試乗車

 

パッケージング&スタイル

識別点は主にエンブレムのみ

ボディ外観や外寸は、アクシオもフィールダーもガソリン車と同じ。カローラ史上初めて小型化したボディは、共に全長が4360mm、全幅が1695mmとジャパンベストのサイズ。全高はアクシオで1460mm、フィールダー(ハイブリッド)で1475mmと、どんな立体駐車場にも入る。最小回転半径もガソリン車と同じ4.9メートルで、小回り性能も文句ない。

 

逆にハイブリッド専用となるのは、「シナジーブルー」の専用エンブレムを埋め込んだフロントグリル、同じくブルーを配したリアのトヨタエンブレムと「HYBRID SYNERGY DRIVE」エンブレム、そしてフロントフェンダーの「HYBRID」エンブレムくらい。つまりエンブレムを見ないとハイブリッド車であることは分からない。ガソリン車に溶け込むハイブリッド車。

 
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
トヨタ アクア(2011-) 3995 1695 1445 2550 4.8-5.7
VW ゴルフ 7(2013-) 4265 1800 1460 2635 5.2
初代トヨタ プリウス (1997-2003) 4310 1695 1490 2550 4.7
トヨタ カローラアクシオ ハイブリッド 4360 1695 1460 2600 4.9
トヨタ カローラフィールダー ハイブリッド 4360 1695 1475 2600 4.9
ホンダ フィット シャトル ハイブリッド(2011-) 4410 1695 1540 2500 5.1
トヨタ プリウス(2009-) 4460 1745 1490 2700 5.3
 

インテリア&ラゲッジスペース

ハイブリッド専用メーターやパネル・シート地を採用


専用メーターやブルーの意匠がハイブリッドの証。写真はフィールダーの特別仕様車「W×B」

インテリアも基本的にガソリン車と同じ。ただし、ブルーをあしらったメーターはハイブリッド専用で、メーター内の4.2インチTFTモニターにハイブリッドシステムインジケーターなど、様々な情報を表示できる。

それを除けば、いかにもハイブリッド車といった雰囲気のインテリアではないが、ハイブリッド車が増えた今は、逆にこういうのもありかな、とも思える。従来のカローラやアリオン/プレミオあたりに乗ってきた人でも、戸惑うことなく乗れそう。

 

後席スペースはガソリン車と同じ。座面クッションはガソリン車より若干薄いが、クッション材を改良して補っている

アクシオ ハイブリッド Gのシート地はベロア調トリコット

ハイブリッド専用メーターのマルチインフォメーションディスプレイは多機能で、なおかつ見やすい
 

荷室スペースはガソリン車とまったく同じ


アクシオのトランク容量はガソリン車と全く同じ461リッター

パッケージング面での見どころは、後席や荷室のスペースが、ガソリン車とまったく同じこと。駆動用バッテリーはアクアと同様、リア車軸より前(後席の下)にある。おかげで、フィールダーの場合もほぼフラットになる荷室はそのままだし、荷室のフロアボードをめくった下には、普通に床下収納スペースやスペアタイヤがある。

少し残念なのはアクシオの場合は、トランクスルーがないこと。ガソリン車の1.5 ラグゼールにはあるが、前述のようにハイブリッド車はGグレードまでだからだ。

 

フィールダーの荷室容量もガソリン車と同じで、407リッター(後席使用時)~最大872リッター

フィールダーの荷室長(奥行き)は、970mm(後席使用時)~最大2025mm。床下に収納スペース(深さ63mm)がある

写真のテンパースペアタイヤはオプション(1万0500円)。標準はアクシオ、フィールダー共にパンク修理キット
 

基本性能&ドライブフィール

【アクシオ ハイブリッド】パワートレインはアクアと同じ


パワートレインはアクアと同じで、ボンネット下の眺めも補器類を含めてほとんど全く同じ

今回は名古屋で行われたメディア向け説明会で試乗した。アクシオとフィールダーの両方に乗れたが、いずれも短時間ゆえ、いつもより簡単なインプレッションになる点はご了承を。

まずはセダンのアクシオから。試乗したのはレザーステアリングやブラックの内装を備えた上級グレードのG(207万5000円)。ガソリン車と同じように、ステアリングの右側にあって押しやすいスタートボタンをプッシュ。この日は超猛暑でエアコンの消費電力が大きいためか、エンジンがすぐに掛かってしまう。普通なら、そう簡単にエンジンは掛からないはず。

 

シフトレバーは、ノブの部分こそ青いが、基本的にはガソリン車と同じ。アクセルを踏めば、ブォォォォンとCVTのガソリン車のような感覚で走り出す。ハイブリッドシステムはアクアと全く同じだが、ハイブリッド感(モーターで走る感)は思ったよりも少なめ。ちなみにアクシオ ハイブリッドの車重は1140kgで、アクア(主力グレードは1080kg)より60kgほど重い。加えて、足回りのセッティングや遮音性能も違うせいか、乗り味はアクアより全体にがしっとりした感じがする。

ただしアクシオ ハイブリッドの175/65R15タイヤは、いわゆるエコタイヤになり(ダンロップのエナセーブ)、そのせいかちょっと路面の凹凸を拾う感じはある。ちなみにアクアも主力グレードは175/65R15だが、オプション(ツーリングパッケージ)で195/50R16タイヤも装着できる。1年半前に試乗したアクアは、その16インチだった。

 

なお、今回のハイブリッド追加に伴い、ガソリン車を含むカローラ全車で、スポット溶接を50ヶ所増やし、ボディ剛性を高めたとのこと。そもそもは車重やパワーのあるハイブリッド車対応だったはずだが、ついでにガソリン車も、ということか。もちろん、ハイブリッド車のサスペンションやショックアブソーバーは専用セッティングで、ガソリン車ではアクシオの1.5 ラグゼールにしか装備されない高遮音性フロントガラスも、ハイブリッドの場合はアクシオとフィールダー両方のGグレード以上に標準装備される。

【フィールダー ハイブリッド】アクシオより40kg重く、重厚感が増す


(photo:トヨタ自動車)

一方、フィールダーは荷室やリアゲート(開口部も大きく、補強が必要)がある分、アクシオよりも車重が40kg増加する。ただ、ハイブリッドの場合、リアアクスルの上にはニッケル水素電池も加わるから、フィールダー ハイブリッドの前後重量配分は60:40と、結果的にいい感じ。そのせいか、乗り味はアクシオ ハイブリッドに比べて、わずかながら重厚感がある。

また、実はタイヤも、フィールダーのGグレードには同じ15インチながら、オプションで10mmワイド&5%低偏平の185/60R15を装着できる。銘柄はブリヂストンのB250になり、ガソリン車の1.8S エアロツアラーと同サイズ・同銘柄だ。同じ15インチでもワンサイズ違うと印象は激変するし、さらにB250はキャラクター的にはバランス重視のタイアだから、このあたりも乗り味にかなり影響しているはず。アクシオに比べると、荷室からの音の侵入は大きめかな、と思えたが、積載性やスタイリングといったワゴンのメリットと天秤にかければ、十分に飲み込める差だと思う。

ハイブリッド感は薄め? タコメーターも装備


100km/h弱巡航時の図。これは少しアクセルを抜いた時で、だいたい1500回転くらいで80~100km/h巡航できる

アクシオとフィールダー、どちらも乗っていて感じるのは「ついにカローラもハイブリッドになったんだなぁ」ということ。ガソリン車のカローラと同じようなインパネ、同じような操作系でありながら、モーターだけで発進したり、走ったりするのが感慨深い。いちおう、カローラ ハイブリッドにも、出来る限りモーターのみで走行するEVドライブモードが用意されている

ただ、パワートレインがアクアや、元を辿れば初代や2代目プリウスのハイブリッドシステムの発展版を使っているにも関わらず、前述したように、「ハイブリッド」感はなぜかそれらより少なめ。例えば、デイズが今でも取材のため運用している2台の初代プリウス後期型の方が、もっとハイブリッド感、すなわちモーターで走る感は強いくらいだ。その分、回生協調ブレーキの違和感とか(最初は効かなくて途中からグゥ~と効き始める)はないわけだが。

カローラハイブリッドで評価したいのは、堂々とアナログ式タコメーターが装備されていること。プリウスをはじめ、トヨタブランドのハイブリッド車は、プリウスをはじめタコメーターを装備していないものが主流で、これはけっこう新鮮。ハイブリッド車でも、タコメーターがあればエンジンの稼働状況、例えばエンジンが止まったり動いたりする様子や、どれくらい「エンジンで走っているか」も一目で分かる。

ちなみに、ハイブリッド車でタコメーターを装備するモデルは、トヨタではレクサス LS600h、GS450h、IS300h(いずれも切り替え式)、ホンダではIMA系ハイブリッド車のインサイト、CR-Z、フィット ハイブリッド、日産ではフーガ ハイブリッド、そしてBMWのアクティブハイブリッド3/5/7など。

JC08モード燃費はアクアに迫る33.0km/L。タンク容量は同じ

冒頭でも触れたように、新型カローラ ハイブリッドのJC08モード燃費は、アクアのオプション装着車と並ぶ33.0km/L。なんでアクアと同じかというと、パワートレインだけでなく、空力性能や車重などの条件を合わせることで、アクアのオプション装着車と同じ、ということで国交省の認可を取ったからとのこと。おかげでルーフレールなどの装着は諦めたという。

今回は試乗区間が短いので、あくまで参考だが、試乗燃費はやはり2代目プリウスあたりと同等の17~20km/L前後かなという感じだった。ちなみに1年半前にアクアに乗った時の試乗燃費は、16.8~23.2km/Lで、トータル371kmでの燃費は18.3km/Lだった。

燃料タンク容量もアクアと同じ36リッターなので(カローラのガソリン車より6リッター少ない)、航続距離もアクアとほぼ同等だろう。約20km/Lとして、安心して走れるのは600kmくらいか。

 

ここがイイ

カローラのハイブリッドであること。タコメーター。運転感覚の普通さ

「カローラ」の「ハイブリッド」であること。カローラだけでは弱く、今やハイブリッドだけでは珍しくないが、この2つが揃ったクルマは、実際に乗ってみると、これはこれであり。ハイブリッドカーがついに「普通のクルマ」になったという記念碑的なクルマ。

タコメーターがあること。これに乗ると、プリウスなどのハイブリッド車は、ハイブリッドという特別感を出すためだけにタコメーターを付けなかったのでは、とさえ思える。レクサスのハイブリッド車にはフル液晶メーターを切り替えてタコメーターを表示できるものが増えているが、カローラのようにガソリン車と同じアナログメーターでも十分。ハイブリッドにもタコメーターは要るということを証明するクルマでもある。

それでもってハイブリッド感が薄く、ガソリン車っぽい運転感覚。回生ブレーキもほとんど普通の感覚で踏める。シートの形状も小柄な日本人向き。聞けば海外仕様とは違うシートらしく、膝裏がシートに当たらない形状とのこと。こういった部分は欧州車にはない、国内向け日本車ならではの良さだと思う。

ここがダメ

標準エコタイヤの乗り心地。内装デザイン。ガソリン車との価格差

転がり抵抗係数がアクアのタイヤと比べて約5%小さいという標準タイヤ(175/65R15)は、路面の細かい凹凸を広いがち。それだけが理由ではないと思うが、乗り心地はオプションの185/60R15タイヤを履いたフィールダーの方が良かった。後席の下に電池があるため、リアシートのクッションはかなり薄い。アクシオの場合、タイヤと相まって長時間乗った場合はどうだろうか。

フィールダーの特別仕様車「WXB」のインパネ仕上げ。カーボン調のパネル、艶のある黒のセンターコンソールなどでドレスアップされているが、これが若者向けのかっこ良さなの? と思ってしまう。むしろ、しっとりしたシボ加工でまとめられたアクシオの方がスポーティに思えた。また、アクシオ、フィールダー共に、カップホルダーがコンソール下部の深い位置なのも使いにくくて、優しくない。

ハイブリッド車の生産コストに関して、開発陣はかなり苦労したようで、なかなか言いにくいのだが、やっぱりガソリン車に比べてかなり高いこと。今くらいガソリンがずっと高くて、年間走行距離が2万km以上あるなら、5年くらいで回収できそうだが、営業車として使う場合でも、ちょっと悩むところだろう。

総合評価

年配層にお金を使わせるには

日本という国は今後、今のアメリカのような貧富の差が開いた社会になっていくという予想が、残念ながらどうやら現在の主流のようだ。そんな中、一部肉食系の若者は、勝ち組となるべく頑張っているようだが、多くの草食系の若者は、時代に流されながら、なんとなく負け組に組み込まれていっているようにも見える。むろん、肉食系が必ず勝ち組になり、草食系が負け組になるという単純な話ではないが、いずれにしても若い人たちの将来には、暗雲が立ち込めているように見えてしまう。

しかし、そんな情勢をひっくり返すいい方法があるらしい。それは年配世代が、金を貯めこまずに使いまくることだという。ある程度、貯蓄のある年配世代がどんどんお金を使うことで、消費を底上げし、それで景気を持ち直させる。すると、それが景気の好循環を生んで若者の所得に反映する、という考え方だ。老い先の短い年寄りが老後のために貯金するという笑えない現実を何とか打開するため、財産を孫の学費として贈与すれば税金が軽減されるなど、政府も明らかに年寄りの金を狙った政策をとり始めている。

 

しかし年配世代の消費行動を促進するのは、これがなかなか難しい。というのも、お金に余裕のある年配世代が欲しい物、楽しくお金が使える方法はそう多くないからだ。買い物といえば、まずは衣食住だが、着るものこそデフレの極みで、上下5000円もあればユニクロでもどこでも揃うし、リタイヤした年寄りが高級スーツなど揃える必要もない。食も歳とともに細くなるし、贅沢なものを食べてばかりいると生活習慣病を悪化させるだけだ。住にしても、お金を持っているような年配層はすでに持ち家の人が多い上に、地域にも根ざしているから、新たな不動産購入など活発にはならない。昨今はリフォームが隆盛で、まだそこでは少し大きめのお金が動きそうなので、それだけが望みの綱だろう。

他に欲しいものはないか。デジタル機器は、好きな人ならいろいろ欲しいだろうが、多くの年配層は興味がない。大型テレビにエアコン、その他いろいろ生活必需品はすでに揃っているし、昨今の新しい電化製品が画期的にいいわけでもない。それでも趣味のある人は、趣味関連でいろいろ欲しい物やお金の使い道が出てくるようだが、趣味がなければ欲しいものなどほとんどなく、お金の使い道がないというのが現実だろう。

 

ただ唯一、年配層に大きな消費行動を起こさせる物が残っている。それがクルマだ。多くの人はすでに所有しており、普通のクルマであれば買い換え需要はあまり望めない。カローラセダンのユーザーは平均年齢64歳とのことだが、この年代のカローラユーザーが、ダウンサイジングされた現行カローラを積極的に買い換えするかは、かなり疑問だ。先代モデルでも、先々代モデルでも、クルマの出来は悪くないから、まあ壊れるまで乗ればいいか、と考える人が多いだろう。

普通のセダンが好きでカローラに乗っている人たちは、フルチェンジしたからといって飛びついたりしない。また、ハイブリッド車でハッチバックのアクアを勧めても、乗り換えさせるのは難しい。ということもあって、1年ちょっと前にフルチェンジしたばかりのカローラは、2013年7月の車種別販売ランキング(軽自動車を含む)では16位まで落ちてしまっている。かつては日本で最も売れているクルマだったのだが。そこでテコ入れとしてハイブリッド車の投入が急がれたということだろう。ついにカローラがハイブリッドになりましたとセールスすれば、年配層にも強くアピールでき、買い替えを促進できる。ハイブリッドであれば、高騰するガソリン代が安くすむことは間違いないし、エコカー減税を受けることだけでも得した気分になることができる。

もう一歩の進化を

今回はチョイ乗りだが、実際に試乗してみると、これはガソリン車よりいいなと素直に思えた。ガソリン車みたいな乗り味で何ら違和感がないのに、燃費はいいし、ちょっとだけ新しい感もある。タコメーターが止まったまま走っている瞬間など、昔からガソリン車だけ乗ってきた人には、ものすごく新鮮な感覚だろう。ハイブリッド車という新しい乗り物(実際にはそう新しくはないのだが)に乗っている実感は、その意味ではそうとうある。

ということで、年配層が今回のカローラ ハイブリッドを買うことになれば、若者が助かるという図式が展開する。欲しいものがないという年配層でも、ハイブリッド車は興味津々だろう。人生最後の新車に、ここは一つハイブリッド車というやつを買ってみるか、とその気になる人は少なくないのではないか。

このようにカローラ ハイブリッドは、日本の将来への布石になり得るだけに、どんどん売れてほしいのだが、残念なことが一つ。先進安全装備がないのは痛い。簡易なものであれば、今や5万円で軽自動車にも装備される自動ブレーキ装置はぜひ欲しかった。また、ATペダル踏み間違いの多い年配層をターゲットとしているなら、ダイハツのスマートアシストやスバルのアイサイトにあるような誤発進抑制制御も欲しい。ちなみに、衝突安全試験のJNCAP平成24年度実施車種では、新型カローラフィールダー 1.5G / カローラアクシオは178.4点を獲得して星5つの最高評価を受けている(http://www.nasva.go.jp/mamoru/car_detail/148)。この安全ボディに、出来ればトヨタが誇るプリクラッシュセーフティ装備をつけて、日本一安全なハイブリッドセダンと謳えば、もっともっと売れる可能性が高まったと思う。

 

伝統的な日本製品であるカローラに、日本のお家芸であるハイテクを搭載して、そのイメージを「日本で一番安全で燃費の良いセダン」として欲しい。さすれば日本では数少ない貴重なコンパクトワゴンのフィールダーにも、そのイメージが乗り移って、これまでカローラに興味を持たなかった層も、購入候補リストに加えるはずだ。現状のカローラ ハイブリッドには、まだそこまでの強い引きはない。カローラが誇りに満ちた日本伝統のクルマとなれば、日本を取り戻したい若者にだって訴求するはず。もう一歩の進化を期待したい。

試乗車スペック
トヨタ カローラアクシオ ハイブリッド G
トヨタ カローラフィールダー ハイブリッド G “エアロツアラー・W×B”
(1.5L 直4+モーター・207万5000円 / 234万円)

●初年度登録:2013年8月●形式:DAA-NKE165 / DAA-NKE165G ●全長4360mm×全幅1695mm×全高1460mm(アクシオ) / 1475mm(フィールダー) ●ホイールベース:2600mm ●最小回転半径:4.9m ●車重(車検証記載値):アクシオ=1150kg(730+420)※標準車は1140kg / フィールダー=1180kg(710+470) ●乗車定員:5名

●エンジン型式:1NZ-FXE ●排気量・エンジン種類:1496cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:75.0×84.7mm ●圧縮比:13.4 ●最高出力:54kW(74ps)/4800rpm ●最大トルク:111Nm (11.3kgm)/3600-4400rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/36L

●モーター形式:1LM ●モーター種類:交流同期電動機 ●定格電圧:-V ●最高出力:45kW(61ps)/-rpm ●最大トルク:169Nm(17.2kgm) ●駆動用バッテリー種類:ニッケル水素バッテリー

●システム最大出力:73kW(100ps)/-rpm ●システム最大トルク:-Nm(-kgm)/-rpm ●10・15モード燃費:-km/L ●JC08モード燃費:33.0km/

●駆動方式:前輪駆動(FF) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイルスプリング/後 トーションビーム+コイルスプリング ●タイヤ:アクシオ=175/65R15 (Dunlop Enasave) / フィールダー=185/60R15(Bridgestone B250) ●試乗車価格(概算):-円 ※オプション:-円 ●ボディカラー:アクシオ=ライトブルーメタリック / フィールダー=ホワイトパールクリスタルシャイン ●試乗距離:-km ●試乗日:2013年8月 ●車両協力:トヨタ自動車株式会社

 
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