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トヨタ クラウン 3.5 アスリート“Gパッケージ”新車試乗記(第504回)

Toyota Crown 3.5 Athlete “G Package”

(3.5L・6AT・567万円)

驚愕のゼロクラウンから4年。
進化・洗練を遂げた
13代目クラウンで
再び中央ハイウェイを試乗!

2008年03月28日

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キャラクター&開発コンセプト

ゼロクラウンを進化・熟成・電子化


初代トヨタ・クラウン(1955-61年 ※写真は1960年式)

2008年2月18日に発売された新型クラウン(ハイブリッドは5月6日に発売)は、1955年に誕生したトヨタ高級セダンの第13代目。内外装は一新されているが、基本的なメカ部分は革新的だった先代“ゼロクラウン”(03年12月発売)をベースに、改良・進化させたものと言っていいだろう。

エンジニアリング的には、車載LANや個々のECU(Electronic Control Unit)の処理能力や通信容量を引き上げた「電子プラットフォーム」の採用が大きなテーマだったようだ。安全装備に関してもVDIMや10エアバッグの全車標準化など、大幅に充実している。また、レクサスGS450hのパワートレインを移植した「クラウン ハイブリッド」の追加も大きなニュースだ。

「あ、うん」で早くも2万4000台

生産はトヨタ本社の元町工場(愛知県豊田市)で、販売目標台数は月間5500台(うちハイブリッドが800台)。立ち上がり一ヶ月(2/18~3/17)の受注台数である約2万4000台という数字は、事前の予約注文を合わせてのものだろうが、それにしても好調な出足だ。

広告コピーは「『あ、うん』のテクノロジー」。これは電子プラットフォームによる操縦安定性や安全性能の高さを表現するものだろう。

■トヨタ>ニュースリリース>新型クラウン発売(2008年2月18日)
http://www.toyota.co.jp/jp/news/08/Feb/nt08_016.html

■トヨタ>ニュースリリース>新型クラウン受注状況(2008年3月19日)
http://www.toyota.co.jp/jp/news/08/Mar/nt08_0309.html

価格帯&グレード展開

2.5なら400万円台、3.0/3.5なら500万円台、ハイブリッドなら600万円前後

プライスレンジは大まかに言って2.5リッター車なら400万円台、3/3.5リッター車なら500万円台、ハイブリッドなら600万円前後といったところ。

例のごとくまず「ロイヤルサルーン」と「アスリート」の2つがあり、ロイヤルサルーンは引き続き2.5リッターV6(215ps)と3リッターV6(256ps)を、アスリートは2.5リッターV6(215ps)と3.5リッターV6(315ps)を搭載する。これらの変速機はすべて6ATで(先代の2.5は5ATだった)、アスリートの3.5以外には4WDが用意される。

ハイブリッドの方は、GS450hと同じ3.5リッターV6(296ps)+モーター(200ps)<システム出力:345ps>+電気式無段変速となる。

■ロイヤルサルーン 2.5L・V6(215ps) 368万~462万円
■ロイヤルサルーン 3.0L・V6(256ps) 458万~564万8000円

■アスリート 2.5L・V6(215ps) 374万~464万円
アスリート 3.5L・V6(315ps) 487万~567万円 ※今週の試乗車

■ハイブリッド 3.5L・V6+モーター (345ps ※システム出力) 595万~619万円 ※08年5月発売

パッケージング&スタイル

「日本の細道」も大丈夫

ボディサイズ(ロイヤルサルーンとアスリート共通)は全長4870mm×全幅1795mm×全高1470mm(4WDは+10mm)。ホイールベースは先代と同じ2850mmで、全体のパッケージングも先代ゼロクラウンを踏襲。全幅は先代より15mmワイドながら、きっちり1.8メートル未満に収めている。最小回転半径もこのクラスでミニマムの5.2メートルだ。

今風の、よりスポーティなデザインに発展

今回試乗したのはアスリートだが、ロイヤルサルーンとの違いはフロントバンパー、グリルの意匠、スポイラーの有無、ホイールサイズ(ロイヤルは17インチ、アスリートは18インチ)くらい。外観は先代ゼロクラウンのシルエットを引き継ぎつつ、Aピラー基部が40mm前進、オーバーハングも25mm伸びて、よりスポーティな、ある意味レクサスISにも通じるものになった印象。多くの日本人にすんなり飲み込めるデザインだろう。

なお従来トヨタ/レクサス車のスマートキーによるドアロック操作はボタン式だったが、今回の新型クラウンからタッチセンサー式になっている。こちらの方がデザイン的にすっきりしているのは明らかで、今後はレクサス車も順次これになるのではないだろうか。

アスリートは黒ウッド調パネル

アスリートのインテリアは精悍に黒の木目調パネル、ロイヤルサルーンではナチュラルな茶のウッド調パネル、ハイブリッドにはハイテク感のある全面TFT液晶メーターといった具合に、三者三様の特徴が与えられている。

試乗した3.5アスリートの上級グレード「Gパッケージ」は本革内装で、そのレザーシートの色は黒っぽく見えるが、正確には「ダークブラウン」だ。ダッシュボードにダブルステッチで縫い合わされた表皮はもちろん人工皮革。もう少し触感がリアルなら「ひょっとして本革かも」と思えるのだが。

オペレーターサービスを試してみた

HDDナビゲーションシステム(G-BOOK mX Pro対応)には地図情報を最新に更新する機能「マップオンデマンド」が採用されている(新車から3年間無料)。走行中に時々地図更新の催促が入るのが、いかにも通信ナビらしく面白い。

月額525円の有料サービスとなるが、レクサス同様にワンタッチでオペレーターに接続してくれるサービスも利用できるようになった。24時間、365日、いつでも最寄のナビ目的地の遠隔設定、駐車場や施設の案内(位置情報を車両に送信してもらえる)、交通情報、天気予報の案内、果てはホテルの予約までしてもらえるものだ。

目的地設定などはオペレーターに頼むまでもないので、今回は試しに施設の案内をしてもらった。オペレーターは言うまでもなく生身の女性(男性もいるのかもしれない)で、感覚としてはハンズフリーで会社に電話をかけ、電話に出た人に調べものをしてもらう感覚に近い。つまりこちらが的確に用件を伝えることが出来て、さらに明快な答えが得やすいものならスムーズに答えが返ってくるし、逆に言えば曖昧な質問や複数の回答があり得るもの、あるいは情報を検索しにくい対象(例えば、ありふれた名前で正確な住所も分からないレストラン)だと、「お時間がかかります」となってしまう。

感想としては、うまく使いこなせばとても便利かも、と思いつつ、やはりオペレーターがこちらの好みや事情を「あ、うん」の呼吸で汲んでくれるわけではないという点で、ある程度のもどかしさが付きまといそうだ。「○○ちゃん」と気安く呼べる「なじみのオペレーター」が出来ると楽しいかもしれない。

マークレビンソンに迫る?18スピーカーシステム

オーディオは標準で6スピーカー(CD・MD)、もしくは10スピーカー(CD・MD・DVD)対応だが、上級モデルでは18スピーカーの「トヨタ プレミアムサウンドシステム」(8万9250円高)が選択できる。その音自体はレクサス御用達オプションのマークレビンソンに迫る(匹敵する?)もののはずだが、価格自体はそれに比べて格段にリーズブルだ。天井に計2つ、前席には肩のあたりに計4つのスピーカーが備わるが、後席で聞く音の方がいいと思った。天井吊り下げ式の後席用モニターの設定はない。

10エアバッグを全車に装備。サイドの日よけが欲しい

電動リクライニング付リアシートを標準装備するのは上級グレードのみだが、それが無くても居住性はもちろん良く、「これで文句言ってもらっちゃ困りますよ、お客さん」というものだ。エアバッグは前席フロント×2、前席サイド×2、前席ニー(ひざ)×2に加えて、前後席カーテン×2、後席サイド×2 から成る「10エアバッグ」を全車に標準装備。鉄壁というか「エア壁」の守りとなっている。

トランク容量は従来とほぼ同じ524L

トランク容量は従来とほぼ同様の524Lで、横幅1600mm×奥行き1100mm×荷室高490mm。トランクスルー機構がないのは高級車として一般的だが、ヒンジがマークXのようなダブルリンク式であるのに注目。なおハイブリッドの荷室容量は約3分の2(376L)に減るが、ハイブリッドセダンとしては初めてゴルフバッグが4つ積めるという。

基本性能&ドライブフィール

当然パワフル、快適、乗りやすい

試乗したのはロイヤルサルーン/アスリート系で最高額の「3.5 アスリート“Gパッケージ”」(567万円)をベースに、レーダークルーズおよび前方&後方プリクラッシュ一式(66万1500円)を付けたもので、価格は「素のGS350」を越える約650万円だ。

3.5リッターV6「2GR-FSE」(315ps、38.4kgm)はレクサスIS/GSや先代アスリートの後期型も搭載していたエンジン。車重は素の3.5アスリートで1650kg、試乗車では1670kgで、素のGS350(1650kg)と大差ない。パワーウエイトレシオは約5.2~5.3kg/psなので、速いのは当たり前。ここ最近のGT-R、997ターボ、そしてIS F といった高性能車に麻痺した身にも、十分にパワフルだと感じられる。

街乗りでの乗り心地はロイヤルシリーズより明確にコツコツ来るが、十分に快適なレベル。ロイヤルシリーズは良く言えばマイルド、悪く言えばボンヤリした操縦感覚なので、「こっちの方が好み」と思うオーナードライバーは多いだろう。いつものクラウン通り、運転はしやすいし、小回りが効くなど、ある意味ヴィッツのように気楽に乗りまわせる。

【高速走行その1】ゼロクラウンの衝撃を発展延長

今回は新型クラウンで名古屋-東京を往復してみたが、そこで走った中央高速はちょうど4年前、ゼロクラウンのあまりの高性能ぶりに驚愕したのと同じ場所。2008年現在でこそゼロクラウンの高速スタビリティを体験した人も多いだろうが、当時はまだまだ「まさか、あのクラウンが」という感じだった。

今回はさらにパワフルな3.5リッターだが、なにぶんこの性能となると、いくら中央高速の上り坂でもパワー不足など微塵もない。というか使い切ることもほとんどない。その点ではゼロクラウンの発展延長であり、劇的に変質してはいないと言える。

VDIMによって統合制御されるギア比可変ステアリング(VGRS)に、意図的なのか結果的になのか、何となく人工的な感覚はあるが、クルマ自体はひたすらスムーズに走り続ける。レーダークルーズコントロールは相変わらず115km/hまでの設定だが、車間がつまった時の自動ブレーキは4年前よりはるかに自信たっぷりに、グーーンとしっかり制動してくれる。

【高速走行その2】ハイパワーFRらしいスポーティさと緊張感

一方で、超高速域となるとやはり315psのFR車だけに、それなりに緊張感は高まる。シャシーが完全に勝った感じはなく、言葉で表現するならば運転者とシャシーの技量からあふれそうになる部分を、先読み制御のVDIM(全車標準)が黒子となって抑え込む、という感じか。飛ばす時にはつい減衰力可変ダンパーの「スポーツ」モード(走行中は手探りでのボタン操作になり、やりにくい)に手が伸びてしまうことでも、それが分かる。破綻することはない、という安心感はあるが、欧州車のごとき巌(いわお)のような重厚感はない。

なお可変ダンパーは「NAVI・AI-AVS」の名の通り、学習機能を織り込んだナビ協調で減衰力を可変するというものだが、「NAVI・AI-SHIFT」ほど体感しやすいものではない。基本的には高速道路でのみ作動するようだ。

870km走って実燃費は8.2km/L

今回は燃費的には不利な中央高速の約600kmを含み、計870kmを試乗。プレミアムガソリンを約106リッター消費し、実燃費は満タン法もしくは車載燃費計のいずれでも約8.2km/Lとなった。内訳は名古屋→東京(中央高速)を流れにのって9.1km/L、東京→名古屋をハイペースで7.8km/L、その他に街乗り、撮影用の移動を含む。

なお、3.5アスリートの10・15モード燃費は10.0km/Lだが、これは新型クラウンシリーズでは最も悪く、3.0ロイヤルなら11.8km/L、2.5ならロイヤルでもアスリートでも12.0km/Lと良好(いずれも2WD車の数値)。さらにハイブリッドでは15.8km/L(実燃費に近いJC08モード燃費は14.0km/L)となっている。

ちなみに昨年試乗したカローラ・ルミオン(1.8リッター・CVT)は、中央高速を似たようなペース(あくまでルミオンの性能なりに)で走って燃費は9.1~9.4km/Lだったから、高速燃費に限れば実質クラウンはルミオンと変わらない。燃料タンク容量もルミオンの50リッターに対して、71リッターと余裕がある。静粛性や疲労度の差は言うまでもないだろう。

ここがイイ

伝統の「安心」、先進のハイテク安全装備

クラウンの伝統という「安心」「信頼」という資質を確かに受け継いでいること。路地裏から高級ホテルの真正面まで、これほど日本の道で使いやすく、気を使わないで済むセダンはない。もちろんサイズも大きすぎず小さすぎず、日本でちょうどいい。

ぶつかる前の安全装備であるVDIM、ぶつかってからの安全装備である10個のエアバッグやアクティブヘッドレスト(前席)を全車に装備するなど「安全」への投資をケチっていないこと。実際に見ることは出来なかったが、急制動時にストップランプを点滅させる「緊急ブレーキシグナル」もいい。

使い物になるかは別として、数々の最新ハイテクが実用化されていること。目の瞬きまで監視するドライバーモニター、ナビの位置情報とモニターカメラを使った一時停止情報提供、近赤外線を使ったナイトビューなど新しい装備がどんどん投入されている。

ここがダメ

エンブレムの質感、一部ボタンの操作性など

最も気になったのはセンターコンソールのカバー部分に付けられたシルバーメッキのエンブレムが妙に安っぽいこと。王冠をかたどった、けっこう大きな塊ゆえ、プラスチックにメッキをかけたおもちゃのように見える。ゴルフコンペで出される安っぽいトロフィーのエンブレムのようで、興ざめ。

乗車した状態だと、目視できないくらい下の方にある給油リッドオープナーボタン。その上にETCユニットのカバーがあり、その開閉スイッチだと思って、つい走行中に押してしまう。こんな紛らわしいことになったのは、後からETCユニット(HDDナビ装着車に標準)が割り込んできたためか。

ボタン関係でもう一つ気になったのがトリップメーターの切替え。メーター付近の棒を押すタイプではなく、メーター左下のボタンなのだが、実はこれに透過照明が入っていないため、夜間は手探りになってしまうし、覚えていないと場所も分からない。他のスイッチには透過照明やらステアリング配置などで配慮されているのに、ここだけ忘れ去られた感じだ。このあたりのインターフェイスはライバル車に遅れを取りつつある。

後席サイドウインドウの手動サンシェイド(日よけ)は、ロイヤルサルーンの上級グレードのみが装備。なぜかアスリートには設定すらない。ルーフが後ろまで伸びているので、リアウインドウの電動サンシェイドより、横の日よけが欲しい。

重量配分(車検証数値で53:47)のせいか、空力の加減か、高速域ではどっしりとした安定感に欠けること。日産GT-Rのようなトランスアクスル4WDは極端にしても、4輪操舵やフルタイム4WDなどによってメカニカルに高速安定性を確保している他車(主に欧州市場向けの内外のモデル)と比べると、超高速域の操縦安定性には見切った感がある。

エンジン始動時の起動音は3種類から選べるが、どれもちょっと違和感がある。携帯の着信音みたいに自由に選べたら面白い。音声データは通信カーナビでダウンロードすればよいわけだし。

足踏み&手戻し式のパーキングブレーキ。日本が誇る高級セダンなら、もはや電子制御式にすべきだった。

総合評価

存在感も高性能感も、つつましく

LSがレクサスブランドの旗艦なら、クラウンはトヨタブランドの旗艦だ。LSがいかにもお高くとまっているのに対して、クラウンは大衆ブランドであるトヨタの旗艦らしく、高級ながらも庶民性のあることが売りとなる。試乗車など600万円もするのに、ほとんどプレミアム感がない(ように見える)と言うと変だが、実際に走っていても街中での埋没加減、存在感の無さはたいしたもの。まあその分、気楽に乗れるということなのだが。この控えめな感じが大衆受けの秘訣なのだろう。

先代の進化型らしく、ハードウェアの完成度は高い。それでも先代のような異様なまでのシャシーの強力さは今回感じなかった。ゼロクラウンはメーターを振り切ってもまるで止まっているかのごとくスピード感がなかったが、新型ではそうでもなく、超高速域ではそれなりに緊張感を伴う。今回のクルマが3.5アスリートだったということもあるが、これはある程度、意図的なものかもしれない。どんなにいい道路でも100km/h制限の日本において、過剰な性能は必要ないという判断か。あるいは必要以上に速度を出させないための安全策か。むろん何も困ることはないのだが、クルマ好きとしては、ここは先代の方がよかったと思うところだ。第二名神も一部開通したが、ゼロクラウンを開発中におそらくトヨタも考えていたはずの150km/hで走れる道にはならなかった。そうしたことが今回のクラウンに反映しているのかもしれない。

電子プラットフォームの一新に関しては、わかりにくいが画期的なことだ。ごく簡単に言えば性能の成長に応じて、どんどん複雑になった配線をいったんリセットして引き直し、余裕のある配線としたということ。メインラインを1本から3本に増やし、CPUは数を減らしながら個々のパワーアップを行っているという。これによって今後さらに大量の制御情報が流れても回線はパンクしない。同時にこれは商品企画の段階から考えたことで、コスト削減にも貢献しているし、歩留まりも良くなっているとのこと。クルマのデジタル化にとって重要な刷新がまずクラウンで行われたあたりがトヨタらしい。そしていよいよGSと同じ本格的なハイブリッドも投入されて、現状ではレクサス車よりさらにハイテクなクルマといえる。

敵は身内にあり

そう、クラウンの投入で苦しいのは、ご賢察のとおりレクサスGSだ。聞くところによればハイブリッドの性能はGSのような動力性能より、より燃費改善サイドに振ったものらしい。車両重量50㎏の軽量化と併せ、燃費が11~13%向上しているという。後席のノイズを消すため反位相音を流すノイズリダクションシステムもクラウンからのもの。トランクも大きいし、もはや通信ナビのサービスもレクサス同様だ。ついに同士討ち。噂ではクラウン販売店用に、レクサスGS対策マニュアルなるものも作られているらしい。ただでさえ苦しいGSをさらに苦しめることをメーカー自らが行うというのは、巨大トヨタゆえの所行だろう。敵は身内にありか。こうなるとますますレクサス店を苦境に追い込み、直営を含めた再編を考えているのでは、と勘ぐりたくなる。販売好調とされる名古屋地区でも、開店3年を経てもまだ赤字の店舗があるくらいで、全国的にみればかなり厳しいのは間違いないのだから。

販売台数の凄まじいまでの好調さを見る限り、大型セダンはクラウンでとどめを刺してしまった感が強い。元々このクラスのセダンに乗る人は比較的保守的ゆえ、できるだけ無難なモデルを買おうとする。日産のフーガやスカイライン、ホンダのレジェンドやインスパイアといったバタ臭いモデルしかライバルにならない現状は、今後もクラウンの天下が続くことを示唆している。まあそうして選んでも期待通りの速くて快適で、サイズ的にも装備的にも使い勝手のいいクルマなのだから、文句はないだろう。マイナス要素としては売れている数が多すぎて個性が無いことだが、それが嫌な人には他の選択肢として輸入車(レクサスを含む)があるから、個性の無さこそがクラウンの個性であり商品性といえる。

最後に、アスリートならワインディングを走っても十分楽しかったことを書き加えておきたい。下取りの良さから来る月々の値落ちの少なさも含め、もう何も不満はないという点で、現在最もお買い得なクルマといってもいいだろう。

試乗車スペック
トヨタ クラウン 3.5 アスリート“Gパッケージ”
(3.5L・6AT・567万円)

●初年度登録:2008年2月●形式:DBA-GRS204(-AETXH) ●全長4870mm×全幅1795mm×全高1470mm ●ホイールベース:2850mm ●最小回転半径:5.2m ●車重(車検証記載値):1670kg( 880+790 ) ●乗車定員:5名●エンジン型式:2GR-FSE ● 3456cc・V型6気筒・DOHC・4バルブ・縦置 ● 315ps(232kW)/ 6400rpm、38.4kgm (377Nm)/ 4800rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/71L ●10・15モード燃費:10.0km/L ●駆動方式:後輪駆動(FR) ●サスペンション形式:前 ダブルウイッシュボーン/後 マルチリンク ●タイヤ:225/45R18( Bridgestone Potenza RE050A )●試乗車価格:649万3200円( 含むオプション:プリクラッシュセーフティシステム&後方プリクラッシュセーフティシステム<ドライバーモニター+プリクラッシュインテリジェントヘッドレスト等> 66万1500円、トヨタプレミアムサウンドシステム 8万9250円、スペアタイヤ<車両装着フルサイズ> 7万2450円 )●試乗距離:約870km ●試乗日:2008年3月 ●車両協力:トヨタ自動車株式会社

 
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