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ダイハツ ウェイク G“SA”新車試乗記(第751回)

Daihatsu Wake G “SA”

(660cc 直3ターボ・CVT・174万9600円)

「あんちゃん、、、
これって本当に軽なの?」
ドデカク使える軽の
そのワケに迫る!

2015年01月17日

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キャラクター&開発コンセプト

タントより85mm背高。商用バンを上回る「箱」


写真は2013年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「Deca Deca」

2014年11月10日に発売された新型ウェイクは、視界の良さ、室内空間や荷室の広さ、多用途性などに着目したスーパートール型の軽乗用車。全高はタントより85mm高い1835mmとし、ボディサイド面をほぼ垂直に立てるなど、軽の商用バンをも上回る「箱」に徹したデザインを採用。軽乗用車としては、究極とも言える室内空間を実現している。

 

新型ダイハツ ウェイク

また、日常やレジャーユースでの使い勝手にも配慮し、企画段階から45の使用シーンを想定。キャンプやトレッキング、釣り、自転車、サーフィン、スキーといったレジャー人口の多い6つのジャンルについては、その道の専門家、ダイハツ言うところの「レジャー・プロフェッショナル」のアドバイスをもらいながら開発したという。

月販目標台数は5000台。ちなみに現行タント(タントエグゼを除く)の月販目標は1万2000台(年間14万4000台)だが、2014年(1~12月)には月平均で1万9538台、年間では23万4456台を販売。登録車を含む新車販売台数で1位となっている。

 

車名ウェイクは、英語の「wake(目覚める)」や「ワクワクした気持ち」から

■参考記事
新車試乗記>3代目ダイハツ タント (2014年7月掲載)

■外部リンク
ダイハツ>プレスリリース>新型軽乗用車「ウェイク」を発表(2014年11月10日)※pdfファイル

 

価格帯&グレード展開

135万円からスタート。ターボ車は162万円~


ボディカラーは全8色で、写真はフェスタイエロー。さらにホワイトルーフの2トーン(5万4000円高)も選べる。写真はオプションのバックドアタープ(2万3760円)を装着した状態

グレードは大きく分けると、自然吸気エンジン車(NA)の標準グレード「D」と上級グレード「L」、ターボ車の標準グレード「X」と上級グレード「G」の計4種類。トランスミッションは全車CVT(無段変速機)で、アイドリングストップも全車標準になる。

また、それぞれに低速(約4~30km/h)で自動ブレーキにより衝突回避・被害軽減を行う「スマートアシスト(SA)」仕様(4万3200円高)や、4WD車(12万4200円高)を用意する。

価格(消費税8%込)は135万円からスタートするが、ターボ車は162万円~。それにスマアシことSAを付けると166万3200円~、トップグレードのG“SA”(試乗車)は174万9600円~。

 

パッケージング&スタイル

箱&絶壁ですが、何か?


単純な「箱」に見えるが、角を面取りすることで「塊感」を演出。LEDヘッドランプは全車標準

全長3.4m未満、全幅1.48m未満の軽自動車だが、全高2mの枠を使い切るモデルは商用車でもまずない。タントの全高は1750mmで、N-BOXは1780~1800mm。バモスのハイルーフ版「バモス ホビオ」でも1880mm。それらに対して、ウェイクの全高はFFベースの軽乗用車で最も高い1835mmもある。あのタントより85mmも高いのは、それを上回る見晴らしの良さを得るためだ。

 

背の高さ以外でもウェイクが画期的なのは、デザインの割り切りというか、大胆さ。これまでの軽自動車では、機能性を重視と言いつつも、フロントグリルやフロントウインドウ、サイドウインドウ、リアゲートを多少寝かしたり、丸みを付けたりしていたものだが、ウェイクでは見事なまでに地面に垂直、つまり絶壁調。目指したのは軽最大の室内空間や塊感のあるデザインとのこと。好みは分かれそうだが、スーパートール型の軽が溢れる街中でも「オオッ」と思わせる箱型スタイルになっている。

 

なお、ホイールベースはタントなど現行ダイハツ軽と同じ2455mm。ホンダ Nシリーズの2520mmと比べると短いが、全長3.4mのクルマとしては十分に超ロングホイールベースと言える。

なお、ダイハツが得意とするボディ外板の樹脂化はウェイクでも行われていて、ボンネット、フロントフェンダー、バックドアは樹脂製になっている。

 

インテリア&ラゲッジスペース

軽とは思えない圧倒的な広々感


フロントウインドウは縦方向だけでなく、横方向にも驚くほど大きい

現行タントや新型プロボックスなど、ここ最近ダイハツが開発を手がけた内装デザインは、設計も含めて見どころ満載。質感やコストを勘案しながら、機能性を追求する職人的な仕事ぶりは、ウェイクでも感じられる。

そしてウェイクでの一番の売りは、上でも触れた見晴らしの良さ。目線の高さを1387mmに設定し(身長170cmの場合)、まるで5ナンバーミニバンのような視界を確保。センターメーターのあるダッシュボードも上面をフラットにし、視界を遮らない形状になっている。驚くのはフロントガラスが縦方向だけでなく、横方向にもデカイこと。おかげで、軽に乗っている感じがまるでしない。

 

助手席前に約6.6Lの大型インパネトレイを設定。助手席の座面下にはアンダーボックスも備える

センターメーターはダイハツが好んで採用するもの。スイッチ類やカップホルダーも手が届きやすい場所に手際よく配置されている
 

大人でも車内でラクラク着替え


撥水加工のフルファブリックシートを採用。チルトステアリングと運転席シートリフターはセットオプション(1万2960円)で、試乗車は未装着

もう一つ、室内の売りは、軽最大の室内空間「ウルトラスペース」。室内高は軽自動車でトップの1455mmで(だいたい小学6年生の平均身長に匹敵)、大人でも車内で窮屈に感じることなく着替えができる空間を目指したという。お前は、動く更衣室か。

また、ドア開口高もたっぷり取ることで、乗降時に子供はかがむことなく、成人やお年寄りなら腰を曲げずに乗り込めるようにしたという。この点は助手席側Bピラーレスで開口「幅」を広くしたタントと違う方法論であるのが面白い。

 

写真はリアシートを一番前にした状態。これでも足もとスペースは十分で、前席の人とも会話しやすい

手前側を一番後ろにスライドし、リクライニングした状態。ターボ車は巻取り式リアドアサンシェイドも標準装備
 

後席から助手席までフルフラットになる


リアシートのスライド操作は、荷室側からも可能。荷室高は1140mm

荷室の奥行きは、左右2分割で240mm前後スライドする後席で調整できる。一番後ろにすると、ほとんど何も積めないが、実際には一番前の状態でも後席スペースは十分であり、荷室も軽とは思えないほど広い。この点でも軽であることを忘れ、思わず普通車のミニバンと比べてしまいたくなる。

また、メーカーオプションで、上下2段調節式デッキボード(固定フック付)やユーティリティフック、荷室床面フック、固定ベルトを組み合わせた「レジャーベースパック」を用意し、アウトドアでガンガン使う向きにも対応している。

 

助手席はダイハツ軽で初めてタンブル格納可能。自転車を2台、タイヤを付けたまま縦積みできる

約90L(4WD車は約16L)の床下収納を用意。この部分は荷室高が1485mmで、ゴルフバッグの縦積みが出来る
 

基本性能&ドライブフィール

ターボの力強さに不満なし


ダイハツ軽でおなじみのKF型ターボエンジン

試乗したのはターボ車の最上級グレード「G“SA”」のFF車(174万9600円)。

エンジンは軽用の3気筒エンジンでは比較的早くからロングストロークを導入した、おなじみのKF型直3のターボ。最高出力は64ps、最大トルクは92Nm (9.4kgm)で、特にフラットなトルク特性では定評がある。車重は試乗車で1020kgあり、パワーウエイトレシオは15.9kg/psに留まるが、車重/トルク比は、おおむね普通車リッターカーと同等だ。

実際のところ、発進から街中走行でのパワー感は、「これって本当に軽?」と真面目に考えてしまうほど、軽っぽくない。後続車を置き去りにするような速さはないが、それを除けば、日本の路上ではほとんどまったく不満がない。例えば40~50km/hくらいまでなら1500rpmくらい、60km/hなら2000rpmくらいで淡々と走り、加速する時だけ3000rpmくらいまで回る感じ。

 

車両協力:名古屋ダイハツ

タントの経験から言って、ノンターボだと非力感は避けられないはずだが、ターボであれば車重が約60kg重いウェイクでも十分どころか、「これはすげーな」と思わせる余裕がある。

また、高速道路での80km/h巡航は、メーター読みで約2500rpm、100km/h巡航なら約3000rpm。上り坂や、車間をちょっと詰める時に4000rpmくらいまで回す感じ。その気になれば、140km/h近く出そうだ。ただ、追越加速は苦手で、そこは「軽」を意識する瞬間。ゆったり静かに走るなら、80km/h巡航くらいがちょうど良く、もちろん燃費も伸びる。

なお、ドアミラーの付け根、そしてリアコンビランプ側面には、直進安定性を高めるべく、トヨタ車でおなじみの空力フィン(エアロスタビライジングフィン)がダイハツ車で初めて採用されている。こんな小さな突起で本当に効くのか?と思ってしまうが、「乗り比べればはっきり体感できます」というのがいつもの開発者の弁だ。

初代ステップワゴンを思い出す

運転していて思ったのは、フロントウインドウのデカさや、それによる見晴らしの良さが、まるで5ナンバー・FF・3列ミニバンの先駆者、初代ホンダ ステップワゴンみたい、ということ。視点の高さは同等として、全幅も実は普通車並みにあるんじゃないかと思ってしまう。

また、箱型の大きなドンガラを背負って走る感覚も初代ステップワゴン風で、ボディや足回りのシッカリ感も(時々ダダンッとハーシュネスが入るところも含めて)、よく似ている。一方で、操縦安定性や安心感は、初代ステップワゴンのようなパワーや、それによるホイールスピンやトルクステアがない分、ウェイクの方が上かも。

 

最上級グレード(ターボのG)は165/55R15を標準で履く。試乗車はダンロップのエナセーブ

なにしろ、この背高ボディにして、グラグラ感がないのは驚き。サスペンションははっきり硬めで、このあたりはダイハツ軽に共通する特徴でもあるが、ウェイクの硬さは明らかにムーヴやタント以上で、新型コペンに通じるものを感じてしまったほど。また、全高はタントより85mm高いが、重心高は10mmアップに留めたという。

おかげでコーナリング時でもロール感はかなり少なく、グラっと傾く感じがない。ワインディングで元気に走らせても、侵入速度さえしっかり管理すれば破綻することなく、唐突な挙動を見せずに曲がってくれるし、最後の最後にはVSCのブレーキ制御が「ギギッ」と介入して、帳尻を合わせてくれる。電動パワステの操舵感も軽すぎず、なかなかいい。

また、これだけの操縦安定性と共に、よくぞここまで上手にまとめたと思うのが、乗り心地。舗装の荒れたところではビシバシとハーシュネスが入るし、小刻みな上下動も出るが、軽商用バン(ダイハツで言えばアトレー)ほどのハードさはない。資料には、フロントアブソーバーロッドやリヤアブソーバーのサイズアップを行ったほか、ウレタンバンプスプリングも採用したという。そのせいか確かに、路面からのショックは途中で遮断され、あるいはカドが丸められ、体には伝わってこない。タントやムーヴ規準、あるいはスズキの軽と比べると「けっこう硬いなぁ」という感想になると思うが、ここはポジティブに評価したいところ。

試乗燃費は11.6~17.2km/L。JC08モード燃費は23.8km/L(ターボ・FF)


今回入れたレギュラーガソリンは128円/L。だいぶ安くなってきた

今回はトータルで約260kmを試乗。車載燃費計による試乗燃費は、いつもの一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約80km)が11.6km/L、それとは別に一般道を走った区間(約30km、約60km、約30kmと3回計測)が13.1km/L、16.2km/L、17.2km/L。260kmトータルでの試乗燃費(満タン法)は約14km/Lだった。今回は気温が低く、燃費には不利な状況だったが、車重1トンのターボ車として考えれば、実用燃費は十分だと思う。

JC08モード燃費は、試乗したターボ・FF車が23.8km/Lで、NA・FFなら25.4km/L。タンク容量はダイハツ車らしく大容量で、FFが36L、4WDが34L。

 

ここがイイ

操縦安定性、絶妙な乗り心地、圧倒的な室内空間や使い勝手

この背高ボディゆえ、操縦安定性は厳しいだろうと思って乗ったら、実際にはまったく問題なく、その上で乗り心地の良さも確保されていたこと。タントと比べて少し男っぽい乗り味だが、そこはダイハツも織り込み済みだろう。男が言い訳なしで乗れるスーパートール軽ワゴンになっている。

圧倒的な室内空間には、やはりワクワクしてしまう。小柄な人なら少し屈む程度で歩き回れるほどの室内高(後席足もと)は、信じられないことに初代ステップワゴンの1335mm、現行(4代目)ステップワゴンの1395mm、N-BOXの1400mmをはるかに超える1455mmもある。また、荷室高は掘り下げられた荷室床下部分からなら1485mmもある。軽自動車がここまで進化するとは、恐ろしい時代になったものだ。

 

また、その荷室をより有効に使えるラゲージボード(テーブル用脚付き)は4万1580円のオプションだが、これは用意されていて嬉しいもの。オプションではさらに、車中泊などに便利なジョイントクッション、フロントガラスとサイドガラス用のサンシェード、全周のカーテンが用意されるなど、2人分の車内泊が考えられているのもいい。あとはシュラフを買うだけだ。軽キャンパー市場を奪うかも。

大型インパネトレイやインパネセンタートレイに敷かれていたマット(上級グレードのGに標準装備)が、いわゆるノンスリップシートで、物が転がらず具合が良かった。これは全車標準にしてほしい。

ここがダメ

ルームミラーの位置など

ルームミラーの位置が上方過ぎて、特に小柄な人の場合は視線移動量が大きく、走行中に後方を確認すると、視界がフロントガラスから外れてしまうこと。普通はルームミラーをチラ見している間も、フロント全景は何となく見えているものだが、このミラー位置だと視線が大きく移動してしまってフロントへの注意が疎かになる。低い位置にあるカーナビを見るのと似ていて、ちょっと危ないのではと思った。ミラーをフロントウインドウへの接着式にして、もっと低く配置した方が良さそうだが、そうしなかったのは運転姿勢のままではミラーに手が届かないからだろう。また、サンバイザーの取付け位置がかなり手前であるのも、やはり手の届きやすさと、サイドウインドウからの遮光を可能にするためだと思うが、夕陽が照りつける状況では役不足になりそうな感じ。このあたり、コストを無視して言えば、フロントウインドウが巨大なシトロエンC3やC4ピカソみたいな工夫が欲しかったところ。

 

シートリフターとチルトステアリングが、ドライビングサポートパックというオプションであること。夫婦で乗ることも多いと思うので、これは標準装備にして欲しかった。ただ、全車オプションにして、欲しければ装備できるようになっていることを評価することもできるが。また、運転席のシート形状がかなりフラットに感じられた。もう少しサポート性が高いと長距離運転が楽だろう。

ダッシュボードの両脇には、いかにも機能的な角型のドリンクホルダーがあり、最初は新型プロボックスのセンタートレイみたいに紙パック飲料が入るぞ、と思ったのだが、よく見ると内側の形状がペットボトルに対応して一部が丸く、紙パックは入りそうにないこと。ちょっと残念。

総合評価

言い訳なしで、男が乗れる

2014年の車種別販売ランキングではベストテンの内、7台が軽自動車だ。最近の軽自動車の出来の良さがいよいよ広く知られてきたということだろう。日本でのダウンサイジングは、コンパクトカーを飛び越えて一気に軽へと進んでいる。昨年の販売トップはタントで23万4456台。その後は2位アクア、3位フィット、4位プリウスとハイブリッド車が続き、5位は前年比マイナス23.4%ながらもN-BOX(17万9930台)で、6位がワゴンRだ。

ダイハツ、スズキという軽の二大メーカーにとって、売れ続けているホンダN-BOXという存在はそうとう目障りなはず。しかもN-BOXはトールワゴンでありながら、男女両方から好感を持たれているのが好調の要因だと思う。これに対してタントは、カスタムがあるとはいえ、やはり女性メインで売れているクルマであり、その点はスズキのスペーシアも同じ。ワゴンRは男女ともに乗れるが、コンセプトとしてはすでに新鮮味がない。

 

そこで打倒N-BOXとして投入されたのが、素の状態で男性が好むように作られた道具感満載スーパートール型のウェイクだ。男性を意識しているのは、カスタムが用意されていないことでも分かる。定年を迎えたオッサンが日々の足として買うのは、昔は軽トラだったが、最近はN-BOXである。いくら広くてイイと思っても、タントは女性向けっぽいし、といってカスタム系はちょっと、こっ恥ずかしい。そこで昔のステップバンを彷彿とさせるN-BOXに目が向くというわけだ。自転車だって積める広さは軽バン並みで、やはり魅力だ。そこまで広くなくてもいいという人は、たぶんハスラーにいく。女性向けという印象がまだ残っている軽でも、言い訳せずに乗れる「男の軽自動車」がN-BOXやハスラーというわけだ。もちろんその2台は奥さんのウケもいい。ウェイクはそこに切り込むべく投入されたクルマということになる。

驚いたのは操縦安定性と乗り心地のバランス

ということで、軽の枠を高さ方向にもさらに使ったウェイクとN-BOXは、ずいぶん似たカタチだと思う。ただしウェイクの方は、N-BOXより50mmほど背が高いデザインをもう一工夫して、このカタチを個性とする演出が欲しかったと思う。また、コンセプトカー「Deca Deca」のままの観音ドアが片側だけでもあったら面白かったと思うが、これはまあコスト的には無理だし、使い勝手でもスライドドアには負けてしまうだろう。昔のステップバンはリアドアがヒンジ式だったが、やはりこのボディ形状だとスライドドアがベストであり、あまり個性が出せないのは残念だ。

 

それにしてもウェイクで驚いたのは、操縦安定性と乗り心地のバランスだ。ここまで背が高いのに、それを感じさせない操縦安定性がある(スタビリティコントロールは介入しまくるが)。となれば、さぞかし足が硬いのではと思うところだが、これが底づき感のない十分な乗り心地を確保していた。欧州車に慣れた人なら問題ない程度で、柔らかな乗り心地が欲しいならタントにすればいい。ターボゆえ、動力性能にもまったく不満はない。静粛性も高く、新東名をらくらく巡航できる。これだけ走るのだから、燃費はまあ諦めがつくというもの。特に高速道路では、空力がどうにも厳しいだろうし。とはいえ、軽自動車がここまで来るとは誰も考えなかっただろう。となれば、さらに想像を超えて進化する可能性は十分あるのではないか。

萌えるポイントが欲しかった

かつてダイハツにはネイキッドという、道具感を売りにした軽自動車があった。クルマ好きはずいぶん評価したものだが、デザイン面でこだわり過ぎたせいか、販売面で成功したとはいえなかった。そのトラウマがあるのか、道具感を強調しながらもウェイクはずいぶん上質に、立派に作られ、その結果、かなりの値段になってしまっている。ゆえに、もうちょっとチープでもいいから、この素晴らしい空間だけを供給するような低価格グレードなどもあると嬉しい気がする。そりゃハイゼットカーゴじゃん、という声が聞こえてきそうだが、あくまでイメージとして、例えばルノー カングーみたいな立ち位置のクルマだったら、それこそハスラー並みの話題を集めることになっただろう。

 

トヨタのプロボックス(ダイハツが開発と生産に携わっている)を作ったスタッフは、たぶんウェイクにも何らかの影響を与えているはず。とはいえウェイクにはプロボックスほどの道具感は感じられない。このスペースを持った軽の乗用車に、プロボックス以上の道具感があったら、そこが逆に萌えるポイントとして大ヒット要因になるような気がする。例えばリアシート取り外し自由とか、トラックバージョンとか。デザイン的にも軍用車のようなイメージを演出してみたら、ハスラー並のインパクトになるのではないか、などと夢想してしまう。ウェイクはN-BOXに直球勝負しているが、もしかしてそんな変化球で勝負したら、勝てるかもしれない。タントというエースはいるのだから、派手に変則投げをしてくれた方が、さらに面白いことになったと思う。

 

試乗車スペック
ダイハツ ウェイク G“SA”
(660cc 直3ターボ・CVT・174万9600円)

●初年度登録:2014年11月 ●形式:DBA-LA700S ●全長3395mm×全幅1475mm×全高1835mm ●ホイールベース:2455mm ●最低地上高:140mm ●最小回転半径:4.7m ●車重(車検証記載値):1020kg(590+430) ●乗車定員:4名

●エンジン型式:KF ●排気量・エンジン種類:658cc・直列3気筒DOHC・4バルブ・ターボ・横置 ●ボア×ストローク:63.0×70.4mm ●圧縮比:9.5
●最高出力:47kW(64ps)/6400rpm ●最大トルク:92Nm (9.4kgm)/3200rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/36L
●JC08モード燃費:23.8km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイルスプリング/後 トーションビーム+コイルスプリング ●タイヤ:165/55R15(Dunlop Enasave EC300)

●試乗車価格:-円 ※オプション:- -円 ●ボディカラー:パールホワイトIII

●試乗距離:260km ●試乗日:2015年1月 ●車両協力:名古屋ダイハツ

 
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