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スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.0GT DIT新車試乗記(第663回)

Subaru Legacy Touring Wagon 2.0GT DIT

(2.0水平対向4気筒 直噴ターボ・CVT・359万1000円)

最高出力300ps、最大トルク400Nm!
突如現れた2.0直噴ターボ「DIT」は、
いったい何を語るのか? 

2012年06月29日

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キャラクター&開発コンセプト

「全性能進化」をコンセプトにマイナーチェンジ


新型スバル レガシィ ツーリングワゴン

2009年5月に発売され、4年目を迎えた5代目「レガシィ」シリーズが2012年5月8日、「全性能進化」を合言葉にマイナーチェンジした。改良内容は「デザイン」、「環境・燃費」、「走り」、「安心・安全」という4つの要素に及ぶとのことで、主なポイントは以下の通り。

●フロントフェイスの一新
●内装デザインの変更
●電動パーキングブレーキやSI-DRIVEのスイッチの配置変更
●新世代の2.5リッター水平対向エンジン「FB25型」の採用
●リニアトロニック(CVT)の改良
●アイドリングストップ機能の採用(ターボ車など一部グレードを除く)
●ボディ剛性の向上(リヤにサポートサブフレーム追加など)
●サスペンション設定の最適化(ダンパー減衰力、バネ定数の変更)
●EyeSight(アイサイト)ver.2の性能・機能向上(画像認識処理を変更し、各種性能を向上。また全車速追従モード作動時のアイドリングストップ機能との連動)
●諸々の改良による燃費性能の向上

新開発の2.0直噴ターボ「DIT」を新採用

もう一つの大きなトピックが、新開発の2.0リッター直噴ターボエンジン「DIT(Direct Injection Turbo)」を搭載した新グレード「2.0GT DIT」の追加設定。このエンジンは、FRスポーツのトヨタ 86/スバル BRZに搭載された「FA20型」を直噴ツインスクロールターボ化したもので、最高出力は300ps、最大トルクは400Nm(40.8kgm)とかなりパワフルなユニットになっている。変速機には従来型リニアトロニック(CVT)を改良した高トルク対応リニアトロニック(8段ステップ変速制御付)が採用されている。

新しく設定された販売目標は、レガシィシリーズ全体で2000台。マイナーチェンジした5月の販売実績(自販連調べ)は2207台となり、登録車ランキングで27位に浮上している。

価格帯&グレード展開

「2.0GT DIT」がワゴンとB4のトップグレード


新採用された新世代2.5リッター「FB25型」エンジンと改良型リニアトロニック

「ツーリングワゴン」、セダンの「B4」、クロスオーバーの「アウトバック」の3本柱はこれまでと同じだが、パワートレインは以下の4種類になった。

・新世代の2.5リッター4気筒・自然吸気「FB25型」+CVT
・従来型の2.5リッター4気筒・シングルスクロールターボ「EJ25型」+5AT
・新開発の2.0リッター4気筒・直噴ツインスクロールターボ「FA20型」+CVT
・3.6リッター6気筒・自然吸気「EZ36型)+5AT

 

スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.0GT DIT
(photo:富士重工業)

駆動方式はすべてAWDだが、自然吸気2.5リッターCVT車は電子制御多板クラッチ式の「アクティブトルクスプリットAWD」で、ターボ車とアウトバックの6気筒は前45:後55の基本配分から可変するセンターデフ付の「VTD-AWD」になる。


■ツーリングワゴン  243万6000円~359万1000円
・2.5i(2.5リッター4気筒)
・2.5GT(2.5リッター4気筒ターボ)
・2.0GT DIT (2.0リッター4気筒・直噴ターボ)  359万1000円  ★今週の試乗車

 

スバル レガシィ B4 2.0GT DIT

■B4         226万8000円~343万3500円
・2.5i(2.5リッター4気筒)
・2.5GT(2.5リッター4気筒ターボ)
・2.0GT DIT (2.0リッター4気筒・直噴ターボ)  343万3500円

■アウトバック    269万8500円~372万7500円
・2.5i(2.5リッター4気筒)
・3.6R(3.6リッター6気筒)

パッケージング&スタイル

グリル、ライト、バンパーを変更し、キリッとシャープに

5代目レガシィシリーズをモーターデイズでとりあげるのは4回目なので、全体のパッケージングについては端折り、ここではマイナーチェンジの変更点を中心に触れておく。

エクステリアにおける主な変更点は、スバルの顔であるヘキサゴン(六角形)グリル、ヘッドライト、バンパーのデザイン。予備知識がないと、どこがどう変わったのか分かりにくいが、例えばヘッドライトは以前だと横にも縦にも大きな感じに見えたが、改良型ではボンネットの見切り線とキャラクターラインをつなげたところで明確に上下に仕切られ、ずいぶんシャープな印象になった。またバンパー形状も、よりアグレッシブになっている。

 

また今回試乗した「2.0GT DIT」については、ガンメタリック塗装と切削光輝仕上げを組み合わせた専用18インチアルミホイールを履き、「DIT」専用のリアエンブレム(青い部分はピストン形状をイメージ)、大径マフラーカッターが装備されている。逆に言えば、エンブレムを見ないとDITかどうかの判別は非常に難しい。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
レガシィ ツーリングワゴン 4790 1780 1535 2750 5.5
レガシィ B4 4745  ↑ 1505  ↑  ↑
レガシィ アウトバック 4790 1820 1605 2745  ↑
 

インテリア&ラゲッジスペース

SI-DRIVEと電動パーキングブレーキのスイッチを変更


2.0GT DITの内装カラーはオフブラックのみ。加飾パネルはカーボン調、シートはブルーステッチ入りのスポーティクロスが標準

今回のマイナーチェンジではインパネの加飾パネルやシート表皮が変更されたほか、SI-DRIVEの切替スイッチと電動パーキングブレーキの操作スイッチの場所が変更された。

まずSI-DRIVEに関しては、今までセンターコンソールにあったダイアル型セレクターが廃止され、ステアリングスイッチに変更された。操作性は良くなったが、以前のダイアル型セレクターはデザインに独自性があって質感も高かっただけに、少し残念なところ。

電動パーキングブレーキに関しては、以前は運転席の右側インパネに手動スイッチがあったが、改良型ではセンターコンソール(従来はSI-DRIVEのダイアル型セレクターがあったところ)に移設。従来タイプはパーキングブレーキ操作時に、押すのか引くのか迷うところがあり、位置的にも操作しにくかったが、新タイプはすんなり馴染めるものになった。とはいえ、SI-DRIVEに立ち退きしてもらったことを考えると、素直には喜びにくいが。

 

メーター中央に3.5インチのカラー液晶ディスプレイを採用。SI-DRIVEによって変化する出力特性のイメージなどを表示する

現行インプレッサと同じステアリング配置になったSI-DRIVEの操作スイッチ
 

センターコンソールに移設された電動パーキングブレーキのスイッチ

「2.0GT DIT」の運転席は10ウェイ、助手席は8ウェイの電動で、シート素材はファブリックと合成皮革のコンビが標準。オプションでレザーシートも用意する
 

後席背もたれは遠隔操作で倒せる。床下には小物入れがあり、さらにその下にテンパースペアタイヤを搭載

後席は左右独立でリクライニングが可能。3人分の3点式シートベルトやヘッドレスト、計6エアバッグを標準装備
 

基本性能&ドライブフィール

リッターあたり150psのハイチューン


ブルーをあしらった専用エンジンカバーが付く2.0リッター「DIT」エンジン

「2.0GT DIT」にはB4もあるが、試乗したのはツーリングワゴン。新型エンジンは冒頭でも触れたように、トヨタ 86 / スバル BRZで新採用された2リッター水平対向4気筒「FA20型」を直噴ターボ化したもの。ボア×ストロークは86/BRZと同じ86mm×86mmのいわゆるスクエアで、エンジン形式名も同じ「FA20」になる。

86/BRZの場合、燃料噴射方式はポート噴射と直噴(シリンダー内直接噴射)を併用するトヨタの「D-4S」だったが、「2.0GT DIT」ではターボとの相性がいい直噴のみ。おかげで圧縮比は10.6と高い。またターボチャージャーは、WRX STI Aラインやレガシィ 2.5FTのEJ25型ターボがシングルスクロール式なのに対して、FB20型ターボはツインスクロール式になる。

 

新開発の高トルク対応リニアトロニック
(photo:富士重工業)

結果として得られたパワースペックはかなり過激で、最高出力は300ps/5600rpm。最大トルクは400Nm(40.8kgm)/2000-4800rpm。排気量2リッターにして、これはBMWが誇る「3リッター直6」ターボの306ps(225kW)/5800rpm、40.8kgm(400Nm)/1200-5000rpmに匹敵する数値。まあ、WRX STIが積むEJ20型ターボの感覚で言えば、騒ぐほどではないのかもしれないが、この高出力にして燃費もいいのが「DIT」のすごいところ。

 
    エンジン 変速機 最高出力
kW(ps)
最大トルク
Nm(kgm)
JC08
モード
燃費(km/L)
スバル WRX STI 2.0L ターボ 6MT 227(308) 422(43.0)
スバル レガシィ 2.0GT DIT 2.0L 直噴ターボ CVT 221(300) 400(40.8) 12.4
スバル WRX STi A-Line 2.5L ターボ 5AT 221(300) 350(35.7)
スバル レガシィ 2.5GT 2.5L ターボ 5AT 210(285) 350(35.7) 10.2
BMW 328i 2.0L 直噴ターボ 8AT 180(245) 350(35.7) 15.2
アウディ A4 2.0 TFSI クワトロ 2.0L 直噴ターボ 7速DCT 155(211) 350(35.7) 13.6
 

最初ユルユル、4000回転からグワーン

予習はこれくらいにして、さっそくエンジンを始動。水平対向独特の「ザザザザザ」というエンジン音はかなり消音されていて、特に獰猛な感じはしない。それでもさすが直噴ターボ、トルクは分厚く、出足からスムーズにスピードを乗せてゆく。

最初は必ず燃費重視の「i」モードでスタートするので、スイッチを特にイジらなければ、ひたすら滑らかに大人しく走る。普通に走る限り、かったるさはない。変速機は従来型リニアトロニックをベースに、トルクコンバーターやチェーンなどを強化した高トルク対応リニアトロニック。要はCVT(無段変速機)なので、変速時に段付きはなく、常に1500回転から、せいぜい2000回転くらいまでの回転数が保たれる。ただしアクセルを深く踏み込めば、エンジン回転数が4000回転を超えたあたりから、加速が段違いに鋭くなり、なるほどさすが300ps、という印象に。先代レガシィの2.0GTを思わせる加速が始まる。

「i」ですらこんなにパワフルなんだから、「S」モードならもっとスゴいはず、と思ってスイッチを切り替えてみると、確かにアクセルを踏んだ直後の立ち上がりは鋭くなるが、ピーク域のパワー自体は「i」と大差ない感じ。メーター内に表示される出力曲線が示す通り、実際のところも立ち上がり方が急になる(だけ)のよう。慣れてくると、「ユルユル、グワーン」が味わえる「i」モードのままでいいかも、と思えてくる。

ただその上の「S♯」では、さらにレスポンスが鋭くなる。また「S♯」でマニュアルモードを選択した時は、通常の6段ステップから8段ステップに変化(ステップ比が小さくなる)。変速レスポンスはよりシャープになり、レブに当たっても自動シフトアップしないなど、スポーティな制御になる。

 

これはエンジン始動時に必ず選択される燃費重視の「i (インテリジェント)」モード

ただし8段と言ってもあくまで擬似的なもので、またシフトダウン時に回転合わせを行うブリッパーもない。なので最新の多段トルコンATやDCTのように電光石火で変速するわけではない。その意味では、確かにCVTのフィーリングは残っている。

 

適度にパワフルな「S(スポーツ)」モード

エンジンやミッションのレスポンスが明らかに鋭くなる「S♯」モード
 

AWDにふさわしいパワー、パワーにふさわしいAWD


フロントは17インチのベンチレーテッドディスク。ブレーキダストは少なめだが、効きは十分

タイヤサイズは225/45R18で、銘柄はこのクラスで定番のBS ポテンザ RE050A。フロントにはやはり定番のビルシュタイン製ダンパーが採用されているが、乗り心地は良好。妙なピッチングはなく、荒れた路面での突き上げやバタバタ感もよく抑えられている。スポーティながら、ややコンフォートに振ったかな、という感じで、おそらくクラウン アスリートあたりから乗り換えても違和感はない。

一方、ワインディングでは、さすがにスバル独自のAWDシステム、正確に言えば45:55という前後トルク配分を基準にして可変する「VTD-AWD」(リニアトロニックでは初採用)のおかげで、300ps、400Nmも何のその。まったく危なげなく、ベタッと路面に張り付いたまま、コーナーをクリアしてくれる。Sモード以上を選んで追い込んでゆくと、4輪で路面を掻く感じも伝わってくるし、タイトコーナーの立ち上がりではフロント内輪がキューンとホイールスピン。やっぱりスバルのAWDには、これくらいパワフルなエンジンが相応しい、などと思う瞬間。

 

2.0GT DITはビルシュタイン製のフロント倒立式ダンパーを採用

VDCはそれなりに介入するが、FRの86/BRZと比べればほとんど介入しないと言えるレベル。トラクション性能がスゴイので、振り回して楽しむというより、ひたすら安定したまま走る、という感じになるが、限界が無闇に高いわけではなく、「コントロールしてる感」は残っている。WRX STIのAライン(5ATモデル)と、楽しさはそんなに差がないかも。

ただしVWやアウディ、それにBMWなどの直噴ターボ車と比べて、真逆とも言えるのがエンジン特性。低回転から打てば響くようにレスポンスするこれらに対して、2.0GT DITの方は4000回転以下のレスポンスがかなり穏やか。これをどう考えるかが、このパワートレインに対する評価の分かれ目か。

高速道路での100km/h巡航は約1750回転。当然ながら安定感は抜群で、フラット感も十分。すごいのは、さらに速度を上げてもスピード感がほとんど変わらないこと。ここ最近のこのクラスのクルマで、ここまでスピード感のないクルマは国産車・輸入車を問わず珍しい。

試乗燃費は8.0~12.0km/L、JC08モードは12.4km/L

今回はトータルで約230kmを試乗。参考までに試乗燃費は、一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約90km)が8.0km/L。一般道を無駄な加速を控えて走った区間(約30kmを2回)が11.3km/L(昼間)と12.0km/L(夜間)だった。

JC08モード燃費は、奇しくも?86/BRZの主力グレード(GT系)とまったく同じ12.4km/L。馬力で1.5倍、トルクで約2倍、車重で約1.3倍、おまけに4WDだというのに、モード燃費が一緒というのは、まさに直噴ターボ技術のタマモノか。レガシィの2.5GTと比べると、JC08モード燃費は約20%も良く(10.2km→12.4km/L)、晴れてエコカー補助金の対象車になっているのが売りでもある。

燃料タンク容量は65リッターで、指定燃料は他の自然吸気エンジンではレギュラーだが、2.0GT DITはもちろんハイオク。

ここがイイ

パワフルなエンジンとAWDの組み合わせ。ワゴンとしての完成度。スイッチの移設

これぞレガシィというパワフルなターボエンジンとAWDによる走り。これだけのパワーには、やはりAWD(特にこのVTD-AWD)が欲しいし、逆にスバル言うところのシンメトリカルAWDには、これくらいのパワーが欲しいところ。また、デフォルトの「i」モードでもパワー感に不足がなく、また「S」モード以上で相当飛ばしても、実燃費で8km/L程度になる燃費の良さ。生涯燃費で2桁台をキープするのはそう難しくなさそう。

今回の改良によって、ステーションワゴンでは文句なく国産ナンバーワンの地位を固めたこと。ワゴンを買おうと思ったら、もうこのクルマしか選択肢はないと言い切れるほど。他に選択肢がないという点では、消費者側にではなく、メーカー側にとっての「イイ」なのかもしれないが。

電動パーキングブレーキのスイッチ(レバー)が使いやすいセンタコンソールに移動していること。これは明らかな進歩。本文にあるように、SI-DRIVEの移動には賛否があるものの、やはりステアリングへの配置は使いやすさの点で悪くない。これが世の流れだろう。

ここがダメ

アイサイトの未搭載。フラッグシップ感不足

今やスバルの看板技術であるアイサイトが、この2.0GT DITには採用されていないこと。どういう事情があるのか分からないが、早急に搭載されるべき。こんなにいいクルマなのに、この一点だけで購入意欲が萎える人がいるとすれば残念なこと。それほどアイサイトはこの数年で素晴らしい認知度を得ており、スバルにとって大いなる強みになっている。ぜひ2.0GT DITにも搭載してもらいたい。

またアイドリングストップも2.0GT DITには採用されていない。欧州車では今や高級車や高性能車でも標準装備となりつつあるので、やはりあるに越したことはないと思う。

レガシィのツーリングワゴンおよびB4のフラッグシップであり、走りを全面に打ち出すモデルとしては、もう少しスペシャル感が欲しいところ。そういう仕様はSTIが担当するのかもしれないが、今のままではややインパクトに欠ける。何となく「パワートレインがあるから作った」という感じで、商品コンセプトが分かりにくい。

かすかではあるが、駆動系かタイヤが起因と思われるノイズが気になった。また高速走行中の騒音(風切り音など)もスバルのフラッグシップクラスとしてはもう少し抑えたいレベル。いいクルマなのだから、内装の質感を含めて、もう少しハイグレード感を出して欲しいところだ

総合評価

デザインの話

legacy_21_r2_200.jpg

フェイスブックに掲載して結構好評だったので、こちらにも載せてみるが、これは30年ほど前に乗っていたスバルの初代R2(1969-72年)だ。スポーティデラックスというグレードで、ノーマルグレードより数馬力パワフルな、グロス表記で30馬力ほどの空冷2サイクル360ccエンジンをリアに載せている。サスペンションは前後ともにトレーリングアームとトーションバーの四輪独立懸架。中期のモデルだが、モール類を外して赤に全塗装し、当時は違法?だったドアミラー仕様にしている(もちろんフェンダミラーの穴はふさいである)。メッキ類はつや消し黒で引き締め、さすがに違法オーバーフェンダーにはできないので、ゴムモールをつけて、145と165の10インチタイヤをはかせている。

当時の軽自動車の多くは合わせホイールといって、2分割のリムをボルトで止めてホイールとし、チューブの入ったタイヤを装着。そしてブレーキハブのまわりにそのリムをボルト留めする仕組みだった。つまりアルミホイールはなく、その代わりに幅広リムを組み合わせればホイールの幅を広げることは可能。しかしこのR2のスタイル、今でもいいカタチだなあと思うのだが、どうだろう。ダイハツのコンポーネンツで、スバルが復活させてくれないかと思ったりするのだが。

 

このクルマから四半世紀以上たっているが、スバル360やR2のようにキュートな軽自動車が再び出なかったことが、スバルの軽自動車撤退の原因だったような気がする。またデザインに関しては普通車でも気になるところ。レガシィも現行モデルとなり、さらにマイナーチェンジで良くなるかというと、それもスバルの伝統?なのか、どうもかえって難しくなる傾向が。初代R2の時に後期モデルで変な飾りグリルが付いてしまったことを思い出してしまう(最終モデルでは水冷になり本当のグリルになった)。今回のレガシィも、もうちょっとかっこよくなると良かったのだが。

どことなくゼロ・クラウンのような感覚

といったことを除けば、この新しいレガシィは素晴らしいクルマだ。新型エンジンは広い回転域で十二分なトルクを発揮し、AWDはまさしく思い通りの駆動力を発揮してくれる。それでいて身のこなしは大柄であることを忘れるほど軽快。圧倒的なトルクに乗った走りは、その質で欧州車に負けてはいないと思う。機構としては完璧にスポーティとはいえないCVTだが、マニュアルモードならシフト操作も楽しめる。大トルクな分、つながりの曖昧さがかえってスムーズともいえ、それはそれで悪くはない。むろんモード切替で変化を楽しめるのも今風だし、「i」モードで走れば燃費に効く。高速域でもかなりの低回転でクルージングできるので、良好な実燃費が期待できるはずだ。ものすごく速いクルマなのだが、速度感があまりないのはやはりボディがしっかりしているからだろう。どことなくゼロ・クラウンのような感覚もある。

 

本文にあるようにこのエンジンは素晴らしい。同じ型式でもあり、もしこれがBRZに載ったなら、どうなるのだろうと想像すると楽しくなってくる。しかし、もし載せるとなると、ミッションはどうするのか、インタークーラーはどうするのか、価格は当然高くなる、など、BRZの元々のコンセプトから外れてしまうことは否めない。これはあくまで想像の話だが、それらの理由でこのエンジンのBRZへの搭載はボツになり、こうしてレガシイに載っているのかもしれない。それはさておいても、久しぶりに素晴らしいクルマに乗ったという満足感で試乗車を降りたのは確かだ。

 

ステーションワゴンは今や国産車では貴重だが、クルマとしてはもっとも使い勝手のいいカタチ。アイサイトがないのは残念だが、乗り心地は悪くないし、日常域から非日常域までマルチに使えるという点で、コストパフォーマンスも高い。特に思い入れのあるスバル好き(スバリストってやつ)はそうとう欲しくなるクルマに仕上がっている。ま、スバル好きとしてはルックスに目をつむるのは30年来の倣いなので、もし買ったなら自分でかっこ良く仕上げればいいだろう。何にしろ、まずはグリルの変更だろうか。

 

試乗車スペック
スバル レガシィ ツーリングワゴン 2.0GT DIT
(2.0水平対向4気筒 直噴ターボ・CVT・359万1000円)

●初年度登録:2012年4月●形式:DBA-BRG
●全長4790mm×全幅1780mm×全高1535mm
●ホイールベース:2750mm ●最小回転半径:5.5m
●車重(車検証記載値):1600kg(940+660) ●乗車定員:5名

●エンジン型式:FA20
●排気量・エンジン種類:1998cc・水平対向4気筒DOHC・4バルブ・直噴・ターボ(ツインスクロール式)・縦置 ●ボア×ストローク:86.0×86.0mm ●圧縮比:10.6
●最高出力:221kW(300ps)/5600rpm
●最大トルク:400Nm (40.8kgm)/2000-4800rpm
●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/65L
●10・15モード燃費:13.2km/L ●JC08モード燃費:12.4km/L

●駆動方式:電子制御フルタイム4WD(VTD-AWD)
●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイル/後 ダブルウイッシュボーン+コイル
●タイヤ:225/45R18(Bridgestone Potenza RE050A)
●試乗車価格(概算):-円  ※オプション:-円
●ボディカラー:サテンホワイトパール
●試乗距離:230km ●試乗日:2012年6月
●車両協力:名古屋スバル自動車株式会社

 
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名古屋スバル自動車

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