カーデータ
●カテゴリー:ライトクロカン
●クラス(排気量):小型クロスカントリー4WD・1995cc
●キャラクター:一頃流行った大型クロカンに変わり、クロカンタイプでは主流となっているライトクロカンの元祖モデル。5ドアにつけられていた「ノマド」という呼び方はやめて、3ドアと5ドアになった。
●コンセプト:10年前にエスクードが作った市場も今やトヨタとホンダという2大メーカーのもの。月販1000台以下に落ち込んでいたエスクードを復活させるべく、小型ながら本格クロカンというニッチコンセプトで勝負をかける。
●注目度:やはりクロカン人気は過去のもの。多くの人にとってステーションワゴンやミニバンに関心はあっても、クロカンには残念ながら注目は集まらない。
●特筆装備:本格的なラダーフレーム、リアサスは5リンクながらリジット(新設計)、そしてパートタイム式の4WDと、ゴリゴリのクロカン仕様。反面、さすが最新モデルだけあって、乗り心地はけして硬くなく、街乗りにも十分耐える。
●燃費:2リットルDOHCながら10・15モードは11.2Km/Lと悪くない。ただ走りが少しかったるいので結構アクセルを踏むため、実際にはもう少し落ちると思われる。
●価格・販売:高い方で193万8000円だが、今時、エアバッグとABSがオプションのため、装備すると200万8000円となる。200万円を切った価格を誇示したかったのか? 最も安い3ドアの1600(5速MT)は149万8000円。
スタイル
角が取れて丸くなったスタイルは、まさにアメリカン四駆のトレンド。日本人の目には没個性に映る。日産サファリもそうだが、この先長く全世界の市場で売ることを考えると、どうしてもこういう形になってしまうのだろう。悪くはないが、先代よりいいと思う人はどれくらいいるだろうか。
パッケージング
センタートンネルがどーんと張り出していて、運転席、助手席ともにタイト。先代より広くなっていると言うが、感覚的にはダイハツテリオスあたりと変わらない。リアシートはさほど不満無い広さだし、ダブルフォールディングできっちりたため、荷室は広くていい。ストラットの張り出しが少ないから、荷物はたっぷり載るはず。床下サブトランクもある。
内装(質感)
可もなく不可もなく、というところ。スズキは全体的には質感が高い方ではないが、エスクードに関しては良くできている。インパネ形状はごくスタンダードなもので、結果としてカーナビを取り付ける位置がない。オーディオ位置では低いし、ダッシュボードのひさしがじゃまでディスプレイが付けにくそう。今時の新車としては問題。
シート・ステアリング・シフト感触
小振りで尻が落ち着かないシート。よくあるプラスチッキーなステアリング。走行中でも4Hにできるパートタイム4駆シフト。シフトショックがそんなに感じられないAT。
動力性能(加速・高速巡航)
ややかったるさが残る加速感で、ついついパワー側のシフトパターンを選択してしまう。中間加速も同様だが、ひとたび速度に乗れば140km/hの巡航も可能。
ハンドリング・フットワーク
ハンドリングは先代モデルに乗っていないから比較できないが、回頭性はこの手のクルマとしてはいい方だと思う。ラック&ピニオンに改められたせいか。もちろんワインディングを楽しめるほどではないが、腰高なのに意外に安定してコーナーを走り抜けられた。
乗り心地
固めの足は仕方ないが、乗り心地は悪くない。運転席にいる限り、十分快適。フレーム付き、リジットサスの先入観で思うほどひどくない。後席は今回未体験。
騒音
ガソリンエンジンでもあり、かなり静か。フレームとボディの間のマウントが改良され、遮音材が大量におごられている。ボディ形状の変更で風切り音も少なくなっている。
安全性
いまどき、エアバッグとABSがオプションなのはなぜだろう。
環境対策
回収バンパーを50%混入したリサイクル材を「バッテリートレイ」に使用しています。
ここがイイ
国内販売的にはきついと思うが、世界で通用する本格小型四駆に特化したこと。間違ってもRAV4みたいに2WDを出すことはないと思う。こういう本格的四駆が欲しいと思う人だけが買えばいいという割り切りは立派。
ここがダメ
10年ぶりのフルチェンジにも関わらず、あまりにスタンダードで、特徴が感じられないこと。何でもいいから一つ、「華」が欲しかった。
総合評価
10年も作っていたモデルのフルチェンジと言うことで、メーカーの力はかなり入っているが、ちょっとタイミング的には遅きに失した感が強い。5ドアの場合、20代、30代のファミリーがオールマイティに使うには手頃なクルマではあるが、残念ながら「今これを買う」という購入者の顔が見えてこない。ライバル車RAV4のルックス、CR-Vのキャッチーな装備といったハードルを越えるのは難しそうだ。ただし、売れるクルマを、売れる時期だけ売ってオシマイにするのでなく、本格四駆を求める少数の人にこういったクルマを作り続ける志は素晴らしい。こういうスタンスで10年生きながらえるとするなら、クルマのあり方としては実に正しい。
お勧め度(バリューフォーマネー)
バリューを認める人が10年乗れば、バリューフォーマネー。それ以外は熟考を要する。
公式サイトhttp://www.suzuki.co.jp/dom4/index.html