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トヨタ FJ クルーザー新車試乗記(第620回)

Toyota FJ Cruiser

(4.0リッターV6・5AT・パートタイム4WD・314万円)

遊んで作った遊びのクルマは、
遊び心に満ちていた!

2011年01月21日

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キャラクター&開発コンセプト

名車ヨンマルをリスペクト。4年遅れで日本でも発売


トヨタ FJ クルーザー(日本仕様)
(photo:トヨタ自動車)

2010年11月25日に国内で発表され、12月4日から発売された「FJクルーザー」は、海外では2006年から販売されていた個性派SUV。当初は北米専用車として開発され、2007年にはその北米で6万4000台(全世界では7万台)を販売する大ヒット車に。一方、日本では国内生産車にも関わらず、一般業者による逆輸入車としてしか購入できない状況が続いていた。

リーマン・ショック後の2009年には北米での販売台数が1万4000台に落ち込み、南米、中近東、中国、アフリカなどを合わせても2万2000台という水準に。逆に日本では、昨今の円高・ドル安を受けて大量のFJクルーザーが“逆上陸”していた。4年遅れとなった今回の国内投入は、そんな中での出来事だ。

ベースはプラド/ハイラックスサーフ


ランドクルーザー 40系(1960年~)

プラットフォームはランドクルーザープラド、ハイラックスサーフ(国内では昨年に販売終了)、タコマ(海外のみ)と共通だが、その外観デザインは往年のランドクルーザー「40系」(通称ヨンマル)を現代風にアレンジしたもの。「FJ クルーザー」という車名も、北米で人気のあったガソリン車の形式名が「FJ40」だったことに由来する。ちなみに日本国内で主力だったディーゼル車の形式名は「BJ40」だ。

エンジンはプラドと共通の4リッターV6ガソリン「1GR-FE」(276ps、38.8kgm)で、変速機は海外には6MTもあるが、日本向けは5ATのみ。駆動方式は海外の6MT車用にはフルタイム4WDもあるが、日本向けはパートタイム4WDとなる。

 

第3開発センターの西村昭夫チーフエンジニア。FJクルーザーのほか、プラドやハイラックスサーフも担当した。2010年11月に行われたFJクルーザー発表会にて

その他、日本仕様では右ハンドル化のほか、左フロントフェンダーへの補助ミラーの追加、リアナンバー位置の変更(リアゲートからバンパーへ移動)、20インチタイヤ(245/60R20)の設定、ハイラックスサーフ譲りのサスペンション機構「X-REAS(エックス・リアス)の設定といった改変が行われている。X-REAS=X-Relative Absorber Systemとは、右前輪と左後輪といった対角線上に位置する車輪のダンパーを第3のダンパーとなる中間ユニットを挟んで連結した「相互連携ショックアブソーバーシステム」だ。

生産は日野自動車の羽村工場

販売チャンネルは、クラウンシリーズやランクル200、プラド等を扱う「トヨタ店」。非公式ながら「月間200台~300台の販売は目指したい」としていた販売目標に対して、立ち上がり1ヶ月(12月4日~1月3日)の受注台数は約2100台に上り、トヨタは「大変好調な立ち上がり」と受け止めている。

生産はこれまで通り、日野自動車の羽村工場(東京都)が担当。同工場では商用トラック等のほか、プラドや4ランナー(ハイラックスサーフ)の生産も行っている。なお、日本仕様と同じ右ハンドル車は、今春からオーストラリアやニュージーランドでも発売される。

 

※過去の参考記事
■新車ニュース>トヨタ、FJクルーザーを国内で発売 (2010年11月)
■新車ニュース>トヨタ、ランドクルーザープラドをフルモデルチェンジ (2009年9月)
■新車ニュース>トヨタ、ランドクルーザーをフルモデルチェンジ (2007年9月)

価格帯&グレード展開

基本的にモノグレードで、314万円からスタート


ボディカラーは計7色。下は「ブリックレッドレッドメタリック」

パワートレインは4リッターV6・5AT・パートタイム4WDの1種類。基本的にモノグレードだが、標準車(314万円)をベースに、本革ステアリングやボディ同色ドアトリム等を追加した“カラーパッケージ”(324万円)、そしてビルシュタイン製モノチューブダンパーやリアデフロックを標準装備した“オフロードパッケージ”(332万円)が用意されている。

タイヤ&ホイールは全車265/70R17+スチールが標準だが、20インチ(オフロードパッケージを除く)や17インチアルミも工場オプションで選択可能。リアデフロック(5万2500円)も単体で選ぶことができる。このあたりは「自分好みにカスタマイズできるMy FJ」という謳い文句通りだ。

 

(photo:トヨタ自動車)

■ 標準車          314万円
■“Color Package”    324万円   ★今回の試乗車
■“Off-road Package”   332万円

パッケージング&スタイル

顔はヨンマル、スタイルは未来的


ボディサイズは全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mm。プラドやサーフより一回り小さいが、幅はワイド

ヨンマル風の丸目ヘッドライトやグリルが可愛いらしいFJクルーザー。通常のトヨタマークに代わる「TOYOTA」ロゴも誇らしく、そして男らしく、これだけでグッと来る人は多いだろう。さらにホワイト塗装のルーフやリアクォーターウインドウが後ろまで回り込むデザインも、ヨンマルをリスペクトしたものだ。

スタイリング全体は、FJクルーザー独自の極めて現代的なもの。スクエアなフォルムはハマーやジープ・ラングラーにも似たミリタリールックだが、同時に10~15年くらい前に流行ったネオレトロ風でもある。実用性より「見せる」ことを重視したコンセプトカー的なデザインだ。

 

デザイン重視の最たるものが、2ドア風に見せるための観音開きドアで、これもマツダのRX-8やホンダ・エレメント等々、10年くらい前に流行ったものだ。これが普通の4ドアだったら、一気に平凡な印象になったと思われる。

観音開き化でリアドアが短くなった分、Cピラーは一気に太くなり、これもボディ後半の力強さと非日常感を強めている。前後フェンダーパネルの膨らみもセンスを感じさせる。

 

ヨンマルの特徴であるコーナー部を湾曲させたクォーターウインドウをさりげなく採用

リアビューもなかなかカッコいい。SUVの場合、リアゲート回りは実用性を重視して、みんな似たようなデザインになりがちだが、FJクルーザーの場合はリアゲートを小さめにして、ショルダー部に横長のリアコンビランプを配置。いわゆる戦隊モノに出てきそうな未来感があり、オトナの子供心をくすぐってくる。

インテリア&ラゲッジスペース

質感よりも道具感。ワイパーは計3本


写真の“カラーパッケージ”は本革ステアリングだが、他はウレタンとなる

インテリアは「高級感よりも道具感」というタイプ。オーディオ(ヘッドユニット)は全車オプションで、エアコンもマニュアル式と装備はシンプル。ドアハンドル、シフトレバー、副変速機レバーのほか、ヒーターコントロールのダイアルも大ぶりになっている。

またドリンクホルダーや前席シート間にあるセンターコンソールの小物入れも、「大物入れ」と呼びたくなるくらいザックリした作りで、中の仕切りを外せば何でも入りそう。部分的にはかなりプラスチッキーだが(特に空調吹き出し口のあたり)、それも確信犯だろう。

 

シフトレバーや副変速機のグリップはラバー調で、握りやすい

そんな車内を明るく彩るのが、ボディ同色のインテリアパネル。特に“カラーパッケージ”の場合は、ドアトリムもボディ同色になるので、その効果は大きい。ただしそれが目立つのはボディカラーがブルーとかイエローといったビビッドな場合で、モノトーン色を選ぶと良くも悪くも目立たなくなる。

キャビン自体は特に広々というわけでないが、全幅が1.9メートルもあるので、ドライバーと助手席との間は十分。印象的なのはフロントウインドウの天地が狭く、左右いっぱいに広がるところ。よく見るとワイパーは3本もあって、お前はトラックか!とツッコミを入れたくなる。ちなみにFJクルーザーと同じ日野自動車が生産する自衛隊の高機動車やそれの民生版であるトヨタ・メガクルーザー(1996~2002年)もワイパーは3本だった。

 

サンバイザーは全部で4つ。日差しを遮るものがない平原が多いアメリカならではの装備
 

シート地は撥水・防水仕様。フロアもゴム引き


シートは透湿フィルムを使った撥水・防水仕様

全車ブラックとなるシートの生地は、いわゆる撥水加工ではなく、ゴアテックスのような透湿フィルムを中にはさんだ撥水・防水仕様。ステッチにも本格的なアウトドア衣料のように撥水加工が施されている。

それ以上に嬉しいのが、フロアカーペットは荷室と同じラバー調素材の防水仕様であること。砂や泥などはそのまま掃き出せるので、掃除もしやすかった。ここだけ見ても、かなりこだわって開発されたことが分かる。

後席:観音開きドアゆえ乗降性はそれなり。居住性は良好

リアドアは観音開きなので、後席へ乗り込む場合は、最初にフロントドア、次にリアドアという順に開けて、その後は誰かにフロントドアを閉めてもらう必要がある。また降りる時はその逆で、まずは誰かにフロントドアを開けてもらわなくてはいけない。

といったわけで、通常の4ドアからすると後席の乗り降りは面倒だが、「2ドアよりも後席へのアクセスはしやすい」とポジティブに解釈すべきだろう。

 

一見狭そうな後席だが、足もとスペースやヘッドルームは十分で、まったく狭さは感じない。座り心地に関しても最初は「背もたれの角度が微調整できたら」と思ったが、慣れたら気にならなくなった。横方向の視界は確かに良くないが、これも意外と気にならない。後で触れるが、静粛性が高く、乗り心地がいいので、快適性はゴルフクラスのハッチバック車や4ドアセダンに匹敵すると感じた。

荷室も防水仕様。後席はダブルフォールディングで畳める


背もたれはヘッドレストを付けたまま倒せる。各操作に力は要らない

荷室は凹凸加工を施したラバー調素材でフロアを完全に覆った防水仕様。日産エクストレイルでもおなじみの手法だ。後席使用時の荷室寸法は、奥行きが925mm、幅が最大1405mm(ホイールハウス部分で1085mm)、開口部高さが878mm(いずれもメーカー発表値)。おおむねハイラックスサーフ的というか、ステーションワゴン的な空間だが、フロアが高いので重い荷物は積みにくい。

 

荷室左壁には油圧式ジャッキが収まり、右側には小物入れがある

さらに後席の背もたれを最近では少数派?のダブルフォールディングで畳めば、最大奥行きが1505mmとなり、スノーボードなどを積むことが出来る。また背もたれの部分は若干斜めになるが、大人でも対角線上に寝れば、横になることが出来る。さらに後席の座面は取りはずすことも可能だ。さすが北米仕様、合理的だ。

リアゲートは横開き。ガラスハッチもあり


ガラスハッチは鍵を差して1秒ほど回すと電磁ロックが外れて開く

背面スペアタイヤなので、リアゲートは当然ながら横開き。さらにガラスハッチ機能も備えており、背面スペアタイヤを巧妙に避ける形でリアガラスがポップアップする。・・・・・・はずだったが、最初はどうやって開けるか分からず、取扱説明書を参照した。答は「鍵をリアゲートの鍵穴に差して回す」だ。

そのガラスハッチ、実際には開口部が高いため、相当な大男でもないと荷物の出し入れは難しいが、その遊び心は全面的に支持したいところ。

基本性能&ドライブフィール

静かで、快適。運転しやすく、適度にワイルド

試乗車は“カラーパッケージ”に、245/60R20タイヤとリアデフロックを装着した仕様。FJクルーザーで一般道でアスファルトの上を走るのは今回が初めてだった。

ボタンスタートなどというコジャレたものはなく、昔ながらにキーを回してスターターをしばし回すと、4リッターV6「1GR-FE」(276ps、38.8kgm)がグオン、ザワザワザワと力強く始動する。ところがアイドリング時のエンジン音は驚くほど静かで、振動もぜんぜんない。もうちょっとワイルドかと思ったが、少なくともこの点は高級車みたい。

 

1気筒あたり659ccもあるだけに(軽自動車の総排気量と一緒だ)、出足はいきなり頼もしい。しかもV6だから、加速も滑らか。アクセルを深く踏み込むと、レッドゾーンに飛び込むまで一気に吹け上がるなど、その辺のコンパクトカーを置いてけぼりにする俊敏さもある。またV6サウンドもスカッと澄んでいて、聞き心地が良い。昔のトヨタ製直6、ほどではないが、それをちょっと思い出す。

 

取り回しも予想外に良好。全幅が1.9メートルもあるとは思えないほど、車体がコンパクトに感じられるのは、見切りがいいせいだろうか。左フロントフェンダーがコーナーポール代わりになるほか、縦型のサイドミラーも視野が広くて、よく見える。最小回転半径6.2メートルというスペックだけ見るとビビるが、体感上は視点の高い新手のコンパクトカーといった感じだ。

 

乗り心地も、これまたちょっと驚くほどいい。プラットフォームはハイラックスサーフのあたりと同じフルフレーム方式(ラダーフレーム式)だが、ユサユサした動きはない。舗装が良くないと、60km/hくらいでちょっと上下に揺すられるかな、というくらいで、まったくもって快適なクルマだ。販売店で短時間試乗するだけでも、このあたりはすぐに分かるので、もうその時点で気に入っちゃう人は少なくないだろう。

100km/h巡航時のエンジン回転数は、5速トップで約1700回転と低い。街中では1000回転くらいしか回っていないことが多く、加速時も2000回転くらいまでで十分。全体として、走りは非常にゆったりしている。

舗装路では2WDモードだが、操縦安定性は十分

日本向けFJクルーザーの4WDシステムは単純明快で、昔ながらのセンターデフのないパートタイム式の副変速機付き。4WDモード時は前後直結となるタイプだ。このタイプは、普段のオンロードでは2WD(副変速機の表示は「H2」)で走るのが原則になるため、一般道での操縦安定性が気になるところだが、結論から言うとほとんどまったく問題はなかった。

 

試乗車はX-リアスのない仕様だったが、操縦安定性は特に不満がないレベル。ワインディングで飛ばした時だけ、パワステが軽すぎる点や、強めのアンダーステアが気になったが、フラフラ感はなく、FR車の挙動に慣れている人なら許容できる範囲に収まる。タイヤはM+Sのオールテレインだったが、試乗車はオプションの245/60R20という大径で、グリップ感も十分あった。ESPの介入は少なく、一瞬ホイールスピンを許すくらいだったが、問題はない。欲を言えば、舗装路ではフルタイム4WD車の方がいいのだろうが、体感上は「これで十分」と思えた。

 

なお、FJクルーザーの4WDモードには当然ながらハイ(高速寄りのギア比)とロー(低速寄りギア比)があり、「H4」(ハイ4WD)で舗装路を走ることも実際には可能。Uターンでもしない限りゴリゴリ感はなく、ほとんど2WD並みにスムーズに走れる。

ただし乾燥路では「駆動部品に悪影響を与え、駆動系のオイルもれや焼き付きなど」(取扱説明書)、トラブルを起こす可能性があるほか、タイトコーナーブレーキング現象によって旋回性が落ちるため、使用しないのがやはり原則。このあたりは、同じくパートタイム4WDのジムニーと同じだ。

【オフロード試乗・その1】まずは「L4」へ切り換える


A-TRACのデモ走行。よく見るとこれは輸出用の左ハンドル仕様

ついでなので、以前参加したオフロード試乗会での走りも、あらためてここで紹介する。

前述の通り、FJクルーザーの4WDシステムは、センターデフのないパートタイム4WD。このタイプは今や新型車では珍しく、市販車ではジムニーや、一部の軽トラック・バン、輸入車ではジープ・ラングラーくらいだろうか。

パートタイム式は、4WDモード時に前・後が直結となるので、前後輪にダイレクトに駆動力を伝えられるのがメリット。一方、前・後の回転差を吸収できないため、舗装路では基本的に使えず、ドライバーが路面状況を見て手動で駆動方式を切り換える必要がある。

 

A-TRACを切った状態。写真では見えない右前輪、および左後輪が空転しているが、A-TRACオンで前進を可能にする

この日、「さなげアドベンチャーフィールド」に用意されたFJクルーザーは、すでに4WDモードのローギア(L4)が選択されていたが、実際には普段使用する「H2」からの切り替えが必要だ。

まずは「H2」から「H4」(ハイ4WD)へ切り換える。これは80km/h以下で可能とのことだが、この時、副変速機のレバーはかなり重く、実際には一旦止まってからやった方が、メカ的にも精神衛生上の良い。ゴリッという感じで切り替わる。

さらに「H4」から「L4」への切り替えは、いったん停止して、シフトレバーを「N」に入れた状態で行う。この場合はスコッと簡単に入る。ローレンジのギア比は、ハイの1.000に対して2.566。完全に極悪路専用だ。

 

こんな姿勢でも、まったく大丈夫。ボディが路面に接触することもまずない

さらに今回のオフロード試乗では、トラクション性能を高める電子制御デバイス「アクティブ・トラクション・コントロール(A-TRAC)」を使用した。これがないと、車輪の空転を感知したESPの働きで出力が絞られてしまうが、A-TRACオンではブレーキ制御によってLSD効果を強め、より駆動力を掛けることができる(約6km/h以下でのみ作動)。

【オフロード試乗・その2】走破性はひょっとしてランクル以上?

さっそく助手席にインストラクターが同乗した状態で、オフロードコースを試乗。まずはいきなり人が歩いて上るのも難しい急斜面に挑んだが、FJクルーザーはここを難なくグイグイと上ってゆく。クルマが大きく天を向いた状態で、わざと対角線上のタイヤが浮くようなライン取りをしても、ぜんぜんOK。さすがにその状態から一旦停止した後、アクセルをラフに踏んだりすると、しばらく前後のタイヤを空転させて“もがく”が、それでも少し慎重に操作すれば再び急坂を着実に上ってゆく。このあたりが「A-TRAC」の効果のようだ。

 

「RAV4とかでも、もしA-TRACが付いていればこんな風に上って行けますか?」とインストラクター氏に尋ねると、「それ以前にボディが地面に当たってしまうので絶対無理です」という答が返ってきた。

【オフロード試乗・その3:オフロード性能は本物】


(資料:トヨタ自動車)

以下に、代表的なオフロード4WD車の走破アングルを挙げたが、FJクルーザーは、アプローチ角が34度、ランプブレークオーバー角が28.5度、ディパーチャーが27度、最低地上高は230mと、全体に優秀。かなり無茶なモーグルセクションでも、バンパーやサイドシルが接地することはなく、その点ではリアオーバーハングの長い現行ランドクルーザー(200系)より明らかに余裕があるという印象だった。

 
    アプローチ
アングル
ランプブレーク
オーバーアングル
ディパーチャー
アングル
最低地上高
■スズキ ジムニー(JB23W) 49度 32度 50度 210mm
■トヨタ FJクルーザー 34度 28.5度 27度 230mm
■ジープ ラングラー スポーツ(JK型) 40.8度 37.4度 21.8度 225mm
■ハマー H3 37.5度 23.5度 35.5度 220mm
■トヨタ ランドルクルーザー(200系) 30度 25度 20度 225mm
 

一方、トヨタ言うところのDAC(ダック)=ダウンヒル・アシスト・コントロール、他社で言うところのヒルディセントコントロール(HDC)は省かれているため、悪路の急な下り坂では、適切なギアの選択が必要になる。とはいえ、そのあたりはオフロード走行における基本中の基本で、特に必要とは思えなかった。そう言うと、DACやHDCの立つ瀬がないのだが。

 

なお、リアデフロックは、“オフロードパッケージ”に標準装備で、それ以外でもオプションで選択できる。リアデフロックとは、左右輪の差動を許すリアデフを直結状態にして、駆動力を両後輪に同等に配分するもの。「L4」でのみ使用可能で、深刻な泥濘(ぬかるみ)や岩場、特にスタックしかけた時のように「ここぞ」という場面で真価を発揮する。今回オフロードで試乗した車両は未装備だったが、少なくとも今回のコース状況では、まったく必要を感じなかった。

試乗燃費は6.6km/L。10・15モード燃費は8.4km/L

最後に恒例の試乗燃費に触れると、あくまで参考数値ながら、いつもの一般道・高速道路の混じった区間(約80km)が6.6km/L。さらに郊外の一般道を大人しく走った区間(約60km)では7km/L弱だった。また、10・15モード燃費でも、排気量4リッター、車重2トン弱、変速機はトルコンATということで、8.4km/Lに留まる。ちなみにハイラックスサーフの4リッター最終モデルは8.3km/L、現行プラドの4リッター車は8.2km/Lだから、燃費性能はそれらとほとんど同じだ。

走りは期待以上に良いFJだが、こと燃費性能に関しては想定内という感じ。アクセルをちょっと踏むだけでズンズン走ってしまうので、乗り方による差はあまりないと思われる。なお、FJクルーザーには平均燃費計がないため、今回は久々に満タン法で計測した。

指定燃料はレギュラーで、タンク容量は72リッターになる。

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