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新車試乗記 第778回 スマート フォーフォー smart forfour

(1.0L 直3ガソリン・6速DCT・209万円~)

小さきことは楽しきことかな。
メルセデス発のシティカー、
その第3世代に試乗!   

2016年01月22日

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キャラクター&開発コンセプト

新型フォーフォーもRRを採用


新型スマート フォーツー(右)とフォーフォー(2015 東京モーターショー)

ダイムラー社と言えば高級車ブランドのメルセデス・ベンツだが、そのコンパクトカーブランドが「スマート」だ。同社がスイスの時計メーカー「Swatch(スウォッチ)」と組んで開発し、1998年に発売した2人乗りマイクロコンパクトカー「スマート」は、当時大きな話題になった。

それから16年後の2014年10月、新型「スマート フォーツー」と「スマート フォーフォー」が欧州で発表された。第3世代のフォーツーは従来通り2人乗り。第2世代になるフォーフォーは、その名の通り4人乗りになる。日本では2015年10月に発表され、フォーツーは同月、フォーフォーは2016年1月に発売された。

仏ルノーとのジョイントベンチャー


新型スマート フォーフォー (2015 東京モーターショー)

スマートの開発・生産は、今回の新型からルノーとのジョイントベンチャーになった。フォーツーは従来同様、フランスにあるスマート専用のハンバッハ工場で生産されるが、フォーフォーは兄弟車の新型トゥインゴ(トゥインゴIII)と共に、ルノーのスロベニア工場で生産される。

 

新型ルノー トゥインゴ(2015 東京モーターショー、参考出品車)

なお、フォーツーはこれまでずっとRR(リアエンジン・後輪駆動)で、先代フォーフォー(生産期間は2004~2007年)はFF(前輪駆動)と、メカニズム面で共通点はなかったが、新型ではいずれも3気筒エンジンをリアに搭載するRR方式を採用。日本仕様のスマートには、ひとまず1.0Lの自然吸気エンジンが搭載される(海外には0.9Lターボもある)。

広告キャッチコピーは「メルセデス生まれの、シティ・コンパクト」。テレビCMに「嵐」の相葉雅紀を起用するなど、広告展開には力が入っている。

【スマート】1998年に登場。17年間で150万台以上を販売


初代スマート フォーツー

「スマート」は1998年に2人乗りシティカーとしてデビュー。日本では当初、並行輸入で販売され、2000年から正規輸入が始まった。「最小限のボディサイズで最大限の安全性、快適性、環境適合性を実現する」がコンセプト。全長は約2.5m、全幅は約1.5m。598cc(後に698ccに拡大)の直3ターボエンジンはリアに搭載された。2001年には軽自動車規格に収めた日本専用モデル「スマートK」も発売された。

 

2代目スマート フォーツー (2007~2015年)

2004年からは5人乗りの「フォーフォー(forfour)」が加わったため、2人乗りは「フォーツー(fortwo)」 と改名。フォーフォーは、プラットフォームを共有する三菱コルト(欧州向け)と共に、オランダのネッドカー工場で生産されたが、2007年には生産終了。一方でフォーツーは第2世代に進化し、北米でも正規販売された。

 

初代スマート フォーフォー(2004~2008年)

スマートの世界累計販売台数は、2015年10月までの約17年間で150万台以上。日本でも累計3万台以上が販売されたという。

なお、新型フォーフォーは新型トゥインゴと兄弟車になるが、ルノーと言えばかつてRR車を得意としたメーカーで、スマートより歴史が長い。ルノー4CV(日本では日野ルノーとしてノックダウン生産された)、ルノー8、アルピーヌのA110、A310、V6ターボ、A610といったモデルがRRだった。

 

価格帯&グレード展開

フォーツーは199万円~、フォーフォーは209万円~


スマート フォーフォー パッション

海外には0.9L 3気筒ターボ(90hp、135Nm)やカブリオもすでにあり、2人乗りスマートで初のMT(5速)もあるが、今回日本に導入されたフォーツー、フォーフォーは共に、自然吸気の1.0L 3気筒エンジンと6速DCTを搭載。全車右ハンドルで、オートエアコン、オートワイパー、オートライト、クルーズコントロールが標準装備になる。

また、今回からフォーツーは、限定車を年数回のペースで販売するという方法になった。第一弾として導入されたのは特別仕様車「エディション 1」で、ボディカラーはラバオレンジ、ミッドナイトブルーの2色。それぞれ限定220台。

 

スマート フォーフォー プライム

フォーフォーは、布シートの「パッション」と、本革シートやパノラミックルーフを標準装備した「プライム」の2グレード構成。ボディカラーは計7色(8通り)。

なお、2015年3月のジュネーブショーでは、高性能バージョンの「ブラバス」仕様が発表されている。市販はまだだが、こちらは0.9Lターボの高出力版(120ps)になる模様。

■smart fortwo edition 1
 199万円(ラバオレンジ)
 204万円(ミッドナイトブルー)

■smart forfour passion  209万円
※今回の試乗車

■smart forfour prime   229万円
※本革シート、パノラミックルーフを標準装備

 

パッケージング&スタイル

フォーフォーもRRを採用

超小型ボディでも、高強度スチール製の骨格「トリディオンセーフティセル」により、Sクラスと衝突しても乗員の生存空間を確保するという初代スマートの設計コンセプトが、今回も継承されたことをまずは喜びたい。

デザイン面で目立つ変化は、ボンネットの位置が高くなって、資料にあった表現を借りれば「先代のワンボックスから、1.5ボックスに変更」されたこと。フロントには立派なグリルが備わり、ヘッドライトも大きくなったが、未来感や異質感は薄れた印象。

全幅は125mmワイドに。最小回転半径は世界最小

ボディサイズはフォーツーの場合、全幅が125mm拡がり、これまでの軽自動車並みから、5ナンバーサイズに成長。フォーフォーについては、先代は三菱コルトとプラットフォームを共有していたため、パッケージング面でスマートらしさを打ち出せなかったが、新型はその鬱憤を晴らすように全長3.5mで4人乗りを成立させている。

 

特筆すべきは、最小回転半径がフォーツーで3.3m、フォーフォーで4.1mと、今どきの軽より圧倒的に小さいこと。特にフォーツーは先代(4.2m)と比べても0.9m小さく、スズキの2人乗り軽「ツイン」(2003~2005年)の3.6mより小さい。現在、市販されている乗用車では世界最小だという。

こんなことが可能になったのは、もともとフロントにエンジンがない上、今回はトレッドが増えたことで、スペースに余裕が生まれ、前輪の切れ角を増やせたから。RRのメリットを最大限引き出す設計になっている。

 

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
初代スマート (1998~2007) 2540~2550 1470(K)
1515
1575(ブラバス)
1550 1810 4.1~4.4
スズキ ツイン (2003~2005) 2735 1475 1450 1800 3.6
2代目スマート フォーツー (2007~2015) 2720~2750 1560
1580(ブラバス)
1540 1865 4.2
新型スマート フォーツー (2015~) 2755 1665 1545 1875 3.3
トヨタ iQ (2008~) 2985 1680 1500 2000 3.9
スズキ アルト (2014~) 3395 1475 1475~1500 2460 4.2~4.6
ダイハツ キャスト (2015~) 3395 1475 1600~1640 2455 4.7
新型スマート フォーフォー (2015~) 3495 1665 1544 2494 4.1
フィアット 500 (2008~) 3545 1625 1515 2300 4.7~5.6
初代スマート フォーフォー (2004~2007) 3790 1685 1460 2500 5.1
 

インテリア&ラゲッジスペース

内装デザインは常識的に。定員は4人


写真のオレンジ内装のほか、ブラックもある。メーターパネル内には情報表示用の3.5インチTFTカラーディスプレイを標準装備

インパネデザインは、フォーフォーとフォーツーで共通。従来モデルのオーナーが最初に気づくのは、室内幅の拡大もさることながら(助手席側のドアが遠くなった)、キーを差す位置がセンターコンソールから一般的なステアリング右へと移ったことだろう。ブレーキペダルも従来のオルガン式から、一般的な釣り下げ式に変更され、操作感もペダルレイアウトもすっかり自然になった。初代の内装デザインはかなり理想主義的でエキセントリックだったが、だんだん常識的になってきたなぁ、という印象。

なお、先代フォーフォーは5人乗りだったが、元になったコンセプトカーが4人乗りだったのと、ゴロの良さから、市販車もフォーフォーと称したが、新型は名実ともに4人乗りになった。5人グループの嵐やSMAPだと一人乗れなくなる。

ナビゲーションはスマホで代用


スマートフォン用の専用クレードルはオプション。裏にUSB端子も備わる。iPhoneの場合、6(写真)ならOKだが、6プラスはわずかに大きすぎて、固定できない

標準装備のオーディオは、Bluetooth/USBインターフェース付のAM/FMラジオと4スピーカー(フォーツーは2スピーカー)。つまりCDプレーヤーはない。

ナビについては、少なくとも日本仕様では「スマホで十分でしょ」という考え方で、純正アクセサリーとして専用スマートフォンクレードル(1万7600円)が用意されるほか、ナビゲーション機能やハンズフリー機能をセットにしたスマート専用アプリ(iPhone/Android対応)「スマート・クロス コネクト」も無料でダウンロードできるようになっている。ただし、いちおう純正アクセサリーとして、7インチディスプレイのポータブルナビも用意されている。

 

後席は座面が短く、背もたれのフィット感も薄いため、大人が長時間過ごすのはつらい。窓はヒンジ式

前席にはシート内蔵型のサイドエアバッグを、運転席にはニーバッグを標準装備
 

荷室容量は通常時185L、後席格納時730L(奥行1285mm)、助手席格納時975L。フォーツーは260~350L

リアドアがほぼ直角の約85°まで開くため、乗り降りやチャイルドシートの取付が容易
 

荷室フロアのカーペット(吸音材と一体)をめくると、エンジンリッドが6本のネジ(手で回せる)で止まっている

リッドを外すと、ルノー製3気筒エンジンが現れる
 

ボンネットをずらすと、バッテリー、冷却水、ウォッシャー液、ブレーキフルードのメンテナンスが可能

新開発の自然吸気1.0L 3気筒エンジン
 
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