新車試乗記 第557回 フォルクスワーゲン ゴルフ TSI コンフォートライン Volkswagen Golf TSI Comfortline

(1.4Lターボ・7速DCT・275万円)

デザイン一新!
すべての完成度を高めて
ゴルフが6代目に進化した!

日時: 2009年05月23日

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キャラクター&開発コンセプト

デザインは一新、中身は熟成進化型の6代目


(photo:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

6代目となったVWゴルフが2009年4月9日に日本で発表、14日から発売された。1974年に初代ゴルフが登場して以来、35年間で2600万台以上という累計販売台数は国民車ビートルを越えるもの。もちろん同社の最量販モデルだ。

デザインを一新した「ゴルフ6(シックス)」だが、メカニズム的には先代ゴルフ5の進化熟成版と言えるもの。ボディ剛性やシャシー性能に磨きをかける一方、先代で投入された過給器付きの小排気量エンジンや7速DCTなどの改良をさらに行い、16.2~16.8km/Lという優れた10・15モード燃費を実現している。

■参考(過去のVWゴルフ試乗記)
・フォルクスワーゲン ゴルフ TSI トレンドライン (2008年8月)
・フォルクスワーゲン ゴルフ GT TSI (2007年2月)
・フォルクスワーゲンゴルフ GTI (2005年10月)
・フォルクスワーゲンゴルフ GT (2004年7月)
・フォルクスワーゲンゴルフ GT (2000年4月)
・フォルクスワーゲンゴルフ GLi (1998年8月)

価格帯&グレード展開

ターボ(122ps)とターボ+SC(160ps)の2グレードでスタート


今回試乗したTSI コンフォートライン
車両協力:ファーレン名古屋中央株式会社(フォルクスワーゲン本山・小牧)

とりあえずは「TSI コンフォートライン」(※今週の試乗車)と「TSI ハイライン」の2グレードでスタート。両車いずれもエンジンは1.4リッター直4で、変速機は7速DCTだが、前者がターボのみで過給、後者がターボとスーパーチャージャーでの過給。ナビゲーションシステムはリアビューカメラやETCとセットで全車メーカーオプションとなる。

■TSI コンフォートライン   7速DCT  275万円
 1.4L直4ターボ(122ps、20.4kgm) 
 10・15モード燃費:16.8km/L  ★今週の試乗車

■TSI ハイライン       7速DCT  312万円
 1.4L直4ターボ+スーパーチャージャー(160ps、24.5kgm)
 10・15モード燃費:16.2km/L
 ※スポーツシート、17インチアルミホイール、パドルシフト、パークディスタンスコントロール等を標準装備

パッケージング&スタイル

サイズ拡大は全幅の30mmアップに留まる

ボディサイズ(先代ゴルフ5比)は全長4210mm(+5)×全幅1790mm(+30)×全高1520mm(同)で、ホイールベースは先代と同じ2575mmだ。要するにプラットフォームやパッケージングは先代譲りで、その点ではビッグマイナーチェンジと言えるもの。歴代ゴルフはメカニズム面で一世代おきに全面変更と熟成型の改良を交互に行ってきた感があるから、その意味で言えば今回の新型は順番的にも熟成型と言えるだろう。全幅はついに1.8メートルまであと一歩の1790mmだが、最小回転半径は従来通り5.0メートルをキープしている。

そんなわけでプロポーションも先代とよく似ているが、もちろん外観デザインは一新されている。特に目立つのは釣り目気味になったヘッドライト、全幅+30mmで可能になったショルダーのプレスライン(ゴルフ3を思わせる)やサイドの抑揚、そしてトゥアレグ似のリアコンビランプといったところ。部分的には新型シロッコ(プラットフォームやパワートレインはほぼ共通)に似ており、シロッコの4ドア・トール版という感じでもある。

今風のプレミアム感が加わったインテリア

熟成型モデルチェンジであることは、操作系の基本レイアウトが先代に似ているインパネからもうかがえる。ただし質感は高まっており、例えばダッシュボード表面の手触りが良くなったほか、パサートCC譲りのレザーステアリングや縁取りがメタル調塗装になったエアコン吹き出し口を採用するなど、上級モデル並みの仕上げやパーツが奢られている。

 

300万円前後のクルマとしては妥当な今風プレミアム感が備わったが、質実剛健さを売りとしていた(少なくとも日本市場では)歴代ゴルフからすると、「普通になった」「日本車っぽくなった」という印象を持つ人はいるだろう。

新型ステアリングスイッチを採用。衝突安全性も高まった


(photo:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

操作系はより使いやすくなっている。ドライビングコンピューター(従来はレバー先端にあった)とオーディオ系はステアリングスイッチでコントロールが可能。しかもそのスイッチがシーソー式で、操作感がちょっとジョイスティック風?なのが面白い。オートエアコンの操作パネルも、ついに左右独立式になった。質実剛健なのがゴルフ、などと言っている場合ではない。

 

逆にあまり変わっていないのはDSGのシフトレバーやシート、全体の空間構成など。バタフライ式キーも見慣れたデザインで、ちょっと物足りない。逆にセンターコンソールの仕切りとして栓抜き?が相変わらずあるのはちょっと嬉しい?ところ。

なお、新型ゴルフではドライバーの下肢を守る運転席ニーエアバッグが新採用されており、これでエアバッグは従来の8個から9個に増えた。また前面衝突時の衝撃を正確かつ素早く検出するため、音響センサーを新たに採用したという。

リアビューカメラ、フルセグTV、ETCが付いてくる工場装着ナビ

試乗車に装着されている30GBハードディスクナビは「RNS 510」と呼ばれるメーカーオプション。これがいいのはリアビューカメラ「Rear Assist」、フルセグTV、ETCなどがセットで付いてくることだ。

 

特に「Rear Assist」と呼ばれるリアビューカメラはシフトレバーをリバースに入れると、リアゲートのVWエンブレム(オープナーも兼ねる)が「ウィッ」という音を響かせてポップアップし、カメラを出す珍しいタイプ。日本車もびっくりの仕掛けだ。

一番変わっていないのはリアシート?


ゴルフで一番変わり映えしないのが、このリアシートだろう。シート全体の形状、ヘッドレスト、ドア開口部の形状、後席用ドリンクホルダー内蔵のセンターコンソールなどなど、「ひょっとして先代と同じ?」と思える部分が多い。もちろん中には新規のものもあるはずだが・・・・・・。座った感じも、そこからの眺めも、ほとんど先代と変わらない。

しかしあとで触れる通り、新型ゴルフは乗り心地や静粛性が大幅に良くなっているので、後席のパッセンジャーが走行中に受ける印象はそうとう違うはず。

荷室もほとんど一緒

ラゲッジの眺めも、びっくりするほど先代ゴルフ5と同じだ。写真で見る限りは、部品単位でもほとんど変わっていないのではないか、とすら思われる。容量も同じ350リッターで、拡大方法も従来通りシングルフォールディング(背もたれを倒すだけ)。フラットにならない点、アームレスト部分だけのトランクスルーを備える点も相変わらずだ。

【余談】パンクに見舞われる

床下にはテンパータイプのスペアタイヤと車載工具(ジャッキ、レンチ、ドライバーなど)を収納。装着タイヤはミシュランだったが、スペアはハンコック製だった。少なくとも昨年試乗したゴルフ5のTSIトレンドラインは両方ともコンチネンタルだったので、両車で違うのはタイヤの銘柄だけ、とも言える。

ところで今回の試乗では、終盤にまさかのパンクに見まわれ、このスペアタイヤのお世話になった。原因は数センチはありそうなネジが突き刺さったことで、もちろんこれは不可抗力だ。

 

これがスペアタイヤレス仕様(つまりランフラットもしくはパンク修理キット搭載)であれば果たしてどういう展開になったか分からないが、少なくともスペアタイヤへの交換はスムーズに行えた。やや特殊に思えたのは、ホイールナットを外す前に樹脂製のナットカバーを専用のワイヤークリップに引っかけて外すことくらい。スペアでの走行も特に問題はなく、気になるのは当然ながら80km/hまでの速度制限がある点、そしてロードノイズが非常に大きいこと(わざとだろう)だけだった。


■参考サイト
ハンコックタイヤジャパン>製品案内>グローバルOEタイヤ>フォルクスワーゲン http://www.hankooktire.co.jp/product/003_15.html

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