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トヨタ ハリアー プレミアム “アドバンスト パッケージ”新車試乗記(第720回)

Toyota Harrier Premium “Advanced Package”

(2.5L 直4+モーター×2・電気式4WD・447万円)

10年ぶりにモデルチェンジ!
ワイルド but フォーマルあらため
ゴージャス but エコになった
新型ハリアーに試乗!

2014年02月28日

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キャラクター&開発コンセプト

レクサス RXとは異なる国内専用車に


新型トヨタ ハリアー
(photo:トヨタ自動車)

2013年12月2日に発売された新型「ハリアー」は、初代(1997~2003年)、2代目(2003~2013年)に続く3代目。初代と2代目は海外ではレクサス RXとして販売されていたが、2009年に登場した3代目レクサス RXが国内でもレクサスブランドで販売されるようになると、国内では従来の2代目がそのまま「トヨタ ハリアー」として継続販売されていた。今回10年ぶりのモデルチェンジとなった新型ハリアーは、名実ともに国内専用車だ。

初代/2代目ハリアーは乗用車ベースの高級クロスオーバーSUVという新ジャンルを開拓したモデルであり、3代目も「高級・進化・新規」の3点をキーワードに開発。斬新な内外装デザイン、価格以上の高級感、ハイブリッド車の設定、最新の先進安全装備といったところが特徴。プラットフォームは今回から米国向けの4代目RAV4(2013年~)をベースとしている。

新世代2リッター直4ガソリンと、2.5リッター直4ハイブリッドを用意


こちらは2リッターガソリン・4WDのPremium “Advanced Package”
(photo:トヨタ自動車)

純エンジン車に関しては、ヴォクシー/ノア用をベースにしたバルブマチック付2リッター直4「3ZR-FAE」(151ps、19.7kgm)とCVT(無段変速機)を採用。また、4WDシステムは従来のセンターデフ方式から、現行RAV4と同じ電子制御カップリング方式に変更された。JC08モード燃費はFFで16.0km/L、4WD車で14.8~15.2km/L。

一方、ハイブリッド車(2014年1月に発売)では、先代のV6エンジンに代えて、カムリハイブリッドベースの新世代2.5リッター直4「2AR-FXE」に、前後2つのモーターを組み合わせる。システム出力は197psで、駆動方式は先代ハイブリッド同様、後輪をモーターで駆動する電気式4WD。JC08モード燃費は21.4~21.8km/L。

生産はトヨタ自動車の高岡工場(愛知県豊田市)で、販売チャンネルは全国のトヨペット店。販売目標は月間2500台だが、発売から一ヶ月後までの受注台数は約2万台と絶好調。内訳はガソリン車が約1万2000台、ハイブリッド車が約8000台とのこと。

 

■過去の新車試乗記【トヨタ ハリアー関連】
レクサス RX450h (2009年6月)
レクサス RX350 (2009年2月)
トヨタ ハリアー ハイブリッド (2005年4月)
トヨタ ハリアー AIRS (2003年3月)
トヨタ ハリアー 3.0 Gパッケージ (1998年2月)

 

価格帯&グレード展開

価格はガソリン車が272万円~、ハイブリッド車が361万円~


ボディカラーはダーク系を中心に全7色。写真は特別色のスパークリングブラックパールクリスタルシャインで、光が当たるとブルーっぽく見える

価格は純エンジン車が272万円からで、4WDは18万9000円高。ハイブリッド車は361万円からで、純エンジン車の4WDと比べると約70万円高になる。歴代ハリアーと同じく、意外に安いと感じる人が多いのでは。ちなみにレクサスRXはガソリン車の270(2.7リッター直4・6AT)が432万円から、ハイブリッド車の450hが561万円からと、その差は大きい。

ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムなどを備えた最上級グレード「アドバンスト パッケージ」装着車は、非装着車の55万円高になる。

 

内装はファブリック&合皮コンビのブラックが標準で、アイボリー(写真)も選択可
(photo:トヨタ自動車)

【エンジン車(2リッター直4・CVT)】
■Grand/Elegance/Premium(FF/4WD)  272万~323.9万円
■Premium “Advanced Package”(FF/4WD) 360万~378.9万円

【ハイブリッド車(2.5リッター直4・モーター×2)】
■Grand/Elegance/Premium(E-Four)  361万~392万円
■Premium “Advanced Package”(E-Four) 447万円 ※今回の試乗車

 

パッケージング&スタイル

流行に一石を投じる?フロントデザイン


フロントにはハリアー(鷹の一種)のマークがあしらわれる

外観デザインのテーマは「Elegant Velocity(洗練されたスピード感)」。目を引くのが、グリルをスモーク仕上げのアクリルで覆ったフロントノーズ部分。一般的なメッキグリルとは一線を画す斬新なもので、フロントオーバーハングを大きめにとったロングノーズデザインも、昨今の流れとは逆を行くもの。フロントバンパーやヘッドライトもダイナミックにデザインされている。

先代より小型化し、小回り性能を向上

全長4.7メートル少々、全幅1.8メートル台、全高1.7メートル弱のボディサイズは、先代ハリアーとほぼ同じだが、ホイールベースは先代の2715mmから2660mmに55mm短縮。最小回転半径はハイブリッドの最上級グレード(18インチタイヤが標準)だと5.7メートルだが、純エンジン車の17インチ仕様では5.3メートルに抑えるなど、車格に比して小回りがよく効くようになっている。国内専用車らしい配慮。

 

LEDヘッドランプ(ロービーム)とLEDフォグランプは全車標準

リアコンビランプの側面には、直進安定性を高めるという突起「エアロスタビライジングフィン」が備わる

歴代ハリアーから水平基調を継承したというサイドビュー。オーバーハングの長さが目立つ
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
レンジローバー イヴォーク(2012~) 4355 1900 1605~1635 2660 5.5
マツダ CX-5(2012~) 4540 1840 1705 2700 5.5
スバル フォレスター(2012~) 4595 1795 1695 2640 5.3
新型トヨタ ハリアー(2013-) 4720 1835 1690 2660 5.3~5.7
2代目トヨタ ハリアー(2003~2013) 4730~4755 1845 1680~1690 2715 5.7
レクサス RX(2009~) 4770 1855 1690 2740 5.7
 

インテリア&ラゲッジスペース

クラス随一の上質感を演出


写真は「プレミアム」にオプションのレザー内装(23万3100円)。純正ナビのディスプレイは8インチタッチ式で、フリック操作も可能

高級セダンのようなインテリアは、歴代ハリアーが売りとしてきたもの。新型はディープボルドー色(ブラックも選べる)のレザー調表皮を、ダッシュボードやドアトリムに張るなど、このクラスでは群を抜いた高級感がある。また、シフトパネルなどに使われるウッド調加飾パネル(茶系とグレー系の2通りある)も出色の出来。カタログには「天然素材では得られない深い照り」などとあるが、確かにある意味、本物のウッドを越えた美しさを感じる。

 

「プレミアム」と「エレガンス」で選べるファブリック+合皮のアイボリー内装。シート中央のエンボス加工がいい感じ
(photo:トヨタ自動車)

そして中間グレード「エレガンス」(280万円~)以上で選べるファブリック&合成皮革のコンビシート仕様がいい。失礼ながら、これまでのトヨタ車にないセンスの良さを感じてしまった。内装デザインのテーマは「Rich Simplicity(高級感のあるシンプルさ)」。

空調コントロールは流行りの静電式スイッチを採用したもの。今や珍しくないが、やはり操作しにくい。これもいつかスマホのように慣れるのだろうか。

パッケージングは微妙に変化


“アドバンスト パッケージ”には、歩行者を検知して警告するパノラミックビューモニター(左右確認サポート付)が備わる
(photo:トヨタ自動車)

乗り降りのしやすい低めのシート座面(先代比30mmダウン)、センタートンネルのないフラットな後席フロア、5人乗りに最適化されたパッケージングなどは、おおむね歴代ハリアー譲り。ホイールベースは先代より55mm短いが、逆に後席ひざ前空間は前席シートバック形状の工夫などによって47mm広くしたという。ただ、前席下への足入れ性はあまり良くないので(前席のシート位置にもよるが)、足の長い人はちょっとモゾモゾするかも。

 

リアシートは立派で、足もとは完全フラット。若干のリクライニング調整も可能

ドライビングポジションはステアリング取付角度やシート形状の変更によって、よりセダン風になった

ワイヤレス充電規格「Qi(チー)」に対応した機器で使える「おくだけ充電」(NTTドコモの登録商標)は“アドバンスト パッケージ”のみ
 

荷室容量は純エンジン車と同じで456~992リッター。パワーバックドアは停止位置メモリー機能付で、天井が低い所や小柄な人でも大丈夫

床下収納は巨大(143リッター)。標準はパンク修理キットだが、メーカーオプションでスペアタイヤ(165/80R17)にも変更できる(1万0500円)

マイコン制御のチルト&スライド電動ムーンルーフ(電動ロールシェード付)は全車オプション(10万5000円)
 

基本性能&ドライブフィール

2.5リッター直4になったハイブリッド


先代の3.3リッターV6から、2.5リッター直4に変更されたハイブリッド

試乗したのはハイブリッドの最上級グレード「プレミアム “アドバンスト パッケージ”」。エンジンはカムリハイブリッド用の横置2.5リッター直4「2AR-FXE」がベースで、エンジン単体の最高出力は152ps、最大トルクは21.0kgm。また、フロントモーター(143ps、27.5kgm)とリアモーター(68ps、14.2kgm)があり、トータルでのシステム出力は197psを誇る。

ちなみに、他のトヨタ製ハイブリッド車のシステム出力は、現行プリウスが136ps、カムリハイブリッドが205ps、クラウンハイブリッドが220ps、先代ハリアーハイブリッドが272ps、レクサスRX450hが299ps。こうして見ると、新型ハリアーハイブリッドの動力性能はちょっと控えめにも見える。

 

が、それはあくまでピークパワーの話。確かに、先代ハリアーハイブリッドの「トヨタ、どうしちゃったの?」と思わせる暴力的加速はないが、相変わらず前後2つのモーターによるトルクは強力で、約1.8トンのボディを軽々と停止状態から加速させる。途中からはエンジンが始動するが、一般的な加速であればエンジン音はほとんど聞こえないし、始動時のショックもほぼ皆無。少なくとも100km/hまでなら、動力性能に不満はない。

ワインディングで“振り回せる”ハンドリング


「プレミアム」には235/55R18タイヤが標準装着される

足回りはかなりソフトな設定だが、意外にもワインディングでの操縦性はすごくいい。タイトなコーナーが連続するところを攻めても、かなり楽しめる。

スポーツモードならエンジンブレーキが適度にかかり、ステアリング操作に応じてノーズがインにしっかり入ってくれる。アンダーステアが多少出ても、S-VSC(ステアリング制御付VSC)のブレーキ制御やトルク制御が働いてグイグイ曲がってくれるし、もっと強いアンダーステアにはさらに強力な制御がスムーズに働く。10年前の2代目ハリアーで採用された初期のVSCは、限界を超えると唐突に出力を絞ったものだが、いまやそれも昔。また、「プレミアム」が履く235/55R18タイヤ(ブリヂストン デューラー H/T)は、グリップこそオールシーズン規格相応だが、限界が無闇に高くないせいもあってコントロールしやすかった。

また、特にハイブリッドの場合は、エンジンよりレスポンスが早い駆動用モーターで前後輪を別々に制御しているのが効いている。ちなみに2リッターガソリンの4WD車にも、前後駆動力配分をS-VSCと協調制御する「ダイナミックトルクコントロール4WD」が採用されている。

高速走行は快適。ただし乗り心地には気になる点も


メーターや各種情報表示は見やすいが、先代同様、タコメーターがないのは残念

高速道路では、エンジン音はもちろん、風切り音やロードノイズも静か。高遮音ガラスを採用するなど、静粛性には力が入っているようだ。高速域での加速や伸びは、パワーウエイトレシオが約9kg/psということで、そこそこだが、日本で乗る分には速すぎず、ちょうどいい性能だと感じた。

一方で気になったのは、郊外の二級国道や田舎道に多い、舗装の荒れた道路での乗り心地。そこそこ速めのペースで流すと、車体の上下動、いわゆるピッチングが出る。思わず電子制御ダンパーの切替スイッチを探してしまったが、新型ハリアーの足回りは完全メカニカルで、調整は出来ない。

代わりにハリアー全車には、路面や走行状況(ストローク量)に応じて、減衰力をパッシブに変化させる「FAD(Frequency Adaptive Damping=振動数感応型)ショックアブソーバー」を採用。さらにハイブリッド全車には、路面の凹凸に応じてモーターのトルクを制御することで、ピッチングを抑制する「ばね上制振制御」も採用されている。とはいえ、このちょっと昔のアメ車を思わせる乗り心地は、人によってはかなり気になるところ。ただ、足回りのセッティングはパワートレインによって違うので、これはあくまでハイブリッドの18インチ仕様(プレミアム)での印象になる。

レギュラーガソリンでOK。試乗燃費は10.6~18.6km/L

今回はトータルで約270kmを試乗。試乗燃費(車載燃費計)は、いつもの一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約90km)が10.6km/Lで、一般道(20km)と高速(20km)を大人しく走った区間(約40km)が18.6km/L。全てエコモードで走った。総じて、高速道路を飛ばすと燃費がどんどん悪化し、逆に渋滞にはまるとどんどん良くなるという傾向はプリウスと同じ。

指定燃料がレギュラーなのは嬉しい点。先代ハリアーハイブリッドやレクサスRX450hはプレミアムだった。タンク容量は55リッターなので、航続距離は悪くて500km、レーダークルーズを使っての高速巡航なら800km以上いきそう。車重1.8トンの4WD車としては、本当に驚異的。

 

ここがイイ

独自のデザイン、価格以上の高級感、燃費性能

好みは分かれるが(それもハリアーの伝統だ)個性的なエクステリアデザインと、高級感のあるインテリア。特に、珍しくメッキグリルが主張しない顔は新鮮。一見ではレクサス車に負けないインテリアも商品価値が高い。販売主力は300万円台だと思うが、知らなければもっと高いクルマに思える。

ハイブリッドの場合はパワフルな走りと、それにも関わらず実際に10km/L以上走ってしまう燃費性能。10年前の3リッターV6ハリアーは10・15モード燃費でも9.1~9.7km/Lで、実燃費は5~6km/L台だったと思う。この10年で、このサイズのSUVの燃費は確実に進化している。

そして、いまだライバル車不在なこと。高級ミディアムクラスSUVはこの10年で欧州車を含めて数多く現れたが、ハリアーのポジションは独特で、国内では他に代わるものがない。

ここがダメ

ハイブリッドの特定条件下での乗り心地、ドアミラー等による死角、プリウスと同じような運転感覚

少なくとも試乗車(ハイブリッドの18インチ仕様)の場合は、2級国道や田舎道に多い舗装の荒れた路面をある速度域で走った時の、フワフワと上下動が収まらない乗り心地。新型ハリアーの足回りには、先代にあったエアサスや電子制御ダンパーといった類の用意がないので、あとはこの揺れに耐えるしかない。話によると、今回のハリアーでは、通常の開発では80~120km/hでチューニングするところを、50~60km/h以下での常用域重視に変えたという。まさに国内専用車ならではの話だが、、、、、。

リリースには「フロントピラー形状やドアミラー位置の工夫で視界の確保にも配慮し、運転のしやすさを向上」とあるが、やっぱりAピラーとドアミラーが成す死角の大きさは気になった。これはハリアーだけでなく、今どきの大型SUVに共通する課題。安全運転の基本の一つは「見る」ことなので、肉眼による視界はもうちょっと重視されてもいいと思う。ハイブリッドの18インチ仕様は最小回転半径が5.7メートルに膨らむので、小回りが苦手なところにも少し慣れを要した。

先代にあったバカっ速いハイブリッドではなく、ある意味ではプリウスと同じような運転感覚のハイブリッド車であること。燃費は確かに先代より良くなっているのだが。

総合評価

日本専用車ゆえのデザイン

久々に、一見してこれはいいなあと思うトヨタ車だ。何がいいかというと、まずグリルが控えめ。最近はちょっと前の欧州車などに触発されてか、何にしろハデであればいい、という感じのグリルを付けたクルマが多くて、いささか辟易していたが、新型ハリアーは実に奥ゆかしい。それでいて存在感はしっかりあるし、「しゅっとしたスピード感」が開発時のキーワードだったという全体のフォルムは、先代をリファインした感じでもあり、日本人好みのカッコよさにマッチしている。エグくないグリルや、ある意味で古式ゆかしいカッコよさを実現できたのは、日本だけで売るモデルだから。やっぱり日本人には日本専用車じゃないと、とあらためて思う。

 

内装も一見して、いいと思った。日本人が好む高級感というものが見事に表現されている。本革風、本杢風という、まさにいい意味でのフェイクで作られたインテリアは、フェイクを超えた出来の良さと同時に、新たな価値も生み出しているように思える。街でもフェイクレザーのジャケットを着ている人が増えたし、今やウール100%さえもそう多くはない。フリースなどの方が軽くて暖かだったりする。その意味で、もはや本物とか自然素材にこだわる必要性のない時代に入っているのでは。そう考えるとクルマの内装は、別に本革じゃなくていいし、本杢でなくてもいいだろう。高級感があり、センスが良ければ文句はない。だいたい100年も乗り続けるわけではない量産車に、貴重な本革や本杢を使う方が間違っているようにすら思うのだが。

ムダのなさが気持ちいい

パワートレインも4気筒エンジンやTHSⅡによるハイブリッドということで、先代のV6エンジン搭載車のような古典的な高級感はないが、パワーは十分だし、燃費もいいしと、要するにムダがない。贅沢な、とか、高級な、ということには本来、ムダが占めている割合が大きいと常々思うが、そんなムダより合理的な質の高さで、お金が潤沢にはない庶民にあった高級車を作っている。ハリアーはトヨタブランド車であり、レクサスとは違ってムダに豪華ではない。そういう意味で、クラウンにも近い合理的な高級感を備えている。そしてクラウンのようなムダに豪華なグリルが無い分、さらに合理的な高級感があり、それが心地いい。

 

プラットフォームは北米の主力車種である4代目RAV4(今のところ日本未導入)がベースで、それに日本向けにデザインしたボディを載せ、日本向けにチューニングしている。そうは言っても、ベースがアメリカ向けのせいか、乗り心地はかなり緩いというか、やわらかな感じがした。その割にワインディングではしっかり走るからいい、と言いたいところだが、特定の速度域ではやや落ち着きのないところもあり、路面の荒れたところではピッチングもちょっと気になる。子供などは酔いそうだ。日本で日常的に使う速度域での快適性を重視した結果かもしれないが、日本でも遠出をすることはあるので、このあたりは今後ちょっと手を入れて欲しい。

チャレンジングな部分はLF-NXで


レクサス LF-NX(東京モーターショー2013)

4代目となる次期レクサス RXはたぶん、東京モーターショーに出ていたLF-NXに変わるのだろう。しかし、LF-NXのスタイルに多くの日本人が馴染むまでには、相当な時間がかかりそうだ。世界でウケるものが日本でウケるとは限らない。今、ジャパンコンシャスなハリアーが投入されるのは、マーケティング的には至極アタリマエのこと。そして日本でハリアーは大ヒットするだろう。スバル レヴォーグも日本専用車だし、日本人のためのクルマという動きは歓迎したいところ。やっぱり日本では、そういうクルマが一番乗りやすい。それに異を唱えたい偏屈なクルマ好きは、気にいった輸入車に乗ればいい。そういう選択ができる日本がいいと思うし、その点では日本サイコーである。

 

と、ここまで褒めておいて何だが、怒涛の走りや新たなハイテク安全装備に驚いた10年前のハリアーハイブリッドにあった感動は、もはやこのクルマにはない。新しいハリアーは燃費コンシャスなハイブリッド車を、一見高級に仕立てた無難なクルマ。チャレンジングな部分はLF-NXが担うことになるはずだ。クルマ好きとしてはさらに、トヨタの新しいプロジェクト「DRIVING KIDS with TOYOTA」を体現するような、ドキドキするハイブリッドスポーツカーの出現を期待したいところだ。

 

試乗車スペック
トヨタ ハリアー プレミアム “アドバンスト パッケージ”
(2.5L 直4+モーター・4WD・447万円)

●初年度登録:2014年1月●形式:DAA-AVU65W-ANXGB(A) ●全長4720mm×全幅1835mm×全高1690mm ●ホイールベース:2660mm ●最小回転半径:5.7m ●車重(車検証記載値):1840kg(1030+810) ※マイコン制御チルト&スライド電動ムーンルーフで+30kg、本革シートで+10kg ●乗車定員:5名

●エンジン型式:2AR-FXE ●排気量・エンジン種類:2493cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:90.0×98.0mm ●圧縮比:12.5 ●最高出力:112kW(152ps)/5700rpm ●最大トルク:206Nm (21.0kgm)/4400-4800rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/56L

●モーター形式(フロント):2JM ●モーター種類:交流同期電動機(永久磁石式同期型モーター) ●定格電圧:-V ●最高出力:105kW(143ps)/-rpm ●最大トルク:270Nm(27.5kgm)/-rpm

●モーター形式(リア):2FM ●モーター種類:交流同期電動機(永久磁石式同期型モーター) ●定格電圧:-V ●最高出力:50kW(68ps)/-rpm ●最大トルク:139Nm(14.2kgm)/-rpm

●バッテリー:ニッケル水素電池

●システム最大出力:145kW(197ps)/-rpm ●システム最大トルク:-Nm(-kgm)/-rpm ●JC08モード燃費:21.4km/L

●駆動方式:E-Four(電気式4輪駆動方式) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイルスプリング/後 ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング ●タイヤ:235/55R18(Bridgestone Dueler H/T 687)

●試乗車価格(概算):493万4415円 ※オプション: シート表皮(本革) 23万3100円、電動ムーンルーフ 10万5000円、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W) 6万3000円、DSRCユニット・ETC 3万1815円、オプションカラー 3万1500円 ●ボディカラー:スパークリングブラックパールクリスタルシャイン ●試乗距離:約270km

●試乗日:2014年2月 ●車両協力:トヨタ自動車株式会社

 
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