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ホンダ N-WGN G新車試乗記(第732回)

Honda N-WGN

(0.66L 直3・CVT・116万3314円)

目指したのは
軽の「新しいベーシック」!
その先に「日本のベーシック」は
あるのか?

2014年06月13日

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キャラクター&開発コンセプト

目指したのは「日本のあたらしいベーシック」


ホンダ N-WGN カスタム(東京モーターショー 2013)

2013年11月20日に発売されたホンダの「N-WGN(エヌ ワゴン)」は、2011年末に発売された「N BOX(エヌ ボックス)」から始まる新世代軽自動車「N」シリーズの最新モデル。ホンダ自身は、N BOX、その派生モデルのN BOX +(プラス)、そしてN-ONE(エヌワン)に続くNシリーズの第4弾としている。

目指したのは、軽乗用車の『新しいベーシック』。ジャンル的には軽市場で最もボリュームが大きいハイトワゴンクラスに属する。ライバルはスズキ ワゴンR、ダイハツ ムーヴ、日産 デイズ、三菱eKワゴンなど。また、2014年4月にはライフの販売が終了しており、N-WGNはその実質的な後継モデルでもある。

従来型エンジンに新技術を投入


プラットフォームはNシリーズ共通。センタータンクレイアウトを採用する
(photo:Honda)

プラットフォームは従来Nシリーズと共通で、燃料タンクを前席下に置く「センタータンクレイアウト」を採用。一方でエンジンは従来Nシリーズの「S07A」型を大幅改良して採用。1気筒あたり2本のインジェクターを配するツインインジェクションシステム(軽自動車初)や、冷却性の高いナトリウム封入排気バルブ(軽自動車初で、ホンダの乗用車としても初)などを、自然吸気とターボの全車に採用している。新技術の狙いは、ストレスのない走りと低燃費を両立することで、JC08モード燃費は自然吸気モデルで29.2km/Lとした。

なお、この改良型エンジンは昨年12月からはN-BOXに、今年5月からはN-ONEにもマイナーチェンジで採用されている(マイナーチェンジ以降、N BOXはハイフン付のN-BOXと表記される)。

販売目標は月1万2000台。Nシリーズの4割を担う

月販目標は現在ホンダの軽で一番売れているN-BOXの1万5000台(昨年11月のマイナーチェンジ時点で発表されたもの)に次ぐ1万2000台。なお、N-ONEの目標台数は発売当初の月1万台から、5月には4000台に下方修正されている。

発売後約1ヵ月までの累計受注台数は、目標の約2倍となる2万4000台を超え、発売後約2ヵ月では5万台を超えた。これまでの販売実績は、11月:2910台(軽で13位)、12月:8600台(同7位)、1月:1万7855台(同2位)、2月:1万9254台(同3位)、3月:2万3929台(同4位)、4月:6558台(同10位)、5月:7978台(8位)。

生産は他のNシリーズと共に、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)で行われている。

■過去の新車試乗記
ホンダ N-ONE (2012年12月)
ホンダ N BOX (2012年2月)

 

価格帯&グレード展開

自然吸気は116万3314円~、ターボは138万8572円~


ホンダ N-WGN(標準モデル)。標準車のボディカラーは7色で(カスタムも含めると全11色)、写真はチェリーシェルピンクメタリック
(photo:Honda)

他のNシリーズ同様、N-WGNも標準車(N-WGN)と精悍な「N-WGN カスタム」の2本立て。その両方で自然吸気エンジン車(58ps、6.6kgm)と「ターボ・パッケージ」と呼ばれるターボ車(64ps、10.6kgm)が選べる。つまり標準車の皮をかぶったターボ車が可能。

スマートキー、オートエアコン、VSA(横滑り防止装置)、Honda スマートキーシステムは全車標準。変速機は全車CVTで、4WDは約11万4000円高。

また、エントリーグレードの「G」でも、30km/h以下で作動する赤外線レーザー式の「シティブレーキアクティブシステム」(自動ブレーキ)や、サイド&カーテンエアバッグ(計6エアバッグ)をセットにした「あんしんパッケージ」を6万円高で装備できる(上位グレードは標準装備)。

 

N-WGN カスタムのボディカラーも全7色で、写真はプレミアムゴールド パープル・パール
(photo:Honda)

さらに標準車のGに約12万円足せば、ディスチャージヘッドライト(ハイ/ロー)付のG・Aパッケージが買えるし、そこからさらに約6万~10万円足せば、ターボ車も買える。価格差が微妙なので悩ましい。

ホンダの発表によると、標準車とカスタムの販売比率は今のところ半々で、G・Aパッケージが全体の約半数を占める。ターボは全体の1/4程度。売れ筋の価格帯は130万~140万円台といったところか。

 

インパネは標準車がブラック&ベージュで、カスタム(写真)はブラック&バーガンディ
(photo:Honda)

なお、5月15日には、標準車のG・Aパッケージをベースに、専用インテリアなどを採用した特別仕様車「コンフォートパッケージ」が追加設定されている。

ラインナップと価格(消費税8%込み)は以下の通り。

■N-WGN
【自然吸気エンジン(58ps、6.6kgm)】
・G  FF:116万3314円~、4WD:128万6743円~
・G・Aパッケージ    FF:128万5715円~、4WD:140万9142円~
・コンフォートパッケージ   FF:132万円、4WD:144万3429円

【ターボ車(64ps、10.6kgm)】
・G ターボパッケージ  FF:138万8572円~、4WD:151万2000円~

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■N-WGN Custom
【自然吸気エンジン(58ps、6.6kgm)】
・G   FF:137万3143円~、4WD:149万6572円~
・G・Aパッケージ FF:149万1429円~、4WD:161万4858円~

【ターボ車(64ps、10.6kgm)】
・G ターボパッケージ  FF:155万3143円~、4WD:167万6571円~

 

パッケージング&スタイル

小さなステップWGN風

外観デザインは、何となくミニ「ステップWGN」風。ホンダのショールームで、同じボディカラーの現行ステップWGNと一緒に並んでいると相似形のように見える。Cピラー付け根の黒いスリット風処理も、ステップWGNにあるスライドドアのレールがモチーフか?

 

ボディサイズは軽自動車の掟通り、全長3395mm、全幅1475mm。ホイールベースはNシリーズ共通で、軽(FF車)では最長の2520mm。最小回転半径(FFで4.5メートル、4WDで4.7メートル)も他のNシリーズと共通。

 

一方で、全高は1655mmで、N-ONE(1610mm)より少し(45mm)高く、N-BOX(1770~1790mm)よりずいぶん(120mmくらい)低い。つまり、パッケージング的にはN-ONEに近く、N-BOXとは全く異なる。ライバル車との比較では、ワゴンRより15mmほど高く、ムーヴやデイズ/eKワゴンより35mm高いといった程度で、大差はない。

 

インテリア&ラゲッジスペース

Nシリーズの質感と広さに、独自の工夫をプラス


N-WGN(標準車)の内装色はブラック&ベージュの2トーン

今や軽の質感や広さは一部のリッターカーを超えるレベルで、中でもNシリーズはレベルアップの牽引者と言える存在。ドアの閉まり音も、軽とは思えないくらいしっとりしている。

スイッチ類などN-BOXやN-ONEとの共用パーツもチラホラ目に入るが、ダッシュボードはN-WGN専用。センターの引き出し式トレーなど、新しい工夫も盛り込まれている。

 

センターの引き出し式トレーは、車内ランチに便利

中でもN-WGN独自の部分は、Nシリーズで初めて採用されたリアシートスライド機能(前後200mm)と後席下に靴や傘を置けるリアシートアンダートレイ。同じセンタータンクレイアウトのフィット、N-BOX、N-ONEの場合は、後席の座面を跳ね上げるチップアップ機能などを売りとしているが、N-WGNではあえてそれを封印。特に後席下のアンダートレイは、今までありそうで無かったものだ。

 

背もたれはダイブダウンで格納できる。フィットのようなチップアップ機能はない

後席はリクライニング&前後200mmスライドが可能(写真は後端)。座面下には傘や靴を置ける

シートはクッションが分厚い。運転席ハイトアジャスター(ラチェット式)は上位グレードのみ
 

写真は後席を後端にした状態。この場合でもA型ベビーカーが収納できる

後席を畳んだ状態。絶対的な容量より、日常での使いやすさを重視した印象

センタータンクレイアウトとスペアタイヤレスにより、深さ290mmの床下収納スペースを確保
 

基本性能&ドライブフィール

ツインインジェクターとナトリウム封入排気バルブを採用

試乗したのはN-WGN(標準モデル)のエントリーグレード「G」(自然吸気エンジン車、車両本体価格116万3314円)。

前述の通りエンジンは従来のS07A型をベースに、ポート噴射ながらツインインジェクションシステムを採用し(3気筒なのでインジェクターは計6本)、合わせてナトリウム封入排気バルブも採用したもの。軽にあるまじき贅沢な技術が奢られている。

 

ツインインジェクションシステムのイメージ
(photo:Honda)

ツインインジェクターはトヨタのD-4Sのように、ポート噴射と直噴の併用で使われる場合もあるが、これはポート噴射のまま、インジェクターを各気筒に2本配置することで、直噴並みの燃焼効率を得ようというもの。同様のものは、現行スイフトの1.2リッター「デュアルジェットエンジン」等にも見られるが、軽では初だ。

 

ナトリウム封入バルブ説明図。異常燃焼の原因となる熱は、バルブステム内のナトリウムを通じて冷却される
(photo:Honda)

ナトリウム封入排気バルブは、技術的には大昔からあるものだが(大戦中の零戦でも採用)、市販車では一部の高性能車(古くはアルファロメオのジュリア、日本車ではR32 スカイラインGT-Rなど)でしか見られないもの。軽での採用はもちろん今回が初。金属ナトリウムは約98度Cで液体化して熱流動性が高まることから、結果として排気バルブ近辺の温度を下げ、ノッキングの発生を抑制する。これによりN-WGNの自然吸気エンジンは、圧縮比を従来の11.2から11.8にアップ(ターボエンジンは従来と同じ9.2)。クラス最高レベルの58ps、6.6kgmのパワーを確保している。

トルクアップを実感。ただし回すとノイジー

こうしたエンジンの改良により、以前より力強く走るようになったのは確か。特にアクセルをベタ踏みせず、低回転のトルクで走らせると、エンジンの進化が実感できる。ちなみに、試乗した自然吸気エンジン車(FF)の車重は820kgで、N-ONE比だと20~30kg軽いだけだが、N-BOX比だと130~140kgも軽い。

一方、出足や全開加速に限って言えば、印象は従来N-ONEの自然吸気モデルと大差ない感じ。変速機はCVT(無段変速機)なので、せっかちにアクセルを踏み込めば回転数を即座に高めてノイジーに加速する。このあたりはN-BOXやN-ONEの自然吸気モデルの延長線上にある。

なお、今回からCVTの最終減速比はハイレシオ化され(巡航時のエンジン回転を下げるため)、その分、発進時のギア比も高くなった。それによる発進時のトルクダウンは、トルコンのトルク増大効果でカバーしているとのこと。

アイドリングストップは全車標準。改良前のN BOXやN-ONEのターボには無かったが、N-WGNからはターボ車にも装備されている。また、減速時に車速が10km/h以下になるとエンジンを止める機能も新採用。作動はスムーズで、エンジン停止状態からの坂道発進もVSAによるヒルスタートアシスト機能で器用にこなす。

Nシリーズ共通の素性を受け継ぐ

シャシーに関しては、N-ONEと同様に重厚で、Nシリーズ共通の軽自動車離れ感、クラスレス感がある。基本的にかなり余裕のあるシャシーという印象。サスペンションは、フロントに低フリクションタイプのリバウンドスプリン付ショックユニットを採用するなど、N-WGN専用に手が入っている。

ただ、それでも徹底的にアンダーステア寄りというハンドリング特性は、N-BOXやN-ONEと同じ。試乗したのがフロントスタビライザー無しの標準モデルだったせいもあるが(ターボ車やN-WGN カスタム全車にはスタビが標準装備になる)、コーナーではやはり曲がらない印象が強い。ハンドリングにこだわるなら、スタビ装着車が気になるところ。なお、VSA(車両挙動安定化制御システム)は全車標準だが、負荷をかけても介入はほとんどない。

 

乗り心地は、重厚感のあるシャシー、2520mmのロングホイールベース、分厚いシートなどのおかげで特に不満はないが、大きな段差では鋭い突き上げと上下動が生じる。また、高速巡航ではもう少し滑らかさが欲しいと思った。

静粛性は、従来NシリーズのNAモデル同様、高回転時の金属音(おそらくCVTのノイズ)が、相変わらず気になった。完成度の高いNシリーズにあって、最も気になるのがこの点だと思う。また、大人しく低回転で巡航する時は、若干ロードノイズが目立つ。なお、遮音・吸音材は標準車とカスタムで仕様が異なり、後者にはルーフや前後ドア内にインシュレーターが追加されている。つまり同じ自然吸気エンジン車でも、カスタムの方が静かな可能性が高い。

試乗燃費は15.6~22.3km/L。JC08モード燃費は29.2km/L

今回はトータルで約200kmを試乗。試乗燃費(車載燃費計)は、いつもの一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約90km)が15.6km/L。また、一般道を無駄な加速を控えて走った区間(約30km)が20.6km/L。さらに一般道と高速道路(いずれもほぼ直線路)を走った区間(約25km)が22.3km/Lだった。いずれもECONはほぼオン、エアコンはオンで走った。

総じて、特にエコ運転しなくても17km/L前後で走るなど実用燃費は優秀で、それでいてトルクフルなのがN-WGNのいいところ。エンジンの改良は、走りと燃費の両方で実感できると思う。

JC08モード燃費は、試乗した自然吸気モデルのFF車が29.2km/Lで、ターボのFF車が26.0km/L。タンク容量は全車30リッター。

 

ここがイイ

スペック主義ではないところ。傘置き場の採用

低速トルクがあるので、アクセルを軽く踏む程度でちゃんと走ってくれるし、燃費も十分にいいこと。つまりそんなに「我慢」しなくても好燃費で走ってくれる。また、JC08モード燃費は29.2km/Lと優秀だが、クラストップを目指したものではなく、おかげでクルマ作りに「無理」が感じられない。エンジン屋ホンダの意地と見識が感じられる。

後席スペースを最大にした状態でも、荷室にベビーカーを積めるスペースを残すなど、ユーザー目線のパッケージング。燃費にしろ広さにしろ、数値競争になりがちな軽だが、このあたりは軽というジャンルが新たなフェイズに入ることを期待させる。

後述するが、標準車でもターボが選べること。ターボ=スポーティな外観(スティングレーとかハイウェイスターとか)じゃなくて、普通の外観デザインでターボであることは、今後の軽のあり方として当たり前であるべき。

また、JNCAPで5つ星という評価も軽の衝突安全性に対するネガティブなイメージを消す。さらにVSAは全車標準で、6エアバッグなどのあんしんパッケージも全グレードで装着できる(エントリーグレードにもオプション設定し、それ以外で標準装備)。つまり安全装備に関しては、普通車に遜色ない。

 

(photo:Honda)

ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを活かしつつ、チップアップの代わりに傘や靴を置けるリアシートアンダートレイを採用したこと。どうってことないアイディアに見えるが、実はセンタータンクレイアウトじゃないとスペース的に採用が難しいもの。傘置き場、どのクルマにももっと積極的に工夫してつけるべきだ。

あくまでカタログで確認しただけで実際に試していないが、iPhoneと組み合わせるディスプレイオーディオ(6万円ほどと低価格)はかなりよさげ。車載ディスプレイはiPhoneのインターナビポケットというアプリを表示するだけで、余計なことはしない。アプリは3年間は無料で使える。SiriやオーディオもiPhone側が受け持つ。やっとここまで来たかという感慨がある。アンドロイド版も欲しいところだが…。

ここがダメ

高回転時のノイズ。標準車Gの乗り心地、人によってはドラポジ

本文でも触れたように、アクセルを踏み込んで全開加速を試みると、とたんに喧しくなること。ノイズの発生源はおそらくCVTから。まぁ、アクセルを踏み込まなければ(飛ばさなければ)気にならないのだが。

乗り心地は街乗りレベルでは問題ないが、試乗車(非カスタムの自然吸気モデル)の場合、大きめの段差やうねりを乗り越える時に大きめのバウンドや突き上げが生じる。また、高速道路で80~100km/hで巡航する際、平滑な路面でも小刻みな上下動が絶えないのもちょっと気になった。フロントにスタビが付くターボ車やN-WGN カスタムなら、もう少し落ち着きが増すかも。

シート自体は立派で、シートリフター非装着のベースグレードでも、小柄な人なら違和感ないポジションがとれるが、体格や好みによってはちょっと収まりがよくない。ステアリングが遠めで、それを嫌ってシートを前にすると足元が狭くなるし、座面の角度も調整したくなった。なお、上級グレード(G・Aパッケージ以上)には運転席ハイトアジャスターが備わるが、もともと座面はかなり高めなので、あまり必要ないかも。

総合評価

エンジンで追いついた

売れまくっているN-BOXの場合、デビュー当時の試乗ではデザインやパッケージングは評価できたが、やはり走り、特にNAの走りに関しては今ひとつ感が拭えなかった。例えば先行するライバル車が、当時もうNAで問題ないんじゃないの、というくらい力強かったのに対して、ホンダはまだその点では追い付いていないかなと思ったものだ。

しかし今回、N-WGNのNAモデルに乗って、その印象はかなり変わった。本文にあるようにエンジンは大きく改良され、自然吸気でクラス最高レベルの58ps、6.6kgmのパワーを確保。これならホンダもNAで十分だなあ、と思うまでになっていた。さすがホンダ、進化が速い。N-BOXもN-ONEも、エンジンが改良された現行モデルに乗ると、かなり印象が異なるだろう。過去の試乗記は、その部分を考慮して読んでもらいたいものだ。

 

ということで、これまでモーターデイズで高く評価してきたスズキの軽自動車に、いよいよホンダも追いついてきたな、というところ。いや、すでに追い抜いているところもある。言うまでもないが、軽は確かに2強時代から3強時代に入っているわけだ。

また、絶対的な販売台数から言えば、軽こそが日本のクルマ、になりつつある。そしてまもなくダイハツから新型コペンが出て、ホンダからS660が出るとなると、スズキからもカプチーノ後継が出るかも。そういう点でも軽が楽しみなことになってきた。スズキの軽エンジンを載せたケータハムも早く試乗しないとね。

軽から税金を巻き上げるな

そんなふうに再び黄金時代を迎えつつある軽だが、ここまで良くなると、またぞろ、税制問題がゴチャゴチャとしてきている。スズキの修会長じゃないが、東京23区や名古屋、大阪の一部以外に住んでる人にとって、クルマは、そして軽は、まさに生活必需品だ。それにまた重税をかけるというのは、取りやすいところから取るという都会の役人(や運転手付き政治家)の発想そのもの。クルマ産業に食わせてもらっている日本社会なのに、ますますクルマ離れさせる施策なんて、「貴様らはわが日本国のことを真剣に考えているのか」と怒鳴りたくもなる。高額になってきたガソリンの二重課税、車歴13年超えの旧車への重課税など、私的にもすでに色々と増税がボディブローとなってきている。クルマ関連の税制は本当にもう一度全て見なおして、スッキリ、あくまで「ユーザー寄り」のものにしてもらいたいものだ。それが日本国のためだと思う。

 

話をN-WGNに戻そう。N-WGNの場合、一番難しいのは出来の問題より、その立ち位置だろう。軽を買う場合は、生活の必需品とはいうものの、それなりにそのモデルを選ぶ理由付けが欲しい。たとえばスズキ ハスラー。試乗記でも書いたが、これ、いいオッサンが「まあこいつならいいか」と普通車からダウンサイジングできるクルマだ。ホンダだったら、それは今ならN-BOXあたりだろうし、N-ONEのような「プレミアムな軽」もある(余談だが、噂の絶えないチョップトップバージョンは本当に出るのだろうか。出たらかなり売れるのでは)。一方でN-WGNは、真面目に作られているのはよく分かるが、そういう華というか、お目立ち度というか、理由付けの部分がちょっとばかり不足気味かと思う。そしてN-WGNをホンダのベーシックな軽と位置づけるなら、現状の価格設定(生産コスト)はけっこう高めであり、頑張っても100万円を切って売るようなことは難しいだろう。よく出来ているクルマだけに、そのあたりが販売的に難しいと思うところだ。

 

ターボによるエンジンのダウンサイジングという欧州車のやり方が、日本車で最もうまくいってるのが皮肉にも「ガラ軽」だ。今回はターボに試乗していないが、おそらくリッターカーを超える性能や相応の燃費をたたき出すはず。特にN-WGNの場合は、外観は標準車でも、中身はターボにすることが可能であり、それは他のメーカーにも波及して欲しい部分だ。

いずれにしても、フォルクスワーゲンが世界の国民車として完璧とも思えるゴルフ7を作ったように、3強(むろんそれ以外のメーカーでもいいい)が、360時代から脈々と続いてきた軽規格の完成形として、完璧な日本の国民車(ドイツ語でフォルクスワーゲン)を作ってくれることを大いに期待したい。そして日本国はそんな国民車から、さらに税金を巻き上げようなどとしないでほしいものだ。

 

試乗車スペック
ホンダ N-WGN G
(0.66L 直3・CVT・116万3314円)

●初年度登録:2014年2月 ●形式:DBA-JH1 ●全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm ●ホイールベース:2520mm ●最小回転半径:4.5m ●車重(車検証記載値):820kg(520+300) ●乗車定員:4名

●エンジン型式:S07A ●排気量・エンジン種類:658cc・直列3気筒DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:64.0×68.2mm ●圧縮比:11.8 ●最高出力:43kW(58ps)/7300rpm ●最大トルク:65Nm (6.6kgm)/4700rpm ●カムシャフト駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/30L ●JC08モード燃費:29.2km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動) ●サスペンション形式:前 マクファーソン ストラット+コイルスプリング/後 車軸式+コイルスプリング ●タイヤ:155/65R14(Dunlop Enasave EC300)

●試乗車価格(概算):-円 ※オプション:Gathers Honda 純正ナビ -円、ナビ装着用スペシャルパッケージ -円、オプションペイント 3万2400円 ●ボディカラー:プレミアムホワイト・パール ●試乗距離:約200km

●試乗日:2014年5月 ●車両協力:株式会社ホンダカーズ東海

 
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