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ホンダ エアウェイブ スカイルーフ新車試乗記(第362回)

Honda Airwave L Skyroof

(1.5リッター・CVT・184万4850円)

2005年04月16日

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キャラクター&開発コンセプト

簡単に言ってフィットのワゴン

2005年4月に発売されたエアウェイブは、フィットと同じ「グローバル・スモールプラットフォーム」ベースの小型ステーションワゴン。燃料タンクを前席下に置く「センタータンクレイアウト」やフィットより100mm長いホイールベースで、広いリアシートを確保。全長も伸びて、荷室容量も大幅に増した。独立した車名が与えられ、イメージもフィットとかなり違うエアウェイブだが、メカニズム的には「フィットのワゴン」と言えるクルマだ。

さらに商品力を強化するため、ルーフ一面を覆う大型ガラスサンルーフ「スカイルーフ」も採用。低くて伸びやかなスタイリングも新鮮だ。目標は月間4000台。発売から4年が経ち、さすがに人気が一段落したフィットを側面から援護する。

価格帯&グレード展開

スカイルーフはプラス10万5000円

価格は149万9400円~195万3000円(4WD含む)。スカイルーフ付きはプラス10万5000円相当で、オーディオは全車オプションとなる。価格帯が現行シビック5ドアと重なるが、シビックが欧州指向(走行性能重視の)なのに対して、エアウェイブはスカイルーフや室内の広さといった、走りに関係ない部分を売りとするのが今風だ。

パッケージング&スタイル

フィットより50センチ長い

撮影車両は「Lスカイルーフ」のアクティブパッケージ仕様。ボディサイズ(Lスカイルーフ・FF車)は全長4350mm×全幅1695mm×全高1505mm。フィットに比べて全高と全幅は大差なく、ホイールベースが10センチ、全長が50センチほど長い。5ナンバー幅と立体駐車場をクリアして、都市部でも使いやすくなっている。

外観デザインはスイムスーツ姿の水泳選手をイメージした、名付けて「水中動態形フォルム」。フィットの優れたパッケージングを維持しつつ、低くスポーティに見せようとしている。A、Bピラーをブラックアウトしつつ、Cピラーの付け根だけウェーブ状に盛り上げたのが面白い。内側はシートベルトの収納部で、ついでにデザインで遊んでみた、というところか。

フィットベースで質感をアップ

フィットの名残りやパーツがそこかしこにあるが、全体の質感は少し上級のインパネ。オーソドクスな雰囲気は、見慣れたホンダ車のものだ。背もたれを倒すと、サンバイザーの直後から始まるスカイルーフから空が見える。

絶景の「スカイルーフ」

エアウェーブは後席のためのクルマと言ってもいい。頭の上から前に向かって、長さ1110mm、幅770mm(約0.85平方m)の空がいっぱいに広がるのは、なかなか気持ちいい。ラフェスタのサンルーフ(カタログ値で1.2平方m)はこれより大きく、307SW(同1.33平方m)はさらに大きいはずだが、エアウェイブの開放感はそれらに負けないもの。空がフロントガラスやサイドウインドウの景色と一体になり、絶景が楽しめる。

ガラスは固定で開かないが、3分割の電動シェードで、光の量を調節できる。着色ガラスと高熱線吸収UVカットガラスの合わせガラスで、日差しにも配慮。試乗日は快晴に恵まれたが、思ったほど暑くはなかった。しかし、真夏の日中はシェードのお世話になることが多いだろう。

大型ワゴンに迫る荷室

荷室も使いやすい。床の高さはスペアタイヤレスかと思うほど低く、縁側のように腰掛けたくなる。実際に座るとちゃんと頭が天井に当たらないようになっている。5名乗車時でも473Lの大容量だが、後席を倒せば奥行き1810mm、荷室高900mmのフラットなスペースになる。大型ステーションワゴンに迫る大容量だ。また、フィットのように後席クッションを跳ね上げたトールモードなら、室内高1230mm(スカイルーフ車)のスペースが現れ、靴を履き替えたり、着替えたりできる。

基本性能&ドライブフィール

フィットというよりは

試乗したのは「Gスカイルーフ」と上級の「Lスカイルーフ」。「G」のホイールは14インチスチールだが、「L」は15インチアルミ。また「L」のCVTには7速マニュアルモード&パドルシフトが付く。それらを除けば両グレードにスペック上の大きな差はない。走り始めは軽い電動パワステとやや過敏なスロットルレスポンスが気になったが、それは慣れる。第一印象はフィット、と言うよりはシビックっぽい。サスペンション形式はフロント:ストラット、リア:H型トーションビームでフィットと同じだが、設計変更やロングホイールベース、重量増といった要素が加わって、全体に落ち着きが増している。普通に走るならエンジンも低回転で足りるし、燃費も良さそうだ。

けっこう静か

アクセルを踏み込むと一気に回転数を増すところはホンダらしいが、3人乗車時はもう少し低速トルクが欲しいと感じた。それでも、遮音・吸音材をおごってNV(ノイズ・バイブレーション)を低く抑えたせいか、加速時でもそんなにうるさくはない。特に後席ではロードノイズも低く、意外に静か。スカイルーフのパノラマが楽しめることもあって、多少乗り心地は固いものの、後席に陣取りたくなる。試乗した日はちょうど散り際の桜がきれいだった。

先輩オルティアよりいい

高速巡航はCVTらしくエンジン回転を抑えて快適だ。Sモードにすると回転が上乗せされるが、アクセルを踏み込んでキックダウンさせる方がスムーズ。「L」の7速マニュアルモードは、オート/マニュアルの切り替えをステアリング上のボタンで行ない、右がアップ、左がダウンのパドルシフトで変速する。操作はしやすくが、高回転キープではそれなりにノイズが高まる。

高速走行でも直進安定性はしっかりしていて、参考までに書くと普段デイズが営業車として使っているホンダ・オルティア(96年式。2リッター・4WD)よりはるかに安心感は高い。設計年次は古いし、相応のヤレはあるとしても、オルティアは1クラス上のシビック(EK型)ベースだ。トルクや最高速はさすがに2リッターのオルティアに分があるが、シートの出来、操縦性、燃費といった項目ではエアウェイブの圧勝だ。

ここがイイ

フィットから始まった前席シート下にガソリンタンクを置くグローバルプラットフォームは、ワゴンでさらに活かすことができた。床面地上高520mmという恐るべき低床の荷室、ダイブダウンと呼ぶワンタッチ沈み込みリアシートで出来る、奥行き最大1810mm、高さ900mm、最大幅1305mmの荷室(さらに床下にスペアタイヤとアンダートレイが収まる)はまるで商用車のようで、このクラスでは異例に巨大。着替えが出来るというリアシート座面チップアップ後のスペースはフィットより長く、高さが1250mmもあるからこれまた確かに使いやすい。

スカイルーフも頭上空間がラフェスタなどより少ないことが幸いして、空が目前に広がる分、より開放的かつ広く感じられる。後席から前を見ると、サンバイザーの部分と左右のAピラー(とそこから伸びる屋根)が若干じゃまする以外、パノラミックな視界が開け、開放的で素晴らしい。後席から見ると前方から頭上までがブワッと広がるこの視界は感動的だ。

後席はゆったりした掛け心地で、ホイールハウスの張り出しはなく、横に広い。立派なアームレストもうれしいところ。全体に室内はそつなく上質に仕上げられている。乗り心地も堅すぎず、ライバルとなるフィールダーより「乗用車感」が高い。

ここがダメ

エクステリアデザインはどうなのだろう。オデッセイぽくてホンダらしく若々しくていいと言う声、フィットをベースでよくぞここまでまとめたと言う声もある反面、パッケージ優先の背の高さと幅のバランスがよくない、とか、いかにも強そうなグリルがエグすぎとかいった声も。特にCピラー根本後部の盛り上がりは、後席シートベルトのためガラスエリアに出来なかったとはいえ、ブラックアウトした方が見栄え的に無難だったと思う。

快適シートの後席だが、前席より細かい振動をお尻によく伝える。前席同様の乗り心地の良さがあるともっといい。

総合評価

ライバルはカローラフィールダーやウィングロードだという。ウィングロードと比べると設計が新しい分、全ての部分でエアウェーブの勝ち、フィールダーに比べてもより楽しみが多いという点では、やはり勝ち。これはやはりスカイルーフの恩恵だろう。これがあるとないとで、このクルマの評価は180度異なると思う。このルーフのおかげでリアシートが最良の席。前席でも通常のサンルーフくらいの恩恵があるのはラフェスタのそれよりいいが、後席の快適さ、開放感は本当に素晴らしい。特に花粉症の人でもオープンエア感覚が楽しめる点は未来的。昔のSFに出てくるクルマは屋根などなく、シートはガラスのドームの下。それに近い。今後もこの手の屋根は増えると思う。エアコン(と花粉フィルター)の効いたオープンエア走行を手軽に味わうにはこのクルマがベストだ。

ライバルがウィングロードだとすると、当然やがて商用車もでてくるように思われる。かつてのオルティアとパートナーの関係のように。ライバルの一台と言ってもいいサクシードは商用車をワゴンにしたが、ホンダはその逆。となるとエアウェイブの上質感やリアシートの快適性、スカイルーフ等がものを言う。明確な差別化という目的がそこにはある。まあ、商用にも使えるほどのワゴンであれば、その機能性は文句ない。広い荷室のサクシードも高評価したが、同様にエアウェイブも高評価せねばならない。パッケージング、機能性、走り、環境性能、経済性などクルマはこれで十分。道具としてのクルマ+遊び心+ほどほどの上質感=エアウェーブだ。

他にもう一つ画期的なことが。それはカタログの最終ページに8つ折りで広げると新聞見開きくらいになるポスターがついていること。これとてもいいです。今後全カタログでやって欲しい取り組みだ。

試乗車スペック
ホンダ エアウェイブ L スカイルーフ(アクティブパッケージ付き)
(1.5リッター・CVT・184万4850円)

●形式:DBA-GJ1●全長4350mm×全幅1695mm×全高1505mm●ホイールベース:2550mm●車重(車検証記載値):1200kg (F:720+R:480)●乗車定員:5名 ●エンジン型式:L15A●1496cc・直列4気筒SOHC・横置●110ps(81kW)/5800rpm、14.6kg-m (143Nm)/4800rpm●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/42L●10・15モード燃費:18.0km/L●駆動方式:前輪駆動(FF)●タイヤ:195/55R15(YOKOHAMA dB E72A)●価格:184万4850円(試乗車:-万円 ※オプション:-)●試乗距離:約100km

 
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