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レクサス HS250h “バージョン L”新車試乗記(第568回)

Lexus HS250h “version L”

(2.4リッター直4+モーター・535万円)

レクサス初のFFハイブリッドセダンは、
「未来のクルマ」の夢を見るか?

2009年08月22日

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キャラクター&開発コンセプト

10・15モード燃費23.0km/Lの高級FFハイブリッドセダン

2009年7月14日に発売された「HS250h」は、レクサス初のハイブリッド専用モデル。レクサスES(旧モデルはトヨタ・ウィンダムとして国内で販売)のない日本では、レクサス初のFFセダンになる。

「ハーモニアス セダン(Harmonious Sedan)」なる車名の通り、HS250hは地球環境や社会との「調和」を目指した高級車。10・15モード燃費はヴィッツの1リッター車に匹敵する23.0km/Lを達成している。パワートレインは北米向けのカムリ・ハイブリッド譲りだが、新型プリウスより600cc大きい2.4リッター直4エンジンと強力なモーターによって、2.5リッター車並みの動力性能となっている。

またRXシリーズに続いてナビゲーションなどを手元でコントロールできる「リモートタッチ」を採用するなど、最新世代の操作系も見どころ。トヨタ言うところの「他とは一線を画す“プレミアムセダンの新種”」だ。

生産はレクサスRX、IS、ESの生産を行うトヨタ自動車九州(株)の宮田工場(福岡県宮若市)。国内の販売目標は新型プリウスの20分の1となる月間500台だが、発売から約1ヶ月後(8月16日)までの受注はすでに約1万台と目標の20倍。8月21日時点で、納車は約7ヵ月待ちと発表されている。また9月からは北米でも販売される予定。なおHS250hのトヨタブランド版とも言える新型ハイブリッド車「SAI」も国内発売が予定されている。

■参考
・トヨタ自動車>プレスリリース>HS250hを新発売 (2009年7月14日)
・トヨタ自動車>プレスリリース>HS250hの納期ご案内 (2009年8月21日)

価格帯&グレード展開

新型プリウスより200万円ほど高い395万~535万円


ボディカラーは試乗車の「ムーンライトオパールクリスタルシャイン」など全10色

パワートレインは1種類だが、装備や仕様によって4グレードを用意。ベースグレード(395万円)、スポーティな外装、専用スポーツサスペンション、18インチタイヤを与えた“バージョンS”(415万円)、ウッドパネルや本革シートを備えた“バージョン I”(453万円)、そのバージョンIにレーダークルーズコントロールや前方・後方プリクラッシュなどの安全装備を与えた“バージョン L”(535万円)となる。

単純に言って新型プリウス(205万~327万円)より190万~200万円ほど高いが、プリウスではオプションとなるレーダークルーズ&プリクラッシュなどがHS250では一部標準になるし、AFS機能付のLEDヘッドライト、電動フロントシート、8インチポップアップ式モニター付きのHDDナビゲーション、地デジチューナー、通信系サービスの「G-Link」(3年間無料)などは全車標準なので、実質的な価格差はその半分程度と考えていいだろう。

【 HS250h 】
■ (標準車)        395万円
■“バージョン S”      415万円
■“バージョン I”      453万円
“バージョン L”      535万円 ★今週の試乗車

パッケージング&スタイル

レクサスの新境地となる独特のパッケージング


Cd値はプリウス(0.25)ほどではないが、十分に優秀な0.27

ボディサイズ(レクサスIS比)は、全長4700mm(+115)×全幅1785mm(+10)×全高1505mm(+75)。ホイールベース は2700mm(+30)で、新型プリウスと同じ。ISに比べて背が高く、オーバーハングの長い典型的なFFセダン風のスタイリングはいわゆるカッコいいものではないが、Aピラーを思い切り前進させたロングキャビンのパッケージングは理想主義的。設計思想的には初代プリウスやかつての5代目ビスタ(1998年)のDNAを感じさせる。

一方でレクサスを名乗る以上、デザイン的にはそれらしいモチーフが随所に配される。アローヘッドと呼ばれる質感の高いサイドウインドウのメッキモール、ロングキャビンでありながらちゃんとスリーボックス(セダン)に見えるサイドビューなどがそうだ。コンパクトに見えながら室内は広く、高級感も欲しい、という日本のユーザーには受け入れやすいデザインかも。

インテリア&ラゲッジスペース

これこそ理想の操作系

気合いの入ったインパネデザインは、HS250hの見どころの一つ。まず目を引くのが、岬のように突き出したセンターコンソールに配された「リモートタッチ」だ。新型RXシリーズ譲りのものだが、操作タッチは改良されていて、しかも左腕の肘をセンターコンソールに置いて操作すると、まことに具合がいい。

さらにセンターコンソール最上段のポップアップ式8インチワイドモニターも見やすく、この手のインターフェイスの中では理想的という感じ。またそれによって操作できるナビゲーションシステム、平均燃費やエコドライブ度などの車両情報、オーディオ、エアコン設定などが例の8インチモニターに表示されるのもいい。これに対して新型プリウスは、ナビがオプションのため、それらの操作結果はセンターメーター内の小さな画面(エアコン設定に関しては別のモノクロ液晶画面)に表示されるだけで、ナビ自体もタッチパネル式に過ぎない。

 

またHS250hにはG-Linkの通信機能を使った「ハーモニアス ドライビング ナビゲーター」機能も搭載される。オーナー同士で燃費情報やエコ運転によって獲得したポイントを比較できるほか、貯めたポイントをレクサスを通じて社会貢献活動に寄付できるというユニークなコンセプトをもったものだ。

 

そのリモートタッチの隣にある電子制御シフトレバーも手元(ステアリング側)に近く、しかもパーキングボタンが押しやすい位置にあるなど、新型プリウスより明らかに理想的なレイアウト。またモーターだけで走る「EVモード」のボタンがインパネに独立して配置される点では、RX450hより優れている。

さらに、どのステアリングスイッチに指が触れているかを表示する「タッチトレーサーディスプレイ」機能も、プリウスのようなセンターメーター内表示ではなく、フロントウインドウのヘッドアップディスプレイに映し出すタイプ。プリウスの場合、少しスイッチを押してやらないと反応しなかったが、HS250hではスイッチ構造が異なり、文字通りタッチするだけで反応するようになっている。

初代プリウス似の室内空間。後席の広さはGS並み

室内空間はセダンとしては高めの全高(1505mm)を活かしたルーミーなもの。着座姿勢はアップライトで、まるで初代プリウスの思想を受け継いだようなパッケージングになっている。一見、普通に見えるフロントシートも座り心地は良好。上級グレードには高級車らしくベンチレーション機能が備わる。

 

リアシートの空間構成も初代プリウスに似て、理想主義的。FF車らしくセンタートンネルのないフラットなフロア、セダン系としてはアップライトな着座姿勢などにより、後席の狭いISよりはるかに実用的であるのはもちろん、GSにも匹敵する空間となっている。

 

なお、リアウインドウの傾斜はやや強めで、後席乗員の頭には直射日光が当たりやすいが、上級グレードでは電動リアサンシェードの装備によってこれに対処している。

エアバッグは下位グレードでも8個を標準装備し、後席サイドエアバッグ装備車では計10個となる。

トランクスルーはないが、まずまず実用的な荷室

トランクは、後席とトランクの間にメインバッテリーがあるためトランクスルー機能がなく、奥行きもあまりないが、容量は415リッターを確保。FR車ベースのLSハイブリッド(330リッター)やGSハイブリッドより大容量で、ゴルフバッグは最大で4個収納できるという。

 

床下には車載工具などを収めた床下収納ボードがあり、その下にはテンパースペアタイヤが搭載される。

基本性能&ドライブフィール

新型プリウス比で1.4倍のパワー

「プリウスのレクサス版」とも言われるHS250hだが、パワートレインは北米向けカムリハイブリッドをベースにブラッシュアップしたもの。2.4リッター直4エンジン(150ps、19.1kgm)もモーター(143ps、27.5kgm)も、スペック上ではカムリハイブリッドとほとんど同じだが、静粛性については入念に高められたようだ。

新型プリウスと比較すると、エンジン出力は約1.5倍、モーター出力は1.75倍で、トータルで発揮されるシステム出力も1.4倍になっている。同時に車重も250kgほど増えて約1.2倍になったが、過渡的な領域での力強さは数値以上に大きい。

実際、パワーは全域で明らかに新型プリウスより余裕がある。またこれはプリウスでも言えることだが、HS250hではそれ以上にエンジン音の高まりや侵入が少ないため、モーター主体で走る「ハイブリッド感」も強い。

 
    エンジン
最大出力
エンジン
最大トルク
モーター
最大出力
モーター
最大トルク
システム出力 車重 10・15モード燃費
レクサス HS250h 150ps 19.1kgm 143ps 27.5kgm 190ps 1640kg 23.0km/L
トヨタ プリウス G 99ps 14.5kgm 82ps 21.1kgm 136ps 1350kg 35.5km/L
 

当たりの柔らかい乗り心地

ホイールベースは新型プリウスと同じ2700mmだが、リアサスはプリウスがトーションビーム、HS250hは格上げされてダブルウイッシュボーンとなる。基本的なプラットフォームはトヨタの上級FF車をベースとしたもの。

その走行感覚は静粛性が高く、重厚感があるもので、いかにも「小さな高級セダン」という感じ。路面によっては若干ヒョコヒョコすることもあるが、このクラスの主流であるFR「スポーツセダン」のようにスポーティな走りを追っていない分、快適なのはHS250hの方。特に路面への当たりの柔らかさはトヨタらしく、この手のセダンとしては説得力がある。リアのダブルウイッシュボーンサスも、乗り心地にかなり効いているはずだ。タイヤは試乗した“バージョン L”ではオプション、“バージョン S”では標準装備の225/45R18タイヤ(ダンロップのSPスポーツ 01)だったが、空気圧が低いのでは?と思えるほどしなやかだった(もちろん指定圧であることを確認)。

ワインディングロードでは、「パワーモード」を選び、S-VSCなどの制御も多少アテにすることで、そこそこ速いペースをキープできる。とはいえハンドリング自体はマイルドで、ロールも大きく、ステアリング操作に対する動きも緩慢。スポーティなハンドリングに未練がある人には専用サスペンション付の“バージョン S”がいいかもしれない。

試乗燃費は10.8~18.0km/L。10・15モードは23.0km/L。しかもレギュラー仕様

今回もおおむねいつものコースを約200km試乗。試乗燃費は一般道と高速の混じった区間(約110km)で10.8km/L、一般道を流した区間で12.5~15.3km/L(約30km)、さらに名古屋中心部のトヨタ本社まで返却に向かった区間(約30km)で18.0km/Lだった(この時はエコモニターで「エクセレント」と誉められた)。

なお、走行状況が違うのであくまで参考だが、新型プリウスに試乗した時は、高速主体のハイペース区間で約17.5km/L、一般道では21~25km/Lで、これに比べるとHS250hはちょうど6割ほどとなる。また10・15モード燃費でも新型プリウスの35.5~38.0km/Lに対して23.0km/Lとやはり60~65%程度なので、総じてHS250hの燃費は「新型プリウスの6割くらい」か。飛び抜けて燃費のいいプリウスと比べると見劣りするが、動力性能や快適性の高さを考えれば十分納得できるのでは。しかもHS250hはレクサス初のレギュラー仕様車になる。

ここがイイ

リモートタッチなどのインパネまわり。ハイブリッドシステム

センターコンソールに配されたリモートタッチと最上段に位置するディスプレイの関係は、長年ナビについて注文をつけ続けてきたモーターデイズとしては絶賛できるもの。画面にタッチする操作がいまだ主流のナビ業界だが、画面を凝視しながら押すしかないそのやり方は、まったく非合理的と言うしかない。画面も汚れるし、手が届くようにするには場所も限られる。今回、目のピントを合わせやすい位置にディスプレイを置けたのは、リモートタッチが開発されたゆえ。前後調整可能なアームレストに肘をおき、指先でマウスを操って操作するという作業は、パソコンを使っている人にとっては日常的な動作であり、違和感はないだろう。これを長年待ち続けていたのだ。

リモートタッチの操作性の良さはRXの記事をお読みいただくとして、HSではコントローラーの幅が少し大きめになって、より握りやすくなった。ただ一つだけ残念なのは、日本では右ハンドルゆえ左手で操作しなくてはならないこと。マウスは右手で使うのが普通なだけに、人によってはやや違和感があるだろう。左ハンドル圏および左利きの人たちには、さらに快適なはずだ。いずれにせよPNDではない車載ナビは、ここまでやってこそ存在意義がある。

またトヨタ車の場合、10年ほど前にはディスプレイを最上段に設置することが当たり前だったのだが、その後、お役所(国土交通省? 警察?)から指導されたことで、見づらく危険ですらあるコンソールの中段あたりへ位置が下げられてしまった。今回どういう経緯で、また最上段になったのかは分からないが、そうした指導がなければ本来はもっと早くこうしたインパネや操作系が登場したと思われる。モーターデイズとしては10年越しの勝利感だ。

またステアリングボタンへの操作が表示されるタッチトレーサーが、フロントウインドウのヘッドアップディスプレイに表示されるのも実に便利。これでメインとサブのツインディスプレイがほぼ同じ高さに並んだことになる。PCでもそうだが、ツインディスプレイは便利なものだ。さらに小さなスイッチに過ぎないインパネシフト風の「レバー」も素晴らしい。シフト操作など、もはやこれで十分なのだから、センターコンソールへの配置にこだわった新型プリウスが少々時代遅れに見える。とにかくインパネまわりは文句なし。この方向で今後もさらに進化・改良していってもらいたい。

高級車であるだけに各種装備品もまったく不満なく、試乗した最上級グレードでは様々なハイテクも満載されている。もちろんハイブリッドシステムはいうまでもなく素晴らしく、おかげで 「走りはそこそこでも、燃費は十分にいい高級セダン」になっている。しかもレギュラーガソリン仕様。とにかく現在、世界中に存在しているクルマの中で、名実共にまさに最先端のクルマといっていいだろう。

ここがダメ

インパネに比して未来感のない外観デザイン、使い手を選ぶハイテク装備

前に伸びたAピラーは、やや死角を作る。またインパネの斬新さに比して、あまり未来感のないエクステリアデザインは残念。オーディオにはUSB端子があったが、mp3データの曲名が表示されなかった(設定の問題かもしれないが)。走行停止してもパーキングブレーキ(これが足踏み式なのもダメ)をかけないと映らない地デジTV、115km/h以上は設定できないレーダークルーズなど、輸入車では許されている便利さが実現していないのは、やはりお役所のせい?

このクルマの新しさに、人間の方がついていけないように思われること。あまりに豊富な装備は相当理解しないと使いこなせない気がする。リモートタッチもしばらくは学習を要するだろう。デジタル系ガジェットの好きな人には、楽しくて仕方ないクルマだと思うが、そうでない人にはなんだかゴチャゴチャしたように見え、多くの機能が使いこなせないままになってしまう気もする。その意味では最近の家電やケータイのようなデジタルデバイドを生じさせるクルマだと思われる。

総合評価

サイズ的にも性能的にも「ちょうどいい」セダン

発売1ヶ月で受注1万台。予想通り爆発的にヒットしているHS250hだが、確かにこのクルマには売れる要素が揃っている。

まず第一に、まあまあコンパクトで扱いやすいサイズのセダンであることだ。「RVからそろそろ手頃なセダンに回帰したい」という需要は確かに存在しているが、ごく普通のセダンでは当たり前すぎて買う気になれない人が多かったのも事実。「しかしハイブリッドなら」となったのは明らかだ。しかも価格が395万円からというのであれば、いわゆる富裕層でなくても買ってみたい気分になる。

もちろん、大きくなりすぎた高級セダンからエコダウンサイジングしたいという需要も高いだろう。その場合、プリウスでは高級感の面で不足があったが(所詮ハッチバックだし)、HSなら不足はない。考えてみると手頃なサイズの高級セダンって、日本車にはまったくといっていいほどなかった。ISは後席が狭くてスポーティすぎるし。ハイブリッドでなくても、手頃なサイズの高級セダンが欲しいという需要はかなり大きかったと思う(それが輸入車へ流れていたのだが)。そんな需要にマッチするセダンであることに加えてハイブリッドなのだから、売れないわけがない。プログレ、ブレビス、ヴェロッサ(ついでにビスタも)といった比較的小型でちょっとアッパーなセダンのユーザーなど、代えるクルマがなくて10年選手のクルマに乗っている人が多いが、そんな人にもHSは気になる存在だろう。

そして性能がお手頃。正直なところ、走りは特に素晴らしいとも思わなかったし、スポーティでもない(“バージョン S” は残念ながら乗っていないが)。しかしそれこそが多くの人の求めていた、「ちょうどいい走り」の性能なのだと思う。高級セダン系はどのクルマもちょっと走りすぎる。特に熟年層には走りの性能が過剰だ。どうせ100km/h程度しか出さないのだから、のんびり走れれば十分。そして燃費は今乗っているクルマに比べたら断然いいのだから、これはもう買い替えるしかない。しかも補助金も出るし、と。かくしてHS250hは大ヒット車となったわけだ。久々の大量来店者にレクサス店はてんやわんやとか。まずはめでたい。どんどん売れて、景気回復に一役買って欲しいと願わずにいられない。

ファン・トゥ・ドライブとスタイリングについて

実際、試乗する前は個人的にもかなり欲しくなっていた。特に「ここがイイ」で書いたハイテク満載の部分、好燃費、トヨタの品質、レクサスの高級感といったあたりは、他に類を見ない特徴なだけに、試乗後の今でもとても気に入っている。ただ、乗ってみて、欲しいという気持ちがちょっと萎えたのも事実。以下その理由を述べてみよう。

上記で誉めておいて矛盾するところもあるのだが、走りは残念ながら楽しいものではなかった。速さはまあ十分だし、どこでもそこそこ走るのだが、いわゆるファン・トゥ・ドライブではない。ご承知のように、速さと楽しさには関係がない。遅くても、クルマの出来が悪くても、乗って楽しいクルマは古今東西、数多い。しかしHSは最初からFFのハイブリッドという生い立ちゆえか、なんだかどうにも楽しくないのだ。洗練され、静かになり、余裕もある分、楽しくないが加速している。プリミティブな部分の残っているプリウスの方が、まだ乗っていて楽しい。二昔前の高級車(いわゆるハイソカーってやつ)は快適なゆえに乗っていてつまらなかったが、それに近いと言えばいいだろうか。

次にエクステリアデザイン。悪くはないのだが、このカタチ、所有してから、ながめて悦に入ることは難しそうだ。コロナみたいな無難さと言えばいいのだろうか。昔の高級車はオヤジくさくて嫌だったものだが、未来的というより、そんな時代のクルマに戻ってしまったかのようにも見える。これだけ内容のあるクルマであれば、スタイリングにも惚れ惚れしてみたいもの。まして高級車なのだから、そこは重要なのでは。逆に言えば、この無難なカタチゆえ、多くの人に受け入れられやすく現在の大ヒットにつながっていることも確かなのだろうが・・・・・・。

我々クルマ好きが求めるのは、「いいクルマ」であること

「“バージョン S”に乗ってみろ」とか、「そもそも高級セダンハイブリッド車なのだから」と言われそうだが、こうして考えてみるとハイブリッド車も様々な選択肢ができてきて、クルマ好きを自認する人にも選択の幅が広がっている。ハイブリッド車は燃費は確かにいいが、飛ばせばそれなりに落ちるし、燃費(エコ)を求めるだけなら、HSよりプリウスの方が潔い。何より我々クルマ好きが求めるのは、まず「いいクルマ」であることなのだ。クルマとして、これはいいなあ、と感じられて、さらにハイテク満載で、燃費も素晴らしい。そんなクルマが欲しいのだ。HSは自動車として確かに次の世代へと進化しているが、クルマとしてはちょっと昔に戻ってしまったような気がする。そう、かつて珍しくなかった「よく売れたが、あまりおもしろみのないトヨタ車」のように感じてしまったのは残念。まあそれだからこそ、こんなに売れるのかもしれないのだけど。

ファン・トゥ・ドライブなクルマで、ハイブリッドで、燃費が良くて、かっこよくて未来的なハイテク車。求めるものが多すぎる? でもこれからは、そんなクルマがもっともっと登場してきて欲しいもの。数年後には「魅力的なクルマが多すぎて」と言えるような状況がまたやってくることを強く願っている。その先兵たるHSには、クルマの未来への可能性がタップリ詰め込まれている。ちょっと希望が見えてきたのは確かだ。

試乗車スペック
レクサス HS250h “バージョン L”
(2.4リッター直4+モーター・535万円)

●初年度登録:2009年7月 ●形式:DAA-ANF10-AEXVB(L) ●全長4700mm×全幅1785mm×全高1505mm ●ホイールベース:2700mm ●最小回転半径:5.6m ●車重(車検証記載値):1660kg( 990+670 ) ●乗車定員:5名●エンジン型式:2AZ-FXE ● 2362cc・直列4気筒・DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:88.5×96.0mm ●圧縮比:12.5 ● 150ps(110kW)/ 6000rpm、19.1kgm (187Nm)/ 4400rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/55L ●モーター形式:2JM ● 143ps(105kW)、27.5kgm (270Nm) ●バッテリー:ニッケル水素電池 ●システム出力:190ps(140kW) ●10・15モード燃費:23.0km/L ●JC08モード燃費:19.8km/L ●駆動方式:前輪駆動(FF) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット/後 ダブルウイッシュボーン ●タイヤ:225/45R18( Dunlop SP Sport 01 ) ●試乗車価格:571万8550円( 含むオプション:225/45R18タイヤ&18×7 1/2 アルミホイール 3万7800円、ムーンルーフ 10万5000円、マークレビンソン プレミアムサラウンド サウンドシステム 22万5750円 ) ●試乗距離:約200km ●試乗日:2009年8月 ●車両協力:トヨタ自動車株式会社 問い合わせ:0800-500-5577

 
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