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マツダ CX-8(2/3)新車試乗記(第830回)

Mazda CX-8 XD L Package

2018年02月02日

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基本性能&ドライブフィール

めっちゃ進化した2.2ディーゼル

試乗したのはトップグレード「XD Lパッケージ」のFF車(395万8200円、Boseサウンドシステム等のオプション込みで411万4800円)。

パッと見、CX-5とそっくりだが、ボディが長いことで辛うじてCX-8と分かる漆黒のボディに乗り込む。走り出してアレっと驚くのは、記憶の中の現行CX-5 XDより明らかに静かで、出足も滑らかなこと。「カラカラカラ」というノック音だとか、発進時のちょっとしたもたつきがウソのようにない。

 

実のところ、エンジンの形式(カタシキ)はCX-5と同じで、「SKYACTIV-D 2.2」こと2.2L直4ディーゼルターボの「SH-VPTS型」なのだが、中身は「大幅」と言いたくなるくらいの改良型。

新形状の「段付きエッグシェイプピストン」、「可変ジオメトリーターボチャージャー(VGターボ)」、高圧縮比(14.0 → 14.4)、デンソーと共同開発した「超高応答マルチホールピエゾインジェクター」や「i-ART」制御システムなどを新採用することで、理想とする「急速多段燃焼」を実現したもの。i-ARTと言えば、ボルボが「D4」エンジンで採用しているが、これはそれのマツダ版といったところか。

 

その結果、最高出力は従来エンジンの175psから190psに、最大トルクは420Nmから450Nmにアップし、燃焼改善等によって騒音・振動も低減したという。そしてもちろん、例の「ナチュラル・サウンド・スムーザー」(ピストンピン内にダイナミックダンパーを内蔵してノック音を低減)などの新技術も盛り込まれている。

というわけで、欧州製ディーゼルと比較して、これまでマツダの2.2Lディーゼルにはやや辛めだったモーターデイズも、このCX-8のエンジンは文句なし。おまけに、エンジンが低回転からしっかりレスポンスするおかげで、これまで「(欧州車で増えてきた)8速ATだったらなぁ」と思っていたマツダの6速ATにも、まったく不満を感じなくなってしまった。

乗り心地の良さはCX-9譲り?

乗り心地もなかなかいい。今どきのSUVと言うと、足回りはけっこう硬めだったりするが、CX-8ではまったくそんなことはなく、重厚かつフラットで、滑らかな走りを見せてくれる。おそらくサードシートの乗り心地を重視したせいだろうが、乗り心地や静粛性について、少なくともセカンドシートまでなら全く不満を感じさせない。サスペンションは一般的なバネサスだが、これならエアサスペンションは要らないだろう。ちなみに足回りもCX-9がベースだ。

静粛性については、室内天井部やDピラー付近への吸音材配置、風切り音を低減するエアロ形状のルーフレール(XD Lパッケージ)などで確保。ロードノイズに対しては、前輪フロントストラットへの振動抑制用ダイナミックダンパー、リアフェンダーパネル内側への制振材採用などで対策している。CX-8は静かなクルマだ。

 

ハンドリングは、このサイズ、この車重、そして試乗車はFF車ということもあって、血沸き肉躍るZoom-Zoomなものではないが、直進時からコーナリング時まで、しっとりとした落ち着きがあり、ゆっくり走っても充実感がある。また、ちょっとオーバースピード気味かな?という場合でも、シレッと素直に曲がってくれる。このあたり、微妙なスロットル制御でハンドリングを向上させるというマツダ独自の技術「G-ベクタリングコントロール」のおかげだろうか。

なにぶんトルクが大排気量V8エンジン並みの450Nmもあるので、低いギアで全開加速すると若干のトルクステアが生じるが、それをトラクションコントロールなどで無理に抑え込まないのがマツダらしいし、問題とするほどではない。「i-ACTIV AWD(アイ・アクティブ・エーダブリュディー)」こと電子制御4WD車であれば、その点はおそらくまったく問題なく、雨天時などの安定感はさらに増すと思われる。

取り回しも意外に大丈夫

あと、心配だったのが全長4900mm、最小回転半径5.8mというボディの取り回しだが、これが意外に大丈夫。おそらくクルマの動きが軽快なことや、見切りの良さが手伝ってだろう。全幅がCX-5と同じ1840mmなのも効いている。CX-9のままだったら……、間違いなく日本国内では少々持てあますクルマになったはずだ。

少し不満を感じたのは、新開発の「360°ビュー・モニター」(オプション)。ダッシュボード上のディスプレイがそれほど大きくないせいで、後退時にボディの前後4方向に取り付けたカメラによる「トップビュー&フロント/リアビュー表示」がされた時の、リアビュー表示が小さくて見にくいと感じた。とはいえ、センサーアラームもあることだし、慣れもあるので、これも大した問題ではない。

ACCの設定上限速度が180km/hに

先進安全装備については、おおむね現行CX-5と同様で、このクラスの新型車に備わっていて欲しい機能をほぼ完備している。停止まで行う全車速対応ACC、車線逸脱を抑制するだけでなく、車線の中央維持を支援するレーンキープアシスト、斜め後方からの車両の接近・存在を警告するブラインド・スポット・モニタリング(BSM)、12ブロック(従来は4ブロック)に分かれたLEDで照射範囲の自在な可変やハイ/ロー切替を自動で行うアダプティブLED・ヘッドライト(ALH)などを装備する。

 
マツダ CX-8 メーターの画像
右下に表示されているのがACCの設定速度

中でも感心したのが、ACCを使っての高速巡行。走行車線をデジタルカメラで読み取っての車線維持もなかなか上手にこなす。この手の性能では、もっと高価な欧州車と比べても劣るところはない。

なとど思いつつ、ACCの設定速度を上げていったら、180km/hまでセットできてしまった(その速度で走ったわけではない)。大々的にアナウンスされていない話題のようだが、マツダ車としては初めて業界自主規制をやめたモデルかと思う(違っていたらご指摘を)。国産車でACCを180km/hまでセット可能なのは、モーターデイズが確認した限り、レクサス LCに続いて2例目だ(新型LSは未確認。スバルの最新アイサイト「ツーリングアシスト」はメーター表示上で135km/hまで)。

試乗燃費は11.6~13.6km/L

今回は約250kmを試乗。参考ながら試乗燃費はいつものように一般道や高速道を走った区間(約80km)が11.6km/L、
一般道を走った区間(約30km×2回)が12.8km/L、13.2km/L。郊外の一般道を走った区間(約30km)が13.6km/Lだった。

なお、JC08モード燃費は17.6km/L(FF車の場合。以下同じ)。また、新しく始まったWLTCモード燃費は15.8km/L、同市街地モード(WLTC-L)12.7km/L、郊外モード(WLTC-M)15.7km/L、高速道路モード(WLTC-H)18.0km/Lだ。

いずれにしても燃費性能は、車重1.8トンのSUVとしては文句なし。しかも燃料は軽油で、ハイオクより約2割、レギュラーより約1割安いので、経済性も高い。

また、燃料タンクはFF車で72L、4WD車で74Lの大容量なので、航続距離もかなり伸びそうだ。

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