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スバル XV 2.0i-L アイサイト新車試乗記(第818回)

Subaru XV 2.0i-L EyeSight

(2.0L水平対向4気筒・CVT・248万4000円~)

新世代SGPシャシーの本命!?
新型XVが混戦の
SUV市場に挑む!

2017年07月07日

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キャラクター&開発コンセプト

インプレッサベースのクロスオーバーSUV

新型スバル XVの画像
新型スバル XV

2017年3月9日に先行受注を開始、4月6日に発表、5月24日に発売された「XV」は、現行5代目インプレッサ(2016年10月発売)がベースのクロスオーバーSUV。インプレッサの派生モデルとして2010年に登場した当初は「インプレッサXV」と名乗ったが(Xはクロスオーバー、Vはヴィークルの意)、2代目から単に「XV」と表記するようになり、新型は3代目にあたる。今回は約5年ぶりのフルモデルチェンジだ。

なお、同社は4月1日付で社名を富士重工業からスバル(Subaru)に社名変更しており、XVは社名変更後で初の新型車になった。

SGPシャシー採用。歩行者保護エアバッグやアイサイト(ver.3)を全車標準化

新型スバル XVの画像
新型スバル XV

新型の開発コンセプトは「ファン・アドベンチャー(Fun Adventure)」。基本的には先代同様に、ファッショナブルな都市型クロスーバーSUVだが、スバル独自の4WDシステム「シンメトリカルAWD」を全車標準とするほか、フォレスター譲りのAWD制御システム「X-Mode」を新採用するなど、高い悪路走破性を誇る。

また、スバルにとってはトライベッカ(海外専用車)、アウトバック、フォレスターに続く、最小クロスオーバーSUVでもある。

インプレッサと共に「衝突安全性能評価大賞」受賞

スバル グローバル プラットフォーム(Subaru Global Platform)の画像
スバル グローバル プラットフォーム(Subaru Global Platform)

メカニズム面では、現行インプレッサで登場した次世代プラットフォーム「スバル グローバル プラットフォーム(Subaru Global Platform、SGP)」を採用することで、シャシー性能や安全性能を大幅に向上。また、インプレッサ同様に、歩行者保護エアバッグやスバル独自の運転支援システム「アイサイト(ver.3)」を全車に標準装備している。

 
インプレッサ/XVの歩行者保護エアバッグ画像
インプレッサ/XVの歩行者保護エアバッグ

これらによって、新型XVとインプレッサは共に、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が実施する自動車アセスメント(JNCAP)において、過去最高得点を獲得したモデルに与えられる2016年度「衝突安全性能評価大賞」を受賞している。最高得点の更新は2013年度以来3年ぶりとのことで、特筆すべき評価だ。

月販目標はインプレッサと同等の2200台

新型スバル XVの画像
新型スバル XV

国内の月販目標は先代XVデビュー時の1000台に対して、2倍以上の2200台。これは現行インプレッサ(5ドアのスポーツと4ドアセダンのG4)の目標2500台とほぼ同じレベルで、昨今のSUV人気をうかがわせる。ちなみに先代インプレッサシリーズのグローバル販売台数内訳は、インプレッサが4割、XVが6割だったという。

発売から約1ヶ月後の6月29日に発表された初期受注台数は、目標の5か月分にあたる1万1085台。うち41%がスバル車から、残りの59%が他ブランド車からの乗り換えだという。

世代別の内訳は、多い順に50代が23%、40代と60代が21%、30代が15%と比較的高めの年齢層に支持されている。

■過去の参考記事
新車試乗記>スバル インプレッサ スポーツ 2.0i-L アイサイト(2016年12月掲載)
新車試乗記>スバル XV ハイブリッド 2.0i-L(2013年8月掲載)
新車試乗記>スバル XV 2.0i-L アイサイト(2012年12月掲載)

■外部リンク
NASVA>試験結果詳細>スバル インプレッサ 2.0i-L EyeSight / XV

 

価格帯&グレード展開

1.6Lは213万8400円~、2.0Lは248万4000円~

新型スバル XV 2.0i-S EyeSight (クールグレーカーキ)の画像
18インチタイヤ&ホイールを履く2.0i-S EyeSight (クールグレーカーキ)

エンジンはインプレッサ同様に、自然吸気(NA)の2.0L直噴と、(先代XVにはなかった)1.6Lの2本立て。エンジンはもちろん水平対向4気筒で、新世代のFB20型とFB16型になる。

駆動方式は全車、トランスファー内の電子制御多板クラッチで前後トルク配分を可変するスバル独自のフルタイム4WD「アクティブトルクスプリットAWD」、トランスミッションはリニアトロニックことCVT(無段変速機)になる。アイサイト(ver.3)も全車標準だ。

 
スバル XV 1.6i EyeSight (アイスシルバーメタリック)の画像
ベースグレードの1.6i EyeSight (アイスシルバーメタリック)

価格はエントリーグレード「1.6i EyeSight」の213万8400円からスタート。その1.6Lに走破性を高めるX-Mode(ヒルディセントコントロール付)や濃色ガラスを加えた「1.6i-L EyeSight」が10万8000円高。2.0Lモデルは1.6Lモデルの23万7600円高。さらに18インチタイヤ&ホイールや電動フロントシートを標準装備した「2.0i-S」がその19万4400円高。ルーフレール装着車(全高は45mm増しの1595mmになる)は5万4000円高。FF車も選べるインプレッサとの比較では20万~30万円高になる。

 
スバル純正ビルトインナビ(パナソニック製)の画像
一見、工場装着のように見える8インチ純正ビルトインナビ(パナソニック製)はディーラーオプション

初期受注の内訳は、2.0Lモデルが約8割(79%)、1.6Lモデルが約2割(21%)で、一番人気は最上級グレードの2.0i-S(43%)。今後は徐々に1.6Lモデルが増えていくと予想される。

ボディカラーは、新色「クールグレーカーキ」や「サンシャインオレンジ」など全8色。初期受注で人気があるのは、白(クリスタルホワイト・パール、30%)、クールグレーカーキ(28%)の順だ。先代にあったデザートカーキはなくなってしまった。

価格(ルーフレール無し)は以下の通り。

■1.6L(115ps、148Nm)
・1.6i EyeSight  213万8400円
・1.6i-L EyeSight 224万6400円

■2.0L(154ps、196Nm)
・2.0i-L EyeSight 248万4000円 ※試乗車
・2.0i-S EyeSight 267万8400円

 

パッケージング&スタイル

最初からXVを想定したデザイン

スバル XVの前73画像

外観デザインは、スバル共通のデザイン哲学 “DYNAMIC × SOLID” を全面採用したもの。スバル言うところの、都会的でクールな「スポカジスタイル」、すなわち単にスポーティ&カジュアルではなく、「プロの使用にも耐えうる本格的な性能・品質を持ちながら、街でさりげなくセンスよく使いこなせるスタイル」を実現した、というのがスバルの主張だ。

 
スバル XVの後ろ73画像

ボディパネルはインプレッサとほぼ同じだが、最低地上高をプラス70mmの200mmとし、225/60R17もしくは225/55R18という大径タイヤを履き、クラッディングと呼ばれる艶消しブラックの樹脂製パーツをバンパーやホイールアーチに装着。むしろ最初からXVメインでデザインしたのではないかと思うほど、よくまとまっている。アルミホイールのデザインも先代同様に秀逸。

全高1600mm未満で立体駐車場もOK

スバル XVの真横画像

ボディサイズは全長4465mm×全幅1800mm×全高1550mm(ルーフレール付は1595mm)、ホイールベース2670mm。CX-3、C-HR、メルセデスのGLA同様に、全高が1600mm未満ということで、たいていの立体駐車場はOKだろう。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
マツダ CX-3 (2015~) 4275 1765 1550 2570 5.3
ホンダ ヴェゼル (2013~) 4295 1770 1605 2610 5.3
トヨタ C-HR (2016~) 4360 1795 1550~1565 2640 5.2
メルセデス・ベンツ GLA(2017~) 4430~4460 1805 1500~1505 2700 5.7
先代スバル XV (2012~2017) 4450 1780 1550 2640 5.3
新型スバル XV(2017~) 4465 1800 1550 2670 5.4
VW ティグアン(2017~) 4500 1840 1675 2675 5.4
マツダ CX-5(2017~) 4545 1840 1690 2700 5.5
スバル フォレスター(2012~) 4595 1795 1695 2640 5.3
 

インテリア&ラゲッジスペース

オレンジステッチでSUVらしさを演出

スバル XVのインパネ画像

内装はインプレッサとほぼ共通。ただしブラック基調の内装で割とそっけない印象のインプレッサに対して、XVの2.0Lモデル(2.0i-Lと2.0i-L)では、オプションのブラック本革シート仕様も含めて、ダッシュボード、シート、ドアアームレスト、フロントアームレストなどにオレンジ色のステッチがアクセントとして入る(1.6Lのステッチカラーはグレー)。

乗降性はインプレッサより良好

スバル XVのフロントシート画像

最低地上高がインプレッサより70mm上がった分、ルーフ高やヒップポイントも上がっているため、乗り降りはしやすい。このクラスでは珍しく、ドアが90度近くまで開くのもポイントだ。

全幅はもはやこのクラスで平均的と言える1800mmで、室内幅、すなわちショルダールームやカップルディスタンス(左右乗員間の距離)にも余裕がある。室内の広さや着座姿勢もインプレッサ同様で、特に不満なし。後席フットルームは先代XVより+26mm、ヘッドルームは+10mmと資料にはある。

 
スバル XVのリアシート画像

乗員保護用エアバッグもインプレッサ同様に、運転席ニー(膝)を含めて計7個を標準装備する。また、衝突時の衝撃エネルギー吸収量を先代モデルの1.4倍に高めた、というのも新型インプレッサおよびXVの売り。

荷室は基本的にインプレッサと同じ

スバル XVのトランク画像

荷室は現行インプレッサとまったく同じ。後席使用時の荷室容量は385L(先代比+5L)と現行ゴルフ(380L)と同等で、9.5インチのゴルフバッグを3セット積めるという。荷物を固定するためのフックが計6個備わる点もインプレッサと同じだ。

後席の格納方法は、背もたれを倒すだけの、いわゆるシングルフォールディング。スバルのトノカバーはアルミ製バーに収納するタイプなので、軽くて取り外しやすいのがありがたい。

 
スバル XVのトランク(拡大時)画像

後席格納時の最大荷室長は1631mm(カタログ記載値)。ハッチバックとしては広いが、ステーションワゴンと呼べるほどではなく、大人が寝そべる場合は対角線上に足を伸ばすことになる。また、背もたれは完全にフラットにはならず、少し斜めになる。

また、荷室高も777mm(カタログ記載値)に留まるので、ホイールをつけたまま自転車を積載する場合は、横に寝かせて載せることになる。

 
スバル XVの荷室サブトランク画像

荷室の床下にはサブトランクがあり、その奥にパンク修理キット、パンタグラフジャッキ等が収まる。

 

基本性能&ドライブフィール

自然吸気ゆえの、優しい加速感

スバル XVの2.0Lエンジン「FB20」の画像
インプレッサと同じ自然吸気2.0L直噴の水平対向4気筒エンジン。ちなみにボンネットはアルミ製で、ダンパーストラット無しでも軽々と持ち上がる

試乗したのは上から2番目のグレード「2.0i-L アイサイト」に、メーカーオプションのLEDヘッドランプや「アドバンスト セーフティ パッケージ」を装備したもので、ディーラーオプションのパナソニック製8インチナビ等を含めて約300万円という仕様。

スタートボタンでエンジンを始動すれば、等長等爆フラットフォーのザザザーンというサウンドが聞こえてきて「ああスバルだなぁ」と思う。かつてのようなボクサーサウンドではないが、それでも独特だ。

走り出せば、滑らかでフラットな出力特性の、穏やかなエンジンである。車重1420kgに対して最高出力は154ps、最大トルクは196Nm(20.0kgm)。低回転域から力強く、上まで回せば十分に速い。また、2009年の登場以来、連綿と改良されてきたリニアトロニックこと、チェーンタイプの金属ベルト式CVT(無段変速機)もここに来て、スリップ感がほとんどない「リニア」なフィールになってきた。

 
スバル XVの画像

ただ、アクセルをベタ踏みしてもズドンと加速するわけではないので、昨今増えてきた直噴ターボに慣らされた身からすると、瞬発力には欠ける印象。また、アクセルペダルを唐突に踏んだ時などには、選択すべき変速比を一瞬迷うようなそぶりを見せることがあり、CVTというトランスミッションの難しさを思い出させる。

しかし、こうしたことは「急」がつくアクセル操作をした場合だけで、通常はまったくもってスムーズに走る。100km/h巡行時のエンジン回転数は、負荷が少ない時には約1500rpmまで下がるなど、ギア比がワイドなのは依然CVTならではのメリット。

抜群に良くなった乗り心地

スバル XVの画像

新型インプレッサの武器はなんと言ってもSGPシャシーだが、XVでもそれは同じ。まず、乗り心地が抜群にいい。先代XVではベース車より全高(最低地上高)が高くなった分、乗り心地がやや犠牲になっていたが、新型XVでは、足がしなやかに動き、凸凹路でもショックをすっかり飲み込んでしまう。おそらくボディ剛性が先代比で70~100%も上がったことも、性能の底上げに効いているはずだ。

それでいてハンドリングも悪くない。姿勢変化は大きいが唐突な挙動は出ず、ステアリングを切ればしっかり曲がっていくなどコントロール性も高い。旋回時のライントレース性を電子制御で高める「アクティブ・トルク・ベクタリングも全車に採用されている。

 
スバル XVの17インチタイヤ&アルミホイール画像

一方でちょっと面食らうのは、標準タイヤがいまいちグリップしないこと。試乗車のタイヤは225/60R17のヨコハマ ブルーアース E70で、つまり燃費重視のエコタイヤ。普通に走る分には問題ないが、ワインディングでは容易にリアがスライドしそうになり、すぐにVDCが介入してくる。姿勢変化が大きめなのも一因だろう。

とはいえ、低い速度域でクルマを振り回せるという点では、運転していて面白く、ふと15年ほど前に試乗した4代目レガシィ アウトバックを思い出してしまった。おそらくスタッドレスタイヤを履いても操縦性は大きく変わらないだろう。

フォレスター譲りの「X-Mode」を採用

スバル XVのシンメトリカルAWD広報画像

悪路走破性については、まず本格SUV並みの最低地上高200mmが大きな武器。アプローチアングルは18度に留まるが、ディパーチャーアングルは短いリアオーバーハングで30度を確保している。

全車標準の4WDシステム「アクティブトルクスプリットAWD」は、ミッション直後のトラスファー内に電子制御の湿式多板クラッチを内蔵したもので、前後60:40のトルク配分を基本とし、Uターン時や車庫入れ時などに100:0(FF状態)まで可変するタイプ。

 
スバル XVのX-Modeスイッチ広報画像

さらに新型XVでは、XVとしては初めて、フォレスター譲りのAWD制御システム「X-Mode」を採用している。X-Modeスイッチをオンにすれば、雪道や泥道などの低ミュー路での発進の際にタイヤの空転を防ぐために、エンジン、トランスミッション、AWDシステム(前後トルク配分)、VDC(トラクションコントロールや各輪へのブレーキなど)を、「滑ってから制御」ではなく、「滑る前にあらかじめ走破性の高い制御モードにしておく」ことができる。あくまでもスタックからの脱出や悪路での走破性を主眼としたもので、車速が40km/h以上になるオフになる。

また、X-Modeオン時には、急峻な下り坂でも車両姿勢を保ちながら車速を一定に抑える「ヒルディセントコントロール」も自動的にオンになる。車両が横滑りしそうな急な下り坂において各輪のブレーキ制御を個別に行う、といった人間には出来ないことをやってくれるわけで、いざという時には心強い装備だ。

インプレッサと同じ「アイサイト(ver.3)」を採用

スバル XVのアイサイト(ver.3)のステレオカメラ広報画像
新型XVに搭載されるアイサイト(ver.3)のステレオカメラ

先進安全装備についても現行インプレッサ同様に、アイサイト(ver.3)を全車標準装備。0km/hから110km/h台までカバーするACC(全車速追従機能付クルーズコントロール)はスムーズに作動し、ステアリングスイッチによる操作性も相変わらず良い。

さらにオプションの「アドバンスト セーフティ パッケージ」装着車なら、後方から接近する車両を検知してドライバーに注意を促す後側方警戒支援システム「スバルリヤビークルディテクション」も装備される。

 
スバルXVのマルチインフォメーションディスプレイ(アイサイト作動状態表示)の広報画像

また、ver.3には「アクティブレーンキープ」の機能の一つとして「車線中央維持機能」も備わる。これは、約60km/h以上で作動する「車線逸脱抑制」機能に加えて、ACCオンで走行中に車線内の中央付近を維持するよう、ステアリング制御を行うものだ。

「ステアリング連動ヘッドランプ」や「ハイビームアシスト」を採用

スバル XVのヘッドライト広報画像

ヘッドランプも進化した。下位グレードはハロゲンが標準だが、オプション設定もしくは最上級グレードに標準装備という形で、ステアリング操作に連動して照射範囲を左右に動かすLEDヘッドランプを採用。さらにオプションの「アドバンスト セーフティ パッケージ」装着車では、アイサイトのステレオカメラで先行車や対向車などの灯火を検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」も装備される。

 
スバル XVの「ハイビームアシスト」イメージ広報画像

インプレッサとXVの「ハイビームアシスト」は無段階でハイ/ローを切り替えるものではないが、切り替え動作はスムーズで、照射範囲も適切であり、ほとんど手動操作なしで走ることができた。夜間走行が多いなら、LEDヘッドライトと共に装着をお勧めしたい。

試乗燃費は9.7~13.9km/L。JC08モード燃費は16.0~16.4km/L(2.0L)

スバル XV給油中の画像

今回約325kmを試乗。参考ながら試乗燃費は、いつもの一般道と高速道路を走った区間(約80km)が9.7km/L。また、一般道を大人しく走った区間(約20~30km×4回)が、12.0km/L、12.1km/L、13.1km/L、13.9km/L。325kmトータル(撮影区間を含む)での燃費は9.2km/Lだった。

なお、JC08モード燃費は1.6L車が15.8~16.2km/L、2.0L車が16.0~16.4km/Lと、いずれも16km/L前後。使用燃料は全車レギュラーガソリンで、燃料タンク容量は63Lと大きめだ。

ここがイイ

乗りやすい。乗り心地がいい。安心のアイサイト

スバル XVの画像

優しい乗り味。特に乗り心地はとてもよく、先代から飛躍的に進化した部分。インプレッサベースゆえ、というより「XVこそメインモデル」として開発されたことで完成度がものすごく上がった。そして、時流に乗ったクロスオーバーSUVスタイル。さらなる衝突安全性の向上。オフロード性能の向上。アイサイトも操作性がよく、実績やイメージの点でも安心感がある。総合的には先代を明らかに上回る部分ばかり。

ここがダメ

新機能「ツーリングアシスト」は間に合わず

スバル アイサイトの新機能「ツーリングアシスト」のカメラ広報画像
新機能「ツーリングアシスト」が加わったアイサイト

新型XVの発売後、この夏にマイナーチェンジするレヴォーグとWRX S4のアイサイトに、0~約120km/hの全車速域でアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動制御する新機能「ツーリングアシスト」が搭載されると発表された。ここに来てアイサイトがさらに進化するわけだが、このタイミングは新型XVとしてはちょっと辛いところ。

ツーリングアシストは、アイサイトの「車線中央維持」の作動領域を、従来の60km/h以上から0km/h以上へ拡大するほか、設定上限速度(公称)を約100km/hから約120km/hに引き上げたもの。併せて、後退時に自動ブレーキを作動させる「後退時自動ブレーキシステム」や、後方カメラの映像をルームミラーに表示する「スマートリヤビューミラー」も採用される。クルマはもはや成熟商品だが、こうした運転支援装備はまだまだ絶賛進化中ということだ。

ハイブリッド車やクリーンディーゼル車が人気を集める昨今にあって、動力性能や燃費性能は平凡なこと。新世代パワートレインの追加や登場が待たれる。

■外部リンク
スバル>ニュースリリース>「アイサイト」を大幅進化、新機能「ツーリングアシスト」を搭載(2017年6月19日)

総合評価

見ても乗っても“派生モデル”っぽさがなくなった

スバル XVの画像

先代XVが出たのはもう5年も前のこと。久々にスバルらしからぬ(失礼)カッコよさに震え、モーターデイズでは「イヤーカーとしたい」とまで言ったクルマだ。なにはともあれ、よく売れたのは、デザインがよかったからだろう。ワゴンやハッチバックをそののまま持ち上げたような、いわゆるクロスオーバーSUVタイプのクルマはだいたいにおいてカッコよくなるが、中でも先代XVは出色の出来だった。おそらく開発陣も当初はここまで売れるとは思っていなかっただろう。

考えてみると、スポーツカーは車高を落とすとかっこよくなり、SUVは車高を上げるとかっこよくなる。ヘビーデューティ四駆でもより車高を上げる改造は、悪路走破性のためというよりも迫力やカッコのためということが多い。そういえば超ベストセラー車のトヨタ アクアにもクロスオーバーモデルが登場している。これがカッコよく見えるのも、改造車っぽい感じが個性になっているからだろう。同様に先代XVのカッコよさも、そのあたりにあったのではないか。

今回はそのヒットモデルの後継なわけだが、新型はインプレッサをクロスオーバーSUVにするという手法ではなく、最初からXVとしてデザインされたようだ。その結果、デザインはバランスよくまとまったが、いわゆる派生モデルっぽさというか、不協和音から生じる意外性のようなものは薄まったように感じる。その意味でもインプレッサではなく、独立したXVという車種である、という主張に沿ったものだ。逆に新型インプレッサを街中で見ると、XVをシャコタンにしたみたいで妙なカッコよさを感じたりもするのだが。

 

先代スバル XV (デザートカーキ)

また、新型のボディカラーには先代のデザートカーキが設定されていない。この色にはいまだ商品力があると思うのだが、今回はそれに代えて新色のクールグレーカーキが採用された。また、オレンジも先代のタンジェリンオレンジ・パールから、より鮮やかなサンシャインオレンジとなり、印象がずいぶん違うものになった。新型車である以上、先代との違いは必要だと思うが、ボディカラーくらいは個性的なものを残してもよかったのではないか。実際にはあまり売れなかったから外しただけかもしれないが。

ハードウェア的にすべて先代より進化したのは、乗れば誰もが分かるはず。SGPシャシーのポテンシャルは高く、世界でもトップクラスだ。ただ、パワートレーンに関してはそろそろ根本的な刷新があるといい時期かもしれない。アイデンティティでもあるフラットフォーを止めることはできない、しかし、いまさらそれにCVT以外のミッションを組み合わせるのは難しいというジレンマのようなものが感じられなくもない。このシャシーに斬新なパワーユニットが加われば、素晴らしいクルマが出来上がるのではと思ったりする。また、アイサイトにしても、ステレオカメラだけにこだわらず、いまいちどレーダーと組み合わせれば、さらに強力になるのではと思ったりもする。フラットフォー同様、ステレオカメラがスバルのアイデンティティであり、そこは譲れないということかもしれないが。

SUVが本命の時代

スバル XVの画像

しかしアイサイトの新機能「ツーリングアシスト」が間に合わなかったのは残念。ツーリングアシストのACCは実質130km/hくらいまで設定できるようだから、日本の高速道路なら今後も、ほぼカバーできるはずだ。ちなみに上限速度に関しては、従来型アイサイトを「バージョンアップ」することはできないものだろうか。従来型アイサイトでも海外仕様なら設定上限速度はもっと高いところにあるようだから、そのあたりの対応はそろそろ何か考えられてもいいのではと思う。

スバルと言えばステーションワゴンというイメージが強かったが、今や世界市場ではSUVが販売の8割を占めるという。レガシィも北米ではアウトバックが主流だと言うし、インプレッサシリーズでもXVが6割というからには、もはやメイン車種はハッチバックではなく、クロスオーバーSUVだ。セダンがあり、ハッチバック(またはステーションワゴン)があり、それがクロスオーバーSUVになるという流れは終わり、クロスオーバーSUVが本命として開発され、それがハッチバックになるという時代。スバルのSUVといえば、間もなく真打ちの新型フォレスターが登場するはず。富士重工から名を変えたスバルは、より一層SUVメーカーのイメージを強めていくのだろう。

 
スバル XVの画像

しかしこうした市場傾向により、ただでさえ車種が少なかったステーションワゴンはいよいよ数を減らし、少なくとも国内では新たなモデルの登場は期待薄。また、ハッチバックよりSUVを、という流れも止めようがなく、今後はハッチバックですら減っていくのかもしれない。今回のXVとインプレッサの関係がそれを暗示しているように思える。クルマは世に連れ、世はクルマに連れだが、SUVに魅力を感じない人には、なんとも面白くない世になってきているというのは、まんざら言い過ぎでもないように思う。

 

試乗車スペック
スバル XV 2.0i-L アイサイト
(2.0L水平対向4気筒・CVT・248万4000円~)

●初年度登録:2017年6月
●形式:DBA-GT7
●全長4465mm×全幅1800mm×全高1550mm
●ホイールベース:2670mm
●最低地上高:200mm
●最小回転半径:5.4m
●車重(車検証記載値):1420kg(850+570)
●乗車定員:5名

●エンジン型式:FB20
●排気量:1995cc
●エンジン種類:水平対向4気筒DOHC・4バルブ・直噴・横置
●ボア×ストローク:84.0×90.0mm
●圧縮比:12.5
●最高出力:113kW(154ps)/6000rpm
●最大トルク:196Nm (20.0kgm)/4000rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン
●アイドリングストップ機能:有り
●使用燃料:レギュラーガソリン
●燃料タンク容量:63L

●トランスミッション:CVT(無段変速機)

●JC08モード燃費:16.4km/L
※オプション装着で車重が1430kg以上の場合は16.0km/L

●駆動方式:4WD(アクティブトルクスプリットAWD)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング
●タイヤ:225/60R17 (Yokohama BluEarth E70)

●車両本体価格:262万4400円(2.0i-L EyeSight、アドバンスドセーフティパッケージ付)
●試乗車価格(概算):299万4679円
※オプション合計(概算):37万0279円
※オプション内訳:ナンバープレートベース 6480円、センターコンソールトレー 3024円、ドアバイザー 2万0520円、トノカバー 1万7280円、フロアカーペット 3万0780円、LEDアクセサリーライナー 3万5640円、パナソニック ビルトインナビ(ナノイー付8インチ) 25万2115円、ナビ取付キット 4440円

●ボディカラー:ピュアレッド
●試乗距離:約325km

●試乗日:2017年6月
●車両協力:名古屋スバル自動車株式会社

 
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名古屋スバル自動車

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