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スズキ スペーシア新車試乗記(第833回)

Suzuki Spacia

(0.66L直3 NA/ターボ・127万4400円~)

スーツケースに詰め込んだのは
「ワクワク」と安全装備!
新型スペーシアに試乗!


  

2018年03月23日

 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

全車マイルドハイブリッドを採用

新型スズキ スペーシア(2017 東京モーターショー参考出品車)
新型スペーシア(2017 東京モーターショー参考出品車)

2017年12月14日に発売された新型「スペーシア」「スペーシア カスタム」は、両側スライドドアを備えた、いわゆる“スーパーハイトワゴン”の軽乗用車。もともとはパレット(2008~2013年)の後継車として2013年2月に登場したモデルで、新型は2代目。約5年ぶりのフルモデルチェンジになる。

 
新型スペーシア(2017 名古屋モーターショー参考出品車)
新型スペーシア(2017 名古屋モーターショー参考出品車)

新型は現行アルト(2014年12月発売)やワゴンR(2017年2月発売)でも採用されている軽量・高剛性プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用。パワートレインについては、モーターのみで発進し、最大10秒間クリープ走行できる「マイルドハイブリッド」を全車に搭載。JC08モード燃費はNAモデルで最高30.0km/L、主力グレードで28.2km/Lを達成している。

予防安全装備を充実。月販目標は1万2000台


(photo:Suzuki)

また、予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を採用し、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」や、軽自動車で初となる後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」を全車標準とするなど、安全装備を充実させている。

さらにフロントガラスに道路標識や車両情報などをカラー表示するヘッドアップディスプレイや、周囲を立体的に360°確認できる「3Dビュー」を軽自動車で初採用した。

月販目標台数はスペーシア全体で1万2000台。直近の実績は1月が1万0399台(軽自動車で5位)、2月が1万3620台(同3位)。最大のライバルは不動の1位、ホンダ N-BOX(月販目標1万5000台)だ。

 

■過去の新車試乗記
ホンダ N-BOX(2017年11月掲載)
スズキ ワゴンR(2017年5月掲載)
初代スズキ スペーシア(2013年4月掲載)

 

価格帯&グレード展開

安全装備充実で、133万3800円からスタート


スペーシア ハイブリッドX(photo:Suzuki)

いつものようにスペーシア(標準車)とスペーシア カスタムの2本立て。標準車はNAのみで、カスタムはNAとターボがある。

全車マイルドハイブリッド車で、トランスミッションはCVT(無段変速機)のみ。4WDは約12万円高。

■スペーシア
・HYBRID G  133万3800円~
・HYBRID X  146万8800円~

■スペーシア カスタム
・HYBRID GS  157万6800円~
・HYBRID XS  169万0200円~
・HYBRID XSターボ  178万7400円~

ヘッドアップディスプレイ等はオプション


スペーシア カスタム ハイブリッド XSターボ(photo:Suzuki)

メーカーオプションは、全方位モニター用カメラパッケージ(ヘッドアップディスプレイ、標識認識機能、全方位モニター用カメラ、ステアリングオーディオスイッチのセット)が7万7760円(カスタムは7万5600円)、アップグレードパッケージ(LEDヘッドランプ、14インチアルミホイールなど)が7万5600円(ハイブリッドX)、2トーンルーフパッケージ(2トーンルーフとルーフレール)が6万4800円など。

また、レスオプションで、衝突被害軽減ブレーキ非装着車(5万9400円安)も用意されている。

 

パッケージング&スタイル

モチーフはスーツケース

標準車とカスタムのデザインは一見まったくのベツモノだが、モチーフはいずれも「旅の道具を詰め込むときのスーツケース」。なるほど確かに、ボディサイドにはスーツケースのような凸面があるし、ドアのサイドドアガラスを囲む部分はスーツケースの持ち手のように見える。ブラックルーフだと特に印象的だ。

 

写真の標準車はオプションのアルミホイールを履くが、標準装備のフルホイールキャップはスーツケースのキャスター風。標準車のメッキグリルもスーツケースのバックルやジッパーをイメージしたという。スーパートール型ながら古典的なクルマらしさもあり、クルマ好きから見ても好感が持てるデザインだ。

 

なお、標準車のボディカラーは、写真の「オフブルーメタリック(ホワイト2トーンルーフ)」をはじめ、モノトーン10色と上級グレード専用の2トーン4色の全14パターンを用意。2トーンルーフはルーフレールとのセットオプション(6万4800円~)になる。

カスタムは迫力重視

一方のカスタムは、一瞬アルファードかと思ってしまいそうな大型メッキグリルやLEDヘッドランプを採用。今どきはこうじゃないと売れないとはいえ、かなり威圧感がある。デザインテーマはスペーシアの「ワクワク」に対して「圧倒的な迫力と存在感」なので、とりあえず目標は達成しているが……。こちらのボディカラーは「ピュアホワイトパール」などモノトーン9色、ブラック2トーンルーフ仕様5色(4万3200円~)の全14パターン。

 

なお、新型のボディサイズは、全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm、ホイールベース2460mm。室内の広さでN-BOXに対抗すべく、全高は先代に比べて一気に50mmも高くなっている。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
ダイハツ ムーヴ キャンバス (2016~) 3395 1475 1655 2455 4.4
2代目ホンダ N-BOX (2017~) 1790~1815 2520 4.5~4.7
新型スズキ スペーシア (2017~) 1785~1800 2460 4.4~4.6
ダイハツ ウェイク (2014~) 1835 2455 4.4~4.7
スズキ ソリオ(2015~) 3710 1625 1745 2480 4.8
トヨタ タンク/ルーミー(2016~) 3700~3725 1670 1735 2490 4.6~4.7
 

インテリア&ラゲッジスペース

内装もスーツケースがモチーフ


標準車では写真のベージュのほかにブラック内装をも選べる

インパネもスーツケースがモチーフ。助手席の正面にはまさにスーツケースのようなデザインのカラーパネルがあり、そこがガバッと開くほか、その下には「引き出し」まである。オシャレで便利なデザインだ。フロントガラス左脇にはサイドアンダーミラーを設置し、側方ドアまわりの死角を減らしている。

 

カスタムの内装はブラックのみ

カスタムの方はブラック内装のみで精悍さが増す一方で、オシャレ感やワクワク感が薄まるのは仕方ないところか。メーターは回転計付きの専用デザインになる。

なお、エアバッグは前席フロントに加えて、前席サイドを全車に標準装備。スペーシア カスタムのターボ車はカーテンエアバッグも標準装備する。

フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイを軽で初採用

フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイ
フロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイ
(photo:Suzuki)

現行ワゴンRでは、電動昇降式の透明樹脂製ボードに投影するタイプのヘッドアップディスプレイ(HUD)が採用されているが、新型スペーシアではフロントガラス投影式のHUDが軽自動車で初めて採用された。

この新型HUD、実際に使ってみると映り込みのなくて視認性がとてもいい。最近ではマツダもHUDをボードタイプからフロントガラス投影式に切り替える方向にあるし、ここに来て徐々にHUDが普及しそうな予感。スペーシアの場合、HUDには車速、シフトポジション、デュアルセンサーブレーキサポートの警告表示、進入禁止の道路標識、ナビ情報(対応ナビ装着時)などがカラー表示される。

 
全方位モニター用カメラの3Dビュー
全方位モニター用カメラの3Dビュー
(photo:Suzuki)

また、新型スペーシアには、周囲を立体的に360°確認できる3Dビューも軽自動車で初採用された。「立体的に」というのが新しいところで、真上からの俯瞰だけでなく、斜め上からの映像や、運転席から車体を透かしたような映像も確認できる。

さらに広くなった室内空間

スズキ スペーシアのフロントシート画像

室内空間はより広く、例えば室内高は小学3年生くらいが立てる1410mmに。電動スライドドアの開口幅も20mm増しの600mmになり、開口高も20mm高くなって1250mmになった。

ホイールベースも先代より35mm長くなり、前後乗員間の距離や、後席の足もとスペースも増えている。そして前席の左右乗員間距離も30mm、ショルダールームも25mm、後席ヘッドクリアランスも45mm増えたとのこと。

 
スズキ スペーシアのリアシート画像

パレットの頃を思うと質感も高くなり、居心地もずいぶんよくなった。もちろん引き出し式ロールサンシェードも採用(標準車上級グレードとカスタムに標準装備)。細かいところでは、Bピラーに配置された乗降グリップの位置も低くなり、大人から子どもまで乗り降りしやすいようになっている。

 
スズキ スペーシア カスタムのスリムサーキュレーター画像

室内の天井には、車内の空気を循環し、エアコン使用時の前後席の温度差を少なくする「スリムサーキュレーター」をスズキで初採用。スズキで初、とあるのは、同様のものが三菱のeKスペースや日産デイズルークスですでに採用されているからだが、顔などに直接風を当てない工夫など、空気の流れの作り方に独自性がある。

ワンタッチダブルフォールディング式リヤシートを採用

スズキ スペーシアの荷室画像

荷室容量は、後席の前後スライド位置(210mm可動)などで調整できる。また、ワンアクションで後席を素早く格納・復帰できる「ワンタッチダブルフォールディング式リヤシート」を採用。後席を格納すれば、27インチタイヤの自転車を搭載可能で、よく見るとリアゲートの敷居には、自転車を載せる時にタイヤを沿わせる溝まで付いている。助手席の背もたれも倒せば、じゅうたんのような長いものも積めそうだ。

 
スズキ スペーシアのトランク床下の画像

荷室の床下にはパンク修理キット、パンタグラフジャッキ、そして三角表示板のスペースなどがある。

 

基本性能&ドライブフィール

NAから試乗

スズキ スペーシアの画像

今回試乗したのはスペーシアのNAモデルとカスタムのターボ。販売主力は圧倒的にNAということで、まずはそちらから試乗した。

エンジンはスズキ車でおなじみ、トルクフルな特性で定評のあるR06A型。NAの場合、圧縮比は11.5で、最高出力52ps、最大トルク60Nm (6.1kgm)を発揮する。軽量フェチのスズキとはいえ、スペーシアは電動両側スライドドアもあったりで車重は880kgとそれなりに重いが、それでもクラス最軽量。ゆえにNAでも街中を走る分には、ほとんど不満はない。静粛性もまずまず。

CVTはアイシンAW製に

スズキ スペーシアの画像

マイルドハイブリッドということで、赤信号などで停まればアイドリングストップ。再始動と発進はISG(モーター機能付発電機)で行うほか、モーターだけで最長10秒間のクリープ走行と最長30秒間のアシストを行う。プリウスに代表されるフルハイブリッド車のようなモーター駆動感こそないが、アイドリングストップの煩わしさがない点だけでも、これは嬉しい。ちなみにモーターの最高出力は3.1ps、最大トルクは50Nm(5.1kgm)。おおむね50ccエンジンくらいの性能だ。

今回ちょっと驚いたのは、CVT(無段変速機)がスズキ御用達のジヤトコ製(副変速機付)ではなく、アイシンAW製に変更されていたこと。副変速機がなくなったことで、レシオカバレッジは7.28から5.60に減少している。スズキ軽の走りの良さや燃費性能は、副変速機付CVTの貢献も大だと思っていたので、心なしか出足の力強さは若干薄れた気もしないではないが、モーターによるアシストもあるし、知らなければ気付かないレベルだ。

ターボ車は当然ながらよく走る

スズキ スペーシア カスタムの画像

一方、カスタムのターボは、当然ながらよく走る。最高出力は64ps、最大トルクは98Nm (10.0kgm)で、車重はNAモデルと大差ない900kg。今どきの軽ターボ車ならどこのモデルでもそうだが、高速道路への合流でも痛痒を感じさせない。もちろんNAモデル同様にマイルドハイブリッドなので、アイドリングストップやISGによる再始動&クリープ走行もする。

そんな風に動力性能には余裕のあるターボ車だが、試乗していて少し気になったのはエンジン音がNAモデルより目立つ気がしたこと。R06Aのターボ車には以前からある傾向だが、今回はいつもより気になってしまった。

試乗燃費は12.4~15.9km/L。JC08モード燃費(FF車)は25.6~28.2km/L

スズキ スペーシアのメーター画像

今回はそれぞれ120kmほど駆け足で試乗。参考ながら試乗燃費は一般道や高速道路を走った区間(約60km)はNAが15.9km/L、カスタムのターボが12.4km/Lだった。

JC08モード燃費は、NA(FF)が28.2km/L~、ターボ(FF)が25.6km/L。指定燃料はレギュラーで、燃料タンク容量は全車27Lだ。

ここがイイ

標準車のデザイン、パッケージング、全車マイルドハイブリッド、ヘッドアップディスプレイ

スズキ スペーシアの画像

標準車のデザインは秀逸。先代ラパンを思わせる角丸のデザインはカワイイだけでなく、いかにも道具感があって、オトコでも乗れそう。外観同様にスーツケースをモチーフにしたインパネデザインも素晴らしい。カスタムの方は大型メッキグリルに、何をかいわんや、だが。

パッケージングについては、よくもまぁここまで広々とした室内空間を実現したものだと感心する。それでいて操縦安定性も高まった。

全車搭載のマイルドハイブリッドは、N-BOXをはじめとするライバル車に対する大きな武器。マイルドハイブリッドならではの滑らかな再始動と発進を知ってしまうと、ただのアイドリングストップ機能には物足りなさを感じてしまう。他社もいずれ追随せざるを得ないのでは。

また、軽で初となる後退時の衝突被害軽減ブレーキ「後退時ブレーキサポート」もこの激戦クラスの中からスペーシアを選ぶ理由になり得る。「バックでもぶつからない」(絶対にではないが)は大きな商品力だ。

軽自動車で初のフロントガラス投影式ヘッドアップディスプレイはなかなか見やすかった。こうなると従来のメーター類はいずれインパネから消えるかも。

ここがダメ

カスタムでしかターボを選べない

NAでも十分と言えば十分だが、予算があればやはりターボ車が欲しくなる。とはいえターボ車はカスタムの上位グレードに設定されるだけで、価格は少なくとも約180万円オーバー、ヘッドアップディスプレイやブラックルーフ、そしてナビを付ければ軽く200万円オーバーと、絶対的に高くなってしまう。また、標準車のデザインでターボが選べないことを残念に思う人もいるだろう。N-BOXなら標準車でもターボを選べるので、スペーシアでもターボ車をもう少し選びやすくなるといいと思う。なにしろターボが付けば、動力性能にはまったく不満がなくなるのだから。

総合評価

内外装デザインが魅力

スズキ スペーシアの画像

メガヒット車、初代ホンダN-BOXは、そのヒット要因として「道具感」というものが大きかったと思う。女性ばかりじゃなく男性にも受けた理由は、使える道具だったということではないか。その意味で2代目N-BOXはややキュートになりすぎたか、と思ったが、各種性能向上や装備の充実、ブランドイメージの良さで相変わらず、ぶっちぎりで売れている。また、タントも先代から続く「ミラクルオープンドア」の分かりやすさや、子育てファミリーにターゲットを絞り込んだマーケティングで、やはりよく売れ続けている。そもそもはタントに対抗するために生まれたパレット(スペーシアの前身)、そして先代スペーシアはどうしてもこの2台の後塵を拝してきた。

ということで、おそらく今度の新しいスペーシアは、それらを打倒するために徹底的に考えられて作られている。我々の感覚だと先代スペーシアは走行性能では先代N-BOXやタントより上だったと思うが(特にNA同士の場合)、デザインや車両イメージではどうにも弱かった。

 
スズキ スペーシア カスタムの画像

しかし今回のモデルでは、まず徹底的にデザインされた内外装が魅力的だ。スーツケースが持つ道具感や機能美を見事に反映させ、それでいて「カワイイ」感もある。それゆえ、ダイハツのムーヴキャンバスのようなネオレトロな雰囲気まであるのがいい。例えばオプションカタログにあるフロント・リア・サイドの白いスポイラーをボディカラーがブルーの車両に装着すると、ホワイトルーフとスポイラーの白があいまってツートン感が強まり、カリフォルニアなムードが醸し出される。さらに、オプションで用意されている白のアルミホイールを履けば、フィフティーズ風になり、ムーヴキャンバスやN-BOXスラッシュのツートン仕様といい勝負だ。こうしたことまでできてしまうベースデザインの素晴らしさは、たいしたものだと思う。

外観デザインでは、個人的にはあまり好ましく思わないが、いわゆるカスタム競争でも勝ちに行っている。メッキグリルの巨大さはライバルを圧倒する。先代スペーシアのカスタムZもたいがいだと思ったが、今回は開発当初からデザインされているだけに先代のとってつけた感がないだけマシというものか。まあこれもニーズがあるゆえ、いたし方ないところだろう。ワゴンRの独自解釈的なカスタム系デザインではなく、ごく常識的なカスタム系デザインゆえ、これも売れそうだ。

燃費競争から、安全装備で競う時代へ

スズキ スペーシアの画像

ハードウェアとしては、本文にあるようにとてもよくできている。ただ、クルマ好きとしては「NAなのになんてよく走るんだ」というスズキ車のいつもの驚きは今回やや欠けているように思えた。CVTの変更も関係していると思われるが、この点では進化の著しいN-BOXあたりとあまり差がなくなっている気がした。それゆえ、非カスタム車にもターボが欲しくなってしまうが、世の流れとしては、動力性能はNAでもう十分、なのだろう。こういったファミリー向け軽自動車に対して、走りなど誰も求めていない、ということ。「走りを求める(ような人)ならカスタムをどうぞ」というマーケティングで文句あるか、ということだ。とはいえ、ターボもワインディングを楽しめる足にはなっていないから、そこは意識しておいて欲しいところ。

あとで気がついたが、JC08モード燃費は先代を下回っている。先代のJC08モード燃費は、NAが29.0km/L~、ターボが26.0km/Lで、新型はそれぞれ28.2km/L~、25.6km/L。また、試乗時の燃費も、一般道から高速道路まで省燃費に頓着しない走りで、先代(約50km走行)はNAが15.9km/Lでターボが15.8km/L、今回の新型(約60km走行)ではそれぞれ15.9km/L、12.4km/Lだった。

 
スズキ スペーシア カスタムの画像

今回ターボの試乗燃費が悪かったのは、少し元気よく走りすぎたからかもしれない。また、新型スペーシアは装備が充実した分、NAもターボも車重が先代より20~30kgばかり重くなっているが、それでも燃費の悪化はわずかだ。全車標準のマイルドハイブリッドが効いてると思うが、その点もN-BOXに勝っている。

いずれにしても、カタログ上での燃費戦争は終わったようだ。その代わりに安全装備での戦いとなっているのは良いことだろう。例えば、スペーシアの後退時ブレーキサポート(後退時の自動ブレーキ)は、N-BOXに勝っているところの一つ。逆にN-BOXにはミリ波レーダーを備えたホンダセンシングがあり、ACCが標準装備になるわけだが。

自動運転の軽で埋め尽くされる未来がやってくる

スズキ スペーシアの画像

ほかにないデザイン、1ミリ・1グラムの戦いを行う軽自動車こそ、ニッポンの物づくりの象徴。ちなみにバイク界の軽自動車とも言える原付一種(50cc原付スクーターなど)は、ヤマハがホンダからOEM供給を受けることになり、製造は実質的にホンダとスズキの2社になってしまいそうだ。50ccバイクは日本でこそ十分だが、海外ではもう少し大きな排気量が主流で、日本市場のためだけに50ccを開発するのは割に合わない。その日本でも50ccはどんどん売れなくなっており、もはや風前の灯。日本だけでは商売にならない時代だ。

ところが軽自動車の方は国内専用ながら、ますます売れている。2018年2月の販売総合ランキングでは、1位がN-BOX(2万2007台)、2位が日産デイズ(1万4294台)、軽以外では3位にやっと日産ノート(1万3769台)が入り、4位がスペーシア(1万3620台、)、5位がムーヴ(1万3479台)、6位がタント(1万2911台)と続いて、このあと7位にやっとプリウス(1万1507台)だ。

 
スズキ スペーシアの画像

いつも書くように、ヴォクシー、ノア、エスクァイアの3兄弟車を合わせれば1万7647台となるし、デイズの販売台数はデイズルークスとの合算になっているから(ワゴンRとスペーシアを合算しているようなものだ)、ランキングの上下や細かい数字に意味はないが、日本では軽が、その中でもトールタイプの軽がますます売れているのは確かだろう。スペーシアのように、デザインよし、機能性よし、燃費よし、さらに安全性も高くなっているとなれば、絶対的に維持費が安い「軽で十分」は、こと現代の日本社会なら当分続くはず。

「軽で十分」はつまり、クルマに夢や憧れ、ステイタスをどんどん感じなくなり、クルマは便利な「移動の道具」にすぎないという、今後のクルマ社会を先取りした事象と言える。実際「道具感」あふれるスペーシアで、予防安全機能がさらに充実し、やがて自動運転機能がついたら、小さくて広くて機能的なパーソナルモビリティとしてほぼ文句なし。その場合、走りの性能など、これで十分だ。日本のクルマ社会は自動運転の軽で埋め尽くされる、そんな未来がやってくるのかも。いや、すでに街は軽で埋め尽くされているかw。

 

試乗車スペック
スズキ スペーシア ハイブリッドX
(0.66L直3 NA・CVT・146万8800円~)

●初年度登録:2017年12月
●形式:DAA-MK53S
●全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm
●ホイールベース:2460mm
●最低地上高:150mm
●最小回転半径:4.4m
●車重(車検証記載値):880kg(-+-)
●乗車定員:4名

●エンジン型式:R06A
●排気量:658cc
●エンジン種類:直列3気筒DOHC・4バルブ・横置
●ボア×ストローク:64.0×68.2mm
●圧縮比:11.5
●最高出力:38kW(52ps)/6500rpm
●最大トルク:60Nm (6.1kgm)/4000rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン
●アイドリングストップ機能:有り(マイルドハイブリッド)
●使用燃料:レギュラーガソリン
●燃料タンク容量:27L

●モーター形式:WA05A
●モーター種類:直流同期電動機
●定格電圧:-V
●最高出力:2.3kW(3.1ps)/1000rpm
●最大トルク:50Nm(5.1kgm)/100rpm

●バッテリー:リチウムイオン電池
●バッテリー容量:10Ah

●トランスミッション:CVT(無段変速機)

●システム出力:-kW(-ps)
●JC08モード燃費:28.2km/L(FFの場合)

●駆動方式:FF(前輪駆動)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):トーションビーム+コイルスプリング
●タイヤ:155/65R14 ( Dunlop Enasave EC300+ )

●車両本体価格:146万8800円(メーカーオプション含まず)
●試乗車価格(概算):-円(オプション込み)
※オプション合計(概算):-円
※オプション内訳:全方位モニター用カメラパッケージ 7万7760円、2トーンルーフパッケージ 6万4800円、アップグレードパッケージ(LEDヘッドランプ、LEDサイドターンランプ付ドアミラー・14インチアルミホイール) 7万5600円、全方位モニター対応ナビゲーションシステム -円

●ボディカラー:オフブルーメタリック ホワイト2トーンルーフ
●試乗距離:約100km


試乗車スペック
スズキ スペーシアカスタム ハイブリッドXSターボ
(0.66L直3ターボ・CVT・178万7400円~)

●初年度登録:2017年12月
●形式:DAA-MK53S
●全長3395mm×全幅1475mm×全高1785mm
●ホイールベース:2460mm
●最低地上高:150mm
●最小回転半径:4.6m
●車重(車検証記載値):900kg(530+370)
●乗車定員:4名

●エンジン型式:R06A
●排気量:658cc
●エンジン種類:直列3気筒DOHC・4バルブ・ターボ・横置
●ボア×ストローク:64.0×68.2mm
●圧縮比:9.1
●最高出力:47kW(64ps)/6000rpm
●最大トルク:98Nm (10.0kgm)/3000rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン
●アイドリングストップ機能:有り(マイルドハイブリッド)
●使用燃料:レギュラーガソリン
●燃料タンク容量:27L

●モーター形式:WA05A
●モーター種類:直流同期電動機
●定格電圧:-V
●最高出力:2.3kW(3.1ps)/1000rpm
●最大トルク:50Nm(5.1kgm)/100rpm

●バッテリー:リチウムイオン電池
●バッテリー容量:10Ah

●トランスミッション:CVT(無段変速機)

●システム出力:-kW(-ps)
●JC08モード燃費:25.6km/L(FFの場合)

●駆動方式:FF(前輪駆動)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):トーションビーム+コイルスプリング
●タイヤ:165/55R15 ( Bridgestone Ecopia EP150 )

●車両本体価格:178万7400円(メーカーオプション含まず)
●試乗車価格(概算):-円(オプション込み)
※オプション合計(概算):-円
※オプション内訳:全方位モニター用カメラパッケージ 7万5600円、ピュアホワイトパール ブラック2トーンルーフ 6万4800円、全方位モニター対応ナビゲーションシステム -円

●ボディカラー:ピュアホワイトパール ブラック2トーンルーフ
●試乗距離:約120km

●試乗日:2018年2月
●車両協力:スズキ株式会社

 
 
 
 
 

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