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トヨタ ヴェルファイア ZG(2/3)新車試乗記(第831回)

Toyota Vellfire

2018年02月23日

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基本性能&ドライブフィール

試乗したのはV6・8速ATモデル

試乗したのは3.5L V6モデルの「ZG」(FF車)。車両本体価格は494万7480円だが、試乗車は本革シートやT-Connect ナビ、3眼LEDヘッドランプ、JBLプレミアムサウンドシステムなどのオプション込みで649万6200円と、まさに「高級」ミニバン。2列目のキャプテンシートにベンチレーション機能が備わらない点とかを除けば、限りなく「エグゼクティブラウンジ」に近い。

10年くらい前は頻繁に試乗していたトヨタの3.5L V型6気筒エンジンだが、レクサスやクラウンなどのFRモデル以外で乗るのは久々。ダウンサイジング&レスシリンダーが普通になった昨今、貴重な自然吸気の6気筒エンジンだ。

とはいえ、このV6、形式こそ見慣れた「2GR」で始まるものの、直噴+ポート噴射の「D-4S」システムを搭載した「2GR-FKS」。大排気量エンジンゆえの弱点である燃費を改善したほか、最高出力301ps、最大トルク361Nm (36.8kgm)とけっこうなパワーを誇る。

 

普通に大人しく走る分には、低回転域でのトルクが印象的。V6独特のサウンドをかすかに響かせながら、この巨体をヴィッツかプリウスのように何の苦もなく走らせる。車検証で車重を確認したら、なんと2110kg。これはFF車の数値で、4WD車だと同じ仕様で2170kg。普通に走らせる限り、とてもそんなに重いとは思えない。

一方で「301psもあるとは思えないなぁ」とも途中までは思っていたが、試しにシフトレバーをマニュアルモードにして高回転まで回すと、ショートストロークのV6エンジン(ボア×ストロークは94.0mm×83.0mm)は額面通りのパワフルさと吹け上りで2.1トンのボディを軽々と引っ張る。FF車でも荒っぽさはまったくない。

ボディ剛性を若干アップ

乗り心地は前席で運転している限り問題ないが、肝心の2列目、3列目については、残念ながら時間の関係で試していないので何とも。

アルファード/ヴェルファイアはこの現行型で操縦安定性や乗り心地がグッと良くなったが、全体的に日本車らしいというかトヨタ車らしいというか、よく言えばゆったり穏やか、悪く言えばボディの剛性感はそれほどなく、これを良しとするかどうかが評価の分かれ目だろう。なお、今回のマイナーチェンジでは、構造用接着剤の適応範囲を拡大したり、高剛性ガラス接着剤を使用したりすることでボディ剛性を高め、操縦安定性や乗り心地を高めたとのこと。そこはやはり、もっと向上させたい、という判断があったのだろう。

ハンドリングについても初代アルファードはもちろん、先代アル/ヴェルあたりと比べても大幅に進化し、もう「大型ミニバンだから」という気づかいは必要なしに走るようになった。この点もボディの大きさや重さを忘れさせる一因だろう。ちなみに現行モデルのリアサスはダブルウイッシュボーン、試乗車のタイヤは235/50R18だ。

ACCが0~180km/h対応に。操舵支援も新採用

100km/h巡行時のエンジン回転数は、8速トップで1400rpmほど。ここからでもキックダウンせずに加速するのがこのエンジンのいいところ。

最新世代となったレーダークルーズコントロールをONにすれば、停止(0km/h)から全車速対応で追従走行を行うほか、設定上限速度もレクサスの新型車(LCなど)と同様に180km/hになった。

とはいえ、レーダークルーズの加速・減速調整は、今どきの(そしてレクサスLCや新型LSでも採用されている)ステアリングスイッチ方式ではなく、昔ながらのレバー上げ下げタイプ。他社のACCに慣れていると、ついつい関係のないステアリングスイッチを操作してしまうが、トヨタ車ユーザーであればすんなり使えるだろう。

 

また、新たに採用された「レーントレーシングアシスト(LTA)」のおかげで、ついにアルファード/ヴェルファイアでもレーダークルーズコントロール作動時に、操舵支援が行われるようになった。これは車線からの逸脱を防ぐだけでなく、車線中央維持をアシストするもので、実際に試してみると、その作動は今どきの最新レベル。同条件での比較ではないが、感覚的には直近で試乗したボルボの新型XC60やマツダ CX-8あたりに遜色なく思えた。とはいえジャンクションなどの曲率が大きいコーナーではやはりOFFになってしまうが。

 

あと、試乗中に何度も意識させられたのが、単眼カメラで制限速度などの交通標識を読み取り、メーター内に表示する「ロードサインアシスト(RSA)」。制限速度40km/hのところでは「40km/h」と看板マークが表示され、それを超過すると標識マークが真っ赤になる。速度抑制効果はけっこうあるように思った。

「アダプティブハイビームシステム(AHS)」を採用


3眼LEDヘッドランプ。上段の内側がハイビームで、外側2つがロービーム。下側はクリアランスランプ、コーナリングランプ、シーケンシャルターンランプ

新型アルファード/ヴェルファイアには2眼タイプのLEDヘッドランプと、先行車や対向車のドライバーを眩惑しないようハイビーム/ロービームを自動的に切り替えるオートマチックハイビーム(AHB)がほぼ全車標準になった。

さらに試乗車には、上級装備の3眼LEDヘッドライトと、照射範囲を部分的に遮光しながらハイビームを照射する「アダプティブハイビームシステム(AHS)」がオプション装備されていて、実際に試すことが出来た。

 

アダプティブハイビームシステム作動イメージ(photo:Toyota)

ヘッドランプのハイ/ローを自動で切り替える機能は今や珍しくないが、単にハイ/ローを切り替えるだけの普及型であるAHBに対して、AHSは先行車や対向車のところを巧みに遮光しながらハイビームを積極的に使用し続けるというもので、「よく照らす」という点では優秀。手動でハイビームに切り替えたくなることは一度もなかった。

 

アダプティブハイビームシステム作動イメージ(photo:Toyota)

一方で、戸惑ったのは操作方法。トヨタ車のAHSは、ライトスイッチを通常のONもしくはAUTOの位置にし、さらにライトレバーを奥に押し、さらにステアリング右下にあるメインスイッチをONにして、初めてシステムがONになる(詳しくはトヨタの公式HPにも掲載されている取扱説明書を参照)。トヨタのAHS搭載車では以前から採用されている操作方法だと思うが、今回もちょっと戸惑ってしまった。

もう一つ気になったのが、先行車や対向車がいるところでも、ときどきメーター内にハイビーム警告灯の青いランプが点灯してしまうこと(おそらく遮光ハイビームが点灯している状態)。AHSがONである限り、相手は眩しくないはずだが(実際、遮光されているようであり、対向車にパッシングもされなかった)、けっこう心配になってしまった。これもそのうち慣れるのだろうか?

試乗燃費は7.5~8.0km/L、JC08モード燃費は10.6km/L~(V6モデル)

今回は約200kmを試乗。参考ながら試乗燃費は、いつものように一般道や高速道を走った区間(約80km)が7.5km/L。郊外の一般道を大人しく走った区間(約30km)が8.0km/Lだった。

なお、JC08モード燃費は、試乗したV6モデルがマイチェン前より約1割良くなって10.6~10.8km/L(4WD車は10.4km/L)、2.5L 直4モデルが11.4~12.8km/L(4WD車はおおむね12.0km/L)、ハイブリッド車(全車E-Four)がおおむね18.4km/L。

指定燃料は、直4モデルとハイブリッドに関してはレギュラーでOKだが、V6はハイオク。ということで燃料費でV6モデルとハイブリッド車を比べてしまうと差は大きそうだ。

なお、燃料タンクは純エンジンのFF車で75L、ハイブリッド車を含む4WD車で65Lの大容量。

 
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