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VW ポロ新車試乗記(第835回)

Volkswagen Polo

(1.0L直3ターボ・7速DCT・209万8000円~)

「MQB」で3ナンバー。
いろいろ良くなったNewポロで
Bセグの将来を占う!

2018年05月18日

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キャラクター&開発コンセプト

「MQBプラットフォーム」を採用


新型ポロ(photo:VGJ)

欧州では2017年6月に発表、日本では2018年3月20日に発売された新型「ポロ」は、up!(Aセグメント)とゴルフ(Cセグメント)の間に位置するBセグメントのコンパクトカー。

 

初代VW ポロ(1975年)(photo:VGJ)

初代ポロは1975年にデビュー。約8年ぶりのフルモデルチェンジで登場した新型は6代目にあたる。世界累計販売台数は1400万台以上、本格導入は1996年からだった日本でも25万台以上が販売されたベストセラーモデルだ。

 

新型ポロ(photo:VGJ)

新型ポロのトピックは、ゴルフ7(2012年発売、日本導入は2013年)から始まった「MQBプラットフォーム」が採用されたこと。MQB(ドイツ語でModularer Querbaukasten)とは「エンジン横置FF車用モジュール」を意味し、VWでは現行のパサート、ティグアンなど、アウディではA3やTTなどで採用されている。

MQBによって、全長は従来の3995mmから4メートル超の4060mmに、全幅は1685mmから3ナンバー幅の1750mmに拡大。室内の広さに影響するホイールベースも80mm延長されている。操縦安定性や静粛性などの諸性能も底上げされた。

先進装備を充実。3気筒の1.0L TSIエンジンを採用


Apple CarPlay(photo:VGJ)

先進安全・運転支援装備についても、MQBの採用によって充実。ミリ波レーダーによる歩行者検知機能付のプリクラッシュブレーキシステム 、全車速対応ACC(アダプティブクルーズコントロール)、ブラインドスポットディテクション(後方死角検知機能)などを採用。また、高まった内外装質感、上級モデルと同様のインフォテイメントシステムも見どころ。

 

1.0L TSIエンジン(photo:VGJ)

エンジンは、先代ポロで主力だった4気筒ターボ「1.2 TSI」に代えて、新型では3気筒ターボ「1.0 TSI」を採用。これまで以上のダウンサイジングを推し進めている。

 

価格帯&グレード展開

ひとまず全車1.0Lターボで209万8000円~265万円


新型ポロ TSI トレンドライン(photo:VGJ)

欧州仕様には、自然吸気の1.0L 3気筒「1.0 MPI」、1.5L 4気筒ターボの「1.5 TSI」、ディーゼルターボの「1.6 TDI」、新型ポロ GTIの「2.0 TSI」など多種多様のエンジンがあるが、日本市場にはひとまず1.0L 3気筒ターボ「1.0 TSI」(95ps版)が導入された。

トランスミッションは欧州だと5速/6速のMTもあるが、日本向けは先代と同じ7速DSG(いわゆるDCT=デュアルクラッチトランスミッション)になる。

 

新型ポロ TSI コンフォートライン(photo:VGJ)

グレードは3種類。標準車は「トレンドライン」で、中間グレードの「コンフォートライン」は、2ゾーンフルオートエアコン、15インチアルミホイール、リヤビューカメラ(バックモニター)を標準装備し、さらにオプションの「セーフティパッケージ」(11万8800円)でACC等の運転支援装備を追加できる。

最上級グレードの「ハイライン」では、ACC、LEDヘッドライト、キーレスアクセス、16インチアルミホイール等が標準装備になり、さらにハイライン向けの「セーフティパッケージ」(9万7200円)でパークディスタンスコントロール等の運転支援装備を追加できる。

 

新型ポロ TSI ハイライン(photo:VGJ)

ボディカラーは、テーマカラーの「エナジェティックオレンジメタリック」やVWの定番色「フラッシュレッド」など全8色。VWにしては豊富な方だが、高級感のある「アイボリーシルバーメタリック」と「ホワイトシルバーメタリック」はハイライン専用色になる。

New Polo (1.0L 3気筒ターボ + 7DSG)
■TSI Trendline  209万8000円
■TSI Comfortline 229万9000円
■TSI Highline    265万円 ※試乗車

8インチディスプレイは全車標準。純正ナビは11万8000円


純正インフォテイメントシステム「ディスカバープロ」(photo:VGJ)

インフォテイメントシステムについては、全車に8インチディスプレイ、AM/FMラジオ、CDプレーヤー、Bluetooth、スマホアプリと連携する“App-Connect”等を備えた「コンポジションメディア」を標準装備。

さらに、コンフォートラインとハイラインには、メーカーオプションでナビゲーションシステム、DVDプレーヤー、地デジ等をセットにした「ディスカバープロ」(22万6800円)を用意する。

実際の販売主力は、コンフォートラインかハイラインのセーフティパッケージ付、と推測されるが、となるとナビ無しでも価格帯は240万~275万円ほどで、現行のゴルフ7(253万9000円~)と完全にオーバーラップする。

 

パッケージング&スタイル

外寸は一昔前のゴルフ並み

ボディサイズ(先代比)は、全長4060mm(+65)×全幅1750mm(+65)×全高1450mm(-10)、ホイールベース:2550mm(+80)と、全高を除いて全方向で拡大。全長はついに4メートルを超えて3世代前のゴルフ4(4155mm)に迫り、全幅はゴルフ5(1760mm)並み、ホイールベースは1世代前のゴルフ6(2575mm)並みと、要するに一昔前のゴルフ並みになった。

 

最小回転半径も、先代の4.9mから5.1mに拡大。そのせいか「思ったほど小回りが効かないな」という感じは、正直なところ少しある。ちなみにゴルフ6は5.0m、ゴルフ7は5.2mだから、数値的にはその中間ということになる。

スポーティさ重視

実車の印象は、少なくとも横から見る限り大きくなった感じはしないが、真正面から見ると、ああ確かに3ナンバー。全高が低いせいもあり、ポロとは思えないワイド&ロー感がある。

パッケージング面で言えば、先代ポロは室内の広々感を主に室内高で稼いでいたが、新型はどちらかと言うとホイールベースと室内幅で広さを確保した感じ。つまりプラットフォームの変更にともない、パッケージングとスタイリングの両方が変化している。VWのハッチバック車では、いま一番スポーティなデザインかも。

 

(photo:VGJ)

細かい部分では、フロントのLEDポジションランプ(ハイラインはLEDヘッドライトも標準装備)、ショルダーに入った2本のキャラクターライン、そして触ると分かる凹形状のホイールアーチなどがポイント。極めてシンプルなデザインだった先代とは、この点でもずいぶん異なる。

また、このクラスでは珍しい、歩行者の衝突被害を軽減をするためのアクティブボンネットは全車標準で、これもボンネットを低くしたいという、スポーティさ重視の表れだろう。欧州の衝突安全テスト「ユーロNCAP」では、もちろん最高評価の5つ星を獲得している。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
スズキ イグニス (2016~) 3700 1660 1595 2435 4.7
MINI クーパー(2014~) 3860 1725 1430 2495 5.15
スズキ スイフトスポーツ (2017~) 3890 1735 1500 2450 5.1
先代VW ポロ(2009~2018) 3995 1685 1445~1485 2470 4.9
スズキ バレーノ(2016~) 3995 1745 1470 2520 4.9
トヨタ アクア(2011~) 3995~4060 1695~1715 1445~1500 2550 4.8~5.4
新型VW ポロ(2018~) 4060 1750 1450 2550 5.1
マツダ デミオ(2014~) 4060 1695 1500 2570 4.7~4.9
ルノー ルーテシア(2013~) 4095~4105 1750 1435 2600
VW ゴルフ7.5(2017~) 4265 1800 1480 2635 5.2
 

インテリア&ラゲッジスペース

インパネは水平基調。質感は大幅アップ

インパネはゴルフ7流に、横方向に広がる水平基調に変化。全幅1800mmのゴルフ7から乗り換えても、横方向の広々感でそんなに負けない感じになった。

一方、傾斜が強まったフロントウインドウのせいか、頭上には少々圧迫感があり、先代のようにアップライトに座るのではなく、座面を低めにセットした方がしっくりくる。

 

ハイラインはスポーツシートを装備。背もたれは相変わらずダイアル調整式

内装の質感は先代でも高かったが、新型では「ここまでやるか」というくらい、さらに向上。インパネの加飾パネル、純正インフォテイメントシステム周辺のガラスパネル、そしてハイラインだとLEDの夜間照明など、Bセグメントとは思えない作りになっている。

上級モデル譲りのインフォテイメントシステムを採用


純正インフォテイメントシステム「ディスカバープロ」(photo:VGJ)

そしてポロにもついに、VW上級モデルと同じインフォテイメントシステム(2種類)やモバイルオンラインサービス「Volkswagen Car-Net」が導入された。

具体的にはまず、全車にAM/FMラジオやCDプレーヤー、リアビューカメラ(バックモニター)を備え、Android AutoやApple CarPlayに対応する「コンポジションメディア」が標準装備になった。これは要するに、ナビは手持ちのスマホでいいでしょ、と割り切った仕様。特にAndroid端末ユーザーでGoogleマップを常用している人なら、これで十分かもしれない。

なお、毎回書いているように、Android AutoやApple CarPlayを使う際には、車両とスマホをUSBケーブルで接続する必要がある。また、スマホがiPhoneの場合、車両ディスプレイに表示できるのはApple標準マップのみだ。

 

iPhoneと接続し、Apple CarPlayを起動した状態

いやいや、やっぱり車載ナビは欲しいし、地デジも見たい、という人には、コンフォートラインとハイラインに用意されている、8インチタッチパネル付きの純正ナビゲーションシステム「ディスカバープロ」(22万6800円)がある。もちろん、これもAndroid AutoやApple CarPlayに対応している。

 

なお、ポロには、アウディ等のように4Gの車載通信モジュールは搭載されないが、手持ちのスマートフォンやWi-Fiルーターでテザリングすれば、専用サーバーに接続することで最新ニュース、天気予報、駐車場などのリアルタイム情報を検索・取得できる「ガイド&インフォーム(Guide & Inform)」機能を利用することができる。これは新車購入時から3年間無償で、その後は有償のサービス。とはいえ、こういったネット検索については、今のところは手持ちのスマートフォンやAndroid Autoで普通に検索した方が手っ取り早いかも。

後席フットルームの余裕が増した

ホイールベースが80mm伸びた分、後席はフットルームが増加。先代の後席も十分に実用的だったが、前席を少し前に寄せないと後席の足もとが狭くなりがちだった。新型では前ほど気を遣わずに済みそう。もちろんゴルフほど広くはないが、座り心地はカチッとしていて悪くない。ドア開口部が広がって足運びが楽になった分、乗降性も若干良くなった。

荷室容量は351Lとあるが……


写真はフロアボードを下段にした状態

荷室容量は先代の280Lから351Lにアップ、と資料にはあるが、これは床下スペースも含めての数値。350Lと言えば、2世代前のゴルフ5と同値だが(ゴルフ7は380L)、少なくとも床上の広さは、ちょっと横方向が増えたかな、というくらいで先代ポロと大差ない印象。もちろん普段の買い物には十分な広さだ。

 

後席の背もたれはワンタッチで倒せるが(上位グレードは左40:右60の2分割)、水平にはならず少し斜めになってしまう(これはゴルフ7も同じ)。拡大時の最大容量は先代の952Lから173Lも増えて1125L。これはホイールベースのアップが大きいと思う。

荷室フロア高は、深底か上げ底か(約100mm差)を選べて、上げ底にすればフロア面がバンパーレベルでフラットになる。このあたりは先代とほぼ同じだ。

 

一方、フロアボードから下の眺めは、先代とまったく異なる。先代では発泡樹脂製の仕切りボックスがあり、そこにパンク修理キットと小物収納スペースがあったが、新型ではボディパネルむき出しのくぼみにパンク修理キットが直接固定されており、周囲が空きスペースに。見た目は殺風景だが、荷室容量は増えるし(ここがマジックのタネ)、普段は覗かない場所だからこれでOK、という判断だろう。

その気になればスペアタイヤも搭載できそうだが、オプション設定はない。しかしパンタグラフジャッキは標準装備で、荷室左側のナイロン製バッグの中に納まっていた。

 
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